死の支配者の寵愛   作:たまらー

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アインズは酷く動揺していた。


苦渋の選択

「くそっ!」 アインズは腹立たしげに机を拳で殴りつけた。

何をイラついている 突き放したのは自分だ。

「私に男漁りをしろと仰るんですか!?」 アルベドは耳を疑った。

「男は私だけではない 他の者にも目を向けてみろ おまえと合致する男もいるだろう」

「私が愛しているのはアインズ様だけです!」

「それとこれとは割り切ってしまえ おまえは淫魔(サキュバス)だ 欲求不満なのだろう?

私が相手をしてやらないのだからな」 アルベドはカッと頬を朱に染めた。

「私は肉体を持たない不死者(アンデット)だ おまえに押し倒されたところで交わることはできん。

この骨格だけの体には生殖器官が備わってないんだからな」

「私はアインズ様に…だ、男性自身が無くても構いません 触れ合うことで快感は得られます!」

淫魔(サキュバス)のおまえがそれで満足できるのか?

繋がれないんだぞ 蛇の生殺しだ 双方共にな」 アルベドは反論できなかった。

「適当に遊んで解消するんだな」 アインズは冷淡に言い放った。

アルベドの顔が蒼白になる。「他の男に慰めてもらえと…私がアインズ様以外の男に抱かれても平気なのですか!?」

アルベドは悲痛な声を上げた 「私とおまえとでは体の相性が悪すぎる」

アインズはローブを翻しアルベドの部屋を出て行く アルベドは愕然とその場に崩折れた。

 

『モモンガを愛している』あれは俺の願望だ。

ユグドラシルが終わるときリアルには悲惨な現実しかなかった。

ナザリックと共に自分の人生も終えたかった だがナザリックとの心中は叶わなかった。

ナザリックはこの世界に転移しNPC達は命を吹き込まれた。

俺という人間は消滅し不死者の王(オーバーロード)として転生した 俺はリアルを捨てたのだ。

こうなると予測していたらアルベトの設定変更時に考慮できた。

骸骨の不死者(オーバーロード)淫魔(サキュバス)不毛の恋だ。

俺はアルベドを言葉で拘束つもりはない 男として応えてやれないのだから

受肉する方法はある だがリスクを伴う。

アインズが危惧していたのは肉欲に溺れることだ 色欲は身を滅ぼす 彼は魔導王だ それは国の堕落を意味する。

 

俺は不死者(アンデット)だ 性欲を感じずこの身で発情するはずもない 冷静でいられるはずだった。

それなのにこの感情は何だ? それは幻想からくる嫉妬だった。

想像してしまったのだ アルベドの情事を その現場を目撃する自分を

そしてアルベドがしなだれかかっているのはかつて(・・・)の自分だった。

『痩せ我慢はよせ それを使えばおまえ達は愛し合える』 もうひとりの自分が囁く。

アインズの手に握られていたのは[人化の指輪]だった 異形種が人間に化けることができる代物だ。

生身の人間の肉体になるのだからリスクはあるものの飲食、睡眠、生殖行為が可能になる。

ユグドラシルでは価値のなかったそれが彼の欲望を叶えてくれる。

狂おしいまでの劣情がアインズを苛む。

精神の沈静化が繰り返し作用してもなお、いまこれを嵌めてしまったら俺は自分を抑えられない。

それでも抗い難い衝動に駆られ不死者(オーバーロード)の姿が一瞬にして猛々しい雄を具現化した男へと変わる。

かつての面影を僅かに残す相貌のなかで、黒曜石の眼の奥に烈情の焔がゆらめいた。




タブラさんすいません アルベドを虐めてしまいました。





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