エロマンガ先生ANOTHER 桜葉桃八はカフェオレが飲みたい 作:しゅみタロス
カタカタカタカタカタカタ
無機質なキーの音と机に積まれた膨大なライトノベル、彼は執筆の手を止めずに冷蔵庫からカフェオレの缶を取り出し、喉に流し込んだ。
桜葉桃八、高校1年生。フリーランスのラノベ作家で同人作家である。
桃八「こんな所か」
書き終わった原稿を雇用先の出版社に送ると2杯目のカフェオレを飲み始めた。
桜葉桃八は小説に出会う前はただの中学生だった、だが2年のあの日、和泉マサムネのネット小説に感銘を受け、彼の後を追うように小説家を目指した。その過程で同人作家として中3でデビューし、その後サークルを転々としながら自らの実力を広めていった。
そして今年の春から3年契約で出版社に雇われ、デビュー作を持つことが出来た。
「御曹司の婚活の合間の喫茶店事情」通称オン情、デビュー作である。
彼の生活はライトノベルとカフェオレが中心、今日も朝からス〇バに通い、新刊のライトノベルと3杯目カフェオレを嗜もうとしていた。
桃八「今日はやけに混んでるな……」
周囲の客を気にする事無く、ラノベを読み進めると自分に声を掛ける一人の高校生が現れた。
???「すみません、相席出来ませんか?」
桃八「ああ、どうぞ」
???「面白いですか?俺の小説」
桃八「???」
目の前に居たのは……
桃八「ま、マサムネ先輩!!」
マサムネ「君、俺を知ってるの?」
桃八「勿論、サイン会の時、ペンを渡そうとして挙動不審になってココアシガレット渡した僕です」
マサムネ「ああ!!あの時の!!」
お互い面識があった事を思い出す。
マサムネ「驚いたよ、まさかこんな所で出会うなんて」
桃八「僕もです、あなたのおかげでこうして僕も作家デビュー出来たんですから」
マサムネ「作家デビューしたのか!!」
桃八「桜葉桃八と言います、アレイストノベル所属のフリーランス。御曹司の婚活の合間の喫茶店事情と言う小説を書いているんですが」
マサムネ「マジ、あのオン活の桜葉桃八さん!!」
桃八「ご存じでしたか?」
マサムネ「読ませてもらってるよ、ああ言う婚活系のラブコメは久々に見たから一度ハマると一気に消化しちゃうんだよなあ、挙句桃八さんの同人誌にまで手に入れちゃって」
桃八「まさか僕の制作した同人誌まで、嬉しい限りです」
マサムネ「嬉しいのはこっちもだよ、俺の小説を気に入ってくれて、サイン会で出会った君が作家になってるなんて」
桃八「僕なんてまだまだですよ」
マサムネ「そう言えば桃八さんはこの近くに住んでいるのか?」
すると桃八は本を閉じる。
桃八「この近くって言うより、この店の3階が僕の家です」
マサムネ「ええッ!!この上なの!!」
桃八「良かったら見に来ますか?僕の自宅兼アトリエ」
マサムネ「それじゃあ見させてもらうよ」
ス〇バの角にあるエレベーターに乗り、3階へと向かう。
桃八「ここが僕の自宅兼アトリエです」
マサムネ「凄い、ライトノベルも沢山ある」
桃八「中でもデート・ア・ライブ関連が多いですね」
マサムネ「デート・ア・ライブの面白さは折り紙付きだからな、あ、五等分の花嫁にかぐや様は告らせたい、機動戦士クロスボーン・ガンダムやジョジョの奇妙な冒険もあるのか、マニアだな」
桃八「良ければいくつか貸しましょうか?」
マサムネ「マジ!!じゃあ、クロスボーン借りて良いか?」
桃八「ええ、是非借りてください、マサムネ先輩」
そう言うと桃八はカフェオレの缶を渡す。
マサムネカシュッ「ああ、後それと……」
桃八「えっと何か……」
マサムネはぎこちない顔で切り出す。
マサムネ「先輩って呼び方、さっきから気になってるんだけど……同い歳だよ……な?」
桃八「ああ……」
すると桃八も少し申し訳なさそうに返す。
桃八「僕、高校1年生なんですよ」
マサムネ「え……
ええええええ!!じゃあ、俺より1コ下なの!!」
桃八「僕、小説家のキャリア長いですけどマサムネ先輩から見れば年下なんですよ?」
マサムネ「マジかよ、てっきり同年代かと……」
桃八「はは……」
驚くはずだろう年齢とキャリアのギャップ、そんな中マサムネはカフェオレを飲み干した。
マサムネ「それじゃあ、一つ約束してほしい事として、俺の事、敬わずに普通に接してほしい。何か先輩って呼ばれるのは慣れないから……」
桃八「じゃあ、マサムネ先生?」
マサムネ「いや、普通にマサムネでいいよ」
桃八「それなら僕の事、桃八さんじゃなくて桃八って呼んでください。これでお相子でしょ」
マサムネ「それじゃあ、桃八、同人誌の生原稿とかあったら、ちょっと見せてほしいんだけど」
桃八「是非とも、世間には発表していない様なお宝モノもあるので」
マサムネ「マジか!!」
桃八の原稿を読み漁り、目を輝かせるマサムネ。
マサムネ「俺も一度で良いからこう言う同人誌関連の小説、書いてみたいなあ。絶対楽しいし」
その言葉を聞いた桃八は謎の紙を差し出す。
桃八「なら、やってみませんか?」
マサムネ「出来るの?」
桃八「一緒にサークル作りましょう!!」
この出来事が、彼らの始まりだったのだ。