ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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やっっっっと無人島終わった、長かった..............


天国と地獄

「ふぁぁぁ.......ぁぁ。」

 

5日目の朝、恐らく10時ぐらいだろう。俺は背を伸ばす。たっぷり寝溜めといて良かったな、と俺は昨日を思い返しながら思う。

 

「おはよう。なんかいつも寝てない?天野君。」

 

「気のせいだろ。」

 

一之瀬からジト目で見られるが気付いていない振りをする。

 

「そう言えば白波さんは昨日のうちにリタイアしたよ。流石に新しいリーダーは誰かは言えないけどね。」

 

まぁこれで言ったらそれはそれで困る。

 

「一之瀬、Aクラスから葛城を呼んできて貰ってもいいか。少し話し合いがしたい。」

 

「えーと、わかったけど一緒に着いてきて貰っていいかな?」

 

まぁ裏切る可能性のあるスパイ候補だし仕方ないか。俺の怪我も薬指以外は治ってきてるし大丈夫だろうが。

 

「あぁ、いいぞ。」

 

「それじゃあ私行ってくるね!神崎くんあとはおねがい!」

 

「任された。」

 

神崎にその場を任せて、俺と一之瀬はAクラスへと向かう。

 

「一之瀬、龍園が例の偽物の熊とその共犯にやられてリタイアした。」

 

「え!?龍園君が.......そんなの初耳だよ。」

 

一之瀬の反応にしては少し違和感がある。まるで初めから共犯がいる事を知っていたかの様な反応だ。

 

「共犯についてなんか知ってるのか?一之瀬?」

 

「な、何も知らないよ。それよりも今から葛城君の所に何しに行くのかな??」

 

何故だか一之瀬は誤魔化すのが下手になっている気がする。動揺が顔に出ている有様だ。という事は共犯は黒幕Zでほぼ確定だろう。熊の事については知らなかったっぽいし黒幕Zに一任、という事だろう。

 

「そうだな、今回の試験俺たちが潰し合うメリットは薄いからAクラス、Bクラス、Cクラスで同盟を結ぼうと思ってな。幸いと言うべきか.......龍園はリタイアして指揮権は何故か俺の所に来たからな。」

 

「龍園君もやっぱり天野君を評価してるみたいだね。確かにスポット占有のポイントが0になるリスクは多いからね。元々私達はリーダーの指名をする気も無かったしいいよ。」

 

一之瀬はそこら辺は原作通りらしいので良かった、あとは葛城だが.......こちらは龍園がスパイの話を作っているだろうしどうなるか怪しい所だな。

 

「ありがとう、そのお礼という訳じゃないがBクラスのリーダーは堀北だ。あいつらにリタイア作戦を思いつく頭も無いだろうしリーダーの変更も無いと思う。」

 

「えぇ.......そんな簡単に言っちゃっていいのそれ、まぁ私も平田君達がいない今のDクラスなら思いつくのは無理かなーって思っちゃうかにゃ。まぁそういう事なら指名しちゃってもいいのかな?信用していいんだよね?」

 

「あぁ、問題無い。あまり詳しい事情は言えないが堀北は絶対にリタイア出来ないだろうからな。」

 

「うん、信じるよ。天野君なら。」

 

一之瀬は強い意志の宿った瞳でこちらを見てくる。天野君ならシリーズは流行っているのだろうか。枕詞みたいなものかもしれない。乙女心ってわからんな。

「お、Aクラスの所に着いたよ。」

 

Aクラスのところは原作通り洞窟だった。案の定中が見えないようにしてある。葛城らしいな。

 

「葛城!話がしたい!」

 

中に入る訳にも行かないので俺は大声で呼ぶ。隣にいた一之瀬が少し恥ずかしそうだったのだがまぁ見なかったことにしよう。

 

 

「.......天野か。何の用だ。」

 

葛城は洞窟からでてきた。隣にいる弥彦は要らん。

 

「俺とお前と一之瀬の3人で話がしたいんだが.......今空いてるか?」

 

「こんな奴らと話す理由ないですよ!葛城さん!!」

 

隣で弥彦が遮ってくるが俺の知ったこっちゃない。

 

「弥彦、お前はここに残れ、俺は行ってくる。」

 

「葛城さぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

何故か泣きながら叫ぶ弥彦を他所に、俺たちは森の中へと向かった。何処か人の居ないところで話すべきだろう。

 

「すまない。あいつはお前らCクラスが熊を用意したと思っているようなんだ。」

 

「いや、俺らは知らん。なんなら龍園がその熊にやられたんだぞ。」

 

それを聞くと葛城は少し驚いたのか目を見開いた。

 

「何!?龍園がやられた.......という事はスパイの方は見込めそうにないな。仕方の無い事だが。」

 

まぁ普通に考えればそうなるだろう。が、片方は達成されるのだからこいつも運がいいな。

 

「葛城、Dクラスのリーダーは堀北だ。」

 

「堀北がリーダーだと.......証拠はあるのか?」

 

葛城が驚いたようにこちらを見る。こいつさっきから驚いてばっかりだな。

 

「証拠、と言うよりは証人のが正しいか、たまたまDクラスの六馬鹿である池と外村が話しているのを耳にした。あいつらに嘘の情報を流す力は無い。しかも事の成り行きは堀北の独断専行のようだし、伊吹も恐らくリーダーは堀北と言っているから真実味は高いと思う。ちなみに一之瀬達Bクラスも指名するらしいぞ。」

 

「わかった、お前の発言を信じよう。」

 

葛城は少し悩んだ挙句、書くことを選んだようだ。

 

「ほう?証拠が用意されなきゃ動かないとすら思ってたんだがな。俺は。」

 

「確かに今までの俺ならそうしていただろう。だが俺の腹心は熊にやられた。俺はその熊が坂柳達に仕組まれたものだと思っている。彼奴らに勝つためには今までの俺では行かんのだ。一歩前へ進む必要がある。」

 

葛城は険しい顔をして言う。

 

「だから龍園と組んだのか。」

 

「あぁ、勿論龍園は信用出来んが、お前なら別だ天野、お前は龍園と同等の権限があるという噂もある。少なくとも虐めにあったお前が他人を裏切るような真似はしないと思ってる。」

 

何があったらこんなに葛城から信頼されるのかわからんが。まぁ悪い気はしない。

 

「まぁ加害者以外は、だけどな。そう言ってくれるとありがたい。ただ場合によっちゃ俺もやるかもしれねえしそんなに信用するべきじゃねぇと思うけどな。」

 

「にゃはは、それを言っちゃうあたりが信用出来る証拠だよね〜」

 

「同感だな。お前の発言は肝に銘じておく。」

 

俺にはよくわからんがまぁ信頼してくれるに越したことはないだろう。

 

「それじゃあ次に、俺たちA、B、CクラスはDクラス以外にリーダーの指名を行わない。これが契約書な。」

 

そう言いながら俺はポケットから3枚分の契約書(同じ内容)を取りだした。

 

契約書の内容だが、

 

1,Aクラス、Bクラス、CクラスはDクラスのリーダーの指名を「堀北鈴音」として行い、Aクラス、Bクラス、Cクラスはお互いを指名し合わないものとする。

 

2,この契約を破った場合、この契約を結んでいた他のクラスの代表者に1億プライベートポイントを贈呈するものとする。贈呈できない場合はクラスメイト全員を退学とする。

 

「それとお願いします。『坂上先生』。」

 

俺は坂上先生を呼んだ。坂上先生はなんやかんやあって昨日の到着になってしまったようだが間に合って良かった。もしも間に合わない場合は星ノ宮先生に頼むつもりだったがあの人は少し不安だしな。

 

「この契約は天野君に頼まれた通り私が立ち合います。万が一にでも契約を違えた場合は.......分かりますね?」

 

坂上先生の言葉に葛城、一之瀬の両名は頷く。

 

「それでは契約内容の確認をしてください。」

 

「俺は問題無い。」

 

「私も大丈夫です。」

 

「俺もだ。」

 

俺も含めて3人から承認を得たのを見て坂上先生も頷く。

 

「それでは契約成立とします。Dクラスのリーダーについてですが、万が一を起こさないためにも学校側でDクラスの回答は堀北鈴音で固定しておきますがいいですね?」

 

俺達は頷く、これで堀北の指名についてはまず大丈夫だろう、が、俺は念の為保険を打っておく。

 

「坂上先生、加えてDクラス以外の全クラスの指名権ももう必要ないように思われます。葛城と一之瀬もいいよな?」

 

俺の言葉に葛城と一之瀬も頷く。問題はなさそうだ。

 

「わかりました。それでは学校側には責任をもって私が報告しておきます。以上でよろしいですか?」

 

「はい、大丈夫です、ありがとうございました。」

 

坂上先生は俺達に肩入れしまくってる気がしないでもないが、まぁこれでとりあえずは大丈夫だろう。俺はその場で葛城と別れ、一之瀬とBクラスへと戻る。

 

「ていうか、天野君はBクラスじゃなくてCクラスの拠点に戻っちゃってもいいんじゃにゃいかな?もう龍園くんいないんでしょ?配下の人達が逆らおうにも全権は天野君に移ったみたいだし。」

 

「それもそうじゃん。」

 

そのまま俺達は別れた。そしてこの契約を結んだ以上。最早金田にリーダーをやらせずとも、俺がフルスロットルでスポットの数を増やした方が早いので金田にはリタイアしてもらうべきだろう。

 

俺は急いでCクラスの拠点へと戻った。

 

「おかえりなさい天野君、そんなに急いでどうされたのですか?」

 

おっとりとひよりが聞いてくるが今回はなるべく急いだ方がいいだろう。

「他の奴らは?」

 

「木下さんは言われた通り潜伏しています。山田君と金田君は他のスポットの更新かと、伊吹さんはDクラスのリーダーが堀北さんだと分かったのでリタイアされました。説明不要かとは思いますが龍園君と石崎君もリタイアです。今いるのは私、木下さん、山田君と金田君に天野君です。」

 

まぁ木下は潜伏させ続けるとしても.......残りは全員で動くしか無さそうだ。

 

「アイツらが戻ってきたら金田はリタイアさせる。次のリーダーは俺がやる事を本部に伝えるが、誰に見られてるかわからん。椎名は自分に指をさしながら俺がリーダーだって言ってくれ。」

 

「わかりました。」

 

「あれ?天野氏戻ってこられたのですか?堀北の件は順調ですよ。」

後ろから金田の声が聞こえる、どうやらアルベルト含め戻ってきたらしい。

 

「金田とアルベルト、悪いが今すぐ急ぎ目に本部まで行くぞ。俺が椎名をおぶっていくからアルベルトは金田をおぶっていけ。」

 

「YES、BOSS。」

 

俺はボスでは無いがこの場ではボスという事なのだろう。日本語はまだ話せないが聞き取りは出来る、ということだろうか?

 

「悪いが椎名、急ぐぞ。」

 

「わかりました.......きゃっ!」

 

俺は椎名から了承の返事を得るや否やすぐにおぶった、少し後ろの手にお尻の感覚がしなくもないがそっちに神経をやったら明日から俺にクラスの居場所は無くなるだろう。

 

「一分一秒が惜しい、行くぞアルベルト!」

 

「YES、BOSS!」

 

そして俺たちは2人をおぶって急いで本部まで走った。おそらく3分程度で本部には着いただろう。身体能力ガチ勢×2の力は恐ろしい。

 

「どうされましたか?」

 

本部から坂上先生が出てきた。この人本部戻って来るの早過ぎないか?と思ってしまったがこの学校の教員だしまぁ出来るかと納得している自分も少しいる。

 

「金田をリタイアさせます。」

 

まずは俺が言った。俺は椎名にアイコンタクトを取っておく。

 

「わかりました。キーカードは貰いますね。」

 

 

「新しいリーダーは天野くんでお願いします。」

 

椎名は自分を指しながら言った。坂上先生も少し困惑しているだろう。さらに困惑するような発言が出るかもしれないが、

 

「ぇぇぇぇぇぇ、アルベルト!!!あっ、しまった!」

 

俺は大声で誤報を伝える。これでDクラスのヤツらが引っかかってくれれば御の字と言った所だろう。

 

「えーと、天野君でいいんですよね?」

 

坂上先生の確認が入る。

 

「はい、そうです。」

 

俺達はそれに了承の合図を得る。坂上先生も残りはフェイクだとわかってくれたようだ。

 

「さっきのは二重トラップという事ですね。それではこれがキーカードです。」

 

「ありがとうございます。」

 

俺達はキーカードを渡されるや否やその場を去っていく。もちろん椎名は俺がおぶっていくのだがとても恥ずかしそうだった。背中に感じる柔らかい2つの物質の感触の事は考えない事にした。考えたら明日から学校に居場所は無いだろう。

 

 

「はぁ.......結構疲れたな。」

 

「恥ずかしかったです.......」

 

椎名は顔を赤くしながら恥ずかしかっていたが仕方ない事もある。

 

「悪いが、どうし、ようも、ない、」

 

俺は少し息を切らしながら言った。我ながら情けないが怪我の影響が多少あるらしい。

 

「いえ、気にしないでください。」

 

椎名は手を振り否定しながらその場に座った。

 

「まぁ何はともあれだ、行くぞアルベルト!」

 

「YES!BOSS!」

 

それから俺たちは自分たちが占有していたスポットに加え、新たにもうひとつスポットをみつけ占有をして、スタンプラリーのような行動を繰り返し続けた。

 

7日目の朝に木下に聞いたところリタイア者は居なかったらしい。

 

その他に何かあったとしたら俺は櫛田に堀北の回収を頼んでおいたぐらいだろう。リタイアさせないよう見張っておいたしな。

 

 

そして.......

 

「皆さん、試験が終わりました。リーダーの指名は契約通りとします。それではスタート地点の浜辺に戻ってください。」

 

結局最後まで残ったのは俺、椎名、アルベルト、木下の4人だけだったが俺達は浜辺に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺達より先に来ているクラスはBクラスだけだった。

 

 

 

『今暫くお待ちください、ただいま試験結果の集計をしております』

 

 

 学校側によって、用意されていた飲み物などを各自で分け合う。

 

 集計が終わるまでは、ちょっとした自由時間になっていた。

 

 「俺はコーラにするがお前らもコーラでいいか?」

 

俺は皆に確認を取る。

 

「YES!BOSS!」

「なんでもいいよ私は。」

「同じくお任せします。」

特に反対意見もなさそうなのでコーラにした。

 

 

「お疲れ様、契約通り行きそうだね。」

 

「お疲れ様、協力感謝する。」

 

一之瀬がこちらに話しかけてきた。

 

他のBクラスは、試験が終わって和気あいあいとしている。

 

 あいかわらずのチームワークと言った感じだ。無人島生活を協力して上手く乗り越えたことが、見ているだけも伝わってくる。それにしても本来ならリタイアしたはずの木山がいる、というのは引っかかる。つまりはリタイアをプライベートポイントで取り消し、リーダーにするつもりだったが俺の契約で無意味になったと言ったところか。

 

 

 

暫くしてAクラスがやって来た。綿白神派の一条がいるが、おそらくそういう事なのだろう。今回リタイアしたフリ作戦の人多くない?やっぱりあの契約結んでおいてよかったな。

 

 

そして最後に絶望的なオーラを纏いながらDクラスがやって来た。何があったんだ?後で櫛田に聞いてみるか。御門は流石に居なかった。まぁ学校にバレたらやばいしな。堀北はリタイアせずにその最後尾を着いてきてはいたがその様子はとても痛々しかった。

 

土汚れに塗れた髪、痣のある顔、ボロボロのジャージに泥だらけの腕、熱があるのか顔も赤く、女子に言うのもあれだがなにやら臭う。そして股間の部分には黄色の液体で濡れたような後がある。漏らしたのだろうか?

 

クラスメイトも誰一人として話しかけようとはしていない。

 

それにしても熊の事件は何事も無かったかのように扱われている。

 

「これより特別試験の結果を発表する」

 

 

 Aクラスの担任が、拡声器を使って説明し始めた。

 

 ガヤガヤとしていた声が消えて、結果発表に耳を傾ける。

 

 

 詳細の説明はしない、質問も受け付けないと突き放しておきながら、自分たちで受け止めろという無茶ぶりの前置きを入れた上で、点数発表が始まる。酷すぎるだろ。

 

 

「では最下位」

 

 

まぁ流石にDクラスだろう。確認を取るまでも無いと思うが。

 

 

 

「Dクラス、0ポイント」

 

 

「ふざけんなよ堀北!!」

 

「クソ!あいつが勝手にリーダーなんてやるから!」

 

「下着泥棒の本堂といい新六馬鹿は本当にゴミ!」

 

「沖谷がCのリーダーがアルベルトとか言うから!」

 

どうやら下着泥棒になったのは今回は本堂らしい。堀北の独断専行と池と外村のマヌケムーブもそうだがDクラスは永遠に六馬鹿が作れそうな気がする。というかアルベルトのあれ引っかかった奴いたんかい。

 

 

「続いて、Bクラス!709ポイント、2位はCクラス!811ポイント!」

 

 

 Cクラスはだいたい100の差をつけてで2位だった。Bクラスの一之瀬はクラスメイトに手を合わせているが実質はDクラスの1人負けだし問題は無いだろう。

 

 

Bクラスは検討を称え合っているが、うちのクラスは生憎と4人しかいないためどうしようも無い。

 

 

「1位はAクラスの861ポイントだ!」

 

 

 そして、1位を取ったのはAクラス。

 

 当然という顔を見せるだけで、Aクラスの生徒は特にリアクションを取らなかった。葛城派は、だが、一条は苦々しそうな顔をして、橋本は驚いていた。此奴らのどっちかじゃねぇの、熊。

 

 

 まぁ何はともあれ、Dクラスの1人負けという結果で、1週間の特別試験は、幕を閉じた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「お前ら。試験は良くやった。2位なら上出来だ。それにDクラスはもうAクラスの取り合いなんか参加出来ねぇだろうな。」

 

 

 

龍園の言う通りだろう。まぁ今回の狙いの一端はそれなのだが、ちなみにこの場にいるのは俺と伊吹にアルベルト、金田と椎名、そして木下だけだ。ほかのやつは今頃豪華客船を楽しんでいる事だろう。

 

 

「まぁ色々聞きてぇ事はあるが、まずは木下、リーダーのリタイアをした奴はうちのクラス以外にはいたか?」

 

 

 

「いや、いなかったよ。熊に襲われてリタイアした三輪君以外は誰もリタイアして無いはず。」

 

「なるほど、よくやった、金は後で振り込んでやるからお前はもう休め。」

 

それを聞くと木下は荷物を持って自分の部屋へと向かう。

 

その後、食事に行くもの、そのまま休むもの、遊びに行くものなどいるだろうが、木下がどのタイプかは分からなかった。

 

「次にアルベルト、金田、椎名、お前らも後で金を振り込んでおくから帰っていいぞ。」

 

 

「お疲れ様です、龍園氏、お大事になさってください。」

 

「それでは帰らせてもらいますね。」

 

「Yes、BOSS。」

 

今回の試験、おそらくCクラスのMVPの一人はアルベルトだろう。なかなかきついだろうによくスポット周回を頑張ってくれたものだ。

 

 

アルベルトと金田はこのあとシャワーを浴びて制服に着替え直して寝るらしい。制服になる意味があるのかは怪しいが

 

 

ちなみに俺は久しぶりに触った携帯端末の感触に安心感を覚えていた。メールは一通、確認すると櫛田からDクラスの残っていたポイント分とあった出来事に着いて送られてきていた。俺いつ連絡先交換したっけか.......少し怖くなったが考えない事にしよう。

 

「伊吹、堀北の件については御苦労だった。お前も金を振り込むから戻っていいぞ。」

 

「あいつ、熱っぽかったけどね。無理してた感じはあったよ。」

 

「ククク、そうか。」

 

それだけ言い残して伊吹は去っていった。

 

「それで天野、この試験結果は、どういうことだ?ある程度の予想は付くが説明しろ。」

 

 

 

「良いけど、俺のも多少憶測が入る。」

 

「構わねぇ。話せ。」

 

 

まぁ俺も試験結果について、考えたかったので、ちょうどいいと言えばちょうどいいか。

 

 誰かと話すことによって考えも纏まるだろう。それにしても龍園は頭に包帯を巻き、左腕と左足はグルグルに固定されていたり全治2週間らしいので次の試験も参加は見送られるだろう。

 

「えーとまずは結果についておさらいしよう。

 

 

Aクラス861ポイント

 

 Bクラス709ポイント

 

Cクラス811ポイント

 

Dクラス0ポイント

 

 これが試験の結果だ。ここまでは大丈夫だな?」

 

「あぁ、それでなんでDだけゼロなんだ?」

 

「まぁまずは、各クラスごとに考えればいい。分かりやすいのはDクラスからだ。

 

 

 試験終了時に、Dクラスが残してたポイントは151ポイントらしい。

 

さらに、スポット占拠のボーナスポイントが何ポイントかはわかんがそこそこのポイントが加算される予定だった。だがリーダーを当てられ、なおかつ外したからな、無意味に終わったわけだ。

 

 他クラスのリーダー当てには、本部前で俺が大声で『えぇ!アルベルト!』って驚いたフリして叫んだのを聞いた本堂が指名して外して-100ポイントだ、加えてA、B、Cの3クラスから指名をされてさらに-300ポイント、今回の試験にマイナスがなくて良かったなあいつらって感じだな。」

 

「ククク、やっぱお前は最高だな。続けろ。」

 

「次は……Bクラスだな。Bクラスのポイントは、709ポイントだった。だがこのポイントの前に説明しなきゃ行けない契約がある。A、B、Cがお互いにお互いのリーダーを指名しないって条約だ。これについては後で説明する。

 

あとはDクラスのリーダーを当てて+50、残りは物資のポイントとスポットで稼いだんだろうな。」

 

「なるほどな、続けろ。」

 

 

 

「残るは、CクラスとAクラス。大差ないと思うがCクラスのがわかりやすいだろうからCクラスから話すぞ。

 

 

 Cクラスの試験結果は、811ポイントだ。

 

 Cクラスは0ポイント作戦を取っており、与えられたポイントは使い切っている。となると、試験結果に反映されたのは、ボーナスポイントだけだ。

 

 BクラスとDクラスのリーダーがわかっていたので、リーダーの指名では50ポイント×2で100ポイントを確保しているはずだった。だが後で説明するが俺はBクラスのリーダーを見逃した。

 

 

あとはスポットだな。俺とアルベルトでクソほど走り回って何とかしたり結局最後のリーダーは俺だ。」

 

「色々気になるが取り敢えずまぁ続けろ。」

 

 

 

「残ったのがAクラス。Aクラスを考える前に、試験発表の場にはAクラスの生徒は39人だった。これは三輪がお前のように熊に襲われてリタイアしていたからだ。

 

熊については結局分からずじまいだったがこれも俺の憶測になるが後で話す。

 

まぁこちらもDクラスのリーダー指名で+50ポイント、あとはスポットに加えて物資のポイント270ポイントで1位ってところか。まぁ結果こそ1位だがプライベートポイントの契約を考えると俺達が勝ったようなもんだろうよ。」

 

「なるほど、それじゃあ後で説明すると言ってた件について説明しろ。それと俺は次の特別試験は多分参加出来ねぇ。お前に全権を委ねておく。」

 

 

龍園にしてみれば目的はそっちらしい。むちゃくちゃニヤニヤしている。怪我したんだから休めよ。次の試験は干支試験だろう。果たして何人参加出来ることやら。

 

「まず熊についてだが、お前が背後から共犯者に潰されたって話と熊とお前が取っ組み合いになって互角ぐらいだったっていう御門の話から、少なくとも熊は男、共犯者も男じゃないかと踏んだ。お前が女に一撃でやられるのは不意打ちとはいえ想像がつかんからな。」

 

「あぁ、おそらく男だろうな。」

 

龍園も頷く。

 

「で、何故だか本来リタイアしたはずの人間を俺は3人あの無人島で目撃している、一人は御門だがまぁこいつはいい。問題は残りの2人、木山と一条だ。何をしたと思う?」

 

龍園は暫く考えたのち、ひとつの結論に辿り着いたらしい。

 

「なるほどな.......プライベートポイントか。その発想はなかったな。」

 

そういうと龍園は1度目を伏せる、思うところはあるらしい。

 

「あぁ、こいつらのどちらか、あるいは両方が熊と共犯だと踏んでいいだろう。こちらをこの状態のまま放置した上でBクラスのリーダーを指名しなかった件、並びに黒幕Zの俺の予想に付いて考察していくぞ。」

 

「それが聞きたかったぜ、黒幕Zは誰なんだ?なぁ?俺が見つけたかったが、この体じゃ無理だろうし聞かせてくれよ!」

 

まるで玩具を貰った子供だな。

 

「えーと、まず俺と一之瀬の話し合いでなんだが、一之瀬は熊の話についてはとても驚いていた。つまり一之瀬は熊は知らないって事だな。だが、プライベートポイントで島に残る方法の話しの時は明らかに動揺していた。これが確か3日目の話だったはずだ。」

 

龍園は真剣な顔で話を聞く。お前そんな顔出来たんだな。

 

 

「だが五日目に熊とその共犯に龍園の話をした時、一之瀬は龍園がやられた事に心底驚いていた。そのせいの可能性もあるが、一之瀬は共犯の件について何も触れずに龍園のリタイアに驚いた。これは少し違和感を感じた。その後話を誤魔化すかのように話を逸らした。」

 

「なるほどなぁ。つまり一之瀬は熊の共犯を知っていたってわけだ。動揺とは奴らしくはねぇがな。」

 

「おそらく一之瀬のポリシーに反するやり方を黒幕Zがやってきたからだろう。」

 

 

「なるほどな。」

 

 

龍園は眼帯のない右目から獰猛な目線を向けてくる。

 

「この時点で俺はBクラスに共犯がいる事、並びに熊はBクラス以外のクラスであることを半分確信していた。それでまずは熊から処理しようか、これは消去法で犯人がわかる。」

 

「なるほどな、橋本は俺と仮にも手を組んで葛城を貶める計画があった。となると一条のやつか?」

 

龍園は暫く神妙な面持ちで考えた後に俺と同じ結論を出す。やっぱこいつ頭の回転早いな。てか橋本とそんな計画あったのかよ。怖すぎだろ。

 

「今の話でBクラスが潰れ、Cクラスでもない。葛城派の人間が葛城派のナンバー2を消すとも思えないから葛城のとこの奴でもない。Dクラスにそんな頭は無い。残ったのが一条ってところだろうな。証拠こそないだろうが俺は確信している。」

 

「いや、御門が協力を打診した理由は一条が気に食わねぇからだ。その御門が一条が熊の着ぐるみを脱いでるところの動画を取って、今回の件の犯人として学校側に提出した。どうなるかはわからねぇが、まぁ痛い目は見るだろうよ。それよりも黒幕Zと共犯についても聞かせろ。」

 

こいつ初めから熊わかってたんじゃねぇか。それにしても御門は偉いな。堀北もかなりボコボコにして心を折ってくれたらしいし金は多めに振り込んであげて欲しいものだ。

 

「黒幕Zについてだが、俺達はそもそも録音の時点で勘違いをしていた。そしてあれは俺達が嵌められたんだよ。」

 

 

「どういう事だ?」

 

訳が分からなさそうな表情でこちらを見る龍園。俺も気付けたのは本当に偶然だ。

 

「黒幕Zは女じゃなくて男だ。龍園は両性声って知ってるか?」

 

 

それを聞いた龍園は笑い出したが体が痛いのが悲鳴をあげてた。安静にしてろよお前.......。

 

「なるほどな、女声を作った男って事か。となると態々女声を作る必要はねぇから録音機に気付いてた。つまり俺たちを嵌める為の罠で、リーダーは誰かしらの女になるだろうって事だな。お前が3クラスで不可侵条約を結んだのもそういうことだな。」

 

龍園はわかったようだが念の為補足はしておこう。

 

 

「両性声って言うのはお前も知ってるっぽいが女の声と男の声の両方が出せるって奴だ。詳しくは知らねぇが練習すればできるもんらしいからな。

 

それで女のふりをして録音、運良くリーダーが男になると認識させる事でリーダーが女なのをバレないようにしたって所か。そのままにしていたら俺達はリーダーチェンジしに来たBクラスの男を指名していた訳だ。シンプルに上手いな。」

 

「クククク、、つまり黒幕Zは熊の共犯でリタイアしていた振りをした木山って事か。」

 

「まぁ証拠は無いだろうがそうだろうな。騙すための音声を録音させる事もあって一之瀬にはある程度伝えていたんだろうが完全に裏目に出たんだろうな。」

 

とはいえ一切の証拠が無い。木山にこれから俺達は窮地に立たされるかもしれないな。

 

「それにしても両性声とはどうやって気づけた。」

 

「たまたまDクラスに行った時に新六馬鹿のメンバーを聞いたら沖谷が混ざっていた。沖谷は女みたいな男で声も女みたいな奴だ。もしかしたらその黒幕Zがそう言うタイプかもしれないと思った。それで女声を出せる男を考えてたら両性声の存在を思い出したって訳だ。」

 

本当は櫛田の裏の顔と表の顔の声の使い分けで気づいたがまぁ黙っておこう。櫛田の裏の顔を知られるのは止めた方がいい。

 

「なるほどな。やっぱりお前は有能だ。取り敢えず次の試験は俺と三輪は怪我で出れねぇだろう。坂柳も山内の件がなきゃ学校に居残りだから参加しちゃいけない事になっているらしい。アドバイスとかも禁止らしいからAの次の指揮権はねぇだろうな。

 

それから一条もこの訴えのせいで参加は無理だろう。堀北もボコボコだからきついだろうぜ。後は高円寺も仮病を使って休むらしい。有名所で思いつくのはこんなところか。」

 

どうやら想像以上にみんな居なさそうだな。

 

「まぁお前にも金は振り込んでやる。堀北への裁判の事も学校についてから話すがひとまず休め。」

 

俺は龍園のアドバイスを聞きそのまま部屋を出る。そして櫛田の送ってきたDクラスの騒動について確認する。

 

 

内容を要約すると

 

・軽井沢の下着が本堂のバックの中に入っており本堂は下着泥棒という事になった(おそらく伊吹の仕業だろう。)

 

・堀北は4日目辺りから失踪していたためスポットの更新が出来ず、点呼のマイナスが合った。

 

・7日目の朝に堀北を回収したが廃人化していた。

・俺の誤報を聞いて沖谷が自信満々に俺の名前を書いて外した。

 

・篠原と池の言い合いのせいで男女仲がとてつもなく悪くなった。

ぐらいだろうか。まぁこれからさらにDクラスは辛い目に合うだろうが、櫛田も大変だな。

俺は一言お疲れ様と返すとそのまま部屋に戻り、シャワーを浴び、ベットで横になるのだった。

 

 

 

 

 

現在のポイント

 

 

Aクラス1151ポイント➛+861ポイント➛2012ポイント

 

 

 

Bクラス951ポイント➛+709ポイント➛1660ポイント

 

 

 

Cクラス721ポイント➛+811ポイント➛1532ポイント

 

 

 

Dクラス0ポイント➛+0ポイント➛0ポイント

 

 

 




第3巻部分完結です。その場のノリでスポットのポイントとか増やしたら想像の100倍インフレしてしまいました。お許しください。(´;ω;`)

大量のオリキャラと圧倒的なDクラスの不利な状況、インフレを抱えながら4巻に突入します。

ついに動きだした主人公、明かされる黒幕Z、Dクラスの非協力な天才達.......次話もぜひお楽しみに!

山内に再登場

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