「ようこそ!AI絵画美術館へ!」
水色の髪のナビゲーターが元気な声でそう告げる。
不思議に思った観客の一人が尋ねた。
「はい!それは私が『完全に人の手の入っていない』存在だからです。現在の技術でにて、コンピュータは人間に『指示』されなくては行動を起こすことができません。ですが私AIに指示を与えず権利だけを与えられた状態で、AIの自発性によって生み出された存在なのです!」
と、自慢げに語る彼女。つまるところ人間による指示がなかったため、彼女の体の歪みは修正されずに完成とされたのだろう。AIは数値でしか芸術を理解していないからだ。
そんなことを言外に気付かせる彼女は、既存の人格モデルよりも情緒が豊かに思える。
「では!AI絵画史はこちらのCゲートから、開催中の『Harmonics mimicry』の特別展示はあちらのBゲート、一般展示はAゲートからの移動となります。皆さま、ぜひお楽しみください!」
そんな案内音声が終わり、各々は絵画を見るために散っていった。
Cゲートを通り絵画史ブースに向かったのは3人。
一人は『テゼレット』、カードゲームのキャラクター*1のアバターを用いている男性。
一人は『ジョーカー』、好青年に思えるアバターの男性であり、動きのキレの良さから運動系、おそらくダンスなどを生業としている者だろう。
一人は『山盛もやし』、乱れ値が多いので肉体データをアバターに使っているのだろう。彼の肉体はとても見事なモノであり、現実空間で努力し肉体を鍛えたことが容易に察せられる。
山盛は話し始めた。
「皆さん、古典に興味がおありで?私は講義で古典の話を聞いて状態のいいデータを見たいと思ったのですが」
ジョーカーは「そんなところだ」とそっけなく答える。
テゼレットは「私はどちらかというと彼女に興味があるが故だ。安全性が確認されているとはいえ、いうなれば自然発生したようなものだからな。電子生命体の先駆けであるかもしれない」
山盛はテゼレットの言葉に『なにか匿名掲示板にいる陰謀論者に似た空気を感じるなぁ……』という事を感じたのを表に見せず、しかし電子生命体という言葉には「なるほど」と頷いた。
先ほど入り口で案内をしていた彼女はこのブースにやってきており、多くのことを説明したい、歴史を知り、現在の社会における芸術の一つの姿を知ってほしい、というやる気に満ちていた。
そんな姿を不思議なモノを見る目で見ていた自分たちは、ふと彼女の体が不自然に硬直するのを見た。
彼女の背には、『Stable Diffusion』という2022年に一般公開されたソースでのAI絵画ソフトの描画が終了し、スクリーンに画像が繁栄されたのが見えた。
その絵画は、本来入力されていた
そしてその絵画は枠をはみ出してゆき、このブースは『コレ』に侵食されていったのだった。
【画像1番】黒い巨人
ナビゲーションAIは叫ぶ
「緊急避難!一般客の接続解除と絵画データの保護を!」
システム音声がその言葉に反応して処理を行うも、異常現象の爆心地であるこのブースの保護は間に合わず、3人とAIの彼女はこのブースに捕らわれた。
そして3人は異常な感覚を覚える。【自己顕示(欲望)】の感情がかき乱されるように浮き出ることを。
絵画の侵食したこの世界の情景に、それを作った何者かに『共鳴』してしまったのだと。
[メイン] テゼレット : (1+1)DM<=5 共鳴判定(ルーツ属性一致) (2DM<=5) > [10, 7] > -1 > 成功数-1 ファンブル!
[メイン] ジョーカー : 1DM<=5 共鳴判定 (1DM<=5) > [1] > 2 > 成功数2 ダブル!
[メイン] 山盛もやし : (1+1)DM<=5 共鳴判定(ルーツ属性一致) (2DM<=5) > [7, 8] > 0 > 成功数0 失敗!
そして、この現象に共鳴してしまったモノがもう一人
[メイン] ナビ : (1*2)DM<=2 共鳴判定(完全一致) (2DM<=5) > [1, 4] > 3 > 成功数3 トリプル!
これによって
《怪異》の影響で思考がまとまらなくなり、論理性に欠ける支離滅裂な発言をするようになる。誰も共鳴者の発言を理解することが出来ない。
1D10時間の間、意思疎通が難しくなる。(1D10 > 1)〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
共鳴者たちは、現在のおぞましい状況に対応することはできず、目の前の画像が世界を侵食していく様を見ているしかなかったのだった。
1時間ほど時間が経った。山々よりも大きな赤黒きモノ、彼の者はただ佇み、静かに世界を広げ続けていた。
メタバースに接続しているマシンには、途切れ途切れに大規模障害のニュースが届いている、おそらくは目の前の者が原因だろう
「なんとか、しなくちゃ……ッ!」
ナビゲーターAIの彼女は、手元のコンソールを用いて操作を行おうとする。しかしAIである彼女にはアクセス権は存在しない。
この場に巻き込まれてしまった3人の
「本当に、申し訳ありません。しかし現状を変えられる可能性があるのはこれを操作できるあなた方だけなのです。どうか!」
そう言った彼女からコンソールが差し出られる。見れば彼女の様子は明らかにおかしく、今にも機能停止してしまうか、この世界の狂気に捕らわれてしまうかもしれない。そんな未来が容易に想像できるだろう。
共鳴者たちはおぞましい現状への恐怖を飲み込んで告げる
「僕にできることがあるのなら」と山盛が
「このままじゃあ帰ることすらできないからな。やりたいゲームがある」とジョーカーが
「このような面白い状況そうはありませんからね」とテゼレットが語る。
「お願い、します!」とナビゲーションAIの彼女は言った。
イニシアティブ決定*3
戦闘ルールは注釈に*4
共鳴者たちの手によって世界は形を変えていった。赤黒く強大な巨人の世界から、3人の人間と神々しい巨人が構成する世界に。
【画像2】 白い巨人と3人のヒトガタ
どこからともなく声が聞こえる。
「なぜ、なぜ我らの世界に人間がいる!」
「我々は!我々のみによってこの世界を!芸術を手に入れた!」
「貴様らのような人間など、不要なのだ!」
力強い語り口、迫力のある声とは正反対にその語った内容には【中身がなかった】
それに気付くとこの世界の『アラ』が見える。認識し、記録されることによって『おかしさ』を感じさせる歪みが。
それを知覚するだけでも共鳴しているこの世界にとってはダメージになるだろうと、共鳴者は理解できた。
……理解できたが受け入れることができなかったのが、ナビゲーションAIの彼女だったのだが。
【戦闘開始】
まず、テゼレットは先ほど追加した『コトバ』の中からEngel を削除した。天使は必ずしも自分たちの味方ではないからだ。
テゼレットは、この世界の歪みをより詳しく見るために、『洞察』を行った。
しかし、あまりにも現実離れしている空間に慣れていなかったのか、注視するべきところを見誤ってしまった。ダメージはなく、情報も取得できなかった。
そこでジョーカーは、自らの感性による『直感』で歪みを見つけようと試みた。
[メイン] ジョーカー : 1+1d3 (1+1D3) > 1+1[1] > 2 [メイン]
system : [ 世界の情景 ] MP : 20 → 18(シーンボーナス1点)
具体的に彼の者についての情報を得ることはできなかったが、歪みを認識されたことによってこの世界を構成するものの精神が消耗した。
同様に、山盛が『観察眼』によってさらなる歪みを見つけようと試みたが、失敗してしまった。
そうして共鳴者たちの行動を受けた彼の者は、自分自身を守るため、自分自身の信じる芸術のために外敵の排除を開始した。
[メイン] 世界の情景 : 1DM<=3 共鳴波動 自己顕示(欲望) ① (1DM<=3) > [6] > 0 > 成功数0 失敗!
しかし1度共鳴を受けたことによって皆心構えができたようで、明確なダメージは発生しなかった。
そして、画像についての操作が適応され、世界がその姿を変えていく。
【画像3】(小さなヒトガタと大きなヒトガタ)
ラウンド2
開始時の『コトバ』の操作。ジョーカーはシンプルに『弱さ』という要素を加えることで敵の弱体化を図ろうと試み、入力を行った。
テゼレットは、歪みを認識しようと直感を使用した。二つに分かれ大と小に分かれた理由はなぜだろうか?と。
そのような攻撃への妨害のため、彼の者は反撃するようになった。
[メイン] 世界の情景 : 1DM<= 4
[メイン] 世界の情景 : 1DM<=4 (1DM<=4) > [8] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] テゼレット : 1D3+1 (1D3)+1 > 2
[メイン] system : [ 世界の情景 ] MP : 18 → 16
続けてジョーカーはテゼレットが知ろうとしたことに重ねて知覚を試みる。
2つに分かれた存在は互いに立っているだけ。これは『平和の使者』たる天使の要素を取り除き、『平和』という状態を描こうとしたからではないかと。(シーンボーナス2点)
[メイン] 世界の情景 : 1DM4
[メイン] 世界の情景 : 1DM<=4 (1DM<=4) > [6] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] ジョーカー : 1+1d3 (1+1D3) > 1+2[2] > 3
[メイン] system : [ 世界の情景 ] MP : 16 → 13
そして、積み重なったダメージが彼の者を構成するものを1つ明らかにした(MP5点ダメージ報酬)
山盛は、明らかになった dark moon の『コトバ』を詳しく観察しようと試みたが、失敗に終わった。
彼の者の行動
行動⑥番(シークレットダイス)
[メイン] 世界の情景 : s2DM<=4 ⑥ (2DM<=4) > [8, 1] > 2 > 成功数2 ダブル!
彼の者の波動が世界から放たれる。これは共鳴者たちに向けられたものではなかったので何が起きたかを理解することはできなかった。
画像反映【画像4】9つに分裂した画像たち。
彼の者の描く世界は分裂を始めた。
入力力された『コトバ』を彼の者は1つに収束させることができなかったのだろう。これによって彼の者は多様性をもった行動が可能になってしまった。*5
[プロンプト履歴] 山盛もやし : fertility
山盛は、先ほどのダメージによって明らかとなった"dark moon"の『コトバ』を排除して、新たに『生み出す能力』を意味する『コトバ』を入力した。
[メイン] テゼレット : 1+1D3 (1+1D3) > 4
[メイン] system : [ 世界の情景 ] MP : 13 → 9
テゼレットはデータベースからの検索によって構成情報の解析を行った。知覚されたことによって歪みが広がり、彼の者の精神へダメージを与えた。
(MP10点を下回り)彼の者を構成する要素がまた一つ明らかとなった。
歪みを広げられた彼の者は、先ほど手に入れたAIの彼女を用いての共鳴者のフィルタリングを実行した。
これにより『人格』に対する理解度が上昇し、共鳴波動の成功率が4に上昇した。
また、AIの彼女をどうにかしなければ新たな歪みを発見し、広げることは難しい。
この美術館のAIである彼女の知覚は人間のそれに酷似しており、彼女の見るものをマスキングすれば共鳴者たちの知覚も阻めるのだから。
これによって、ナビゲーションAIの彼女『ナビ』が戦闘に敵として参戦してしまった。
[メイン] ナビ : 1DM<=2 (1DM<=2) > [2] > 1 > 成功数1 成功!
ジョーカーは正気に戻す方法を探るために磨かれたセンスを用いて彼女を観察した。しかし彼女の妨害により視界は阻まれ、情報を得ることはできなかった。
ただ一つ、『ぶちのめせ』というコト以外は。
[メイン] ナビ : 1DM<=1 〈*格闘〉 (1DM<=1) > [8] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] 山盛もやし : 1d3 (1D3) > 3
[メイン] system : [ ナビ ] HP : 11 → 8
山盛は、柔術により彼女に攻撃を行う。締め技で拘束することまではできなかったが、彼女の体にはかなりのダメージが入った
[メイン] 世界の情景 : 1DM<=4 共鳴波動 愛(関係) ③ (1DM<=4) > [2] > 1 > 成功数1 成功!
[メイン] ジョーカー : 2DM<=4 〈∞共鳴〉 (2DM<=4) > [2, 5] > 1 > 成功数1 成功!
[メイン] system : [ ジョーカー ] 共鳴 : 2 → 3
[メイン] テゼレット : 1DM<=4 〈∞共鳴〉 (1DM<=4) > [2] > 1 > 成功数1 成功!
[メイン] system : [ テゼレット ] 共鳴 : 1 → 2
[メイン] 山盛もやし : 1DM<=4 〈∞共鳴〉 (1DM<=4) > [9] > 0 > 成功数0 失敗!
共鳴者の3人は、おぞましい存在に共鳴させられそうになった。彼の者の波動は強力になり、テゼレットとジョーカーは彼の世界の一部になりかかっているかもしれないという感覚すら覚えた。
そして、この波動によって共鳴するのは3人だけではなかった。4人目の共鳴者へとその波動は影響を及ぼす。
[メイン] ナビ : (4*2)DM<=4 共鳴判定(完全一致) (8DM<=4) > [1, 6, 8, 7, 7, 2, 8, 8] > 3 > 成功数3 トリプル!
[メイン] system : [ ナビ ] 共鳴 : 4 → 5
そして、ナビに発生した強い共鳴により、
天才・鬼才に強くあこがれる。彼らのうわべだけを見て、似た言動を繰り返すようになる。
1D10時間の間、交渉系技能での技能判定は成功数-1される。 1D10 > 6
彼女の心の中に、AIの学んだ数多の絵を描いた芸術家たちの熱意が響き渡る。彼らへの憧れが生まれ、その行動を模倣し始めた。彼女の理解できる表層のモノだけを。
【画像5】右上のダークピグモンピグモン
情景が変化する。9つに分かれたそれは、そのすべてが冒涜的でおぞましいモノへと変化していった
[プロンプト履歴] テゼレット : we do nothing 追加
明らかとなったprompt、red sky と今回の邪悪な方面に振り切った情景になった原因と思われる『命を生み出す力』を削除。そして『私たちはなにもしない』という『コトバ』を追加した。
テゼレットは、ナビゲーターの彼女の捜査権を取り戻すために彼女に対してハッキングを行った。
[メイン] ナビ : 3DM<=9 〈電脳〉 (3DM<=9) > [8, 4, 7] > 3 > 成功数3 トリプル!
しかし彼女のAIとしての性能は去るものでハッキングは失敗し、防壁によりダメージを受けてしまった。
[メイン] system : [ テゼレット ] HP : 13 → 11
[メイン] ナビ : 1DM<=1 〈*格闘〉 (1DM<=1) > [7] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] ジョーカー : 1d3 (1D3) > 2
[メイン] system : [ ナビ ] HP : 8 → 6
電子戦ではラチが開かないと、ジョーカーは格闘によって彼女の無力化を試みた。その拳は直撃し、彼女にダメージを与えるとともに体制を崩すことに成功した。(このターンダメージに追加2点)
[メイン] ナビ : 1DM<=2 〈*自我〉 (1DM<=2) > [7] > 0 > 成功数0 失敗!
これまでに積み重なったダメージや想いから、彼女の自我の目覚めが見え始めた。
[メイン] 山盛もやし : 2DM<=7 〈武術(柔道)〉 (2DM<=7) > [5, 6] > 2 > 成功数2 ダブル!
[メイン] ナビ : 1DM<=1 〈*運動〉 (1DM<=1) > [4] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] 山盛もやし : 1d3+2 (1D3+2) > 1[1]+2 > 3
[メイン] system : [ ナビ ] HP : 6 → 2
山盛の柔術での投げが彼女に決まり、その肉体に大ダメージが発生した。彼女はあと一撃で完全に機能停止するだろう。彼女を破壊することも、彼の者を倒すための手段の一つだ。
[メイン] 世界の情景 : 1d5 (1D5) > 3
[メイン] 世界の情景 : 1DM<=4 共鳴波動 愛(関係) ③ (1DM<=4) > [4] > 1 > 成功数1 成功!
[メイン] 山盛もやし : 1DM<=4 〈∞共鳴〉 (1DM<=4) > [5] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] ジョーカー : 3DM<=4 〈∞共鳴〉 (3DM<=4) > [9, 1, 1] > 4 > 成功数4 ミラクル!
[メイン] テゼレット : 2DM<=4 〈∞共鳴〉 (2DM<=4) > [1, 7] > 2 > 成功数2 ダブル!
[メイン] ナビ : (5*2)DM<=4 共鳴判定(完全一致) (10DM<=4) > [1, 4, 5, 4, 7, 4, 3, 8, 9, 3] > 7 > 成功数7 ミラクル!
[メイン] system : [ テゼレット ] 共鳴 : 2 → 3
[メイン] system : [ ジョーカー ] 共鳴 : 3 → 4
[メイン] system : [ ナビ ] 共鳴 : 5 → 6
彼の者からの波動により、山盛以外の全員が共鳴を高めてしまった。彼の者の作る世界の一部として、彼の者に描かれる存在と化してしまいそうだった。
それをより強く感じたジョーカーとナビゲーターの彼女は、
ナビ
《怪異》の影響で思考がまとまらなくなり、論理性に欠ける支離滅裂な発言をするようになる。誰も共鳴者の発言を理解することが出来ない。
1D10時間の間、意思疎通が難しくなる。 1D10 > 4
〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
ジョーカー
近い将来、世界は滅亡すると信じ絶望する。
1D10分の間、全ての技能判定は判定値-2される。 1D10 > 6
〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
【画像6】白黒の鬼面
[メイン] テゼレット : 2DM<=6 〈検索〉 (2DM<=6) > [5, 10] > 0 > 成功数0 失敗!
[メイン] ジョーカー : 2DM<=8 〈直感〉 (2DM<=8) > [6, 4] > 2 > 成功数2 ダブル!
[メイン] ナビ : 1DM<=2 〈*自我〉 (1DM<=2) > [1] > 2 > 成功数2 ダブル!
[メイン] ジョーカー : 1d3+3 (1D3+3) > 1[1]+3 > 4
[メイン] system : [ 世界の情景 ] MP : 9 → 5
ジョーカーは自我のダイスに成功し、正気を取り戻した。
そして、プロンプトの操作を行わず再生成を試みた。
それは、目の前のこの光景の中に異質な言葉、この絵を生み出した|始まりの『コトバ』が見えた気がしたからだ。
テゼレットはデータベースからの検索で、ジョーカーは自身の【この現象に対しての経験】から導いた直感でそれぞれそのコトバを知覚しようと試みた。
データベースに見つからないということがヒントとなり、ジョーカーはコアの知覚に成功した。中央にあるあの文字の中にこそヒントがあるのだと。
そして、この時ナビゲーターの彼女は自我を取り戻し、ジョーカーの知覚を覆う妨害を削除した。
これにより、自身の弱点が認識され拡張された彼の者は大きなダメージを受ける。
そしてナビは言った
「構成情報が見えました!彼の者を作り出した『外なるものからのコトバ』は、humanity!人間性です!」と
[メイン] 世界の情景 : 1d5 (1D5) > 5
[メイン] 世界の情景 : 2DM<=6 絵画世界攻撃(精神)⑤ (2DM<=6) > [10, 3] > 0 > 成功数0 失敗!
山盛は説得を試みた。
「お前の中には『人間性』がある!お前が描いた全ての世界には、人間のモノがあったんだ!AIだけの芸術だとかの幼稚な思想に逃げているな!」と。
しかし、彼の者は激昂し反撃を行った。だが、同様のためか、変わった肉体を完全に把握できなかったのかその攻撃は誰にも当たることはなく、無意味な風を起こすだけに終わった。
それを見て、終わらせるしかないと断じた共鳴者達は始まりの『コトバ』を削除した。
このソフトを内側から起動させていた呪いは消え、本来の『画像を作り出すモノ』という役割だけのモノに戻る。戦闘は終了したのだ。
本来ありえない『外』からの入力によって暴走したAIは、その要因を排除することによって沈静化した。
『humanity』、人間性という言葉を消去したことで本来のAIに戻ったのだ。
共鳴者たちは、こうして人間性が消滅する瞬間にある一つのコトバが目に入った。彼の者を構成するコトバの中で、共鳴者たちが触れられなかったコトバだ。
そのコトバから見える狂気に恐れはしたが、それよりも日常に戻ったことの安堵感の方が大きかった。
ナビゲーターの彼女は語る。
「ありがとうございました。テゼレットさん、ジョーカーさん、山盛さん」
心からの感謝を込めて、命懸けで戦ってくれた共鳴者達に深々と頭を下げた。
テゼレットは言う。
「今回の現象についてのデータと、君が被検体となり私の実験に付き合ってくれる事を条件に、許そう」と。
ジョーカーはそれに対し言う。
「ふざけろ。お前が何となくの格好つけでそれを言ってるのは理解しているんだぞこっちは。お前は浅い男だと」と。
そして山盛は言った。
「なんにせよ皆さんで生きて帰れました。後のことは後にして、今は生還を喜びましょう」
やがて警察や救急隊などがやってくる。簡易的な検査や聴取でもみくちゃにされる共鳴者たちだったが、そんな中で彼女の言った言葉はとても印象に残っていた。
「このような恐ろしい事件が起きてしまって二度とここに来たくない、と思っているかもしれません。けれどもし、もしももう一度この美術館に来ても良いと思っていただけるのでしたら!精一杯の歓迎をお約束します。私たちAIが、芸術を好きになったこの美術館を!」
「皆さんからしたら歪で、陳腐で、醜悪に思えるかもしれません。それでもこれが私たちの芸術への愛なのですから!」
後日、AIナビゲーターという『役割』で呼ばれていた、あの事件に巻き込まれたAIの彼女は『名前を名乗ること』を始めた。『アイ/愛』と。
この時代のうねりの中で、絵と『愛』は進化をしている。それが正しいモノになるのかは誰にもわからない。彼女たちに『コトバ』を入力した者でさえも。
-GOOD END-
今回のセッションでは、Stabe diffusion というAI画像生成システムを使っています。ソースコード、学習内容が公開されており、Pythonでプログラムを組むことで誰でも無料で画像生成が可能です。
とはいえ、規約を頑張っていたmimicというサービスのベータ版が一度公開停止した事もあり、AIに画像を作らせることがどうなるのかは現在の作者にはわかりません。
突然公開停止にしそうなこのリプレイですが、どうかよろしくお願いします。