【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く 作:タラバ554
40が見えてきたおじさん
組織人のおじさん
デスクワークなのに筋肉もりもりマッチョマン
だけどお腹はビール腹
そんなおじさんが電車での帰り道
あまりに疲れて少し寝て
目が覚めると異世界でした。
◆◆◆◆◆◆
「どこ此処?」
薄暗い街並み
腰かけている場所は噴水の縁
手元には仕事道具のノーパソが入ったリュック
混乱しながらもリュックを背負い道を歩く
薄暗くなった道を歩く
人は見かけないが辺りを見回しながら歩けば人の声はする
音を便りに歩を進めれば人通りのある場所へつながる道
その道を歩き目に入ってきた光景は確かに人が居た
だが同時に『人以外』も居た
漫画、ラノベで見たような人以外のモノ
大きいのから小さいの、耳が長いのまで
おじさんはクラクラしながらも歩き、街頭の灯った町を歩く
◆◆◆◆◆◆
歩き疲れて時計を見ると1時間近く歩いていた
周りの人の言葉、書かれてる文字は解る
意味不明な状態におじさんの頭はオーバーヒートを起こしそうだ
何気なしに携帯を弄るとネットは繋がってる
ぼけーっと道行く人たちの写真を撮りSNSに『異世界なう』と投稿
おじさんのフォロワーはそんなに居ないので良いねやリプライが来ても一桁
いつも通りの反応にちょっと安心してからまたフラフラ歩く
とりあえず今日の寝床を探すのだ
◆◆◆◆◆◆
結局歩き回ってもお金が無い為、金のかかる宿は無理と判断
暗い中歩いて一目で廃墟と分かる場所があったので中を覗き
人の気配が無さそうなソコを一晩の寝床とする
『何で』の一言を頭に抱えながらリュックを枕に長椅子へと寝そべって一夜を明かした
◆◆◆◆◆◆
翌日、物音で目が覚め目を開けると小さい、だが一部が巨大で青いヒモでソコを強調している女の子が居た
「……誰?」
「それはコッチのセリフだ~~!」
「ここはボクの家だぞ! 君こそ誰だ!」
「……あぁ、えっとすいません。おじさんは……あれ? おじさんは……名前なんだっけ?」
「へっ?」
「あ? いや、まってね……確かSNSのアカウント名が自分の名前……あっれ!? 名前が異世界おじさんになってる?! 何だこれ~~~~!!」
◆◆◆◆◆◆
「つまり君は此処とは違う世界から来て、しかしお金が無いから泊まれる場所が無く、かといって野宿も嫌だから此処で夜を明かしたと……」
「えぇ、まぁそうなります」
神ヘスティアは目の前のおじさんを疑っていた
正直に言えばうさんくさかった
だが神として目の前の男が嘘をついていないというのは解る
「かなり胡散臭いけど嘘はついてないみたいだし、泊まった事も許してあげるよ」
「それはどうも」
「それで?」
「それで……とは?」
「名前もわすれてるおじさん君はこの後一体どうするのさ」
「あ~、そうだね。とりあえず何処か住み込みで働ける場所を探すのが理想?」
「……ふ~ん、君は何か出来るのかい?」
「書類作成とか……計算とか……後は一応自活してたから多少の料理とか」
「へ? 君料理出来るの? そんな如何にも食べる専門です! って見た目なのに?」
「食べるのは確かに好きだけどね。沢山食べる分、食べ物には気を使ってたのよ、後自分で作った方が安いし味も好きにいじれたから」
「へぇ~、ならボクがやってる屋台を紹介しようか?」
「えっ、良いの?」
「おばちゃんが最近人手を増やしたいって愚痴ってたから多分紹介出来るぜ!」
「お~、ありがとう! 地獄に仏とは正にこのこと!」
「ふふん! まぁボクは仏じゃなくて神だけどね!」
「いよっ! 神様!!」
「はーっはっはっは! ようし、おじさん君! ボクについて来たまえ!」
そんな感じでおじさんは異世界二日目にして職にありついた。
ついた職業はじゃが丸君(コロッケ)の屋台
理由の無い異世界転移がおじさんを襲う!
次回、おじさん神になる?
おじさんの腹回りの大きさは幸せの大きさ