第二部 パラレルワールド アインズ様の恋煩い編Ⅰ
俺様系病んでる?アインズ様です。
「はぁ~」 アインズは大きく溜め息を吐いた。
こんなにも遣る瀬ない感情に苛まれたのは初めてだった。
寝ても覚めても(実際に眠ってはいないが)考えるのは彼女のことばかりだ。
執務に支障が出始めている このままでは放棄しかねなかった。
一目惚れだった 「どうかなさいましたかモモンガ様?」
この世界に転移した直後アインズの目に移ったのは美の化身
ハッと息を呑んだ 艶やかな黒髪 つぶらな瞳 やわらかな唇 整った造形
透きとおるような絹肌 豊かな胸元に括れた抜群のプロポーションを純白のドレスに包んでいる 美貌を飾るのは悪魔の角と漆黒の翼
アインズは確かめるようにアルベドの頬に触れてみる。
温かい 生きている ただのNPC だったアルベドが動いて喋っている 感無量だった。
いやそれ以前にユグドラシルが終焉を勧告され、モモンガにとってアルベドは唯一の聞き上手な話し相手であり精神の拠り処だった。
いつしかアルベドに夢想し恋慕の情を抱くようになっていた。
リアルなど糞喰らえだ 死後の世界があるならアルベドと共に在りたい 彼女に愛されたい そう願った。
故にアインズはアルベドの猛アタックにたじろぎはしたが嬉しかった。
その笑顔に癒された。
しかしアルベドはタブラさんの忘れ形見?であり自分が設定を書き換えた負い目もある。
タブラさんは「モモンガさんの嫁にどうだい?」なんて言ってくれていたが、この体ではアルベドの求愛に応えようがなく女の幸せを与えてやれないのだ。
だから気の無い素振りをしてきた だかそれも難しくなってきた。
日増しに高まる欲求 白昼夢のように妄想が膨らんでいく それを紛らわす手段もなかった。
アバターを
気分転換にと大浴場でスライムの三吉君に体を洗わせていたアインズははたと閃いた。
「なあ三吉君スライムには擬態能力に長けたものもいたよな」
『ハイ[かめれおんすらいむ]コノ世界ニモ生息シテイマス。
下級もんすたーナノデ対象ハ小動物デスガ細胞レベルマデ再現デキマス』(ここでの三吉君は念話ができます)
「人間もか?」 『餌食ニスレバ完こぴデス』 「個人ではなく人間種という括りでだ」
『さんぷるトでーたガアレバ食料デナクテモ情報ハ取リ入レラレマス』
「便利だな 補食機能(酸で獲物を溶かす)を無効化してこの骨格に肉付けすれば生身の体が手に入るよな」
肉体を身に纏う 着脱可能でリスクもなさそうだ。
ナイス!と自分を褒めてやろう アインズは早速自室に隠し部屋を用意し製作に取り掛かった。
アインズ様の様子がおかしい 目を合わせて下さらない 上の空で他人行儀によそよそしいのだ。
私を邪険にし遠ざけようとしている 定時になると自室に籠って何かをされている。
当番メイドも蚊帳の外だ 無言の拒否に打ち拉がれる。
私がそんなに厭わしいですか…アルベドは落胆し悲嘆に暮れていた。
それでも諦め切れず愛しい人を求めて心と体を持て余すのだった。
アインズ様ヤンデレを拗らせかけていました。