優越者
今日は2月1日、クラスポイントが増減する日だ。朝から池が大声で叫んでいたのでDクラスのポイントは低い事だろう。まぁ石崎は目覚まし代わりにしてたけどな。
俺は支度をして学校へ向かう。学校に着いたのはギリギリなので、既に大半の生徒は席に着いていた。程なくして、三上先生がやって来る。
「皆さんおはようございます。まずは、今日は2月1日なのでクラスポイントの変動をお知らせします。まずは林間学校の結果からです。」
そう言って手に持っている紙を1枚、黒板に貼る。その紙には林間学校の変動が書かれている。右から順に男子の点数、女子の点数、優待者の点数、合計点のようだ。
Aクラス 男子+250 女子-28 優待者+20 合計点+242
Bクラス 男子ー47.2 女子+158 優待者+20 合計点+130.8
Cクラス 男子-65.2 女子+306 優待者+110 合計点+350.8
Dクラス 男子-275.2 女子-216 優待者-150 合計点-661.2
「また、優待者やグループの着順の詳細は2棟の2階、庶務室前に貼られているので興味のあるものはそちらを確認するように。また、小数点以下は四捨五入とする。」
Dクラスのマイナスがやばいな…取り敢えずこれで
Aクラス1651ポイント+242ポイント▶1893ポイント
Bクラス1580ポイント+131ポイント▶1711ポイント
Cクラス1139ポイント+351ポイント▶1490ポイント
Dクラス817ポイント-661ポイント▶156ポイント
改めて見るとDクラスは転落まっしぐらだな。綾小路1人いるかいないかでここまで変わるのか……アイツやべぇな。いや、Dクラスがオワコンなだけかもしれないけどさ。
「次に、2月分のクラスポイントの変動を発表する。」
そうして三上先生が3枚目の紙を貼り出す。毎回思ってるんだけどこの紙の奴全部纏めてやれよ…なんでわざわざ切り離してるんだこれ。Dクラスへの配慮か?
「巫山戯んじゃねぇぇぇ!!」
隣のクラスから雄叫びが聞こえてきた。クラスポイントの大幅な減少をやらかしたせいだろうか……?まァDクラスだし何があってもおかしくは無いか。
2月分の変動で
Aクラス1893ポイント▶1981ポイント
Bクラス1711ポイント▶1804ポイント
Cクラス1490ポイント▶1566ポイント
Dクラス156ポイント▶234ポイント
となった訳だが……Dクラスとうちのクラスの差は1332ポイント、逆転は最早不可能と見ていいだろう。
「また、プロテクトポイントの1年での入手者はこちらとなる。」
男子 天野 聖
女子 堀北 鈴音
は?堀北1位取ったん?それが一番驚きなんだけど……というかあいつにプロテクトポイントなんて要らないでしょ絶対。
「そして……今から特別試験を開始する、が、退学率は3%未満と極めて低いものだ。確率にしてはクラスでは35分の1といった所だ……。こんな事は本来我々教師も不本意だ。だが行わなければいけない。」
堀北のプロテクトポイントゲットが何より不本意な気がするか……まぁ何はともあれこれはクラス内投票だろう。と言いつつも35分の1とはどういう事だ?
「内容はいたってシンプルだ。ルールを書いた紙を回していくのでそれを見てくれればいい。お前達がやるのはただ一つ、紙にクラス内の何人かの名前を書く事だけだ。今からお前たちが行うのはクラス内投票と呼ばれる試験だ。
だが、学年末に行われるある1人の生徒によって起こされる異例の特別試験の為、学校側での競技の末、少々ルールが変更された。」
その1人の生徒とは俺の事なのだが、ルール変更?特別試験?どうにも雲行きが怪しくなってきた気がする。
「お前達は5日後にクラスメイトに対して評価を付け、自分が最も高く評価したクラスメイト、称賛に価すると思った生徒3名に対し『賞賛票』を、
逆に最も低く評価したクラスメイト3名に対し『批判票』を、そして他クラスで最も評価している生徒1人に対して『賞賛票』を1票投じる。
そして投票の結果獲得した賞賛票がクラス内で最も多かった生徒には、特別報酬として3000万プライベートポイントを与える。」
3000万プライベートポイントとは大きく出たな。これでは2000万プライベートポイントを払えばむしろお釣りが出る事になる。そう上手くいく訳は無いだろう。
「また、今回の試験では『優越者』という者が存在する。優越者は批判票や称賛票を入れる事が出来るが、優越者に批判票を入れることは出来ない。だが称賛票入れる事が可能だ。そして、優越者は各クラス4人いる。
メンバーは学校側で判断し決めた。プライベートポイントなどを使っても変更は不可能だ。また、優越者の4人にはまた別で試験の内容が存在するので、優越者の4人は放課後第1会議室に来るように。」
いや、そんな制度知らねぇよ……何それ。どうにもきな臭くなって来たが……これが俺の革命に関係してるってのは一体どういう事なんだ……?
「だが、そう良いことばかりではない。反対に、クラス内で最も批判票を集めた生徒には……この学校を退学してもらう。無論通常退学者を発生させた際に存在するクラスポイントへのマイナスは300ポイントとなるが、退学者を出した方がクラス間の競走では有利になるだろう。」
現状2000万を出せるのは恐らく俺とBクラスぐらいだろう。ここでプロテクトポイントが生きてくる事になりそうだな。となると退学者が出そうなのはAクラスぐらいになるんだが……。おっと、ルール表が回ってきたか。
・クラス内投票の試験内容
・5日後の投票日に賞賛票、批判票をそれぞれ4票ずつクラスメイトの誰かに投票しなければいけない。取り消し、変更は出来ず、最下位の生徒は退学とする。
・称賛票は+1ポイント、批判票は-1ポイントとする。
・賞賛票と批判票は互いに干渉し合い、賞賛票から批判票を引いた票数がその生徒への票数となるとなる。
・自身に投票することはできない。
・同一人物へ複数回投票すること、無記入、棄権等の行為は一切不可とする。また、停学者はリモートで参加するものとする。
・首位と最下位が決まるまで試験は何度でも繰り返し行われる。
・他クラスの生徒にも賞賛票を1票投票する。こちらも無記入は認められない。また、このルールは前述の称賛票から批判票を引く際の称賛票に計上される。
・優越者のみ、ルールが異なる。詳しくは教師の説明を仰ぐこと。
・優越者は変更不可能。
・これらはプライベートポイントを使用して変更する事は出来ない。
「そして優越者だが……この様になっている。」
そういい三上先生は赤い紙を貼り出す。なんとも血のような色でさらに不安視させるものだ。
Aクラス 綿白神姫華 葛城康平 坂柳有栖 橋本正義
Bクラス 木山誠 一之瀬帆波 神崎隆二 八雲夜
Cクラス 天野聖 龍園翔 石崎大地 金田悟
Dクラス 御門玲於 堀北鈴音 平田洋介 櫛田桔梗
俺は優越者か……それにしてもクラスのリーダー格の人間が尽く並んでいるように感じるな。三輪と葉山が居ないのは引っかかる所もあるが……まぁ葉山は枠の都合かもしれない。三輪は……わからん。
まぁそれを言い出せばなぜ堀北はいるのかと言う話になってくるのだが。林間学校で結果を出したからか?
「天野、龍園、石崎、金田は放課後第一会議室に来るように。君達の健闘を祈っているよ。」
それだけ言い残して三上先生は去っていった。
「あ、天野さ…天野、どうすればいいですか…どうすりゃいいんだ!教えろ!」
敬語と日本語がごっちゃになってる石崎がこちらへと寄ってくる。ルールも分からないのにどうしろってんだよ……
「ルールがわからんから取り敢えず待てよ。それにこの試験、うちのクラスが悩む事は他のクラスよりも無いはずだぞ?」
「え……それはなんでです…どうしてだよ!」
なんかだんだん石崎が二重人格みたいになってきた。どうしてこうなった……。いやまぁ敬語が使い慣れてないせいなんだけどさ。
「天野氏が2000万プライベートポイントを容易に出せるからですか?それを差し引いてもクラスポイントが250も減るのは痛いと思いますが…。」
金田の言う事も一理あるだろう。だがこの話の肝はそこでは無い。
「うちのクラスは独裁主義の色が濃い上に、スパイ活動なんてやらかしをした奴が居るから票をコントロールするが楽だからだろ?」
正解だけど…誰だよ。そう思い俺が後ろを振り返ろうとすると石崎が驚いた顔をしている。だから誰だよ。
「…龍園、復活したのか?」
「アホ言え……だが、どうやらお前の言ってた革命がそろそろ近そうだな。革命次第では或いは……って所かもな。」
少しずつ、されどゆっくりと龍園翔は復活しつつある、前よりも強くなり、そんな感じがした。
「そうだな。Dクラスは白羽の矢を立てられるプロテクトポイント持ちの堀北は優越者だし、クラスポイントが減って阿鼻叫喚してる所だろう。相当な地獄絵図になる事が予測される。」
「なるほど……Bクラスは林間学校試験で退学させようとした一之瀬氏は優越者ですしね。2000万プライベートポイントを使うにしてもAクラスとの差を詰められなくなります。」
「Aクラスも坂柳と綿白神の二頭体制で色々めんどくせぇだろうからな。」
金田と龍園の言う通りだろう。そう言う意味ではうちのクラスはほかのクラスよりはやりやすい筈だ。
「まぁ俺ならば退学は吉田にするけどな。石崎と金田が決めればいいと思うぞ。」
「吉田……吉田っすね。」
「自分も吉田氏か山下氏を切るならば選びます。悪くない判断かと。」
俺達の中で切る人間リストの最上位に登る事になった吉田は身を震わせていた。まぁ吉田一人に250のクラスポイントと2000万プライベートポイントを払うだけの価値は間違えなくない上に裏切り者だしな。
そのまま吉田が退学になるというクラスの雰囲気を纏ったまま、授業が進み放課後になる。
「おいお前ら、俺達は今から第1会議室に行く、が、その前に退学は誰にするかについて話しておくぞ!」
石崎は先陣を切って話すようだがこのタイミングは些か悪くないか?
「全員吉田に投票しろ!裏切り者の上に低スペックだからな、この先役に立ちそうもねぇ!」
石崎は吉田を指名する。吉田は顔を真っ青にして頭を抱えるばかりで話そうとしない。他の生徒にも異論がない……という訳では無いのだろうが表立って反対出来る人間は居ない。そんな事をすれば自分が退学になるリスクもあるから当然だろう。
当の吉田本人は……やらかした自覚があるのか、ここから生き延びるのを諦めたのか、顔を真っ青にして黙ったままだな……どうなってんだこれ。
まぁいいや、俺達はそのまま第1会議室へと向かった。まさかあの後あんな事になるなんて……この時の俺に予想しろと言うのは酷な話だろう。
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「Cクラスは全員来たようだな。」
俺達が会議室に着くと真嶋先生を始めとして1年を担当する坂上先生以外の先生が全員居た。とはいえ坂上先生は療養中なので実質全員だろう。
生徒ではBクラスとAクラスは全員揃っている。Dクラスは平田と御門と櫛田は来ているようだが……堀北はまだか?
5分後、堀北が来た……ボロボロな姿で。上履きは片方壊れており、スカートはチョークの粉だらけだ。制服は胸襟に皺が寄り、何処と無く元気が無い気がする。
……大方篠原あたりに免除されてる事をムカつかれてた上余計な事を言ったってところだろうな。
「遅れました……ごめんなさい…。」
教師陣は何があったかを察したのか、そのまま話を始める。
「君達には今回、別の課題に挑んでもらう。と、言っても単純に選べるものだ。とは言え、これが後々君達にとって非常に重要な選択となる筈だ。本年度は今回のクラス内投票も含めて3つの特別試験が残っているが…これが……本年度最後の特別試験に大きく関係してくる事になる。」
本年度最後の特別試験は俺が用意したものなので、十中八九俺の革命に関するものだろう。とは言え何人かには漏れてると見るべきか。
「君達には今からこの世で尤も強いと思う力を四択で選んで欲しい。四択の内容は学校側が用意していて、プライベートポイントでの変更は出来ない。
また、それぞれの選択肢に『各クラス一人ずつ、計4人』になるようにして欲しい。過不足は認められない。また、どの選択肢にしたかで君達に今回手に入る報酬が変わる。恐らくこれが今後大きな参考になるだろう。そして私から言えるのは……今回同じ選択肢を選んだメンバーとはなるべく仲良くなった方がいいという事だけだ。」
なるほど……つまりこの選択で決まるのか……『革命』後のメンバーが。となるとこの選択は重要になるが…逆に言えば龍園、石崎、金田とは……いや、深く考えても仕方ないな。
「選択肢と、その報酬についてはこの紙にある通りだ。クラス毎でも、全員でも良いから、15分で話し合って決めてくれ。万が一決まっていなければ学校側がランダムに配置するからな。」
そう言って真嶋先生は紙を1枚貼り出す。
問 この世で尤も強い力は何か?
答え1 権力 :今回の試験で批判票が10票入る。
答え2兵力:今回の試験で他クラスからの称賛票が入らない。
答え3 財力:10万プライベートポイントを没収する。(不足分は借金として負債となる。)
答え4学力: 学年末テストで全教科の点数が-15点される。
デメリットだらけじゃねぇか!こうなってくると選択肢1と2は確実に避けたいところだな。どっちにしてもいい事は無い。特に2は何が起きるかわからなさ過ぎる。
「それでは話し合いをスタートして貰う。」
俺達に考える猶予も何も無いままスタートする。こん中で1番俺としてノーダメージなのは間違えなく3だろう。10万×4で40万を払っても端金以外の何物でもない。
「この話し合いの前に……天野くん、私達Aクラスは2000万プライベートポイントを用いてクラス内投票は救済を考えております。貴方は今恐らく何億というポイントを持っています、違いますか?」
開始早々坂柳が突っかかる。コイツの考えていることはよく分からない。
「まぁ……何が言いたいんだ?」
「後日うちのクラスの一位が貰える3000万プライベートポイントはまるまる差し上げますので2000万プライベートポイントを貸して頂けませんか?」
この提案にAクラス以外が驚いたような視線を向ける。それはそうだろう。Bクラスが誰かを切る選択を取れば最早Aクラスはその立場を失う事になる。勿論取り返せるならいいが、中々にリスキーな選択と言わざるを得ない。
「まぁいいぞ……それならこっちに問題は無い。」
俺としても小遣いが増えるのは望ましい。橘先輩の件で使い過ぎてしまったしな。2000万プライベートポイントを俺は送金する。先生の前で詐欺など出来ないだろう。
「ありがとうございます。それでは話し合いに移りましょうか。」
少なくともBクラスは2000万プライベートポイントはあるので問題は無い。Dクラスは多分無いだろうが俺に頼めるだけの顔は無い。誰かしらを切るだろう。まぁこいつらに興味は無いし協力する気もサラサラないんだが。
「取り敢えず5分クラス内で話し合わないか?皆それのがいいと思うんだよ。極論クラスで意見が別れれば何とかなるしな。」
俺の提案に反対するものはい無さそうだ。とは言え上手くいくかはクラス次第だろう。
「お前らどこがいいとかあるか?俺は財力にしたいんだけど。」
「俺は何処でもいい。どうせ……いや、なんでもねぇよ。」
龍園はまだ殻に篭ってるらしい。まぁ彼の指名順は最後にしておこう。敵として怖すぎるし。
「そうですね……天野氏が財力に行くのでしたら自分が学力に行くべきでしょう。龍園氏はまだしも、石崎氏には些か荷が重すぎるでしょうし。」
石崎も事実なので言い返せないようだ。まぁ俺が財力に行く以上金田が学力に行くのは分かりきった事。そして…石崎の行く末も恐らくほぼ確定だろう。
「俺は……権力だな!龍園さんが批判票10票も食らったら不味い気がするし、他クラスから称賛票も大して入らないと思うからな。」
まぁその点に関しては俺も賛成だ。他クラスとの取引で無理やり称賛票を増やす事も出来なくは無いが、まぁわざわざ他クラスに借りを作らなくても大丈夫だろう。
「俺が兵力だな……まぁ悪くねぇ。兵力は間違えなく強ぇ力だろうよ。少なくとも学力よりはマシだ。」
龍園は学力アンチなのか学力だけは避けたかった様だ。
「5分たった様ですが……Cクラスはどうされるのですか?」
何故だか知らないが坂柳は俺に振ってくる。他の奴らはなぜ何も話さないのだろうか。
「俺は財力、龍園が兵力、金田が学力、石崎が権力で話が決まっている。」
特に嘘偽りを言うメリットもないだろう。
「成程……私達Aクラスは葛城君が学力、綿白神さんが権力、橋本君が兵力……そして私が財力です。末永く宜しくお願いしますね。」
その言葉を聞いた橋本が驚いた顔をしている。本来反対だったんだろうなこいつら……それにしても綿白神の腰巾着をする石崎か。あんまり想像したくは無いな。
「僕達Dクラスは財力がぼ「財力は私だよ!聖君と一緒で嬉しいな!」」
平田の発言をかき消す様に櫛田が声を被せる。本来なら平田……だったんだろうな。
「待ちなさい櫛田さん!御門君が学力、私が兵力、貴方が権力、平田君が財力という話になっていた筈よ!」
堀北が声高に糾弾する……やっぱDクラスってクソだわ。
「俺も兵力にするわ。龍園と組むのは楽しいからな。文句あんのか?鈴音……。」
「……っ!?……出過ぎた発言をしてしまい大変申し訳ありません。異存はありません。」
御門の人睨みで堀北は黙りこくる。残念ながら堀北は飼い慣らされているらしい。いや寧ろそれでいいのか?辞めよう。堀北の存在について考える事すら忌避したい。
「なら良いだろ。俺は兵力にするぜ。櫛田が財力をやるのも好きにやればいいんじゃねぇか?俺だけって訳には行かねぇだろうよ。」
御門は楽しそうに笑う。堀北を嬲るのを楽しんでいる様だ。そのまま末永くお幸せになって欲しい。仲良く退学して2人で底辺ライフを楽しんでくれ。
「堀北さんは学力と権力どっちがいいかな?」
みんなの平田洋介はやっぱり平田洋介をしていた。
「……金田くんは生理的に受け付けないわね。存在自体が吐き気がするわ。権力にしましょうかしら。」
堀北は金田をとことん侮辱する発言をする。それも教師の前で。
「堀北、褒められた発言ではないぞ。」
「堀北……あとでお仕置だな。」
真嶋先生の制止する発言と、御門のお仕置認定により、堀北の顔が青ざめる。願わくば早く退学して欲しいものだ。不快を通り越して忌避の域に至っているしな。
「……えーと、ともかく、権力は堀北さん、学力が僕、財力は櫛田さん、兵力が御門君にするよ。」
「あとはBクラスですね。」
平田の発言の直後に綿白神が入れる。そしてまるで……いや、気の所為か。
「フン、Bクラスは……権力が八雲、財力が一之瀬、学力が神崎、そして兵力がこの俺だ。光栄に思うんだな。フン。」
木山の発言と態度は傲慢そのものだった。まるで何者かに操られているかと思うぐらいに傲慢。とは言え一之瀬が俺の所に来たのは有り難い。誰が何処とかで事前に取り決めていたのかもしれないな。怪しい八雲は綿白神の所か……まさか綿白神と繋がってるなんて事は……無いと信じたいな。
それにしても三輪や葉山、ひよりに高円寺なんかが居ない所を見ると、スペックの問題で選ばれたメンバーとは思いがたいな。となると選ばれた理由は「リーダー適正」とかだろうか?
「決まったようだな。それでは改めて確認する、これでいいんだな?」
誰からも特に反対意見は出ない。結果として、Aクラスから順に並べると。
学力:葛城康平、神崎隆二、金田悟、平田洋介
権力:綿白神姫華、八雲夜、石崎大地、堀北鈴音
兵力:橋本正義、木山誠、龍園翔、御門玲於
財力:坂柳有栖、一之瀬帆波、天野聖、櫛田桔梗
となった。学力チームのメンバーはとにかく平和そうだ。原作で言う所のBクラスとDクラスを足して2で割った感じの雰囲気になりそうなメンバーなので1番安全だろう。
次に権力チーム、八雲が黒幕Xならばいい感じのハンデなのかもしれないが、堀北を抱えるとかろくな事が無さそうだ。俺なら頭を抱えて3日寝込むな。まぁ石崎には悪いが俺が潰したい奴が揃ってくれたのは助かる。
そして兵力チーム、バリバリ原作のCクラスみたいになりそうだ。木山はさておき、橋本も龍園も仲は悪くない上に御門と龍園も仲良しだ。龍園が復活さえすれば驚異でしかない。龍園の特異なカリスマ性って奴だろう。
そしてうちのチームだが…まァ物の見事に固まれた。90点ぐらいだろう。葛城は知らんが。
一之瀬も桔梗も同じチームに来てくれたのはとても有難い。坂柳がどう転ぶかによるが、まぁ少なくとも嫌われてはい無いはずだし手荒なことはされないだろう。
「今日はこれで解散だ。各自、ここであった事は他言しないように。」
そう言われて俺達は順番に部屋を出る。
「天野君……断言します。この次の試験が始まる前に、貴方は私の下に着くことになるでしょう。」
坂柳が急に変なことを言い出した。何する気だよこいつ。
「何を言ってるんだ…」
「ふふふ、天才の思考を読むのはまだまだお辛い様ですね。楽しみにしておいてください。私は貴方が気に入りましたので……。」
それだけ言い残して坂柳は去っていった。全く訳が分からん……今回の試験で俺が退学になる事は有り得ない。せいぜい2000万プライベートポイントをパクられるぐらいだろう。そして次の試験が始まる前……か。
この世界線では万引きは起こしていないとはいえ一之瀬には当分坂柳を警戒させるべきなのかもしれない。尤も、一之瀬帆波は犯罪者では無いのだがどう非難するのやら…。
俺は自分の思考を考え過ぎだと割り切り、そのまま寮へ戻るのだった。
冤罪が無かった世界線がifルートとして
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みたい
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みたくない