死の支配者の寵愛   作:たまらー

10 / 27

この物語でのアインズ様は自信家で相手と対等が信条です。


幕間Ⅴ

エ・ランテルの冒険者組合のギルド長アインザックはアインズの呑み友達になっていた。

ナザリックとを行き来しているアインズだが、ときたま冒険者ギルドにも立ち寄っていた。

当初モモンに女を斡旋しようとしたアインザックを快く思っていなかったが、アルベドと肉体関係になってみて彼が(じぶん)を接待しようとしたのは理解できる。

飲めるようになったアインズは親睦を深めて帳消しにしようと、ナザリック産の酒を手土産にやって来た。

「こ、これは魔導王陛下ようこそお越し下さいました」

「堅苦しい挨拶と敬称は省いてくれ」

「それでご用件は?」 「おまえと飲りたくてな」

アインズは酒瓶を取り出すと例の指輪を嵌める。

魔導王仕様の人型である アインザックは眼を瞠った。

今日のアインズは大仰なローブではなく瀟洒(しょうしゃ)な装いだった。

それに相応しい佇まいの偉丈夫である。

「おお!これではいかに貴殿が人に非ずとも女が惑わされますな」

するとアインズはフフンと鼻先で笑い

「おだてても女は間に合ってるぞ 極上の寵姫がいるからな」と自慢気である。

「それでは貴殿を夢中にさせる女性がおられるのですな」

「ああベットで責め堕とした いや俺が陥落したのか」

「なんと!貴殿を骨抜きにした女性は誰なんです?」

「私の側近のアルベドだ」 「あの見目麗しいご令嬢ですな 側室ではなかったので?」

アインザックはアインズが当然ハーレムあっての豪傑だと踏んでいたのだが

「私は節操なしではないぞ 立場上憚られた それに不死者(アンデット)の体は不便なこともある」

つまり訳ありでいたせなかったと 「そうまでしてベタ惚れじゃないですか」

「そうだアルベドは淫魔(サキュバス)だからなエロスの女神だ」

「それは素晴らしいですな!いいでしょう 付き合いますよ

色事を肴にするんならこっちもイケますぜ」と親指を立てる。

「私は男はやらんぞ」 話題があらぬ方向に進みかけるが

「冗談ですよ でも野郎同士で組んずほぐれつもわるくないもんですぜ」

「じ、実体験があるのか?」

「元傭兵でしてね ああいう男所帯は手っ取り早く近場でやるんですよ。

娼館は金がかかりますんで 合意の交渉なら文句はありませんぜ」

「…女もうしろがよかったりするのか?」 「前後同時に攻めてイかせられますよ」と(うそぶ)

参考になるなとアインズ 猥談はともかくアインザックの若かりし日の冒険譚を聞いて、国が安定したらアルベドとふたりきりで旅行に出てみようかと模索する。

アルベドは転移したときから俺の傍にいてくれた。

そしてこれからもずっと…アインズは想いを馳せる。

 

「…折り入って頼みたいことがありまして」とアインザックは切り出した。

「その女房とご無沙汰でしてね

倦怠期ってわけじゃなく子供がいるとそういう雰囲気にならなくて

俺としては妻帯者なんで不倫はご法度でしょう。」 案外誠実な男だ。

「そこで気分転換に協力してもらえませんかね?」

その日アインザックの妻クロエは忘れ物を届けに来ていた。

「わざわざすまなかったな」 「いいのよ」

子供達も巣立ちする年頃だ 親が養護することも少なくなってきた。

「久し振りに外で飯でもどうだ?」 「そうね」 「帰り支度をしてくる」

クロエは無人になった受付の長椅子で待っていたが夫は戻って来ない。

組合長室は二階だがそこにも夫の姿はなく中に入ってみるとどこからか物音がする。

そして女性の声 耳を澄ませる 「…アインズ様」

「えっ」咄嗟に口を押さえる 『ま、魔導王陛下がいらっしゃるの?!』

クロエは慌てた 夫は接客中なのだろうか

しかし次第に大きくはっきりとしてきたそれは明らかに行為中のそれだった。

かぁっと全身が熱くなる そういえば夫としたのはいつだろう

この状況にいたたまれず部屋を出ようとしたがドアは開かなかった。

それにしても人のあられもない声がこんなにも気恥ずかしいものだとは

体が火照ってきた。

ふと頭を過ったのはさっき夫がくれた滋養強壮のポーションだ。

夫の魂胆がわかった。

よりによって…でもこれに一役買って下さった陛下とお膳立てをした夫を無下にはできない。

「…あなたお願いよ 早く出て来てちょうだい だってもう…」

クロエはへなへなとへたり込んだ 「クロエ?!」

本棚裏の隠し扉からアインザックが飛び出して来た。

「…馬鹿何やってるのよ」 クロエは自分を抱き起こそうとする夫の首に腕を回した。

茶番でも人間の夫婦間を取り持つのも一興だ。

アインズは「あとはよろしくやってくれ」とばかりに、アルベドと顔を見合わせ引き上げて行った。

アルベドの名演技ではなく実際に撫で回されイジられていたのはご愛嬌だ。




キャスト増えましたね キャラが一人歩きしてます。
クロエは架空の人物で成り行きで登場しました。




おお!お気に入りが快挙だ 一般受けするとは思ってなかったのでめっちゃ喜んでます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。