死の支配者の寵愛   作:たまらー

18 / 27

第二部 アインズ様の恋煩い編Ⅲ


アインズの決断

翌朝 夜明け近くまでアルベドを抱いていた。

数時間だがこんなふうにぐっすりと熟睡したのはいつ以来だろう。

人間の三大欲求を満たす充実した疲労感 清々しい目覚めだった。

とはいえ夕食は途中になってしまったが生活魔法のおかげでできたてのままだ。

張り切ってくれた料理長には臨時賞与だ。

アルベドが体を起こしはらりとシーツが滑り落ちる アインズとふたりベットにいた。

乱れた髪 とろんとした表情 肌にはアインズがくちづけた跡がタトゥーのようだ。

たゆんとした胸元が艶かしい 「あっ?!」 アルベドは身を捩った。

「ん、どうした?」 アルベドは太腿を擦り合わせている。

アインズは強引に足を開かせた ゴクリ生唾を嚥下する アインズが存分に注いだものが溢れている。

若干薄桃色なのは破瓜の名残だろう 「卑猥な唇だな」 アルベドの顔が羞恥に染まる。

朝勃ちをグッと堪える 絨毯には血糊 アインズの背中は傷だらけ 肩口には歯形がくっきりでどろどろのアルベドにレイプ現場のような有り様だ。

「すまん無茶をしたな シャワーを浴びて朝食にしよう」

 

[ヒューマンスーツ]のメリットは人間の体のデメリットを除けるところだ。

痛覚の遮断 肉体損傷の修復 不死者(オーバーロード)特有の精神抑制機能ではなく理性が働く((たが)は外れるが)

 

「…この姿はかつての私が原型となっている 私はリアルという世界で人間だった。」

「!?」

アインズはユグドラシルとナザリックの成り立ちリアルとの関係を語った。

ゲームという概念ではなく現実のものとして、ひとつの精神が人間と不死者(オーバーロード)であるモモンガの肉体を行き来していた つまり二人の体がひとつの魂を共有していたのだと

この世界の人間よりも脆弱で下等生物だったリアルの自分

「…それが私の正体だ 私は叡知もなければ超越者でもない ただの虚像だ。

私はおまえ達を欺いていたのだ」 己の罪を自白する アインズは泣いていた。

「も、モモンガ様!?」 アルベドは衝撃の事実よりもアインズの涙に心を揺さぶられた。

自分を偽らなくてはならなかったアインズの苦悩

アインズは胸の(つかえ)が取れたかのように哀しげに笑った。

「おまえに殺されるなら本望だ」 「そ、そんなことを仰らないで下さい!」

アインズはアルベドの涙に狼狽える 「どうしておまえが泣くんだ?

私はおまえを騙して純潔を奪ったのだぞ 罰せられて当然」 「いいえ!」

アルベドがそれを遮る 「『おまえのすべてを許そう』モモンガ様の名言です。

私はモモンガ様が何者でも構いません 大切なのは器ではなく中身です もちろん外見も大事ですけど

私はモモンガ様をまるごと愛しています 私がモモンガ様を守護します 盾となります。

知恵者ならデミウルコスがおります だからどうか」 アルベドは懇願するように瞳を滲ませた。

「モモンガ様は私がお支えします 私だけではありません 僕達は一丸となって団結します。

皆の結束は強固ですよ。

それに…モモンガ様は勤勉な努力家です ナザリックが寝静まった深夜に人知れず最古図書館(アッシュールバニパル)で書物を読み更けっておられました。

帝王学、経済学etc.辞書を片手に時間を惜しんで」

「…参ったなおまえにはお見通しか」 アインズは苦笑する

「モモンガ様は骸骨の死者(スケルトン)から不死者の王(オーバーロード)にまでなられた世界を統べる御方です。

胸を張って下さい 私が保証します 私達も日々成長しています。

ひとりで背負い込もうとなさらずもっと頼って下さい モモンガ様は孤独ではございません」

気が付くとアルベドはアインズの傍らにいた アルベドは包み込むようにアインズをその胸に掻き抱いた。

アインズの眼から涙が止めどなく零れ落ちる。

言葉を尽くして相手を諭し理解し合えたふたりだった。




猪突猛進、質実剛健、アインズ様魔王街道まっしぐらです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。