【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く   作:タラバ554

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11 おじさんとお巡りさん

おじさんは闇に潜んでいた

帽子に眼鏡にマスクにポンチョ

物陰に隠れ獲物を見つめるその目は狩人の気分

 

ただしガネーシャファミリアに見つかればその姿はストーカーとして処理されるかもしれない

 

そんなおじさんの手にはスマホ

カメラの向く先はベル君

 

そう、おじさんは今日、ベル君のデートを観察、撮影するミッションがヘスティアちゃん(主神)から依頼されたのだ!

 

尚、ついでにSNSにその写真をUPするものとする

 

◆◆◆◆◆

 

待ち合わせ場所で待つベル君をパシャリ

手を振りながら駆け寄ってくるエルフっ子をパシャリ

ベル君がエルフの子とカフェでいちゃいちゃしているのをパシャリ

 

望遠レンズで撮影し、バベルに上がるのを見て一般用とは別の搬入口エレベーターを使って先回り

 

此処までの写真をSNSに上げてたので反応を見ると

 

『コスプレのクオリティ高すぎwww』

『レイヤーさん紹介してください!』

『レイヤーさんのファンになりました』

『オノレ白髪野郎』

『我ら彼女無し(オーフェン)の恨みをその身に受けろ』

『恨み会場はココですか?』

 

等々、実に盛り上がってるようでおじさんもちょっと楽しい

 

◆◆◆◆◆

 

ヘファイストスファミリアの作品を見ながらあれこれと探す二人

何枚か写真を撮ってUPしてると何か二人も良いがもっと街中見せてくれとせがむ反応がチラホラ

何故街中? とも思ったが、おじさんが適当にお店の中を何枚か撮影してUPしたら黙ったので再度ミッションに専念する

 

◆◆◆◆◆

 

暫く見ていたが事態が動く気配がない

というかとても健全なデートだとおじさん途中から気が付いた

ヘスティアちゃんが思うような大人なデートではないらしい

というかあの子(ヘスティアちゃん)、ベル君の貞操奪わなかったのか?

そんな事を思案しているとおじさんは肩を叩かれた

振り返るとソコにはガネーシャファミリア

 

「如何にも怪しい恰好をしてる奴ってのはアンタだな?」

「やっ、何のことやら」

「大人しくついてこい」

 

コレはまずい

怪しい恰好をしているのは兎も角、持ち物検査とかでスマホを壊されるのは嫌だ!

 

「あーっ! ガネーシャ様が裸踊りしてる‼‼‼‼」

「何ぃ! あの神またか!?」

 

即座にその場から逃げ出す! ついでにガネーシャファミリアの写真もパシャリ

自分の服装もパシャリ

「逃走なう」っと

 

『お巡りさんこいつですwwww』

『追っかけてる奴もアウトww』

『ウホッ、良い男ww』

『ちくわ大明神』

『おい、今の誰だw』

 

◆◆◆◆◆

 

「ヘスティアちゃーん、ただいまー」

「おかえり! おじさん君! どうだった!? ベル君のデート(貞操)

「健全なデートだった。ヘスティアちゃんが考えてるような成人指定待ったなしの絡みは無いね」

「ふむ……やっぱりボクのベル君はまだまだピュアなままか」

 

そんなに心配なら手付けたら良いのに

とは思うが口には出さない

武士の情け

もとい喪女への情け

億年単位での処女はさぞ重かろう

 

ヘスティアちゃんもベル君も何だかんだでピュアピュアなのだ

ヘスティアちゃんは耳年増だけど

 

◆◆◆◆◆

 

折角なのでスマホのデータをノーパソに移して写真を整理してベル君フォトライブラリを作ってあげた

地味にダンジョンで撮ってるのでベル君の格好いい所とか失敗した所とかあるのだ

それを見てヘスティアちゃんがキャーキャー言ってると何か視線感じるが、まぁ害が無さそうなのでスルー

所でヘスティアちゃん、画面見るのは良いけどおじさんのお腹叩くの止めて

 

◆◆◆◆◆

 

休日にちょいちょい立ち寄るディアンケヒトファミリア

けが人の手当におじさんのスキルが役に立つので偶にお手伝いに来ている

と言ってもおじさんは欠損専門なので外傷とかはさっぱりなのだが

庇護脂肪を使い目の前の両手首から先が無くなった男性にスキルをかける

事前に話して太って貰っていた男性の肉がみるみると消えていき腕が生えてくる

 

「あっ、あぁ。俺の腕だ。動く、動くよ……」

「うむ、腕が生えた変わりに体中の脂肪は使い切ってるから出来るだけ飯食えよ」

「あぁ! ありがとう! 本当にありがとう!」

「奥さんにお願いされたから仕方ない。『私は良いから旦那の治療してやってくれ』だってさ。なのでお礼は奥さんにしてあげて、ヘスティアちゃん所でのお得意さんなので」

 

奥さんはおじさんが庇護脂肪が使えるのを知って即おじさんにお願いしてきたからね。

しかも自分だって火傷とか切り傷とか色々あるだろうに

 

「ははっ、あいつにゃ冒険者時代から頭が上がらなかったけど……ますます頭が上がらねぇや」

「かかぁ天下も良いもんだ」

「あぁ、俺にゃ勿体ないくらいの良い女だ」

「うむ、なので良い女は良い顔が似合うと思うから後日奥さん連れて来てくれ」

「えっ?」

「何とか日に二回は使えるようにしとくからさ」

 

旦那さんに頭を下げられ病院を後にする

 

◆◆◆◆◆

 

いい気分でディアンケヒトファミリアを出てホームに着くとベル君が本を読んでた

めっちゃ集中して見てるから何かと思ったけど白紙の本見てた

ちょっと眼がラリってる系なので貴重かと思いスマホでパシャリ

14歳ならそういう事もあるかとそっとしておく事に

 

◆◆◆◆◆

 

ベル君に魔法が発現したらしい

おめでたい

 

おじさん?

おじさんはスキルが妙な事になった位かな




人は成長をする、人は飛躍する

ならばおじさんのコレは進化なのか

次回、おじさんチェンジ

幸福と不幸は等価なのか
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