どうやら地球外の剣術の才能があったらしい 作:クレナイハルハ
谷上 靱side
朝いつもより早く起きた僕は木刀とタオル、水筒を持って家の外に出て木刀を振っていた。レイアスから習った剣の振り方をひたすら繰り返す、朝の日差しと運動で体が温まり額を汗が伝う。
M78流剣術、ウルトラマンレイアスが使う剣の基礎。ウルトラマンの設定には武器を使う人は少なかったけど、やっぱりウルトラマンは色々な武器を使えるように訓練しているのだろうか?
槍やヌンチャク、マントもあるし。
ウルトラマンに変身する身としては、実践を想定した訓練が出来ないのが少し痛いところだ。想像だと相手の行動を予測してしまい、実践での想定外の事態に対しての反応が遅れてしまう。
『どうした?』
「……なんか、模擬戦とか出来ないかなって」
剣を振るうのを止めて脳内に聞こえてきたレイアスの問いに答える。
『模擬戦?』
「このまま素振りを続けて基礎を身に付けても、実戦では上手く行かないこともあるだろうし、模擬戦相手がいたら良かったかなって」
『模擬戦相手か……』
「うん」
『それなら私に考えがある』
「本当?」
『あぁ、レイアスブレスに手を当ててくれ』
「えっと、こう?」
『オープン』
レイアスブレスの中央の宝玉、フォトンクリスタルへと手を翳すと宝玉が光輝にその声と共に目の前に光の扉のような物が現れた。
もしかしてこれって、所謂インナースペースって奴の入り口か?オーブやギンガ、ジードといったウルトラマン達の変身シーンを思い浮かべながらそんな考えが脳に浮かぶ。
『その中に入ってくれ』
「わ、分かった」
光の中へと入ると、考えた通りで宇宙のような空間が広がっておりウルトラマンレイアス、メカザムブレイブが幻剣ムラマサを持って立っていた。
『ジン、模擬戦だが私が相手をしよう』
「レイアスが?」
『あぁ、これでも光の国で開催された剣術の大会で優勝した経験がある。さぁ、構えろジン!』
そう言いながら幻剣ムラマサを構えるレイアスに僕は木刀を構え、レイアスへと斬りかかった。
ウルトラマンレイアスside
ジンの木刀と私のムラマサがぶつかり、つばぜり合いが始まる。最初こそ、私は彼を鍛えるため手加減していた。だが、模擬戦が長引くに連れてジンの剣に変化が生じた。
切り合えば切り合うほどに彼は私が教えたばかりの剣術、M78流剣術を自身に落とし入れ、私と戦う事でジンは私の技術すらも模様し自身の物にしている様子であった。
戦った際の動きを誉めても、お世辞でも嬉しいとどこか悲しげに話していた。かつて地球を訪れたことがあるウルトラ戦士の方から聞いた話だが、地球人は謙遜し他人にあまり力を見せびらかさないと聞いたことがある。
だが彼が話していた雰囲気はとても悲しかった。
才能なんてないと自虐していた彼には間違いなく、才能がある。
地球の剣術ではなく、
彼の成長するスピードは素晴らしい。これから始まるであろう怪獣や宇宙人達との戦いに、これ程頼もしい相棒は他にいないだろう。
ムラマサを振るうと、カンと言う音と共にジンの持っていた木刀が宙を舞う。ドサリと尻餅を付く彼へと手を差し伸べる。
「いつつ、僕の負けか」
まだまだ負けてやれないが、近いうちに彼はきっと完全にM78流剣術を使いこなせるようになるだろう。
ジン、君には間違いなく剣の才能がある。
これ程までに早くM78流剣術をものにする人を始めて見た。
『やはり君には才能があるようだな』
そう言いながら彼の手を掴んで立ち上がらせながらそう告げると、彼は罰が悪そうな表情を浮かべながら口を開いた。
「剣の才能なんて僕には無いはずだよ」
そう話す彼に対して私は大きく言葉を発した。
『いや、ある!君の才能はおそらく地球ではく宇宙の剣術だ。自身を持ってくれジン、君には才能があるんだ』
自信を持って欲しい、誇って欲しい。そう思いながら私は弾かれた木刀を彼に差し出す。すると彼は驚きつつも、少しずつ嬉しそうに自身の使っていた木刀を受け取り、握る掌を見つめる。
「地球外の剣術の才能が、僕に……。レイアス、もっと僕にM78流剣術を教えてくれ、君と共に怪獣と戦うには、僕はまだ弱い。」
『わかった、もう一戦するとしよう。構えろ、ジン!』
「ありがとう、いくよ。レイアス!」
ご愛読ありがとうございます
感想、お気にいり登録、高評価
お待ちしています