死の支配者の寵愛   作:たまらー

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不協和音なふたり


幕間Ⅷ

この物語での人化の指輪について詳細を記しておこう。

その効力でもって強制的に人間の肉体に変換するというものである。

弱体化するためレベルダウンするがそれは魔法やアイテムで補える。

スキルも使えるし武装もできる。

外観はイマジネーション通りに変幻自在で骨格がある者は基本それに肉付けされる。

現状維持(キープ)鍛練(バージョンアップ)更新(アップデート)が可能だ。

本質は種族そのままだが精神は体に影響される つまり物事において感情移入するようになる。

異形であっても性質が感化され人間らしく振る舞えるのだ。

その特性を利用してあのふたりが歩み寄れないだろうか。

デミウルゴスに対しセバスがアインズに渡されたのは[魔人化の指輪]だった。

(ここでの魔人とは半人間半悪魔とします)

デミウルゴスは眼と耳が人間のそれに変化し尾は体内に取り込まれている。

セバスは外見上なんら異変はなかった。(変身(トランスフォーム)型である)

ふたりは当面のあいだ指輪をつけて活動することになる。

「アインズ様の意図はわかります 私達の排他的関係を見兼ねての苦肉の策でございましょう しかし…」

「どうなるかやってみるしかありません」 困惑するも珍しく意見が一致する。

「さしあたって数日後に経過報告としましょう」

 

「どうですか?」 「…以前程貴方といても不快ではありませんね」 「悔しいかな同感です」

1週間後

「人間の体というのは厄介ですね 貴方みたいにお節介を焼いてしまいました。

悪魔であるこの私が」

エ・ランテルの町で人間への対応を試行していたのだが、足下に転がって来た林檎を拾ったのだ。

ナザリック内ならともかく、普段のデミウルゴスであれば人間を手助けしてやるなどあり得なかった。

籠を手にした子供に 「重そうですね 持って上げましょう 家は何所ですか」と彼にあるまじき行動を取ったのだ。

一方のセバスは

「『困っている人がいたら助けるのはあたりまえ』それなのに体が動きません

もう一人の私が傍観しています。

善い行いが出来ない それが魔人いえ悪魔の性というものなのでしょうか。

猛獣に獲物を狩るなとは言えませんね。

今後デミウルゴスと上手くやっていくには折り合いをつけるしかありませんか。

目に余る残虐非道ぶりであればアインズ様に相談して私がフォローしましょう。

こんな私達をアインズ様は統率しておられる。

心労をお掛けしないようにしなくてはいけませんね」というわけで

「…こっちもです 私の場合逆ですが」 「正義の見方がモットーの貴方がですか?!」

それらは到底信じ難い事象だった 「私達の生理的嫌悪感は種族故なのでしょうかね」

という結論に至り 「面白い実験でした」とアインズにレポートした。

そののち水と油のふたりがバーナザリックでグラスを並べて討論(ディスカッション)するようになる。





少しづつですがふたりの不仲が改善されていきます。


これで幕間も一段落です。
今後はタイプの違うアインズ様をと考えています。
手書き原稿が出来たらアップしていきます 暫しご猶予下さいませ。

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