【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く   作:タラバ554

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2 おじさん信仰を得る

さて、異世界二日目にして屋台の売り子にジョブチェンジしたおじさん

担当はじゃが丸君(コロッケ)の仕込み、その中でおじさんが頭を抱えるのは変わり種「小豆クリーム味」

試しに食べてみたら確かに不味くは無い……がっ、せっかくならもっと甘くしようと思い急遽カボチャを貰って試験的に売る事に

因みに隣には廃教会に住む女の子ヘスティア嬢

女の子が客引き、おじさんが調理

何やかんやとカボチャコロッケの売り上げは好調

夕方になる頃には店のおばちゃんは商機を逃さない商売人っぽく次なるメニューも試しに売り出してみる事に

 

◆◆◆◆◆

 

夕方になり人の波が増えて一層じゃが丸君が売れ始めた

なので今度はコーンクリーム味を出してみる

カボチャ味の売り上げが良かったのが功を奏したのか店のおばちゃんに見せたら太鼓判押された

そして売り出して30分程したら……やたら顔の良い女の子がじゃが丸君を買い占めた

 

いや……何で?

 

◆◆◆◆◆

 

ソロでダンジョン帰りのアイズ・ヴァレンシュタイン

ある意味いつも通りに冒険者通りを通りファミリアまでの帰路につこうとしていた

そんな彼女の鼻孔を擽る匂い

油で揚げた芋の匂いに混じる仄かな甘み

匂いに釣られて進んだ先にあったのはじゃが丸君の屋台

好物に出会ったなら食べるしかない

いつも通りの「小豆クリーム味」を注文して一口

至福の時、戦う事を忘れるひと時

好物を味わっていると目の前のメニューに自分が見たことの無い文字が並んでいる

「カボチャ味/コーンクリーム味」

是が非でも食べねばと思い両方を1つずつ注文する

 

「カボチャ味にコーンクリーム味だね! おじさん君!」

「えっ、ヘスティアちゃん。さっき全部捌けたって言ってなかった?」

「今作ってるんだろう?」

「……直ぐに出来上がる訳じゃないからお客さんにソレ聞きなよ……」

「あぁ~そいうね! いや! うん、聞こうと思ってたよ?! 本当さ!」

「……あぁ、お嬢ちゃん。さっき作り置きが全部売れちゃったから今作ってんだけど大丈夫かな? 今揚げてるからそんなに時間はかからないよ」

「大丈夫……です」

「そっか、それにしてもソンナに細いのに良く食べるねぇ。女の子なら太る事とか気にしそうだけど」

「……冒険者だから」

「ぼうけん……? ふーん? まぁ何はともあれ出来上がり! っと」

 

アイズの目の前で揚がったじゃが丸君は余りに美味しそうで視線が外せない。

目の前でおじさんがじゃが丸を紙で挟み渡してくる。

両手に握ったソレを一口ずつ食べると今まで感じた事の無いうま味が口の中を跳ねまわる。

ねっとりとして甘く、鼻に抜ける香りはカボチャであり今までのじゃが丸とは違った風味で楽しい。

もう一つはコーンのスッキリとした甘さにまろやかなクリームがトロリとして全体的に調和がとれており後味がすっきりしている。

どちらも夢中になって食べていると売り子のおじさんが何やら赤い粉を差し出してきた。

 

「そいつはちょっとしたスパイスだ。辛みがあってピリっとしてる味変が出来るから辛いのが大丈夫ならちょっとかけて見な。待たせちゃった詫びだよ」

 

両方に少しだけつけて食べる。

その瞬間、アイズの食べたじゃが丸君の味は一気に変化した。

と同時に思った。

コレを付ければ今まで食べたじゃが丸君は全部味が変わるんじゃないか……と。

 

◆◆◆◆◆

 

女の子はスパイスが気に入ったのか全じゃが丸君に使って味わっている。

味わうのは良いが……そんなに食べて胸やけしないの? もう揚げなおすの4回目なんですけど?

ついつい「せめて別の味変しないの?」と言ったのが悪かったのだろうか

動きを止めてこちらをじっと見る女の子の視線に耐えられず醤油とかバターとかマヨネーズにチーズを出してやったらソコからは女の子の一人じゃが丸君パーティーが開催された。

 

その後、結局屋台の在庫が全部なくなるまで女の子は買って食い続けた。

俺が夕方用に仕込んだのって300位あったのに殆どこの子一人で食べちゃったよ。

 

「あの……美味しかった……です。味変……? の奴も……」

「あー、まぁ美味しく食べきれたのなら良かったよ」

 

支払いでヴァリスとかいうこの世界の通貨が入った袋をドンと渡されたので、それはヘスティア嬢にお任せした。

だって通貨単位が分からんから計算のしようがない。後で教わろう。

 

「あの……明日も……カボチャとコーンクリームは売ってますか?」

「あぁ、今日試しに作って売り出してみたんだけど、売り上げ好調だし店主は売るつもりかもね」

「あなたが……作ったんですか?」

「うん、おじさんが今日ちょちょっとレシピをアレンジして作ったね」

「もしかして……神?」

「いや、ただのおじさんですけど?」

「神はボクだよ!」

 

この後明日も売ってくれと女の子から強い後押しもあり、一先ずこのメニューは期間限定メニューとして売り出される事が決定。

あと女の子にじゃが丸君の神と認定されました。

後ヘスティアちゃんがめっちゃ神発言してた。ウケる。




ジャンキーに依存性のあるものを与えてはいけない。おじさんとの約束だ!

次回、おじさんダンジョンに散る!?

おじさんの入れるカフェオレは甘い
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