次の日、俺はDクラスを無事抜けれた安堵心からか知らないが体調を崩して熱を引いてしまった。申し訳ない限りだが、学校に連絡し、敷地内にある病院に行く。そこには超美人ナースのお姉さんがいた。
「うーん、これはインフルエンザですね。」
「え?インフル、この時期にですか?」
これが冬とかならわかるが今は6月中旬、そんな筈は無いのだが……
「まぁインフルなっちゃったものは仕方ないですよ…お薬出して学校に連絡して起きますね〜。」
「ありがとうございます。」
結局俺はインフルで1週間学校に行けなくなってしまった。龍園にその旨を伝えると石崎に看病に行かせると行っていたが丁寧に断っておいた。
病院から帰って俺は一先ず寝る事にする。
体調の悪かった俺は薬を飲んで横になると、すぐに意識を失った。
ピーンポーン! チャイムの音で俺は目を覚ました。俺を心配した龍園でも来たのだろうか、俺は寝ぼけ眼を擦りながら扉を開けると、目の前には星ノ宮先生がいた。俺は理解が追いついていなかった。夢だろうか。
「体調大丈夫?ちょっと話したい事があってきたんだけど。」
そういえばこの人保健室の先生だったなと思いつつ俺は扉を開ける。というか教師が生徒の寮に来ていいのだろうか。
「あんまり良くは無いです。話ってなんですか?」
俺は頭に冷えピタを貼りながら話す。口には黒マスクだ。どこぞの暴走族みたいである。
「単刀直入に言うね、Bクラスに来る気ない?移動出来るだけのプライベートポイントは持ってるの知ってるよ?」
「は?」ちょっと理解が追いつかない。これは夢なのかもしれない。ほっぺたを抓ったが痛かった。現実は夢より意味が分からなかった。
「いや、虐められてたDクラスに復讐したかったみたいだし、うちでもいいんじゃないかなーって思って聞いてみたの。」
「お断りします。龍園とは気が合いますし待遇もいいので。」
「え〜本当に〜?」
「もし坂上先生が倒れて代わりにCクラスの担任になったとかなら協力してあげます。」
現実である以上俺は即答する。これは事実だ。まぁこれだけでは無いが。
「残念、目的は復讐かな?」
当たりだ。口には出さないが心の中で呟く。
「まぁいいや、それならそれで。それよりも来週一年の担任教師と校長の土下座撮影会あるじゃない?坂上先生は天野君の口聞きで恩赦になったらしいんだけど私ぶっちゃけ土下座なんてしたくないのよねー。別に私何も悪い事してないし、サエちゃん馬鹿なのが悪いし。」
茶柱先生が無能なのは間違えないし怒りたくなる気持ちも分かる。ある意味この人も冤罪だろう。
「まぁいいですけど……見返りはなんですか?」
「お小遣いあげるよ〜。10万ぐらいでどうかな!」
「お断りします。」
そんな端金いらない。Dクラスはそんな端金すら無いだろうが。
「うーん、逆に何が欲しいのかな?」
「星ノ宮先生に貸しが一つ作れるってところでどうですか?」
インフルのせいで頭の回らない俺は取り敢えずこの話し合いの権利だけを先延ばしにする事にした。それはどうやら相手にも伝わったらしい。
「まぁ今の状態だし仕方ないね。それでいいよ。」
星ノ宮先生は保健室の先生としてちゃんとした応対をしてくれた。俺は星ノ宮先生に社交辞令の一礼をして再度横になり意識を飛ばした。
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「という訳で、Dクラス山内の手すり破壊の件については10万プライベートポイントで、Aクラス坂柳、葛城、Bクラス一之瀬とぶつかった件についてはDクラスのクラスポイントマイナス30、Aクラス、Bクラスにそれぞれクラスポイントプラス20、10という結論になった、以上でホームルームを終了する。」
坂上先生が教室を去る。
一週間後、今日は教師の土下座撮影会と例のDクラス専用特別試験の投票、並びに結果発表の日だ。ちなみにDクラスから退学候補として出されたのはお察しの通り『山内春樹』。
ちなみにCクラスは全員『退学するべき』に投票している。理由は単純で退学に追い込まれた事が原因でクラスを裏切ったらラッキー。裏切らなくても面白い見世物という訳である。
「天野、伊吹、アルベルト、Dクラスに行こうぜ。」
龍園が楽しそうに笑いながら言う。恐らく山内をフルで煽るつもりだろう。誰の目にも退学は明らかだしな。
道の途中で坂柳派閥と会う、どうやら行先も目的も同じなようだ。
「おい坂柳、お前もかよ、クククク。」
「山内君には衝突させられたあと私を小さいとバカにするような発言をされましたので、これからの彼の様子が楽しみですね。」
龍園と坂柳は楽しそうに笑う。常人には理解出来ないだろう。
「あんたもそっち側なんだ…」
伊吹に急に話しかけられる。どうしたんだこいつ。
「顔、ずっとニヤけてる。まさか無自覚なの?キモ。」
伊吹に言われてやっと自分が笑っている事に気付く。俺はどうやらこれから起こるであろう『惨劇』を楽しみにしているらしい。
「boss。」
「お、どうやら着いたようだな。さてどんな状況なのか見物だぜ。」
龍園は至極楽しそうに笑う。
そこには、結果を知らされ阿鼻叫喚に騒ぐ山内と楽しそうに笑う高円寺、大喜びするDクラスの姿があった。
「一体どうなってんだこれは、クククク。」
龍園がまたも楽しそうに笑う。笑いすぎて腹筋壊れるんじゃないかこいつ?
「まぁ妥当だよね……それよりもそろそろ借りたプライベートポイント返してくれないかにゃ?」
一之瀬達プライベートポイントを貸したBクラスが返済をこのタイミングで申し立てる。中々の鬼プレイだが山内は何をやらかしたのだろうか。
「今までの行いを考えれば妥当だろうな。だが山内、お前は自己肯定感が高すぎた。お前程の無能は恐らくDクラス、いや歴代のDクラスにも居ないだろうが、何はともあれお前は俺を怒らせたのだ。お前への怒りのおかげで俺はある意味成長を果たしたが感謝をするつもりは無い。」
葛城が怒ったように言う。顔は真っ赤になっていて頭は太陽みたいだ。
「品性の欠片もありませんわね、生き恥ですわ。」
何故ここに居るのか知らないが綿白神も続く。そして踵を返して立ち去っていく。顔合わせたくなったし助かった。
「僕達Dクラスの意見としては…山内…お前は退学するべきだ…」
何故か平田が山内の退学を勧める発言をする。俺は耳を疑った、いや大半の人間が耳を疑っただろう。あの平田がクラスメイトに退学を『推奨』している。誰もが目を疑う光景だった。
「君はさっさとデリートするべきだねぇ。」
高円寺も続く。この自由人が口を挟むとは珍しい。
「貴方の無能な不良品たる実力が招いた結果よ。自己責任ね。」
さらに堀北が追い討ちをかける。何人敵に回してるんだこいつは。
「諦めろよ、お前みたいなクズを助ける奴なんかいるわけねぇんだからよ!!不良品!!!」
さらに龍園が煽る。
「四面楚歌、ですね。まぁ私も山内君は退学するべきだと思いますよ。」
坂柳からの死刑宣告。それにしても全クラス全派閥が山内の退学を望んでいるように見える。一体こいつは何やらかしたんだ。
「まぁ後で説明してやるよ。」
困惑している俺に龍園が耳打ちをする。
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話は1週間前に遡る。
投票前日の放課後。退学候補の話は想像の100倍静かだった。この試験の開始が決定してから山内は神室というAクラスの女子と毎日二人で帰っているらしく授業態度が疎かになっていたこと以外は普通だった。まるで何も無かったように。
「少し時間をもらえるかしら」
声をはった堀北が、そう言って教室の生徒に呼びかけた。何事かと、当然注目は集まる。
「皆、申し訳ないけれど、暫くこの場に残ってもらいたいの」
茶柱先生もまた、堀北の様子が気になったのか一度足を止める。
「どうしたのかな、堀北さん」
「明日の特別試験に関して、
どうしても話しておくことがあるの」
「明日の試験に関して?」
「なんだよそれー。俺これから寛治と遊びに行く予定があるんだけどさ!」
「そ…そうだよな」
そう言って山内たちが、時間がないことをアピールする。
「随分と余裕なのね2人とも。明日には誰かが退学するかもしれないのに、遊びにいく予定をしているなんて
「それは……ジタバタしてもどうにもならないから、覚悟を決めたって言うか」
「そう、立派な心がけね。だけど、悪いわね、全員があなたのように立派なわけじゃない。この話は全員に残ってもらわなければ意味のないことなの。協力してもらえる?」
「一体なんの話なんだよ」
「明日の試験、そして退学者について。大事な話がしたいの」
そう言って堀北は話出す。
票のコントロールにより、本来残るべき優秀な生徒が退学になる危険性。そして、堀北の意見は山内が退学になるべきとの事だった。理由はこれまでの貢献度の低さ、そして、この試験での山内の暗躍が暴かれいく。
「あなたは綾小路くんを退学させるために、櫛田さんを使って色んな生徒に口利きをしていたわね」
ざわっと、教室がどよめく。
桔梗に山内の助力を許可したのは、この流れを作る為だったのか。これで清隆は同情されるべき被害者になった。
堀北は山内をさらに追いつめていく。
「……寛治、寛治から聞いたんだよ!なあ!?」
「いやっ、え?俺は違うって!」
当然池は否定する。
「そうなの?池くん」
「いやいやいや、違う違う。俺は……」
そこで言葉に詰まる池。
「答えられないという事は、山内くんの言う通りあなたが首謀者なのかしら?」
「違う、違う!だから、えっと…その助けてくれって頼まれたんだ…ある人が困っているから綾小路に批判票をいれてくれって」
「そ、そうだ!俺、桔梗ちゃんに誘われたんだよ!綾小路退学にさせようって!」
一つの嘘から始まった連鎖は留まる事を知らない。
「まさか、あなたが首謀者なの?櫛田さん」
あくまで堀北は一人ずつ辿っていく。
そして、ここまで沈黙を守っていた桔梗が始めて口を開いた。
「ひ…ひどいよ…。山内くん。堀北さん…」
「私は何もしていないよ?みんなに聞いてもらってもいい」
「「「えっ!?」」」
堀北・山内は当然として、綾小路も驚いている。
桔梗の言う通り直接的な口利きは誰にもしていない。
「う…嘘だ。ちゃんと桔梗ちゃんと契約もしている。そ…そんなはずはない」
山内が脅えながら言う。
「山内くんに相談されたのは事実だよっ。凄く悩んだんだけど…、私にはどうしてもクラスメイトを陥れる事はできなかったの。力になれなくてごめんね。山内くん」
「納得いかねぇって!なんかもう、納得いかねー!」
「そっそうだっ!俺なんかより高円寺のほうが退学すべきだろっ!常にクラスに協力はしない。一人も友達はいない。退学になっても誰も困らないはずだ!!」
「経緯はどうあれ元凶が山内くんである事は間違いのない事実のようね。」
「ま、待てって堀北。俺は違うんだって……」
その後、堀北の説明で山内がAクラスの生徒と繫がっており、今回その指示で動いていた事が明らかとなる。
「以上が私の見解よ」
そう言って締めくくろうとする堀北。
「待ってほしい堀北さん」
「……何かしら」
「僕も山内君が退学候補になるべきだと思っている。その上で言わせて欲しい。皆で退学候補の投票を山内君に集めて欲しい。これは僕からもお願いしたい。」
「クソ、こうなったら他クラスで無能のフリをして残させてやる!!」
まさかの平田からの退学候補の誘導。流石にこれには誰も逆らえないという雰囲気がどんどん充満していく。それを察知したらしい。
それにしても平田が退学を推奨か、どうやら平田の成長はこちらを遥かに超えるものらしい。
結果、クラスは山内以外の教師を含めた全員が退学候補は山内に決定させた。
山内春樹はそれを聞き他クラスへ飛び出して言った。平田達もそれを追いかける。
「あ?入れる訳ねぇだろうが?俺の右腕を虐めておいてよく言えたな。そんな事が。」
平田達が山内に追いついた頃にはCクラスに断られている山内の姿があった。
「あんなゴミみたいな無能な犯罪者より俺のが有能だって!な?」
「お前は自己評価すらまともに出来ねぇのか、不良品だな。」
心底不愉快そうな顔で龍園は山内を不良品扱いしてどこかへ行った。
「Bクラスはお人好しが多いって話じゃねぇか、助けてくれよ!なぁ!」
山内は今度はBクラスに向かったらしい。
「うーん、前貸したプライベートポイントも返して貰えてないしなぁ……」
「そんなん知るかよ!あいつらの問題だろ!助けてくれよ!!」
いやガッツリ山内のせいだが……そんな事すら理解できない山内には哀れみすら覚えてしまう。
「いやぁきみの赤点のせいだよね?やっぱり入れてあげらないかなぁ……」
「ふざけんなよ!!!ちょっと勉強が出来て性格が良くて可愛くて胸がでかくて勉強が出来るからってこのくそビッチが!」
山内はそれだけ捨て台詞を残してAクラスへと向かう。恐らくこの発言のせいでBクラスはさらに絶望的だろう。
「山内が本当にごめん。」
一之瀬に謝る平田、というかDクラスの大半はすごい勢いで謝ってた。
「別にDクラス全体に怒ってるわけじゃないから大丈夫だよ。気にしないで。」
Dクラス全体には怒ってないが山内には怒っているらしい。
取り敢えずAクラスに平田達は向かうことにした。
「あなたのような品性の欠片も感じない者には投票しています。撤回するつもりはありませんわ。」
「まずぶつかった事を謝られては?」
「物を頼みに来る時のマナーもなっていないとは…」
3派閥三様だが全員に見事に断られていた。
「なんだと!この金だけのボンボンと障害者と生まれつきハゲの下民が!!」
さらに山内はAクラスに喧嘩を売る。こいつは馬鹿なんだろうか。俺はこいつに対する思考を放棄する。狂人の思考など理解しようとするだけ無駄だ。
「ふざけんなよお前!葛城さんのことなんも知らないくせに!」
「待て、やめろ弥彦!!」
瞬間、弥彦から手が出る。山内に綺麗なグーが入った。幸いにも周りが人に囲まれて監視カメラには映っていなさそうだ。
「てめぇ、殴りやがったな。学校に訴えてやる!!」
「俺たちAクラスは全員弥彦の証人として殴ってないという事実を説明させてもらう。だいたいお前らは天野に同じような事をしたはずだ、違うか平田。」
山内の当然とも言える反応だが葛城は心外とでも言いたげな反応をする。
「そうだね。僕たちDクラスも山内が殴られていないと言う証人として出るよ。」
どうやら仲間からも見捨てられるらしい。
「クククク、俺たちCクラスも協力するぜ!!」
龍園一派も協力の意を示す。
「俺たちBクラスもだ。」
神崎も名乗りをあげる。Bクラスの後ろのメンバーは頷いている。一之瀬は流石に居なかったが。
「クソ!クソ!てめえらなんか!」
山内は怒りに満ちた表情でどこかに走り去って行った。
それから1週間山内は学校に来なかったが、ついに今日学校に来た。その目は焦点があっておらず虚ろで何やらブツブツ呟いていて怖かった。ちなみに山内の訴えはしっかり学校に棄却された。
そして今に至る。
という話らしい。
「なんで俺が退学なんだよ!それも163対1で退学とか舐めてんのか!俺以外全員じゃねぇか!!」
すげぇなこいつ…多分俺でもそれは出来ないぞ。
「ふざけるな…こんな試験、こんな、こんな、ふざ、ふざけ、ふざけた試験でぇぇぇぇぇぇ!!!」
山内は発狂しながら何処かへ消え去ってしまった。
俺は、その景色を見ながらなにがなんだかわからないが大喜びしていた。
そして俺は大喝采のDクラスを後に教師の土下座撮影会に行くが、いまいち気分は晴れなかった。龍園は楽しそうにしてたが。
俺はDクラスに復讐するつもりだったが助けたようななんとも言えない気分のまま一日を過ごすのだった。
土下座撮影会作ったはいいけど何も書くこと無かったのでダイジェストにしました。期待してた人ごめんね
Dクラスを
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許すな!
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許してあげよう