歌姫の騎士   作:清涼みかん

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※ネタバレ要素がありますので、本編及びフィルムレッドを見てない人はブラウザバックをオススメします。


剣豪と世界最強

「奴らを止めろぉ!!」

 

「邪魔だ!」

 

「ぐはっ!?」

 

頂上決戦の真っ只中の最前線をゆく三人組に海兵たちは手こずっていた。突撃しては宙を舞い、斬り伏せようとすれば逆に斬られ、遠くから撃とうものなら眠らされる。中には将校クラスの海兵も混ざっていた。

 

「一般兵は近づくな!将校クラスで対処しろ!」

 

「そんなんで勝てると思ってるのか!海軍本部!」

 

特に暴れ回っていたが私だ。畳み掛けるように近づいてきた海兵たちを武装色でぶっ飛ばし、撃ってきた砲弾を丁寧に弾き返して砲台をぶっ壊す。

 

「あいつ強ぇな!なんか楽しんでるみてぇだし!」

 

「怒るところは何回か見た事あるけど……あんなに嬉々として戦ってるフェリを見るのは初めてかも……」

 

ルフィは笑い、ウタは若干戸惑っていた。そんな様子に構うことなく、突撃してくる海兵たちをぶっ飛ばす。しかし、それでも海兵の勢いは止まらない。

 

「来るな!ルフィ!」

 

処刑台のエースがルフィに向かって叫ぶ。

 

「わかってるはずだぞ!!俺もお前も海賊なんだ!!思うがままの海へ進んだはずだ!!」

 

「俺には俺の冒険がある!おれには俺の仲間がいる!お前に立ち入られる筋合いはねぇ!!」

 

「お前みてぇな弱虫が!!俺を助けに来るなんて、それを俺が許すとでも思ってんのか!?こんな屈辱はねぇ!!」

 

「帰れよルフィ!!なぜ来たんだ!!」

 

戦場に木霊するエースの叫び、罵倒しているようにも聞こえるが私には分かる。弟を心配している兄の言葉だこれは。ちょっと言い方が不器用だけどね。

 

その言葉にウタは「何よあいつ!?ルフィが助けに来てるのに!」と怒っているが、言われたルフィくんは一切迷うことなく…

 

「俺は弟だァ!!」

 

「海賊のルールなんて俺は知らねぇ!!」

 

と、言ってのけた。これにはウタも呆れ顔、私的には結構カッチョイイなとは思っている。シビれるような言葉だったぜ!

 

しかし何故か海軍の方では混乱が起きていた。事前にエースとルフィくんが兄弟だってことを知らなかったのか?

 

『何をしている!たかがルーキー3人に状況を左右されるな!!』

 

『麦わらのルフィもまた未来の「有害因子」!幼い頃エースと共に育った義兄弟であり、その血筋は…』

 

「革命家」ドラゴンの実の息子だぁ!!

 

「「「「「「「はぁ!!?」」」」」」」

 

戦場の声がひとつになった。私も声には出さなかったが、非常に驚いている。ルフィくんが“あの”ドラゴンの息子だったとは……だからさっきから革命軍の有名人がちらほら見えているのか。

 

「ゴムゴムのぉ!巨人の回転弾(ギガント・ライフル)!」

 

まるで巨人族かと言わんばかりの腕で巨人の海兵をぶっ飛ばすルフィくん。これには白ひげ海賊団側も大いに盛り上がった。

 

「エース!好きなだけ何とでも言えェ!俺は死んでも助けるぞぉぉ!」

 

「なるほど、やっぱり似てるなウタに」

 

意地っ張りで頑固なところだけどね。とりあえず、この2人を守らないといけない。ここからは能力者の人たちも出てくるはず、なら先頭は私が行くべきだ。

 

そうしている間にも戦況は慌ただしく動いていく。白ひげの指示で参加の海賊たちが左右に別れて海軍船を攻撃しだした。海軍も海軍で何か動いているようだし、余計な時間はかけていられない。

 

途中でゾンビを使役する七武海や白い煙の海兵が道を塞ぐが、七武海である“海峡”のジンベエと、“九蛇の女帝”ボア・ハンコックが助けてくれたおかげでルフィくんもなんとか処刑台へと進み続ける。

 

この数日間でどうな人脈築いてるんだよ…。

 

それはまぁさておいて、ここで厄介な人が出てきた。黒刀を背負い、あまたの剣士の頂点に立つ男

『ジュラキュール・ミホーク』である。

 

「ルフィくん、ウタ!先に行ってて!」

 

「でも!?」

 

「心配しないの!後で絶対に追いつくから!」

 

剣を抜き、ルフィくんへの戦闘態勢を取ったミホークに私は斬撃を放つ。ミホークは難なく私の攻撃を受けたが、その瞬間に私が間合いを詰めて鍔迫り合いの状況まで持っていく。

 

その間にルフィくんとウタが通り過ぎる。この戦場でもあの二人ならば大丈夫だろう。今は騎士交代だよ?ルフィくん。

 

「……ふむ、噂以上だ」

 

「へぇ、私を知っているとは意外でした」

 

「これでも新聞は読むほうだ。億超の海賊団と海軍の戦艦3隻を単独で沈めたとなれば興味くらいは持つ」

 

鍔迫り合いを解いて互いに距離をとる。結構強めに押してたはずなのに、まだまだ余裕を持っていそうな様子…さすがは世界最強の剣豪だ。

 

「麦わらの船に乗っていた小僧も良かったが……今はお前の方が実力は上だろうな。だから見極めさせてもらう。お前の真価を」

 

「どうぞお手柔らかに……って戦争相手に言う言葉じゃないよね。それじゃあ!行きますよ!」

 

出し惜しみはなしの全力で覇気を乗せた一撃。斜めから切り下げるように振るが、ミホークさんも私と同じように剣を振り下ろしていた。結果、剣がぶつかり合ってその場から強烈な衝撃を産む。

 

しかし、その衝撃が急に止んだ。「衝撃が来る!?」と防御体制をとっていた近く人達が困惑していると、数拍置いてズバァァン!という何かを切る音が2つ轟いた。

 

その場にいる全員が目を疑う光景……氷山が真っ二つになっていたのだ。斬られた氷山はそのまま滑るように海へと消えていった。青キジによって阻まれていた海の障壁の約4割が2人の1撃でぶっ壊された。

 

「なかなかの覇気だ」

 

「これでも普段から鍛えてるんで!」

 

ガキィン!とまた刃同士が離れると、次に起こったのは斬撃の嵐だった。何回にも折り重なった剣撃は辺りに多大な被害を撒き散らす。しかし、それでも中心の2人は攻撃の手を緩めない。

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「……ふッ!」

 

先に仕掛けたのはミホーク。打ち上げるように振り上げた黒刀で私の体を中へと浮かす。その動作の続きのように放った突きは正確に私の体を貫こうとするが…

 

「まだッ!」

 

ギリギリのところで滑り込んだ剣でその一撃を受け流す。そのまま落ちながら体の重さを乗せた一撃をお見舞する。

 

ガキィン!!

 

「くっ…!?」

 

「私の武器が何も1本だと言った覚えはないぞ?」

 

ミホークは身につけていた十字架のアクセサリーを引き抜くと、小さなナイフの刃が出てきて、私の一撃を受け止めた。

 

ただの果物ナイフみたいな刃なのにビクともしない。

 

その場から距離をとる。詰められることも頭に入れていたが、意外にもミホークは追撃をしてこなかった。そのまま体勢を整えて再び剣を交えようとしたが…。

 

「ビスタ!援護しろよい!」

 

「任された!」

 

私よりも早く、シルクハットを被った二刀流の人が間に割って入ってきた。ミホークもその人の剣を受け止めるので動きが止まっている。

 

「ここは任せてあの二人を追いな!」

 

「ッ!ありがとうございます!!」

 

適材適所というものがある。あのままミホークの相手をしていたなら、私はどこかで切られていただろう。逆にあの人なら余力や技術ではミホークにも負けないはずだ。大人しくここはあの人に任せておこう。

 

私の走り去った後をミホークは名残惜しそうに見つめていた。

 

「とんだ邪魔が入ったものだ。あの者の真価を試していたというのに…」

 

「へぇ、俺よりもあの子の方が良かったかい?」

 

「いや、楽しみを早めに潰してはもったいない。それに白ひげ海賊団“五番隊隊長”花剣のビスタが相手ならば先程よりもいい闘争が出来そうだ」

 

_____________________

 

「わっ、大熊さんがいっぱい!?」

 

ウタ達の元へ急いでる時に後方からの爆発音を聞いてふりかえってみると、そこにはシャボンディー諸島でぶった切ったはずのロボが列をなして並んでいた。

 

そのまま白ひげ海賊団の傘下達を攻撃し始める。おそらくは挟み撃ちが狙いなのだろう。あれには普通の玉も武器も効かない。しかも、死を恐れず突っ込んでくるという使い捨て。やり合うにはかなり骨が折れる。

 

(無視だな)

 

実害がまだない分、前に集中した方がいいと判断し、先を急いだ。

 

「ウタ!」

 

「フェリ!大丈夫なの!?」

 

「ちょっとした切り傷はあるけど大丈夫!」

 

私の体から出ている血にウタは心配そうにしているが、ほとんどが浅い切り傷で済んでいるし、軽く止血の治療も終えている。まず動きに支障はないはずだ。

 

「ルフィくんは!?」

 

「ちょっと前に突っ込んでちゃった」

 

「ウタを置いて!?」

 

あの野郎、幼馴染でありながら私の大切なウタを置いてくなんてぇ!後で武装色(覚醒)のゲンコツ10発だな。顔はやめておこう、後々響くからね。

 

「うん、でも『お前の信頼してる奴が来たから先に行ってくる!』だって」

 

「なんだ、随分物分りの良い奴じゃない」

 

後でお肉を10個ほど贈呈しようか。ただし、ウタを置いていったのは許せないので、やっぱりゲンコツは1発だけ入れておこう。

 

などと、手のひらをクルクルと回転させてると後ろで「オヤジー!?」と白ひげ海賊団の面々が驚いている声が聞こえる。後ろを見てみれば、傘下の大太刀で胸元を白ひげさんがぶっ刺されていた。

 

「白ひげのおっさん!?」

 

刺した傘下の人が何やら喋っているが、私達には聞こえてこない。戦場最前線で戦っているからやられないようそっちに意識の大半持っていってるからだ。

 

でも、その人の話に白ひげ海賊団の船員や傘下達に動揺が広がる。

 

しかし、白ひげは胸元を刺されたというのに怒っていないようだった。逆にそのまま何かを話すと刺した傘下の海賊を片手で抱いた。おそらくは許したのだろう。

 

数秒ほどすると白ひげは立ち上がり腕を交差させて力を貯める。両手を振って何も無い場所を叩けば、振動が起きて青キジが凍らせた波の壁が一気に崩れ落ちる。

 

「海賊なら!!信じるものはてめぇで決めろぉ!!」

 

たった一言で白ひげ海賊団達に広まっていた動揺が、すぐさま海軍に向ける怒りになった。そして、それは白ひげ自ら動くという宣言でもある。

 

「俺と共に来る者は命を捨ててこい!!」

 

「行くぞぉ〜〜〜!!!」

 

ついに世界最強の男が動いた。センゴクが『来るぞぉ!』と叫べば、海軍全体にも緊張がはしる。巨人族を一撃でノックアウトし、将校の一撃を片腕止める腕力に戦慄しない方がおかしい。

 

そこからは白ひげの“力”というものをその身で体感した。腕を震えば大地が割れ、空間を掴めば大地が傾き、一声あげるだけで仲間たちの士気が上がり続ける。

 

これが最強と呼ばれる四皇の実力。私たち二人が介入したとて、ちっぽけな助けにしかなっていないだろうが、今はエースを助け出すことに集中する。

 

だが、海軍も一枚岩じゃない。白ひげが動き出したと分かれば、すぐさま特性の障壁を稼働させて私たちを凍った海の中に閉じ込めた。同時に大砲の玉や赤犬のマグマが降り注いでくる。

 

「うわわわ!?色んな方向から降ってくるぅ!?」

 

「ウタ!?離れないで!」

 

降り注いでくる大砲の玉とマグマを剣で弾いて落とす。しかし、エンドレスで続くこの弾幕をどう打ち破ろうかと思っていると、1箇所だけ巨体が横たわっている場所を見つける。

 

あれほどの巨体なら障壁が持ち上がらないのも納得できるだけど…。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「ルフィ!?」

 

あのように大砲の餌食になる。他に突破口は無いのか?エースの処刑を始めると向こう側では聞こえるし、白ひげ海賊団の作戦を待ってられない。

 

あれ?そういえば……

 

____________________

 

バシャン!と海兵たちが集まる処刑台前に、麦わらのルフィが現れた。

 

三大将を前に1歩も怖気付くことなく果敢に攻めていくが、その包囲網を突破できないでいた。

 

白ひげも白ひげでまだ作戦の準備が終わらず、海賊側の不利に思われた戦況だったが……。

 

「おりゃああぁぁぁぁ!!」

 

「行っけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

障壁の貼っていたはずの壁から2つの影が飛び出してきた。先頭は銀髪の黒剣を持った少女、その後ろに赤と白のツートンヘアーした少女が一気に突っ込んでくる。

 

破られるはずのない障壁の後から出てきた2人に対応が遅れてしまった近くの海兵たちはすぐさま鎮圧された。ぶち抜かれた穴からは少しづつ海賊たちが流れ込んでくる。

 

「なぜだ!?障壁の強度は完璧だったはずだろう!?」

 

「完璧って言っても後ろの壁が脆くなってたら一撃でぶっ壊せるの!」

 

「「「「「「嘘つけぇ!!?」」」」」」

 

黄猿との一戦で障壁が出る前の壁がほぼ崩れかけていたのを思い出した私は、一か八かで全力の斬撃と共に突っ込んでみたところこれがまた大成功、おかげで海兵たちの不意を突く結果になった。

 

「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」

 

あの大きな人が倒れていたところを狙ったかのように突っ込んできたパドルシップ。クジラをモデルとしたあの船はおそらく白ひげ海賊団のもの。たぶん、切り札としてあの船を取っておいたのだろう。

 

全員が広場に揃い、戦場はさらに混戦となる。タイムリミットはもうすぐそこまで迫ってきている……つまり、戦争の終結が近いということを示しているのだった。

 

 




はい、どうも最近本編とは関係ない方のアイデアがドバドバしてた作者です。

ちょっと長くなっちゃいましたが、次で頂上決戦編は完結させたいと思います。本編ルートに関してはもう道順が決まっちゃってるんで、アンケートに関しては本編に限って取りません。

その代わり、ifルートやexルートなどで皆様のせいへ……ゲフンゲフン、意見を聞いて『どっちが好き?』みたいな感じなアンケートは取ります。その時はぜひご投票ください。

ちなみにifルートはボーダーラインギリギリを狙って書いてるので、そこら辺は経過を見て加減を調整します。どこまで(ウタちゃんが責める)描写を表現していいのか?とか、どれくらい(フェリの責められる様子)ラインが引かれているのか?とかを見極めつつ頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

え〜、それと『こういう話とかどうですか?』みたいなものがあったら感想にじゃんじゃん送ってください(本編は抜きで)。しっかりと返答はさせていただきますし、可能な限りそのifルートを書いてみたいと思っています。

ぶっちゃけますと、『皆のアイデアがあればウタちゃんが幸せなるぅ!!』とか『え?こういうシュチュエーションとかありなの?キャー!』みたいな感じの脳内なんで遠慮せず送ってきてください。
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