個性"ゴムゴム"のヒーローアカデミア   作:レイファルクス

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No.2

 

 

「個性を…」

 

 

「受け継ぐ…?」

 

 

オールマイトから発せられた言葉に、出久と勝美は呆然としてしまった。

 

 

「もちろんいきなりとは言わない。誰だってこう言われたら呆気に取られちゃうもんね」

 

 

オールマイトは笑いながら二人の心境を悟っていた。

 

 

「明日から2日後の夕方、市営多古場海浜公園で待つよ。気持ちの整理とかした方がいいからね、いい返事を待ってるよ」

 

 

オールマイトは片手を降りながらその場を去っていった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

出久side

 

 

僕がオールマイトの個性を受け継ぐ…か。

 

 

いきなり過ぎて実感が湧かないや。

 

 

『prrrr…、prrrr…』

 

 

あっ、スマホが鳴ってる。…かっちゃんからだ。

 

 

「もしもし?」

 

 

『あっ、出久。今大丈夫?』

 

 

「うん、食事も風呂も大丈夫。トレーニングも終わらせてたから」

 

 

『そう…』

 

 

なんかかっちゃん、歯切れ悪いな。…もしかして。

 

 

『ねぇ、オール「"オールマイトの個性を受け継ぐ"のか聞きたかったの?」っ!?流石出久、よく分かったね』

 

 

やっぱりか。

 

 

「だって今のかっちゃん、歯切れが悪いもん。考えられるとしたら、"ヘドロ敵"か"オールマイト"のどちらかだと思ったから」

 

 

『あはは…。……ねぇ出久、オールマイトの個性、引き継ぐの?』

 

 

「まだ迷ってる。受け継ぐべきか、そうでないのか…」

 

 

『私は出久の意見を尊重するよ。例えどっちを選択しても出久は出久だもん』

 

 

かっちゃん…。

 

 

「そうだね…、個性を受け継いでも受け継がなくても、僕は僕。もう少し考えてみるよ」

 

 

『うん…。それじゃ、おやすみ出久』

 

 

「おやすみ、かっちゃん」

 

 

僕たちは就寝の挨拶をして電話を切った。

 

 

それから2日、僕は悩みに悩んだ。授業で呼ばれても返事が無くて怒られることもあったけど、オールマイトとの約束の時間ギリギリまで悩んで、やっと答えが出た。

 

 

「やっぱり…、これしか無いか」

 

 

「出久、答え見つかった?」

 

 

「かっちゃん…、うん」

 

 

「そっか。なら早く海浜公園に行こ!きっともう待ってるよ!」

 

 

かっちゃんは僕の手を掴むとそのまま引っ張って走り出した。

 

 

出久side end

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

オールマイトとの約束の時間、出久と勝美が海浜公園に到着すると、そこには既にオールマイトがいた。

 

 

「お待たせしました、オールマイト」

 

 

「待たせてしまい、申し訳ありません」

 

 

出久と勝美は開口一番にオールマイトに謝罪をした。

 

 

「よく来てくれたね少年少女。別に長いこと待ってはいないさ、正確な時間を指定しなかったこちらにも非があるしね」

 

 

オールマイトは笑いながら二人の謝罪を許した。

 

 

「さて…、以前私がした提案なんだが、答えを聞かせてくれるかい?」

 

 

「はい。僕は個性を"受け継ぎません"」

 

 

出久が出した答えは、"否"だった。

 

 

「……理由を聞いても?」

 

 

「僕は昔、"無個性"と診断されました。『ヒーローになるには個性が必須、無個性の僕はヒーローになれない』幼かった僕に突きつけられた悲しい現実でした。でも、かっちゃんが教えてくれたんです」

 

 

『いずくがひーろーになれば、むこせいでもひーろーになれるっていえるじゃん!』

 

 

幼かった出久にとって、勝美のこの言葉は何よりも嬉しく、また出久の原動力にもなった。

 

 

「その日から僕は無個性でもヒーローになれることを証明するために体を鍛えました。まぁ、そのお陰で八才の誕生日に個性が出ましたが」

 

 

出久は頬を掻きながら苦笑いをする。

 

 

「だから"誰かに与えられる個性(ちから)"じゃなくて"自分の力"を信じたいと思いました。オールマイト、望んだ回答ではなくてごめんなさい」

 

 

出久はオールマイトに向かってもう一度頭を下げる。

 

 

「……君のことだ、この2日間、悩みに悩んだのだろう。そして悩み抜いた末での回答、私にはそれを否定する権利は無い。少女よ、君も少年と同じかい?」

 

 

「はい、私も出久と同じで個性を受け継ぐ気はありません」

 

 

勝美もまた、出久同様オールマイトの提案を断った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「……わかった。そこまで清々しく答えてくれると諦めが着く」

 

 

「あの、断っておいて何ですが、オールマイトの個性って…」

 

 

出久が前々から気になっていたことを質問する。

 

 

「……まあ話してもいいだろう。私の個性はメディアでは"ブースト"だの"怪力"だの散々言われているが、そんな生易しいものじゃ無い」

 

 

「私の個性は聖火の如く引き継がれてきたものなんだ。一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また培い次へ…、そうして次世代へと紡いでいく個性…、冠された名は」

 

 

一人は皆のために(ワン・フォー・オール)

 

 

「「ワン・フォー…オール…」」

 

 

出久と勝美がオールマイトの個性の名を呟くと、突如オールマイトの体から煙が立ち込め、周囲を覆い隠した。

 

 

そして煙が晴れると、そこにいたのは筋骨隆々のムキムキなヒーローでは無く、ガリガリに痩せ細った病弱な男性だった。

 

 

「「……えっ?」」

 

 

「ホーリーシット…、"時間"が来てしまったか…」

 

 

出久と勝美は頭の中が真っ白になっていた。

 

 

「…えっ?オールマイトから煙が出たと思ったらオールマイトの姿が変わって…、えっ?ええっ?」

 

 

勝美は目の前で起きたことに考えが追い付かず、若干パニックになっていた。

 

 

「オールマイト…、なんですか?」

 

 

パニックになっている勝美を尻目に、出久は冷静を保ちながら男性に質問をする。

 

 

「……そう、私はオールマイトだ。今から五年前、とある"巨悪"との戦いで大怪我を負ってしまったね」

 

 

オールマイト(トゥルーフォーム)はシャツを捲り、自身の体にある"傷"を見せた。

 

 

「呼吸器官半壊、胃袋全摘。度重なる手術と後遺症で憔悴してしまってね、私のヒーローとしての活動限界はいまや一日約三時間程なのさ」

 

 

「このことは一部の人を除いて誰も知らない。私が公表しないように頼んだからだ」

 

 

オールマイトの暴露に出久は言葉を失った。

 

 

「このことは黙っていてほしい、勿論ネットに書き込んだりもしないでほしい」

 

 

「それは…、もちろん…。誰も信用しないと思いますし…」

 

 

「言ったら言ったで、貴方のファンに殺されそう……」

 

 

出久と勝美は処理落ちした状態から復活すると、世間に公言しないことを約束した。

 

 

「助かるよ。……ところで、この海浜公園なんだが、昨日ネットで調べたらやたらとゴミが多かったような気がするのだが…」

 

 

「あぁそれに関しては僕たちがゴミを片付けたからです」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「特訓の一環として不法投棄されたゴミを片っ端から片付けたよね」

 

 

「小学五年から始めたから、もうかれこれ五年は掛かったよね」

 

 

「終わったのが今年の3月の最終日だったから…、もうそんなに掛かったのね」

 

 

出久と勝美のカミングアウトにオールマイトは驚いていた。

 

 

「あんなにあったゴミを君たちでかい?!」

 

 

「最初は僕とかっちゃん、それともう一人の三人でやってましたけど」

 

 

「中学に上がってからはもう一人が違う中学に行ったので私と出久の二人で」

 

 

「ゴミを回収したのは良かったけど、処分の仕方が分からなかった時は大変だったね」

 

 

「業者にお願いしようにも、何処に頼めば分からなかったし…」

 

 

二人が懐かしそうに話している傍ら、オールマイトは開いた口が塞がらなかった。

 

 

「あの…、オールマイト?」

 

 

「ハッ!?済まない、少々度肝を抜かれてしまったよ。そうか、君たちが掃除をしてくれたんだね」

 

 

「はい、こういった奉仕活動はヒーローの本分だと聞いたので」

 

 

「それに、綺麗な海を汚されるのは地元の人間としては許せなかったので」

 

 

二人の言葉にオールマイトは涙を流していた。

 

 

「素晴らしい!最近のヒーローは派手さを求める者ばかりで本質を忘れてしまっている!"奉仕活動が地味"だと言われてやらない者ばかり!ヒーローは本来は奉仕活動が基本だと言うのに全くナンセンス!」

 

 

「私は君たちに太鼓判を押そう!"君たちは一流のヒーロー"になれる!」

 

 

オールマイトに太鼓判を押された二人は内心喜んでいた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ありがとうございますオールマイト!」

 

 

「これで私たち、雄英を受ける自信が着きました!」

 

 

「何と君たち、私の母校である雄英を受験するのかい!?」

 

 

オールマイトの質問に二人は力強く頷いた。

 

 

「はい!何てったって、オールマイトの出身校ですから!」

 

 

「そうかそうか。実は私も雄英に用があってね、それでこの地に来ていたのだよ」

 

 

「もし雄英に合格したら、もしかしたら会えるかも知れないね」

 

 

オールマイトの言葉に二人は目を輝かせていた。

 

 

「雄英の入試まで凡そ10ヶ月!君たちが合格できるのを待ってるぞ!」

 

 

「「はい!!」」

 

 

それから10ヶ月、出久と勝美は己の体力と個性を出来る限り鍛え、受験勉強をもした。

 

 

[newpage]…

 

 

……

 

 

………

 

 

10ヶ月後…

 

 

出久は雄英高校の正門前に立っていた。

 

 

「(遂に来た雄英高校!)」

 

 

出久は緊張の余り足がガクガク震えていた。

 

 

「出久!」

 

 

「出久君!」

 

 

「かっちゃん!達也君!」

 

 

そこに出久の幼馴染の勝美と親友の達也が駆け寄った。

 

 

「いよいよ入試本番だね!」

 

 

「今までの成果…、他の受験生に見せつけてやろう!」

 

 

「……うん!」

 

 

三人は同時に雄英への一歩を歩き出した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

入試は『筆記試験』と『実技試験』の2つに別れており、出久たちは案内された部屋で筆記試験を行った。そして筆記試験が終わった後、一同はとある会場に集められていた。

 

 

「今日は俺のライヴにようこそ!エヴィバディセイヘイ!」

 

 

シ~ン…

 

 

「こいつはシヴィー!受験生のリスナー、実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!アーユーレディ!?」

 

 

シ~ン……

 

 

YEAHH(イヤー)!!」

 

 

会場には『プレゼント・マイク』が声援を求めていたが、誰一人たりとも答えなかったため、最終的に自分がやっていた。

 

 

「入試要項通りリスナーにはこの後10分間の『模擬市街地演習』を行ってもらうぜ!各自サポートアイテムの持ち込みは自由、プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!」

 

 

「なるほど、同じ学校の者同士で協力させないための考慮か」

 

 

「俺は…B会場か」

 

 

「私は…F」

 

 

「僕は…D会場だ」

 

 

出久たちは互いの会場番号を見せ合っていた。

 

 

「演習場には"仮想敵"を三種(・・)多数配置されてあり、それぞれの『攻略難易度』に応じてポイントを設けてある!」

 

 

「各々なりの個性で"仮想敵"を行動不能(・・・・)にし、ポイントを稼ぐのが君達(リスナー)の目的だ!もちろん他人への攻撃などアンチヒーローな行為はご法度だぜ!?」

 

 

「質問よろしいでしょうか!?」

 

 

プレゼント・マイクの説明が途切れた瞬間、一人の受験生が手を上げた。

 

 

「プリントには四種(・・)の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき恥態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!」

 

 

受験生はプリントを指差しながら講義をする。

 

 

「それから君!」ビシッ

 

 

受験生は言いたいことを言った後、達也を指差した。

 

 

「先程から手に持っているそのUSBメモリのような"おもちゃ"は何なんだ!?そんな"おもちゃ"を持ち込むのなら即刻雄英(ここ)から去りたまえ!」

 

 

そう、達也は自身のサポートアイテムをいじくりながらプレゼント・マイクの説明を聞いていたのであった。そしてその行動はちょうど彼の視界に入っていたため、注意をしたのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

 

「……おい、お前今まで一体何を聞いていたんだ?プレゼント・マイク(先生)はさっき『各自サポートアイテムの持ち込みは自由』って言ってただろ?USBメモリ(コイツ)は俺のサポートアイテムだ、だから持ち込んでもいいんだよ。それを"おもちゃ"と勝手に決めつけやがって…、テメェは一体何様のつもりだ?」

 

 

達也は自身のサポートアイテムを侮辱され、堪忍袋の緒が切れる手前だった。達也は立ち上がると殺気を込めた視線を先程の受験生に向ける。

 

 

「ヘイヘイヘイ!今ここでドンパチやるなよ!?二人とも不合格になっちまうぜ?」

 

 

「……フンッ」

 

 

達也は不満そうな鼻息を洩らして着席した。

 

 

「それと受験番号7111くん、ナイスなお便りサンキューな!四種目の敵は0P!そいつは言わばお邪魔虫(・・・・)!みんなはレトロゲームの『スーパーマリオブラザーズ』をやったことはあるかい?あれの『ドッスン』みたいなもんさ!各会場に一体!所狭しと大暴れする"ギミック"よ!」

 

 

「もし出会ったら"逃げること"をお勧め(・・・)するぜ!」

 

 

「有り難う御座います、失礼しました!」

 

 

プレゼント・マイクの説明が終わると、先程の受験生は頭を下げて着席した。

 

 

「俺からは以上だ!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう!かの英雄『ナポレオン=ボナパルト』は言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!」

 

 

更に向こうへ!"Plus Ultra"(プルスウルトラ)

 

 

「それでは皆、良い受難を!」

 

 

プレゼント・マイクの締め括りの言葉を最後に、受験生は各々指定された会場へと移動した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

D会場…

 

 

ここは出久がいるD会場。そのスタート地点には出久の他に様々な受験生がいた。その中には達也と一触即発になった受験生もいた。

 

 

『はいスタート!』

 

 

「っ!」ダッ

 

 

プレゼント・マイクの掛け声を聞いた出久は一目散に駆け出した。

 

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!走れ走れぇ!もう既に"何人"かは敵を倒しているぞ!』

 

 

プレゼント・マイクの声を聞いた残りの受験生は一目散に駆け出した。因みに合図と同時に出たのは出久、勝美、達也の他に"もう一人"の四人だった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

実技試験の時間が残り3分を切った頃、各ステージでは"とあるギミック"が始動していた。

 

 

そう、プレゼント・マイクが言っていた0P敵(お邪魔虫)である。

 

 

0P敵は建物を破壊しながら悠々と練り歩く。その姿を見た受験生たちは一目散に逃げる。しかし出久だけは違った。何故なら瓦礫に足を挟まれて動けない受験生がいたからだ。

 

 

「大丈夫?」

 

 

出久は瓦礫を退かしながら質問をする。

 

 

「私のことはいいから早く逃げて!」

 

 

「それは出来ない相談だね。…っとよし、瓦礫は全部退かしたよ。立てる?」

 

 

出久は受験生は出久の手を借りて立ち上がろうとするが、挟まっていた足に痛みが走り、その場に踞ってしまった。

 

 

「……これしか無いか。ちょっと恥ずかしいと思うけど、我慢してね」

 

 

「えっ?きゃっ!」

 

 

出久は受験生をお姫様抱っこすると、そのままスタートラインまで下がった。

 

 

「ねぇ君、彼女のことお願いできる?」

 

 

出久は近くにいた受験生に彼女を任せると、再びステージに入ろうとした。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「君、一体何をしようと言うんだ!」

 

 

だがそこに達也と一触即発になった受験生(仮:インテリメガネ)が出久の肩を掴んだ。

 

 

「何って、あの敵を倒すんだよ。まだステージ内に人が残っているだろうからね」

 

 

出久はそう言ってインテリメガネの手を払い退け、そのまま0P敵に向かって走り出した。

 

 

「無茶だ!あんなデカブツ、敵う訳無い!」

 

 

受験生の一人がそう叫ぶが、

 

 

「ゴムゴムの~…」ビヨーン

 

 

出久は叫び声を無視して、両腕を後ろに伸ばした(・・・・)

 

 

そして

 

 

「バズーカ!」

 

 

ドガンッ!!

 

 

出久はゴムの反動を利用した強力な一撃で0P敵を粉々に破壊した。

 

 

これには助けられた受験生やインテリメガネは勿論、他の受験生全員が驚愕していた。

 

 

『終~了~~!!』

 

 

そして出久が0P敵を破壊したと同時に実技試験が終了したのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

一週間後…

 

 

出久はこの日、母親と朝食を食べていた。

 

 

因みに出久の母親だが、出久が四才の時に"無個性"と診断された時、暴飲暴食をして太ってしまったが、出久が八才の時に個性が出たと分かった途端、暴飲暴食を止め、ダイエットをしたお陰で見違える程に痩せ、度々"姉弟"に間違えられる程になっていた。

 

 

そして母親が新聞を取りに外に出る。出久はソファーで寛いでいると、

 

 

「いずく、出久!!来た、来たよ!来てたよ、雄英からの手紙!」

 

 

母親が雄英からの通知書を持って入って来た。

 

 

出久は手紙を受け取り、自室で手紙を開封する。すると、

 

 

『私が投影された!!』

 

 

封筒の中に入っていた投影機からオールマイトが現れた。

 

 

『諸々手続きに手間取ってしまっていてね、連絡出来ずに申し訳無かった』

 

 

実は出久と勝美は海浜公園で出会った後、オールマイトと連絡先を交換していたのだった。

 

 

『私は雄英に用があるって前言ってたよね?実は私はこの度雄英で"教師をするため"に来ていたのだよ』

 

 

何とオールマイトが出久たちの街に来ていたのは、雄英で教師をするためだった。

 

 

『ええ何だい!?巻きで!?彼で最後なんだろう!?…ならOK?』

 

 

「(ここはカットされなかったんだ…)」

 

 

『筆記試験は文句無しの満点合格!実技も驚異の140P!文句無しの合格だ!だが、それだけでは無い!』

 

 

『我々が見ていたのは敵P"だけ"に有らず!『人助け(正しいこと)した人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるか』って話だよ!綺麗事?上等さ!"ヒーロー"とは命を賭して綺麗事を実践するお仕事さ!!』

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

救助活動(レスキュー)P!しかも審査制!我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力!!緑谷出久、60P!合わせて合計200P!首席で合格だ!』

 

 

『来いよ緑谷少年!雄英(ここ)が君のヒーローアカデミアだ!!』

 

 

オールマイトのその言葉を最後に投影が終了した。

 

 

『prrrr…、prrrr…』

 

 

すると出久のスマホが鳴り、画面には『かっちゃん』と表示されていた。

 

 

「もしもし?」

 

 

『出久!雄英からの手紙来た!?』

 

 

「来たよ。オールマイトが投影されてびっくりしたよ」

 

 

『そっちも!?こっちもオールマイトが投影されてびっくりしちゃったよ!』

 

 

「あはは…、それで要件は?」

 

 

出久は未だに興奮している勝美に苦笑いを浮かべながら要件を促した。

 

 

『あっ、そうだった。そっちは合格した?』

 

 

「もちろん。しかも首席で合格だって」

 

 

『首席!?首席は出久だったんだ!私は次席って言われたから、首席は誰なんだろうって思っていたけど…』

 

 

「実は、達也君を馬鹿にした人が狙っていた仮想敵を"横取り"してたんだよね」

 

 

なんと出久のあの異様な敵Pはあのインテリメガネが狙っていた仮想敵を横取りして稼いだポイントだったのだ。

 

 

『うわぁ…、その人可哀想』

 

 

「大丈夫だよ、ある程度"残して"おいたから」

 

 

『あはは…』

 

 

出久の行動に勝美は苦笑いをしていた。

 

 

『それじゃ中学卒業しても、学校は一緒だね』

 

 

「うん、また一年よろしく」

 

 

『うん、こちらこそよろしく』

 

 

その後二人は雑談をしながら電話を切った。余談だが、達也も余裕で合格しており、出久と勝美が話している途中でLINEにメッセージを送っていた。

 

 

 

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