ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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和平

この豪華客船、名前をマリアージュ4号と言う。学校側が用意した最新式の客船だ。この船は全九階層と屋上に分けられている。地上五階、地下四階だ。勿論各所に監視カメラは設置されているので横柄な態度を取れるものでは無い。

 

 一階はラウンジや宴会用のフロアとなり、屋上にはカフェやプールがある。

 

 二階は今回の干支試験の開催場。

 

 三階から四階は客室が用意されており、今回は俺たち、高度育成高等学校の一年生の宿泊施設なっている。三階が男性、四階が女性となっており、これは教師や学校関係者も例外ではない。ただし異性の階に行ってはならない、というルールは定められていない。強いて言うなら、深夜零時から午前六時間の滞在及び立ち入りが禁止されている。咎められた場合、一回目は注意、二回目はプライベートポイントの徴収、三回目はクラスポイントが引かれると言った具合に、行為を重ねる毎に重い罰が与えられる。つまるところ一回ぐらいならバレてもセーフという事だ。

 

 

 

 地下一階から三階はカラオケや舞台などの娯楽施設。また、簡易的だが図書館やスポーツジムが設置されている。

 

五階、地下四階は禁止エリアとなっている。

 

 そして現在、場所は二階、干支試験の会場、その一室、龍の絵が貼られた部屋の扉を俺は開ける。試験開始は10分後だが、今のうちから入り多少の挨拶はすませておくべきだろう。

 

「天野か、お前も龍グループだったな。龍園が不参加というのは本当の話か?」

 

部屋には神崎とアルベルト、後誰か知らない奴が居た。おそらくあいつが葉山なのだろう。

 

このグループのメンバーだが

 

一年A組──葛城康平(かつらぎこうへい)、戸塚弥彦(とづかやひこ)、綿白神姫華(わたしらがひめか)

 

 

 

 一年B組──一之瀬帆波(いちのせほなみ)、神崎隆二(かんざきりゅうじ)、葉山勇斗(はやまゆうと)

 

 

 

 一年C組──天野 聖(あまの セイント)、山田アルベルト(やまだアルベルト)、龍園翔(りゅうえんかける)

 

 

 

 一年D組──櫛田桔梗(くしだききょう)、佐藤麻耶(さとうまや)、平田洋介(ひらたようすけ)

 

 

このうち綿白神と龍園は欠席、葉山以外の顔は全員知っているのであいつは葉山だろう。くすんだ金髪の髪をしていて、平田や南雲を足して2で割ったような印象を受ける……

 

「今日の試験!頑張ろうね天野くん!」

 

ふと呼ばれたので後ろを振り返るとそこには櫛田と佐藤が居た。佐藤の方を見てみると気まずそうに目を逸らされた。まぁ前虐めてた相手が目の前にいたらそうなるのも仕方が無いのかもしれないが……。

 

「あぁ、出来れば皆で結果1を目指して協力し合おう。難しいかもしれないけどな。」

 

「でも目に自信が宿ってるよ?秘策でもあるのかな?」

 

「まぁそんな所だ。」

 

 

嘘です。秘策なんてないです、ただの虚勢なんです。とは流石に言えなかった。

 

俺達はそのまま席に座る。俺はアルベルトの1個右、その1個右に櫛田、その2個右に佐藤が座った、ちなみにアルベルトの2個左に神崎、その隣に葉山が座っている。

 

「いつ見ても凄いメンバーだねぇ……龍園君と綿白神さんがいない事を差し引いても全グループで1、2を争うレベルのメンバーだろうねぇ。」

 

一之瀬が改めてメンバー表をメモしたと思われる紙を見ながら言う。その点は俺も同感だ。確か原作では元々通例で龍グループに人を集めるよう言われてた筈だ。つまりはそう言う事だろう。

 

それにしても何故一之瀬は戸塚と来たのだろうか。葛城は見たところ居ないようだが……。もしかして派閥から追放でもされたのかもしれない。一之瀬は神崎の1個左の席、戸塚は葉山の1個右に座った。

 

「どうやら俺たちで最後のようだな。」

 

「そうみたいだね。」

 

最後に葛城と平田がやってきたようだが、珍しい組み合わせだな。何かしら話し合いでもしていたんだろうか……?

 

「どうやら全員揃ったみたいだね。」

「これで全員のようだな。」

 

 

 

そう言いながら葛城は戸塚の1個右、平田は櫛田と佐藤の間に座った。残りは不参加となった龍園と綿白神の枠ってとこか。

 

 

『ではこれより一回目のグループディスカッションを開始します』

 

 

 

簡潔で短いアナウンスが流れた。だが流石は龍グループと言うべきか、一切の焦りや同様は見受けられなかった。

 

 

暫く睨み合いが続く。誰が口火を切るか、このようなリーダーだらけのグループだと特に問題である。その冷戦のような空気を壊したのは運営のアナウンスだった。

 

 

『『龍』グループに通達します。体調不良の為、一年Aクラス綿白神姫華さん、一年Cクラス龍園翔さんは今後行われるグループディスカッションに参加出来ません。『龍』グループの生徒の皆さんは、引き続きディスカッションを行って下さい』

 

 

 

 そんな放送が流れた。教師たちも説明こそしているだろうが一応という事だろう。何はともあれこれで確実にあの二人の参加は出来なくなった。言い回しからして、運営側はこの部屋だけに放送を流したのだろう。他の部屋でも山内にやられたり熊にやられたりで参加出来ない奴は多そうだな。

 

「龍園の策略……という事はなさそうだな。」

 

葛城が空席の龍園の席を見ながらぽつりと呟く。教師に言われてもなお信じて貰えない辺りは流石は龍園と言うべきか。

 

その発言を最後にやがて何とも言えない空気が部屋を侵食していく。同時に、ぴりぴりと張り詰めていくのを、俺は肌で感じた。

 

全員、居ない生徒達のことを考えても仕方がないと判断し、意識を特別試験に向けている。龍園の信用性の無さが致命的すぎて神崎は未だに疑っているようだが……

 

だが流石は各クラスのリーダー格、イレギュラーが立て続けに起ころうとも動揺すら見せない。このグループの佐藤以外の全員が自分達の考えを作っているのだろう。佐藤だけは未だにオロオロしている。無言で視線が飛び交い、警戒している。

 

 その中に紛れ、俺も室内を見渡した。

 

Aクラスは確か沈黙作戦だったはずだ。葛城はまだしも、戸塚はなんも考えず黙るよう言われているのだろう。なんか俺と櫛田を睨んでいる気がするが見なかったことにしよう。

 

Bクラスは葉山は一之瀬が何かを話すのを待っているのか一之瀬の方を時折チラチラとみている。神崎はずっとなにか考え込んでいる仕草をしている。一之瀬は周りをチラチラと見ているらしい。……一瞬こっちと目が合ったが凄い速度で逸らされた。悲しい。

 

Cクラスのアルベルトは銅像のように動かない。サングラスのせいで目線も分からない。てかそもそもディスカッション出来るのかこいつ?

 

 

Dクラスだが……平田は黙って葛城の方を見ている。そう言えばこの二人は一緒に入ってきたようだったし何か共謀でもしているのだろうか?佐藤はなぜこのグループにいるかわからんレベルの馬鹿なので仕方がないか。そしてこの状況を誰よりも打破出来そうな櫛田も一之瀬のように周りをチラチラとみつつ、こちらにアイコンタクトを送ってくる。

 

『動いた方がいい?』

 

おそらくアイコンタクトはこんな所か。

 

『いや、一之瀬か平田が動く筈だ。葛城の可能性もあるが……ともかく動くのを待とう。』

 

俺はアイコンタクトを送り返す

 

 牽制し合っている中で勇敢にも最初に動いたのは、予想通り一之瀬だった。おそらく一之瀬か平田ではあると踏んでいたが……。

 

 

 

「はい、ちゅーもく!」

 

 

 

明るく声を出し、右手を挙げることで注意を引き付ける狙いがあるのだろう。まぁそんな事しなくても皆見ているが、戸塚弥彦だけ睨んでいるが憂さ晴らしか何かだろう。めんどくさいヤツ。

 

 

 

「ちょっとアクシデントがあったけど、そろそろ話し合いを始めよう! まずは学校からの指示があった、自己紹介からやらないかな? 初めて顔を合わせる人もいるだろうしね。」

 

「僕は賛成だよ。まずは皆が仲良くなれるきっかけになったらと思ってる。」

 

「平田君が賛成なら私も賛成!」

 

「私も賛成かな。」

 

 一之瀬はこの重い空気の中声を出し、干支試験を仕切る側の人間に立候補した。平田に佐藤と櫛田が続く。櫛田はまだしも、佐藤は脳死だったが。それを見て弥彦が更に睨む。まるで何か言いたいが葛城に黙れと言われたから言えないみたいな表情をしている。

 

いずれにしても、討論として成立させるためには司会者役が必要になるのは必須。だがこのグループにおいてそれはある種の生贄にほかならない。このグループでそれが出来るだけのスペックのある人間もそう多くないはずだ。やはり一之瀬は適任だろう。

 

討論をするならば、だが。

 

 しかし司会者役というのはかなり面倒な仕事だ。グループに不和を生じさせてはならないし、率先して『話し合い』の場を用意しなければならない。それ相応に話を進めるコミュ力、その場その場を理解する理解力などがいる。

 

「やはり凄いなミス一之瀬は……」

 

隣で声を漏らしたのは山田アルベルトだ。彼も一之瀬の存在は認知しているが、実際、こうして近くで見るのは初めてなのだろう。声音からは微かな畏敬の念を伝わってくる。それ以上に崇拝の念が見えるが……というか日本語ペラペラじゃねぇか!今までの奴なんだよ!するとアルベルトは俺の視線に気づいたのかこちらを見てきた……なんだ?喧嘩は嫌だぞ?

 

「あ、そう言えば黙っててゴメン、普段日本語話せないフリしてるけどあれキャラ作りなんだ。それにしても凄いよね一之瀬さんは…俺には到底出来ないや。」

 

「あ、あぁ……。」

 

エスパーかよ……それにしてもアルベルトはかなり一之瀬を崇拝してそうだな。ちょっと引いてしまった。そしてそれは彼だけじゃなく、他の生徒も同様のようだ。

 

「だが今更自己紹介をする必要があるのか?す、すみません葛城さん。」

 

戸塚が声を出す。なんか妬み僻みみたいなのが見えない気がしないでもない。葛城に睨まれて黙ってしまったが、それぐらいの発言なら別にいいだろ

 

「うーん……私はそうは思わないけどなあ。例えばこの部屋に音声を拾う機械が隠されていたらどうする? その場合困るのは自己紹介しなかった人だし、グループの責任にも問われちゃうかもしれないよね。ペナルティの欄にも退学が多かったみたいだし今回の特別試験はかなりそういう所は厳しいんじゃないかな?」

 

 

そうなった場合、きみたちに責任が取れる? と一之瀬はAクラスの生徒たちに問う。 

 

流石にそう言われたら彼らも否定的な構えを崩さざるを得ない。

 

 

 

「分かった。やるとしようか。」

 

 

「か、葛城さん!?」

 

葛城の賛同に驚いている弥彦、葛城はもはや説明する気すら無いらしい。弥彦はDクラス並にムカつくやつだがちょっと同情してしまう。

 

 

一之瀬は誰も声を上げないことを確認してから、まずは自分から! とばかりに自己紹介を始めた。

 

 

 

「私は一年Bクラス、一之瀬帆波です……って言っても流石にみんな知ってるかな?」

 

 

 彼女が終わったあとは、残りのBクラスの生徒たちが。そこから各クラスごとに自己紹介をしていく流れが出来る。

 

「同じく一年Bクラス神崎隆二だ。」

 

「同じく一年Bクラスの葉山勇人だ。」

 

 

ぱちぱちぱちと、平田と櫛田が、各自の自己紹介が終わったあとに拍手をしていた。

 

平田打算ではなく、自分がしたいからしているのだろう。櫛田は100打算だな。あざとすぎてアザトースって感じだ。

 

「一年Aクラス、葛城康平だ。宜しく頼む。」

 

 

「一年Aクラス、戸塚弥彦です。」

 

 

 

 おかしい…弥彦なのに敬語が使えている。前は使えなかったと思うのだが……。

 

今までの弥彦ってそんなにも酷いのか。こいつがAクラスってマジでどうしてこうなったんだ。

 

この学校の現状にちょっと……いや、かなりショックを受けている最中も自己紹介は続いていく。

 

 

 

「一年Cクラスの山田アルベルトです。普段は日本語を話せないキャラでやっていますので、普段は合わせてください。」

 

案の定みんな驚いている。次は俺か。

 

「同じく一年Cクラス、天野聖だ。聖人の聖でセイントって読む。よろしくな。」

 

「名前がセイントとか親の顔が見てみたいぜ!」

 

「弥彦!」

 

「ひっ……す、すみません葛城さん。」

 

 

「いやいいよ、ぶっちゃけ俺も昔似たような事は思ったし、誰もが通る道さ。」

 

「やはり天野……お前は信頼出来る男だ。」

 

葛城に何故か信頼されたがそんな言うほどの事はしてないような……こいつなんか俺に対して甘いような……まぁいいや一先ず。ちなみにこれに関しては別に弥彦に怒ってはいない。

 

「一年Dクラスの平田洋介です。皆よろしくね!この試験、一緒に頑張ろう!」

 

「一年Dクラスの佐藤麻耶です。よろしく!」

 

「1年Dクラスの櫛田桔梗って言います。気軽に話しかけてください!よろしくお願いします!」

 

これで事実上、運営側からの指示は達成したことになる。

 

一回のグループディスカッションに使われる時間は一時間。

 

 用意されている時計を見ても、やはりというか、時間はそこまで経っていなかった。あと五十分強はある。

 

そして初顔合わせの際の自己紹介以外、学校側からは何も指示がされていない。

 

事前説明でも、自由に過ごして良い旨が伝えられている。つまり、真面目に話し合うのも良し、携帯端末を弄るのも良し、残りの50分強一之瀬を見続けるのも良しだということだ。最後のは今アルベルトがやっている。

 

流石に初回なだけあってそういった態度を取る者は居ないようだが……それは室内の異様な雰囲気に支配されているからに過ぎない。

 

先程と同じ光景だ。みんな、互いに牽制し合っている。まぁこんなグループなら無理もないか。

 

数秒後、覚悟を決めたのか一之瀬が立ち上がる。

 

「議論をする以上、誰かが進行役を担うことになるよね。私はそれに立候補します。他にやりたい人はいるかな?」

 

「うん、僕も一之瀬さんなら責任感が合っていいと思うよ。」

 

「平田くんがそういうならさんせー!」

 

「俺も賛成しとこう。」

 

「私も賛成です。一之瀬さん以外には任せられるとは思えませんね。」

 

「私も賛成かな?」

 

これでAクラスとBクラス以外は全員賛同。さすがにBクラスが反対する事は無いだろうし後はAクラスだけと言った所か。

 

流れは完全に一之瀬にある。この時点までの彼女の行動は満点と言っても良い。桔梗を黙らせていなかったら桔梗がやったかもしれないが、まぁ過ぎた話だ。

 

 普段からBクラスのリーダーとしてクラスを纏めているからこそ、彼女には何をするべきなのか理解しているのだ。

 

 

結局、挙手するものは誰もいなかった。

 

 

 

「うん、それじゃあ、私が務めさせて貰うね。試験中、代わりたいと思ったひとは遠慮なく言って欲しいな」

 

 

変えるとしても平田か櫛田、あるいは葛城か。一之瀬の司会者役が下手ならここら辺が候補だろうが、まぁ少しきついか。

 

 

 

「干支試験を始めるにあたって、まずは情報の共有をしたいかな。」

 

 

反対するものはいない。神崎が続ける。

 

 

 

「前回の無人島試験、そして今回の干支試験。学校側は中立の立場をとっている印象を受ける。公平に徹しているのは間違いないだろう。だが念の為にも共有しておくべきだ。」

 

 

 

 流石は神崎と言うべきか。一之瀬を立てつつ話を進める、やはり単純な潜在能力ポテンシャルは高いか。

 

 

「他のものはどう思う?」

 

神崎が皆に聞く。

 

「僕も賛成だ。どうせ時間は有り余っている。それに、一之瀬さんが言っていることも可能性としては有り得るしね。僕達は一年の最初の中間テストの範囲の変更を茶柱先生から教えて貰えなかった事もあるからね。」

 

そういやあったなそんな事。やっぱり茶柱はクズだな。

 

 

 

 

ただし、俺たちはそれぞれ、『敵』のクラス、何処かで嘘をついて何かを秘匿する可能性もあるがな。

 

そして俺達はそれぞれの情報を持寄る。

 

 

「うん、みんなありがとう。話を纏めると

 

 

 

 

 

 

 ─干支試験の結果と勝敗─

 

 

 

 結果Ⅰ──グループ全体で『優待者』が誰なのかを共有し、クリアする。『全員』の勝利。

 

 結果Ⅱ──最後の解答を誰かが間違え『優待者』が勝利する。

 

 結果Ⅲ──『裏切り者』が『優待者』を見付け出す。『裏切り者』及び、その者が属するクラスの勝利。

 

 結果IV──『裏切り者』が判断を誤る。『優待者』及び、その者が属するクラスの勝利。

 

って事かな。」

 

一之瀬は携帯のメモ用紙にそれを打ち込みながら皆に見せてくる。

 

 

「さて、ここで皆に聞いてもらいたい、どの選択が俺達にとってメリットが多いと思う?」

 

 

葛城が質問をしだす。おそらく沈黙作戦の話をするんだろうな。

 

「それはもちろん結果1だろ。」

 

奇しくも俺の狙いと被った方向の話し合いなので俺はそれに乗っかる。

 

「そうだな。だが全員で試験をクリアする、それがいかに難しいかは皆理解している筈だ。」

 

 

 

 試験結果1は、──『グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合。グループ全員に50万プライベートポイントを支給する。さらに、優待者にはその功績を称え、50万プライベートポイントが追加で支給される』──というものだ。

 

 グループ全員に50万プライベートポイントという大金──優待者だと倍の100万プライベートポイント──が支給される。

 

 誰もが損をせず、誰もが得をする。それが結果1、学校側が『勝利』と広報しているもの。そして俺が狙っているところでもある。

 

 

 

「そしてクラスポイントのマイナスが無い結果は結果1と結果2だ。そして結果1を目指すのが難しい以上、結果2を目指す事になるだろう。で、あるならば、俺達は会話する必要など無い。この試験が終わるまで各々が自由に時間を過ごして、全クラスに優待者の勝利が等しくくるだろう。この学校の方針として平等というものがあるのだから。」

 

 

 室内に動揺が走る。

 

 戸惑い、困惑、疑惑……。

 

佐藤や葉山、アルベルトは動揺が隠しきれていない。神崎は葛城の方を睨み、平田は考え込んでいる。櫛田はこちらに目線を送ってくるが、俺は黙って聞くようアイコンタクトを送っておく。

 

この発言を一之瀬は噛み砕く。

 

「うーん、ちょっとよく分からないな、つまりきみたち……ううん、この場合は葛城くんって言った方が良いのかな? 彼は『優待者』の勝ち逃げを許すと?」

 

 

 仮に『話し合い』を行った場合、最も得られる結果は結果Ⅱだろう。この場合、『優待者』だけがプライベートポイントが支給される。

 

 

「でもさ、きみたちの中に『優待者』がいて、その情報が共有されているかもしれないよね」

 

 

「『Aクラスの生徒の優待者が所属するグループ』だけこの作戦が提唱されていると? そう思うなら、他のグループに聞いてみるが良い」

 

 

「いや、やめておくよ。すぐにバレる嘘を、葛城くんが吐くわけないもんね」

 

 

 一之瀬は微笑し、そう言った。まずいな、余計な事を言われる前に手を打つ必要がある。

 

 

 

「でもさ、それでも私は賛同出来ないな」

 

「俺達Cクラスは一部反対、と言ったところだな。」

 

 

俺と一之瀬の発言がダブってしまう。お互い目を見合せる。一之瀬はどっちが言う?という目線を送ってくるが、俺はどちらかと言うと賛成寄りなんだよな……。

 

 

「すまないが先に続けさせて貰うぞ。いいか、お前たちは『誰が優待者なのか』を気にするばかりで『話し合い』をすることこそが最善だと思い込んでいるようだが、それは違う。」

 

まるで言わせないかのように葛城が畳み掛ける。

 

「まるで、『優待者』がどうでも良いかのように言うね。」

 

平田が合いの手を入れる。こいつら狙ってやってるのか?話してたのはそーゆー事なのかもしれない。

 

「ああ。何故なら、『話し合い』なんてものを持たなければ、この試験、必ず勝てるからだ」

 

葛城は周りを一旦見渡し、再度話を始める。

 

 

「この試験の『最悪』は何だと思う?」

 

 

 

 干支試験の結果は四つしかない。

 

『最善』を結果1だとするなら、『最悪』はおそらく結果3だろうな。

 

 

 

「えーっと、結果Ⅲじゃないの……?」

 

佐藤が答える。お前に発言権があるとは思えなかったがまぁいい。

 

「何故そう思う?」

 

 

「だ、だって『優待者』が見破られて誰かが『裏切り者』になったら、『優待者』のクラスは損害を受けて、『裏切り者』のクラスは得をするから……」

 

 

「その通りだ。 『裏切り者』が出た時点で、この試験は『敗北』となる。クラスとしては『勝ち』でも、グループとしては結果Ⅲだろうが結果IVになろうが『負け』だ。さらに聞こう。それ以外だとどうなる?」

 

AクラスとDクラスは組んでいるのだろうか。平田が続ける。

 

「……マイナス要素がないね。これこそが最善って言いたいのかな?」 

 

 

「正解だ。結果Ⅰ、結果Ⅱと共に、ポイントのマイナスが出ない。運営にしか負担は掛からないということだ。だが、結果Ⅰに固執し、『裏切り者』を出したらどうなる? ──マイナスになるのは自明の理。ならば、不必要なリスクを負う必要は皆無だ。現に俺たちAクラスは他クラスのことを疑っている。ここは無難に結果Ⅱを取るべきではないのか?」

 

 

 

 

「葛城くんの言うことは一理あると思う。それにクラスポイントだろうと、プライベートポイントだろうと、価値は等しいものだ。どのクラスも喉から手が出るほど欲しいと思うんだ。僕は葛城君の意見に賛成するよ。」

 

どうやら先に平田を抱き込んだらしい。

 

クラスポイントは直接的なクラス闘争に関係してくる。このクラスポイントの総量の結果により、クラスの順位が変わる。

 

プライベートポイントは無限の可能性を持っている。このように言うと詐欺を疑うかもしれないが、これは紛れもない事実だ。普段の学生生活ではお小遣いとして食費や娯楽品に使える。だが、このポイントはそれ以外にも使用が可能で、最大の効果は強制的なクラス間移動だろう。2000万pr用意すれば、生徒が望むクラスへの転属が行われる。退学も取り消せる。それをあと9回出来る俺は存在がチートなのかもしれない。

 

 

 そして『優待者』が誰なのか分からなければ、それは『どこのクラスに優待者がいるのか』分からないことと同義だ。まぁ俺は分かっているんだけどさ。

 

この特別試験は非常に大きな危険性を孕んでいるため、自分のクラスの『優待者』ですら把握するのは難しい。他クラスなら尚更だ。把握できるのは1部のリーダーだけだろう

 

 

「学校側が優待者を1クラスだけ固める。なんてそんな不公平なことをすると思うか? 説明の際にあれだけ公平性を強調してきたのは彼らだろう。ましてや俺たちは先程、事前説明も公平にされていたのだと確認したばかりだ。皆もそれは分かっているだろう?」

 

 

「……そうだね。『優待者は各クラスに三人ずつ選ばれている』っていうのは、少し考えれば分かることだ。だからこそ全クラスに利点があるんじゃないかな?」

 

 

再度平田が反撃の目を摘む。

 

 

「『話し合い』をして疑い騙し合う、潰し合う方がグループ関係は滅茶苦茶になる。だったらはじめから黙り続けるべきだろう。」

 

 

 

「これで俺の言いたいことは分かっただろう? 結果Ⅰ、あるいは、結果Ⅲになった場合、得られる恩恵は大きいが、その分、失うものも大きい。今後のクラス闘争に大きく響くだろうな。ならば、この試験で無謀な挑戦をするのは得策ではないと思う。以上だ。」

 

 

以上が葛城の作戦なのだろう。

 

 

「そうだね。それじゃ多数決を取ろうか。それでは皆さんに尋ねます。皆さんは、Aクラスの作戦に賛成しますか、それとも反対しますか? あと五分したら尋ねますので、準備をお願いします」

 

一之瀬は多数決でボコすらしい。結果2を目指すと言うならば俺も反対にするかなぁ。

 

 

賛成は戸塚、葛城、アルベルト、平田、佐藤の5人

 

反対は一之瀬、神崎、葉山、俺、櫛田の5人

 

綺麗に半分に別れたな。

 

 

 

 

「葛城君の作戦は堅実な一手だよ。どのクラスにも均等に『優待者』がいるのなら、各クラスずつ150万prが支給されるわけだと思うんだ。」

 

 

まずは平田が口火を切る。取り敢えず話させるだけ話させればいい。俺の作戦をするかどうかはこいつらの討論が終わった後でも遅くは無いだろう。

 

 

 

「でもさ、それってAクラスだけが提案出来ることでもあるんだよね」

 

一之瀬の反論に葛城は苦い顔をする。俺としてもちょっとそっちの方向性は嫌なんだけど……まぁ最悪俺は答えを知っているがこいつらは辿り着いて居ないはずだ。多分。

 

「彼らが提唱しているのは、いわば『一時休戦』。クラス闘争は一旦おいて、お小遣いをみんなで学校から貰おうというもの。でもさ、特別試験の度にこんな『一時休戦』をするの? 卒業までにあと何回特別試験が開催されるのか分からないのに?」

 

 

まずいな、そっちの方向性にされるのは。反論こそあるが後先がキツくなる。ここらで動くか。立ち上がろうとする俺を一之瀬が手で制する。取り敢えず睨んで置こう。弥彦スタイルだ。

 

 

「『一時休戦』をするってことは、クラスの変動も起こり得ないってこと。堀北さん以外のDクラスの人には申し訳ないけど、私はBクラスの委員長として、そして、Aクラスを目指す者として、貴重なチャンスを棒に振るわけにはいかない」

 

 

 

「だからお前たちは反対すると言う事か??」

 

 

葛城は俺たちを見て問う。Bクラスの連中は頷いている。櫛田は俺の方に目線を向けてくる。ここで繋がってるのがバレるのはまずいだろうし頷くようアイコンタクトを送っておく。櫛田が頷いたのを確認した後で俺はため息を一度つき、首を横に振る。

 

 

「天野、お前は違う理由で反対しているようだな。話を聞かせてもらおうか。」

 

葛城がこちらに話の主導権を振ってくれた。これは俺としても助かる所だ。

 

「そうだな。まずは葛城、一之瀬、共に何個か俺に言わせれば間違ってると思える発言をしている。そして俺はお前らとは別のゴールを思い描いている。」

 

「ではお前の描くゴールとはなんだ?」

 

葛城が真剣な目線でこちらを見てくる。そんなもの一つしかないように思われるんだが。俺はポケットのボイスレコーダーをオンにして、話を進める。

 

 

「結果1だ。これがどのクラスに取っても一番メリットがあるってのは全員理解していると思う。」

 

俺の言葉に全員が頷く。

 

「だから葛城さんの話を聞いていなかったのか?そんな事すれば裏切るリスクしかねぇだろ。」

俺に対してだけ口が悪い気がする弥彦の発言だが、まぁ普通にやればそうだろう。普通にやればな。

 

「そうだな。まぁ順を追って説明するか。まず俺は今回の試験、全グループの優待者が誰か把握をしている。」

 

全員驚愕の表情を俺に向ける、おそらく皆信じていない事だろう。

 

「ならばなぜお前は裏切っていない?矛盾している。」

 

神崎が矛盾だと言ってくる。当然の返答だな。

 

「矛盾などしていない。俺は結果1を目指しているがこれは全クラスが俺の協力に賛同する必要がある。もしも何処かのクラスが反対するようなら俺は諦めて他クラスのリーダーを全部指名させてもらう。」

 

「脅迫するつもりか?」

 

弥彦…ガン飛ばすのは辞めよーべ。

 

「そのつもりは無いんだが。」

 

「だいたいそんなの嘘だ。お前らのクラスは裏切ればプライベートポイントだけじゃなくて大量のクラスポイントも得られる。そうなりゃAクラスに王手がかけられる。葛城さん!こんな奴の話聞く必要ないですよ!」

 

弥彦の言っている事は一理あるだろう。だが俺の場合少し事情が異なる。

 

「つまり俺のクラスにメリットが無いということか。そんなに不安なら俺の作戦が成功したら一クラス事に500万プライベートポイントを貰う事にしようか。これで満足か?」

 

俺は全クラスに確認をとる。弥彦は余計な事を言ってしまったようだ。

 

「へっ!1000万ポイントくれてやるよ!ホントならな!」

 

「おい弥彦!お前!」

 

弥彦のやっちゃった発言に葛城がブチギレる。まぁ当然だろうな。

 

「取り敢えず話は続けさせてもらう。次に一之瀬、お前の反対理由の特別試験の回数の話だが、俺は先輩達のクラスポイントの推移の過去のデータをプライベートポイントを払って見せて貰えててな。それで確認する限りじゃ毎年10個前後の特別試験がある。それが3年だからだいたい30個だ。今回の様な全クラスに取って美味しい試験はそうそうないだろうよ。」

 

俺の言葉にBクラスは納得したのか黙り込む。後はAとDだな。

 

「それでその方法だが、至ってシンプルだ。『学年の全生徒が学校に学生証端末を試験終了まで預ける。』だけだ。」

 

俺の発言に各クラスのリーダーは何となく言いたい事を察したらしい。俺は続ける。

 

「契約書もここに用意してある。あとはそれぞれのクラスの代表が署名すれば終わりだな。」

 

契約書の内容

 

1 Aクラス、Bクラス、Cクラス、Dクラスの全生徒は学校側に干支試験が終わるまで学生証端末を預けるものとする。(参加していない生徒の分も含む。)その後、天野聖及びCクラスから優待者の法則を話すものとする。

 

2ここに署名した全員の立合いの元以外での端末の返却を禁ずる。

 

3万が一預けていない生徒が見つかった場合、預けていない生徒のクラスは預けている生徒のクラスに500クラスポイントを譲渡する。(このクラスポイントはマイナスとして加算される。)また、天野聖及びCクラスが話さなかった場合、1000万プライベートポイントをA、B、Dクラスに振り込むものとする。

 

 

追加 4 B、Dクラスはこの試験終了時に500万プライベートポイント、Aクラスはこの試験終了時に1000万プライベートポイントを天野聖の学生証端末に振り込むものとする。

「契約書の内容はこんな感じだな。優待者の法則については全員の学生証端末を預けたのを確認してから共有する事にしようか。」

 

俺の言葉に全クラスのリーダーは黙り込む。そして俺は弥彦にヘイトを向けるため爆弾を投げ込む。

 

「ちなみに4については弥彦の発言のせいで増えた。あの会話はボイスレコーダーで録音しているから取り消す事も出来ないぞ、弥彦。」

 

「ふざけんなこの不良品が!」

 

弥彦はブチギレる。いやお前のせいだからな?

 

「落ち着け弥彦!お前は次余計な事をしたら葛城派閥から除名する!」

それを見て喧騒を変えた葛城の口からさらなる爆弾が追加された。らしくないな。よっぽど頭に来ているらしい。

 

「さーてどうする?一応龍園にはプライベートポイントを稼ぐこと優先と言われているが……まぁどっちにしても俺としては龍園に制裁を喰らわないから良いんだけどな。別に俺自身どう頑張ってもAクラスは確定だろうしさ。」

 

「お前は性格も良く、頭のキレる男だ。加えて身体能力、学力も学年トップクラスだろう。……なぜお前ほどの男が龍園の下に着く!」

葛城は若干興奮したような様子で聞いてくる。何故俺の評価はこんなに高いのか。

 

「別に下に着いたつもりは無いんだけど……長年過ごすクラスとしてさ、Aは綿白神いるから論外、Dは虐められたから論外なのよ。それで俺はCクラスに拾ってもらった身だから恩義は返したいって訳。」

 

「仁義を通せるのはお前の良い所だが……それは悪魔との契約だぞ。」

 

葛城がなにやら思い詰めた表情で言ってくる。別に脅されてる訳では無いんだってのに。

 

「悪魔と組むか、地獄で暮らすか、2つに一つだ。」

 

「うーん、どうしたものかねぇ…」

 

一之瀬が頬に手を当てて考えるポーズをとる、可愛い。

 

「考えてみろ一之瀬、それに平田も、この内容なら不参加の人間も貰えるはずだ。だから一クラス辺り2150万ポイント貰える。500万減っても1650万プライベートポイントだ。もしもこの先クラスメイトが退学確定、なんて試験があった時にクラスメイトを救えると思うぞ。Aクラスのマイナス1000万プライベートポイントでも1150万プライベートポイントだからな。」

 

「私も賛成かな?クラスメイトが退学になるのってとても辛いし悲しいの、一之瀬さんなら分かってくれるよね?」

 

一之瀬と平田の方を上目遣いで見ながら櫛田も賛成を示してくれる。俺が何をするでもなく自分の役割がわかったらしい。そしてこれが他クラスの賛成であることも大きな利点だ。

 

「僕も賛成するよ……クラスメイトを失うなんてのは…出来れば避けたい。それにBクラスへの借金もあるからね。これで返させてもらうことにするよ。」

 

「高円寺も含めて全員だぞ。」

 

そういえばあったなそんなの。何はともあれ櫛田と平田がYESと言った以上Dクラスは賛成だろう。俺は契約書を平田に渡し、名前を書かせる。

 

「うちのクラスも賛成するね!天野君には無人島試験の時もお世話になったし、信用できるからね。」

 

そう言いながら一之瀬も名前を書く。Bクラスはある意味一之瀬の独裁政権だしな。それにしても一之瀬はうちのクラスに来るための額だと言う意味も含めてる可能性もあるが……まぁいい。

 

「Aクラスは……この提案に賛成する。」

 

「本気ですか葛城さん!?こんなヤツらに無駄な金を渡す理由は無いですよ!」

 

「弥彦、そもそも多額のプライベートポイントを払う事になったのはお前のせいだ、もし次に勝手な行動を取った場合葛城派閥から除名する。」

 

葛城の重い提案だが次という辺りかなり譲歩していると言えるだろう。俺なら即除名だね。

 

「葛城さん…。」

 

弥彦は重い顔をしてその場に項垂れる。

 

「そして、ここでAクラスが反対をすればAクラスはBクラス、Cクラス、Dクラスの3クラスを敵に回す事になる。今後を考えるならそれは避けたい。それにこの提案も弥彦が余計な事さえ言わなければ沈黙作戦に近しいものだったからな。」

 

それはそうだ。弥彦は本当に余計な事を言った。改めてBクラス、Dクラスの両名から弥彦が睨まれる。

 

 

そして意を決するように葛城も名前を書く。これで全クラスの代表が了承した事になる。

 

「それじゃあ試験が終わったら4人でこれを学校に提出しよう。全員分の端末も含めてね。」

 

 

試験終了を確認した後俺達は、それぞれクラスの全員を集め、端末を学校に提出させるためにクラスの全員を連れて教師の止まっている部屋を訪れた。

 

「休んでいる奴らの分の携帯も持ってきたか?」

 

「あぁ、全員持ってきている。」

 

高円寺もいる事を確認し、俺は部屋をノックする。

 

「どうした。こんな時間にこんな大人数で。」

 

出てきたのは真嶋先生だ。眠そうな顔だ。

 

「この契約書の内容を確認してください。不参加の生徒も含めて学年全員の端末を試験終了まで預かってもらいたいです。後、名簿にチェックを打って全員分ある事を確認してください。」

 

 

「なんだと…!?…これは…わかった、契約書は私が見届け人として責任をもって受理しよう。それでは今から全員分の端末があるか確認する。2つ学生証端末を持っている人間は居ないだろうからな。」

 

 

「助かります。ではこれは俺と龍園のものです。」

 

暫くして真嶋先生は全員の確認を終えた。

 

「この契約がある以上これ以上の試験は無意味だろう。試験をこれにて終了する!」

 

こうして干支試験は終了した。




干支試験恐ろしい速度で終わってしまった。


あとコメント欄でかなりご指摘頂いた堀北フルボッコにしたの学校にどう頑張ってもバレるんじゃね問題ですがプライベートポイント(ご都合主義)で事なきを得た事にします。やはりプライベートポイントは最強

山内に再登場

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