ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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4.5巻部分
破滅の企み


豪華客船から戻った2日後、匿名のメールアドレスに池からメールが送られてきた。

 

ちなみに匿名の使い捨ての出来るメールアドレスに池のメッセージを送らせているのは万が一にも俺が疑われないようにする為だ。一応俺も当日行くつもりだが、それを差し引いてもあくまでも当日『たまたま』であった事にしたい。まぁ俺としては関わらずに遠巻きに監視しておきたいところだが.......そう上手くは行かないだろう。

 

それにこの作戦には協力者も必要だろうしな。櫛田がベストだろうが.......まぁバレたとしても龍園の指示にできるだろうし問題は無いだろう。龍園にバレて制裁を食らうかもしれないのだけが懸念点だがそうなったら原作7巻の綾小路みたいにフルボッコにして恐怖を植え付ければいいや。

 

取り敢えず今からカラオケルームに来るように指示を出して置く。勿論契約書は用意して、念の為俺のパソコンとスイッチをつけたボイスレコーダーを持って行く事にしよう。

 

俺は早速行動に移する事にした。池達にメッセージを送ったら即返信が来たのでそのまま俺はカラオケルームへと向かった。

 

 

ちなみに俺は歌がとてつもなく下手だ。前世のあだ名は「ほろびのうた」を歌う事と対戦でよく使ってた事もあってチルタリスと呼ばれていた事があった。堪えるイバン空を飛ぶほろびのうたはやり過ぎると友達に嫌われるものらしい。

 

そんな事を考えながら俺は着替えてカラオケルームへと向かった。

 

夏真っ盛りであるこの時期はやはり太陽が燦々と照りつけて来て汗ばむ。やっぱり外は出歩くもんじゃねぇな。周りを見渡すと俺のような私服の生徒も数多く居た。皆暑いせいだろうが露出の多い格好をしているので目のやり場に困った。

 

「久しぶりじゃないか、闇堕ちボーイ。」

 

カラオケルームに向かおうとすると高円寺に話し掛けられた。というか闇堕ちボーイってなんだよ。闇堕ちした覚えはねぇぞ。

 

「闇堕ちした覚えはねぇぞ高円寺、何の用だよ.......。」

 

こいつと関わるのは色々な意味で胃が痛くなりそうなので出来る限り関わりたくないのだが.......。

 

「それを決めるのは私だよ。用.......か、次の体育祭私と勝負してみる気は無いかねぇ?君には少々興味もあるからねぇ.......。どうだい?」

 

高円寺と勝負とかなんの罰ゲームなんだ.......一体。

 

「それを決めるのは龍園であって俺じゃ無い、悪いが今の時点でYESとは言えないな。」

 

「ならばドラゴンボーイに確認を取ってくれれば良いよ、私としては君と勝負出来るのならば少し待つぐらい構わないさ。」

 

 

なんでこいつが俺に目をつけているのかは一切分からないが、何はともあれこのまま通してはくれ無さそうだ。俺は龍園に通話をかける。

 

「あ、龍園、高円寺に勝負を吹っ掛けられてな.......50m走とハードル走の最後の組を空けておいてくれ。」

 

『あ?何勝手にてめぇが決めてやがんだ、そんな権利上げた覚えねぇぞ。』

 

電話先でわかる、龍園がとてつもなく不機嫌そうだ。とはいえ俺もどれだけ努力して力をつけたかを知りたい所はあるしここは何とかして譲ってほしい所だ。高円寺に絡まれるのは心底面倒くさいし目立ちそうで嫌だが、心のどこかでやりたいという気持ちがある。

 

「それなら高円寺、何かしらの報酬を用意してくれ、そうじゃなきゃ龍園が納得し無さそうだ。」

 

「ふぅむ.......そういう事なら2万プライベートポイントを払おうじゃぁないか。それで許してくれたまえ、なんて言ったってうちのクラスは貧乏でねぇ.......。」

 

こいつって多額のプライベートポイントを先輩から貢がれていたような.......原作改編かぁ?

 

「らしい、龍園、それでいいよな?」

 

『チッ、5万だ。それで見逃してやるよ。』

 

「交渉成立としようじゃあないか。闇堕ちボーイにおくらせてもらうよ。」

 

そう行って高円寺は俺の連絡先を追加して5万プライベートポイントを送ってきた。

 

「それじゃあ私は失礼するよ、さらばだ闇堕ちボーイ、楽しみにしているよ。」

 

結局最後まで高円寺の狙いは分からないまま、何処かへ去っていった。あいつに狙いがあるかすら分からないが.......。

 

『お前も災難だな.......アレに目をつけられるとは.......ここ最近俺の名前を使って色々やっていたらしいが見逃してやるよ。』

 

龍園から心底同情する声が聞こえる。高円寺は龍園ですら同情するレベルらしい。

 

「また増えるかもしれないけどそれも見逃してくれ、それじゃあ切るぞ。」

 

俺は龍園の返信を聞く前に切った。なんかブチギレられそうだし仕方ないじゃないか。龍園怖いんだよ!!!

 

そんな災難にあった後、俺はカラオケルームに無事到着した。カラオケルームに外村と池は既に着いているようだ。

 

「よしお前ら、まずはこの書類に契約しろ、分かってるとは思うが契約しないって事は.......な?」

 

俺には多額のプライベートポイントがある。俺を怒らせれば自爆特攻をされてそのまま自分だけが退学する事を池と外村は理解している。まぁそれ以上にこの二人は俺が怖くて仕方ないのだが。

 

「は、はい.......分かりました.......。」

 

「わかりましたでござる.......。」

 

池と外村は書類の内容も読んでるのか怪しいレベルの速さでサインした、これならもうちょいぼったくりな内容にしとけば良かったな。

 

ちなみに契約書の内容はこうだ。

 

契約書 甲 天野聖 乙 池寛治 外村秀雄

 

1 ,乙の両名は、8/21日、公共プールの開演時間に女子の更衣室に忍び込み、ラジコンに取り付けたカメラで着替えを撮影、終演時間に回収をするものとする。

 

2,この事件において乙の両名は甲の指示であることを他言、また、それを示唆したり相手に察させてしまうような言動をしてはならない。

 

3,この事件を遂行する為の甲の指示に対して乙は必ず従う事。

 

4,この契約について乙は他言、察させてしまう言動をしてはならない。

 

5,乙は撮影したデータを動画投稿サイトに投稿したりしてはならない。また、乙は保存は外村秀雄のパソコンにデータを一つ保存する以外にしてはならない。

 

6,乙は今回の事件で撮影したデータを甲以外に渡してはならない。

 

7,1~6を破った場合、プライベートポイントを1000万ポイント支払い、クラスポイント1000をCクラスに譲渡し、乙は堀北鈴音に対して自爆特攻をしかけ3人で自主退学する事。万が一それが出来なかった場合は担任教師である茶柱紗枝を社会的に破滅させる事。この2つのうちいずれかが達成されない場合、乙は退学し、追加で500万プライベートポイントとクラスポイント500を譲渡する事。(この場合のクラスポイント、プライベートポイントはマイナスも加算するものとし、ポイントは借金扱いとする。学校側はDクラスの不足分を一時的にCクラスから支払い、Dクラスに月利1割で借金を返済させること。)

 

とまぁこんな感じだ。契約をやぶった場合の内容はかなりグレーゾーンなものも多いがコイツらがそんな事に気付けることも無いだろう。あるならこの場で契約拒否されるはずだが、現にこの2人は自分の名前を記入し、ご丁寧に俺が用意した朱肉で指紋もつけてしまっている。

 

「よくやった、池は誘う女子の選定を今からしろ。誰を誘うつもりか決まったら教えろ。外村、指示通りお前のパソコンは持ってきたよな?お前はこっちに来い。」

 

二人とも死にそうな顔をしているがこいつらに逆らう権利は無い。どうしようも無いだろう。返事する気力すらなさそうだ。

 

「もってきましたでござる。」

 

前々から思っていたがこいつの話し方少しムカつくんだよな。ついでに矯正しとくか。

 

「普通に話せ、後そのパソコンに盗撮用のカメラの映像が常時保存されるようにしておけ、その上でそのパソコンの内容のデータを追跡不可能な状態で俺のパソコンに送れるようにしろ、いいな。」

 

「え、そ、そんなこと.......」

 

「あ?やれって言ってんだよ、契約違反か?」

 

 

「ヒェッ.......やります!」

 

俺が少し凄むと外村はそのままパソコンに向かっていった。一応もう一個脅しておくか。

 

「最悪俺はバレてもプライベートポイントで揉み消せる。.......だから余計な反抗はしない方がいいぞ?」

 

「反抗などしません!はい!」

 

それを聞いた外村は再度震え上がりながらパソコンへと向かっていった。

 

俺は櫛田と松下に『池からプールの誘いが来たらなるべく多くのDクラスの女子を誘って参加する事』と送っておく。これは別に俺が見たいからとかではなく、単純に自分も被害にあったという方が相手に対しての恨み辛みが増すからである。

 

 

 

「あ、あの.......女子の選定なのですが.......櫛田、篠原、佐藤、松下、堀北、軽井沢、小野寺、森が来れる事になりました。その代わりと言っては何なのですが.......その、須藤と平田も来る事になってしまいました。」

 

堀北が来るのはとてつもなく意外だったがそれ以外はまぁそんなに珍しくはないだろう。軽井沢も女王キャラの手前行くしか無くなったと言った所か。平田は彼氏役だからだろうが須藤は何故だ.......。

 

「まぁいいだろう。俺もその日に向けてCクラスのメンバーを少し募集してみるか。」

 

そう言いながら俺は真鍋グループと木下、椎名を誘う。木下はまだしも真鍋グループは俺の管理下だ。どうしようも無いだろう。椎名はまぁ.......見破られるかもしれないし連れていくのは多少リスキーだがここいらで交流を持ちたいし呼んでおくべきだろう。決して椎名の着替えが見たいからではない。決して。追加で男子からは金田とアルベルトを勧誘。アルベルトはボディガード、金田は平田の足止めに使うつもりだ。

 

真鍋グループには勿論拒否権はない。木下は西野という女友達も一緒でいいならとの事らしいので狙った以上に女子は増えそうだ。椎名に返信は無いがまぁこちらは気長に待つとしよう。

 

AクラスとBクラスは放置でいいだろう。手を出したら死にかねない。

 

櫛田と松下からメッセージが来る。内容は言われた通りやったというメッセージ、後で二人には説明して爆弾解除をしてもらう必要があるが.......まぁたまたま聞いたって事にしておけばいいだろう。ちなみに時間の辻褄を合わせてもらう為に、2人には今日このカラオケルームの何処かしらの部屋にいる。カラオケルームでたまたま聞いたって言う事に出来るはずだ。

 

そんな人生終了がほぼ確定した池と外村は現実から逃げるような顔で作業をしている。どうやら池は仕事が終わったらしい。

 

「8/21日に開演時間から終演時間まで遊ぶ約束を取り付けました。帰ってもよろしいでしょうか。」

 

池は死にそうな顔で言ってくる。まぁやる事ももう無いだろう。

 

「ああ.......その代わり契約内容は守れよ?」

 

「.......はい、それでは失礼します。」

 

最早別人へと変わり果ててしまった池はそのままカラオケルームを後にしたらしいが、ここで俺にとっては幸運、池にとっては絶望的な事が起きた。

 

「寛治君.......?どうしたのかな?」

 

そう、俺たちの部屋の近くに櫛田がいたのだ。パソコンの作業内容が何か分からないと踏んだのか外村は黙々と作業を続けているが池はこの世の終わりみたいな顔をしていた。

 

俺は一応チャットであんまり追い詰めすぎず部屋の中を一瞥したら出ていくように言っておく。ちなみに俺だが外村と机を上手い事使って隠れている。見つかるのも色々面倒な事になりそうだしな。まぁチャットを送ってる時点で今更な気もするが、一応この位置から見えないって言う事にはしときたい。

 

「いや、あのえーと.......博士と.......あれ?.......まぁ博士とカラオケに来てたんだよ、桔梗ちゃんは?」

 

どうやら池からも見えていないらしいので櫛田が俺の存在を揉み消したことにはならないだろう。

 

「私も松下さんと一緒にカラオケに来た所だよ、それじゃあ松下さんを待たせちゃうからバイバイ。」

 

櫛田は両手にドリンクバーを持ちながらそのまま何処かへ行った。もしかしたら察したのかもしれないな。後で聞いてみるか。

 

まぁ何はともあれそのまま池は去っていった。俺は外村が作業を終えたのを確認してから、櫛田たちと合流する。

 

「悪い、待たせたな。」

 

「それで、話って何かな?」

 

「私はだいたい察したけどね、龍園君の指示なの?」

 

何も状況を掴めてない松下と、どうやら全てを察したらしい櫛田の表情。さっきのバイバイは永遠にって意味なのかもな。俺は外に誰もいないことを確認して小声で告げる。

 

「池、外村両名に8月21日のプールで盗撮させるよう誘導に成功した。お前らは櫛田がたまたまその話を聞き、カメラやパソコン等を用意しているのを見た事にして、松下はそれを相談された事にする。それで8月21日の終演時間にカメラを回収して学校に提出、犯人が池と外村である事を学校側に訴えればいい。どうせ足は着くだろうよ。」

 

池と外村では悪いが学校側にはどうやっても足は着く。まぁ俺も着く可能性はあるが金の力で解決だ。いつの時代もカネが力だな。

 

「だいたい分かった。人を増やしたのは被害者を増やす事で二人の評判を下げるためってことね。」

 

全てを理解したような顔で松下が言ってくるがまぁ実際そうなんだよな。

 

「そういう事だ。当日は一応俺も行って遠巻きに見ておくが頼むぞお前ら。」

 

「聖くんの為だからね。」

 

「了解、それにしても相変わらずえげつないね。」

 

若干のメンヘラみを見せる櫛田と若干のドン引き感を出す松下を見ながら、俺はこの後起きうる事態を胸に2人に同情するのだった。

 

 

戸塚弥彦を

  • 許すな!
  • 許してあげよう
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