どうやら地球外の剣術の才能があったらしい 作:クレナイハルハ
谷上 靭side
朝、学校の教室では話し合いや雑談をする人達で賑わっていた。まぁ、僕には関係ないだろうと自分の机に座り、右手で頬杖を付きながら窓から外の風景を眺める。
現実味のない、何処かボーッとしたまま空を眺めながら考える。いつも通りに学校へ行って、バイトをして帰ってゆっくりと堕落に過ごすのが僕の日常だった。
でもそんな日常は、当たり前の現実は突如として非日常へと変わった。
チラリと左腕に着けたレイアスブレスを見る。
夜、狐に導かれるまま森に入り偶然見つけたレイアスブレスを拾い上げて、空想の存在だと思っていた、本物のウルトラマン。ウルトラマンレイアスと出会った。その後、突如として出現した怪獣、ウルトラマンティガに出てきた超古代怪獣ゴルザと戦うこととなった。
改めて自分がウルトラマンになったと言う現実が信じられない。
「はぁ」
「ため息なんて幸せが逃げちゃうよ、谷上くん!」
聞き覚えのある声が聞こえてきた方を見ると、結城 紫音さんがタブレット片手に僕の机の横に立っていた。
ほ、本当にクラスメイトだったんだな……
「ほら、スマイルスマイル!」
そう言ってニコリと笑って、僕にも笑うよう促される。ぎこちなくだが、どうにか笑顔を作る事ができた。
「ねぇねえ!谷上くん!昨日のニュース見た!?」
「え、えっと家に帰ってすぐ寝ちゃったから……」
「えぇ!?あんな事が起こってたのに!?」
目を見開き、いかにも驚いてますといった様子を見せる結城さん。
「あんなこと?」
「昨日ね!この町に怪獣が出たの!しかも、ウルトラマンティガに出てきた超古代怪獣ゴルザ!」
ほら!と言って結城さんがタブレットを見せてくる。タブレットにはニュースが映っており、大きく【ウルトラ怪獣出現!実在した光の巨人!】と言う文字が大きく記されていた。
見出しにはゴルザが咆哮を上げている様子が映っている。
「しかも、ウルトラマンが現れてゴルザを倒しちゃったんだよ!!」
結城さんがタブレットの画面をスクロールすると、青いウルトラマンの姿が映り込む。
それはティガ?と似ているスラッとした頭部(トリガースカイタイプの頭部)、上半身はカラータイマーは覆われていないが、メカザムの鎧をそのまま装着しておりカラータイマーはウルトラマンヒカリのような滴型。そしてメビウスのような腕にティガスカイタイプのような脚をしたウルトラマンが、青い太刀を構えていた。
これが、ウルトラマンレイアスの姿………変身したときは、とにかく怪獣を倒さないとッ!って思っていて姿を見る余裕がなかったから、初めてレイアスの姿をちゃんと見たな。
「このウルトラマン、赤いところが無いからきっとブルー族だよね?」
「そうだね、シルバー族ではなさそうだし」
「やっぱりウルトラマンは本当にいるんだ!きっとゼロやメビウスも!でも、ゴルザがいるって事はさ、この世界にガタノゾーアがいるって事なのかな?」
結城さんが最初は嬉しそうに話すがゴルザに対する推察を語るなか、不安と僅かの怯えが混じった様に話していた。
「ッ!?」
そうだ、考えてみればゴルザは闇の支配者である邪神ガタノゾーアの尖兵。もしゴルザが存在するなら、ガタノゾーアが存在する可能性も十分にある。
自分がもし、あいつと戦わなければならなくなったら?そんな想像をして即座に考えるのを止める。
「タイガみたいに異星人が捕まえて連れてきたって考えも出来るんじゃない?」
出来るならレイオニクスやタイガみたいに野生の個体を捕まえていたとかならガタノゾーアが現れる確率は下がる。
「確かに、でもそうするとレイ……レイブラッド星人やベリアル陛下が関係してくるね……」
「そろそろ時間だよ」
「あっ!ありがとう、またね谷上くん!」
そう言って手を振り去っていく結城さんに
『驚いたな、この星の人々はこんなにも博識なのか。しかもウルトラの星の情報……ベリアルの存在も知っているとはな』
脳内に直接伝わってきた彼の言葉に思わず苦笑する。
(まぁ、映像……空想の物として、だけどね)
レイアスブレスを一別し、教師が来るまで外を眺め昨日な夜の事を思い出した。
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「……僕がウルトラマンに」
自宅、部屋のベットに腰掛けて左腕に着けているブレスレットを見つめる。
『改めて自己紹介させて欲しい、私の名はウルトラマンレイアス。M78星雲、光の星出身の宇宙人だ。』
脳内に直接聞こえてきた声に思わずビクリと肩が動き、驚きながらも僕はどうにか返事を返した。
「僕は靱、
『ジン、君のお陰でゴルザと呼んでいたあの怪獣を退ける事が出来た。本当にありがとう』
「いや、僕はただ……目の前のことに必死だっただけで」
『いや、君の太刀筋は本当に素晴らしかった。』
お世辞だとしても、剣を褒められるのは少し嬉しいな。誰からも褒められなかった物だから。
「ありがとう、お世辞だとしても嬉しいよ」
『お世辞じゃない、君には間違いなく剣の才能が……それよりジン、君に頼みたい事がある。』
「頼みたい事?」
『あぁ、この世界で他に怪獣が存在するのなら、私はそれを倒さなければならない。ウルトラマンの一人として………だが、私は力を消耗しすぎて地球では3分しか活動できない。君の助けが必要だ、どうか私と戦ってはくれないだろうか?』
「僕は……」
僕がウルトラマン、そんなの無理に決まっている。きっと、僕なんかじゃ力に馴れない、そう言うのは妹の方が良い、そう思っている。でも、初めて剣を褒めてくれた彼に少しでも力を貸してあげたい。
テレビみたいに守りたいもの為に、とかまだ僕には戦う理由が明確にはない。それでも……
「分かったよ、これからよろしくねレイアス」
『ありがとうジン』
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もしこれから怪獣と戦っていくのなら、鍛えなければならない。レイアスは僕に剣を指導すると言う話になった。
家の道場さ嫌だし、学校の剣道場は部活で使われる。その為、放課後にレイアスブレスを拾った山で木刀を構えていた。
「本当にやるの?」
『あぁ、取り敢えず君の太刀筋をもう一度見せて欲しい』
「あぁ……本当に期待しないでよ?」
そう言って僕は家で習っていた剣術を一通り振るう。剣を振っていると、やはりか自分ではうまく出来ない、下手だと言う感じがする。
『…………ジン、今から私の言う通りに剣を振ってくれ』
こうして、レイアスとの剣術修行が始まった。
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