ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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Assassins

借り物競争の衝撃的な事件の後、四方綱引きと男女混合二人三脚が行われた。四方綱引きこそ負けたが、男女混合二人三脚は俺達が1位だった。

 

だがそんな事はどうでもいいだろう、例の綿白神家の教師とやらが来るのは三学期、そして例の『革命』を起こせるのは春休み辺りだろう。そう考えるならば俺はこの三学期を何とかする必要がある。教師の介入なんて言う策略と計略でやり合うこの学校を綿白神家如きに潰される訳には行かないのだから。

 

と言ってもこれから待っている試験であろう試験で分かりきっているのは1年のうちだとペーパーシャッフルと林間学校、そして学年末試験だ。とは言え全員投票のプロテクトポイントが無くなった事により学年末試験はかなり不確定なものになってしまったのは間違えないのだが…。

 

しかしながら林間学校は別にやる事があり、ペーパーシャッフルでの退学は流石に厳しいだろう。

 

となると方法はやはり2つしか無さそうだ。

 

1つは先程の綿白神のように冤罪を被せて消す方法、だがこれは決まりにくいだろうし何より俺は恨みの無い他人に冤罪を被せて潰すやり方は基本好むものでは無い。極力避けたい。

 

2つ目の『原作に無理やり戻す』方がいくらか楽そうだ。

 

まぁ最も関係なく普通に行われる可能性はあるのだが。なんにせよ考えるのは体育祭が終わった後か……

 

「ククク、お前ら、最後のリレー競技だ。気合を入れていくぞ。メンバーは男子からは俺、アルベルト、天野……女子は伊吹、木下、矢島で行く。

 

順番だが…第一走者はアルベルトだ、身体は出来る限りぶつけろ、誰かコケりゃ儲けもんだな。

 

第2走者は矢島、第3走者は木下だ。陸上部出身のお前ら2人ならバトンの息も合っているだろうよ。

 

んで第4走者が俺で第5走者が伊吹、アンカーに天野だ。てめぇら……絶対勝つぞ!!」

 

 

最後の種目のリレーは全学年合同で、各クラス男女3人、計6人ずつ選出して、1人あたり200メートル走る。バトンの受け渡しなんかも鍵になってくるだろう。それにしてもアンカーか、堀北学、南雲雅、あと原作では綾小路清隆だったが今回は高円寺の可能性もあるな。

 

 

とは言えもう既に赤組に白組が負けたことは確定している。俺たちのマイナス200ポイントは揺るぎはしないだろう。

 

 

 

学年ごとの順位によってクラスポイントの変化もある。1位は100ポイント、2位はマイナス50ポイント、3位はマイナス200ポイントで4位がマイナス300ポイントだ。ちなみに今は上から順にDクラス、Bクラス、Cクラス、Aクラスとなっている。

 

 

個人種目の方だが、現在の1位から順に、同率1位が高円寺と御門、2位が須藤と小野寺、3位が俺で4位からが把握出来ていないが鬼頭、平田、矢島、木下、アルベルト、綾小路、平田、伊吹、八雲、柴田、橋本、三宅、安藤、神崎辺りだろう……このリレー次第で勝負が決まるのは明白だが。

 

 

リレーのメンバーは各クラス予想通りの所も予想外の所もある…と言った感じか。

 

まずはAクラス、男子は橋本、三輪、鬼頭と予想通りのメンバーだった。意外だったのは女子だ。まさか綿白神が居るとかどうやっても予想がつかないんだが……速いイメージも無いな。残りの2人は元土肥と神室の様だ。

 

続いてBクラス、おかしい光景が広がっている。男子は柴田、木山、八雲、神崎と4人いる。その代わりに女子は安藤と一之瀬の二人しかいない。プライベートポイントを使ったのかもしれない。その発想は思いつかなかったな。

 

そしてDクラスだが…こちらにも男子が4人いる。綾小路、高円寺、御門、須藤、……女子は小野寺と堀北の二人だ。プライベートポイント以外の抜け道を思いつかないんだがコイツらは何をしたんだ一体……???

 

そもそもプライベートポイントを使ってルールを改定した可能性もあるが……確か原作では男子は男子、女子は女子としか交代できなかったはずだしそこを変えたのだろう。原作知識に頼り過ぎたが故のミスだな。

 

 

 

推薦参加競技の点数配分について

 

 

 

全学年合同リレーの点数配分だが、1位には150点、2位に90点、3位に45点、4位に30点、5位に24点、6位に18点、7位に12点、8位に6点、9位以下は0点だ。

 

確かに高いな。ここが勝負所なのは間違えないだろう。

 

 

「ククク、確かにルール表には書いてなかったな。『代役の性別を統一しなければいけない。』なんてな。」

 

龍園が軽快に笑う。原作改変がこんな所でも起きていようとは……転生者達もこういう所でやらかしているのだろう。多分。

 

「成程、本来男女別の競技であり、男子、女子として枠が決まっている以上代役の性別も決まっています。ですが……例外はありますね。このリレーと男女混合二人三脚です、男女混合二人三脚は片方の性別を変えてしまうと男女混合では無くなるのでダメでしょうが……このリレーだけは例外、ということになる訳ですか。」

 

隣で綿白神がブツブツ言っているがどうやらルールには今回も抜け道があったようだ。こんな原作改変が起きた原因を考えていたが……坂柳の下りのせいだろう。あれの代役可能のルールのせいで変更された説が高そうだ。

 

 

『それでは第一走者の皆さんは位置に着いてください。』

 

第一走者の面々が位置に着く。三輪に柴田、高円寺か、厳しいバトルになりそうだな。

 

そう思いながら俺はアンカーの並びに着く。他クラスの奴らは八雲に綾小路、そして綿白神か……どうしてこうなった?

 

「私が走る事が驚きですか?これでもそこそこ足には自信がありますのよ。……クラスで決まった事である以上、私としても断る事はありません。」

 

俺に話し掛けてきたはずなのだが……まるで他の誰かに本来出るはずじゃなかったのに出る事を言い訳してるような言い方だな。気の所為か?

 

もしかしたら第4走者である木山と綿白神は繋がっているのかもしれない。原作にもいないただのモブが一之瀬をフルボッコにしてBクラス仕切るなんで絶対おかしいし。

 

パァンッ

 

そんな思考を俺がしているうちにリレーが始まった。トップはやはりと言うかなんというか高円寺、恐ろしい速度で加速している。2位は2年Aクラス、3位はアルベルト、そこから3年Aクラス、柴田、3年Bクラス、三輪、2年Bクラス、3年Cクラス、3年Dクラス、2年Dクラス、2年Cクラスと続いていく。

 

 

高円寺の次の第2走者は須藤の様だ。高円寺にこそ勝てないが、それでも十分であろう速さで加速していく……Dクラスの勝ちは決まったようなものだろう。……誰かしらが転けなければ、だが。

 

しかし3年Aクラスの先輩は高円寺並に速かった。名前も知らないモブなのだろうが身体能力は恐ろしいものがあった。言っちゃ悪いが矢島では勝てやしないだろう。現にどんどん離れていく。少し遅れてはいるが2年Aクラスがそれに続く、その後ろを木山が恐ろしい速度で詰めていた。

 

そして横並びで3年Aクラスと須藤はバトンを渡す。Dクラスの第3走者は堀北らしい。

 

だがここでハプニングが起きる。堀北が巻き込んで3年Aクラスの生徒と堀北は転んでしまう。その隙に、一人、また一人と抜かしていく。何人かに抜かされた後、3年Aクラスの生徒は懸命に追いかける。そしてそれより少し遅れて堀北が追いかける…が、先程の衝突で何処かを痛めたのか少し遅い気がした。

 

堀北は結局最後の最後で自分のクラスの足も自分の兄のクラスの足も引っ張った訳だ。最高の疫病神である。

 

「ククク、兄とクラスの足を引っ張る疫病神とはな。不良品として完成してて恐れ入るぜ。」

 

龍園も似たような事を思ったようだ。結果として3年Aクラスは5番手、1年Dクラスは10番手にまで沈んでしまった。

 

Dクラスの第4走者の小野寺が頑張るが差を詰めるだけに至っている。上位5クラスは2年Aクラス、1年Bクラス、1年Cクラス、3年Bクラス、3年Aクラスの順から動きそうに無かった。

 

ーーーーーー第5走者としてある男が恐ろしい速度を見せるまでは

 

 

「この勝負は俺たちの勝ちッスね堀北先輩。出来ることなら接戦で走りたかったですよ」

 

「総合点でもうちが勝ちそうですし、新時代の幕開けってところですかね〜。」

 

「本当に変えるつもりか? この学校を」

 

「今までの生徒会は面白味がなさすぎたんですよ。」

 

 

 

南雲先輩が堀北会長に伝統がどうのこうの、新しいルールを作る、究極の実力主義の学校を作るとか言ってる。お前が作る生徒会も大差ないだろうよ。

 

 

 アンカーの待機場所にて2年Aクラスのアンカーであり、現生徒会副会長である南雲雅が奮闘する3年Aクラスの生徒を見つめながら笑う。

 

1位である2年Aクラスとは約25mも離れている。確かに南雲の言う通り堀北達には勝てるだろう。

 

現副会長はそのまま堀北生徒会長に絡んでいく。

 

どうやら第5走者にバトンが渡ったようだ。

 

伊吹が差を詰めるよう孤軍奮闘するが悲しい事に順位は変わらない。だが、それよりも恐ろしい速度で爆走している奴がいた、御門だ。

 

御門の速度は高円寺と同じぐらい速く、圧倒的な速度で一人、また一人と抜き去っていく。

 

そして御門が7番手に浮上した頃、南雲が走り出す。そして御門が6番手に抓寄ろうとしている所で、伊吹と安藤がほぼ同時にバトンを渡すようだ。堀北兄は何やら綾小路と話しているようだが内容はまでは聞こえてきそうにない。

 

「なぁ、天野、本気で勝負しに来いよ全力で戦おうぜ。オレも……久しぶりに本気でやるからさ。」

 

隣で八雲が挑発的な笑みを浮かべて言ってくる、が八雲については詳しくは知らない。優秀という噂は聞くがどうも掴み所のない人間らしい。八神 夜 、木山派閥のナンバー2……恐らく実力はそれ相応にあるのだろう。

 

「分かった、それじゃあ俺も全力で行こう。」

 

そして俺達はほぼ同時にバトンを受け取る。

 

伊吹から渡されたバトンを受け取り、俺は一気に駆けだした。

 

俺と同様に恐ろしい速度で八雲が疾走している。俺もまた然りだ。俺達の前にはかなりの差をつけた南雲が居るだけだ。南雲は勿論かなりの速さだが、俺たちはその差を詰めつつあった。

 

 

 

「ウソだろっ!?あの南雲が負けるのか!?」

 

3年生の方からそんな声が聞こえてくる。

 

 

人と競いながら走るのがこんなに気持ちいいと思えるなんて久しぶりだ。前に走ったのは前世の陸上部だった頃か……長距離とは言えあの頃の俺は競うことに毎日夢中になっていたっけか。

 

隣を走る八雲との一騎打ち。それは昔を思い出せるもので。

 

俺は自分でも気づかないで笑みを浮かべたままゴールに向かって走る。南雲との差は僅か5メートル、俺も八神もあと少しで追い付けるだろう。間に合うかはギリギリだな。

 

「嘘だろ?!」

 

後ろから声が聞こえてきたが俺達には関係の無い事だ。そして俺達はほぼ横並びでゴールした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうして閉会式が始まった。結局あのリレーは一瞬後ろの声に反応してしまった八雲が3位、俺が2位、南雲が1位だった。

 

ちなみに後ろで声を出した奴は堀北兄と綾小路の勝負と、想像より早い綿白神に驚いてコケたらしい。俺も少し見たかった感じはある。結果、1年Dクラスは4位、3年Aクラスが5位、1年Aクラスが6位になったらしい。

 

「それでは、これより本年度体育祭における勝敗の結果を伝える。」

 

真嶋先生のアナウンスが流れる。ちなみに松志田先生だが……冤罪の説は濃いらしいがそれでも確実な冤罪である証拠は無いことや、日頃の行いのせいで減給を食らったらしい。寧ろ減給で済んで助かったな。まぁこの学校に居場所があるかは別問題なのだが。噂とは恐ろしいものだ。

 

 

「では最初に結果を発表する。まず全体の結果だが……赤組の勝利とする!」

 

 

その言葉に赤組は喜び白組からはがっかりした声が上がる。白組に所属しているクラスは問答無用で200もクラスポイントを引かれるから当然だが。まぁこれは分かりきっていた事だ。大事なのはその後、クラスと優秀選手の話だ。

 

 

「続いて学年ごとの結果を発表する。後ろの電光掲示板を見るように。」

 

 

真嶋先生が自身の後ろにある掲示板を指差すと文字が表記されるので1年生の部を見てみると……

 

 

 

 

1位 1年Dクラス +100クラスポイント

 

2位 1年Bクラス-50クラスポイント

 

3位 1年Cクラス-200クラスポイント

 

4位 1年Aクラス-300クラスポイント

 

 

 

ギリギリだがDクラスに負けてしまった。あのリレーで綾小路が6位になっていれば俺たちの勝ちだっただけになんとも惜しいところだ。

 

「続いて個人のランキング、並びに学校別優秀選手の発表をする。」

 

学校別最優秀生徒 2年Aクラス南雲雅、1年Bクラス木山 誠 八雲 夜

 

リレーで負けたのが痛かったか。それにしても同率はありだったとはな……完全に見落としていたぜ。

 

今回の体育祭、原作知識に俺は頼りすぎたのかもしれないな。

 

これにより3人にはそれぞれ100万プライベートポイントと、Bクラスに200クラスポイントが入ることが確定する。南雲のクラスは知らん。

 

そして学年別ランキングだが、最優秀選手となったこの2人は除外されるらしい。とは言え勝敗を分けたのは推薦かつ個人競技だった借り物競争やの推薦種目なのだろうが。

 

しかもこのランキングは重複した場合でもその一個下の順位が消える、と言った事は無いらしくつくづく原作に頼り切っていた事が伺える結果となってしまった。どうにもCクラス、並びにDクラスの手のひらで踊らされた様な感じがするな。

 

 

1位 柴田颯 +50ポイント

 

2位 天野聖 +40ポイント

 

3位 高円寺六助、御門玲於、綾小路清隆 +30ポイント

 

4位 安藤沙代 +20ポイント

 

5位 須藤健 +10ポイント

 

6位 平田洋介、神崎隆二 +5ポイント

 

7位 矢島麻里子、鬼頭隼人 +5ポイント

 

8位 木下美乃里+5ポイント

 

9位 一之瀬帆波、葛城康平+5ポイント

 

10位伊吹澪、綿白神姫華+5ポイント

 

また、成績が悪かった、ワーストのランキングは

 

1位 坂柳有栖-50ポイント

 

2位 篠原さつき、伊集院 照-40ポイント

 

3位 里中聡-30ポイント

 

4位 島原いっけい-20ポイント

 

5位 小宮叶悟、司城大河-10ポイント

 

6位田宮江美-5ポイント

 

7位 外村秀雄-5ポイント

 

8位 幸村輝彦、椎名ひより-5ポイント

 

9位金田悟、佐倉愛里-5ポイント

 

10位中島理子、西春香-5ポイント

 

坂柳有栖はどう頑張ってもオンリー最下位という事であり、篠原達は失格でポイント没収なのでワンツーは変わらないだろう。Aクラス組は怪我とかもあったし仕方ない、か。

 

とはいえこれで体育祭の変動ポイントは

 

旧Aクラス -210ポイント

 

旧Bクラス-125ポイント

 

旧Cクラス-215ポイント

 

旧Dクラス+300ポイント

 

結果だけ見ればDクラスの一人勝ちだが、Bクラスは白組のマイナス分を抱えながらも2位となっている。そういう意味では赤組の結果にAクラスは救われているのだが………恐ろしいなDクラスは……綾小路が動き出したのかもしれない。

 

 

体育祭開始時点のクラスポイントは……

 

 

 

(旧)Aクラス……1912ポイント(坂柳は確定で最下位なので-50ポイントは確定)

 

 

 

 

 

 (旧)Bクラス…1160ポイント

 

 

 

 

 (旧)Cクラス…1392ポイント

 

 

 

 

 (旧)Dクラス……440ポイント

 

 

という感じだったが今回の体育祭の結果により……

 

 

 

 

旧)Aクラス……1702ポイント

 

 

 

 (旧)Bクラス…1035ポイント

 

 

 

 

 (旧)Cクラス…1167ポイント

 

 

 

 

 (旧)Dクラス……740ポイント

 

 

 

 

となった。篠原と伊集院のふたりがDクラスに-140ポイントとかいうバカげた数値を削ってくれたお陰で助かった感は正直ある。コケた堀北も同様だな。あいつがコケなければもっと安定していただろう。まぁ大打撃を受けたのはAクラスだ、赤組として勝ったはずなのにウチと一緒に2人負け状態、俺たちは白組の負け分があるから仕方ないとしても、Aクラスは大敗を決したと言っても過言ではない。

 

白組の負け分があったとはいえ、-125ポイントに抑えたBクラスも目立っては居ないがかなりの活躍と言える。下のクラスが逆襲して来た事実に俺は何処かで心を踊らせている。最も自分自身でもその事に気付いてはいないが。

 

 

こうしてDクラスの一人勝ちで閉会式は終了した。

体育祭、勝つのは……?

  • 坂柳派閥だ!
  • 綿白神派閥だ!
  • 一之瀬派閥だ!
  • 木山派閥だ!
  • 龍園達Cクラスだ!
  • オリ主だ!
  • 平田グループだ!
  • 櫛田グループだ!
  • 篠原グループだ!
  • 御門グループだ!
  • 高円寺だ!
  • 今は亡き葛城だ!
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