パパはちゅーが好きだと思う。
お仕事でお出かけする前に玄関とかでママ達とちゅーしてるのを見るし、おうちでもララ達によくしてる。
もちろん私にもしてくれる。でも最近は照れてしまって、ダメと言ってしまう。
この間も初めて学校に行く時にパパにいってきますのちゅーは?と聞かれてついそれはダメ!って言ってしまった。
そんな事もあったからか最近はパパは私にあんまりちゅーをしてくれなくなった。
それが良い事なのか悪いことなのかはわからない。
わからないけど、少しさみしい。
「おやルーシー、どうかしましたか?」
「青ママ!」
ソファーの上でおひざを抱えて考えてたら、青ママがやってきた。
そうだ、わからないなら青ママに聞けばいいんだった。
「ルーシーがそんなふうに悩むなんて珍しいですね……もしかして学校で何かありましたか?」
「ううん、学校は楽しいよ」
「それは良かったです」
「でもパパとの事で悩んでたの」
「ルディとの?」
一体なんでしょうか、と青ママが続きを待ってくれてる。言うのは少し恥ずかしいけど、言ってみないと。
「パパって、ちゅー好きでしょ?」
「………はい?ええまぁ、好きだと思いますけど……?」
「でも初めて学校に行った時にパパに行ってきますのちゅーは?って聞かれてダメって言っちゃったの」
「ああ……シルフィがそんな事言ってましたね」
「それからパパは私にあんまりちゅーとか言わなくなっちゃって、もしかしてパパ怒ってるのかな」
「そんな事無いと思いますけど……ルーシーはルディにキス、ちゅーされたいんですか?」
「わかんない、わかんないけど私だけしてもらえないのはやだ」
「なるほど。恐らくルディはルーシーがちゅーを嫌がってて、嫌がってる事をするのは良くないと思ってますね」
「そうなの?」
「ええ、ルーシーもお姉さんですから人が嫌がる事をしてはいけないというのは分かるでしょう?」
「うん」
「ですからルディも同じ様にしているんですよ」
「でも私、ちゅーされるのは嫌じゃないよ?」
ママ達と同じくらいして欲しいとまでは思わなくても、たまにはして欲しい。
小さい頃は嫌がってたらしいけど今はそうじゃない。
「そうですね……今度またルディの出張がありますから、こういうのはどうでしょうか」
---ルーデウス視点---
今日からまた出張だ。
まぁ転移魔法陣のおかげで移動時間もほぼ無いし、今回は荒事も無さそうだし、早めに帰って来れそうだな。
「気をつけてね、怪我とかしちゃダメだからね!」
「大丈夫、分かってるよ」
玄関まで見送りに来てくれたシルフィの心配に応えつつ、その体を抱きしめてキスを落とした。
流石に舌は入れないぜ。まだ朝だし。そういうのは仕事が終わってから!ってシルフィに怒られるし。
「それじゃあ行ってきます」
「あ、パパ!」
「お、ルーシー!お見送りに来てくれたのか?」
トテトテと効果音がつきそうな足取りでルーシーが玄関までやってきた。
「うん、あのね、パパ」
「んー?どうした?」
手招きされ、ルーシーと同じ目線まで顔を下げる。
「行ってらっしゃい!」
ちゅっ、と俺の頬とルーシーの唇が触れ合った音がした。シルフィが微笑ましいそうにこちらを見ている気配もする。
「い、行ってきまーす!」
ドアを開けて街へ出た。冷えた雪国の空気でも冷却できそうにないほど頬が熱い。にやけ面をおさえられる自信がない。
まったくウチの長女ったらおませさん!帰ってきたら昔みたいにいっぱいキスの雨を降らせちゃんうんだから……!