くず鉄の巨人   作:露人

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ついに覚悟を決めたリア。ここからくず鉄の勝利の伝説が幕を開ける・・・


結末はいつだって予想外

パイロットが変わったTF-000-Pは動き出す。そして今度はしっかりと刀を構えだした。

 

観客A:何だアイツ?刀を構えだしたぞ・・・

観客B:ヒーローは遅れて登場するっていうの?

観客C:パイロットが変わった程度で勝てるのかよ、あのくず鉄が・・・

 

観客は少しだけ興味を向ける。

 

冴島:ふん。構えだけは一流のようですね。

リア:御託はいい。さぁ、かかってこい。どこからでもいいぞ。

 

冴島に煽りとも取れるような言葉を吐き、リアは相手の動きを伺う。

 

冴島:ッ!行けぇオーガァ!!ヤツを亡き者にしろォ!!!!

 

最初に動き出したのはオーガの方だった。

 

ガチャン!ガチャン!!

 

斧を振り上げながら全速力で向かってくるオーガ。だがTF-000-P(リア)は動かない。

 

ガチャン!ガシャン!!

 

目前に迫ってくる。だがまだ動かない。

 

ロック:先輩!?

観客:また動かねぇんかよ。やっぱダメだな。

社長:いかん!避けろリアァ!!!

 

勢いそのままにオーガが斧を振り下ろす。

 

グワァン!!

 

勝負は決した。その後眼下に広がるであろう凄惨な光景から目を背けようと会場の全員

(冴島は除く)が目をつむった時、

 

リア:!!

 

 

斬!

 

 

ガシャーーン・・・

 

 

タイタンの腕が落ちた音がし、全員がくず鉄の腕が落ちたことを確信しながら目を開けた。

確かに腕は落ちていた。だが、予想とは異なり、()()()()()()()()()()()()()

片腕のオーガと対象的にリア(TF-000-P)はオーガに一足一刀の間合いを開け、背を向けて立っている。

観客たちは今起きていることを飲み込めていない。実況もだ。

会場の誰もが開いた口が塞がらず、会場が静寂に包まれている。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

そんな静寂を破ったのは冴島の叫びだった。

 

な、なんだとぉーーー!!!!?

 

それを皮切りに観客たちの思考が働き始めた。

 

観客A:マジかよ何が起きたんだ一体!?

観客B:え?嘘でしょ?アレってまさかオーガの腕!?

観客C:クソ!見逃した!

ロック:先輩・・・!

社長:ははは・・・すげぇな、アイツ・・・

 

な、な、なんとぉ!?我々が目を話した隙にぃ!

仕掛けたであろうオーガの腕が落ちているゥ!!!

こ、これはどういう事なのかぁーー!?

 

実況も混乱している。そうであろう。

これの一部始終を見ていたのはTF-000-P(リア)と冴島だけなのだから。

だが、冴島は起きたことが信じられていない。

 

冴島:なぜだ!?なぜ私のトマホークオーガの腕が切られている!?

リア:お前の目は節穴か?目は開いてたのに見えてなかったのかよ?

冴島:うるさい!こんな事ありえない!オーガァ!!斧を拾って突撃しろォ!!!

 

冴島の怒りに飲み込まれた指示を聞き、片腕の鬼(トマホークオーガ)は取れた腕から斧をもぎ取り、振り上げ、

向かってこようとする。だが、なぜかオーガは斧を振り上げた瞬間に倒れ込んだ。

 

ガシャーーン!!

 

冴島:な、何ぃ!?

リア:短気は損気。もちろん知ってるよな、冴島?

冴島:クソ!立て!立つんだオーガァ!!

 

 

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

冷え切っていた場内は再び熱を帯び始める。負け確ムードからの反撃だ。

沸かないほうがおかしい。そんな声援が木霊する中、オーガは立てない。

なぜなら彼の右足の関節には大きな切れ込みが入っていたのである。

まるで()()()()()()()()()()()()()()、そんな切れ込みが・・・

 

ウゥーーン・・・!

 

だが冴島の指示からややあって、右足をかばいながらオーガは立ち上がった。

そして決死の覚悟で間合いを詰め、最後の一撃を食らわせようと向かってきた。

だが、片足が使えていないので最初のときのような疾さはない。

 

グオォーーーー!!!

 

最後の力を振り絞り、斧を振り下ろす。だが、

 

 

斬!

 

 

ガシャーーン・・・

 

残った最後の腕も落とされ、顔から地面に崩れ落ちるオーガ。

 

冴島:何故ぇ・・・なぜだぁ・・・

 

同じように冴島は膝から崩れ落ちる。

 

リア:結末はいつでも予想外。・・・油断したな。

くず鉄風情に負けるわけ無いと思ったんだろう?残念だったな。

冴島:クソ・・・クソがァァ!!!!!

 

ザシュッッ!!!

 

刀が鬼の頭に突き刺さる。

 

ゥーーーン・・・

 

・・・もう鬼は動くことはなかった。

 

・・・!しょ、勝負ありィ!!!!勝者ァ!!!        【TFゥゥ!!!!−000−Pィィ!!!!!】

 

 

うおおおオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

 

 

観客A:スゲェ・・・ スゲェよアイツ!!!

観客B:勝ちやがった!あの戦況を変えやがったァ!!!

 

幻のタイタンでの逆転劇に沸き上がる会場。

 

 

TィF! TFゥ! TF〜〜〜〜!!!

 

 

会場にTFコールが巻き起こる。それは試合開始とはギアが数段上の異様な熱気だった。

 

流石です。パイロット。

 

リア:当たり前だ。最初に言っただろ?「共に戦えば最強だ。」って。

 

そうですね。・・・インタビューがあるようですよ、パイロット。

 

リア:まじか・・・拒否していい?

 

それは出来ません。観客が許さないでしょう。

 

俺は観客席に体を向ける。すると大きな歓声で会場が沸いていることに気がつく。

 

観客A:凄いぞお前!

観客B:キャーこっち見てーー!!

観客C:お前の勝ちだぁ!俺は信じでだぞ〜〜!!

 

リア:・・・これって俺達に対する歓声か?

 

肯定。アナタの戦いで会場が沸きました。おめでとうございます。

 

俺の刀が・・・この笑顔を?・・・

 

それでは!これからインタビューに移るぞぉ!!

 

!?き、来た!

 

インタビュアー:こんばんわ!貴方の名前を教えて下さい!

リア:最初に動かしてたのはロック、私はリアです。

 

冷静に答える。

 

インタビュアー:勝利の感覚はありますか?

リア:いいや、まだないです。

インタビュアー:最初の人と変わりましたが、それは予定通りだったのですか?

リア:違います。私は動かさない予定だったんですが・・・見てられなくて・・・つい・・・

インタビュアー:なるほど・・・今後の予定はありますか?

リア:いや・・・そもそも今回の戦いが最初で最後になる予定だったので。

もうタイタンバトルはしないと思います。

インタビュアー:え?・・・それは本当なのですか?

 

インタビュアーが困惑の表情を浮かべ、次の質問を投げかける。

観客たちも皆、信じられないという顔を浮かべていた。

 

リア:はい。ただ社長の気が変わったらやるかもしれないです。

インタビュアー:ココに社長はいらっしゃるのですか?

 

「はい。」・・・と答えようと社長の方に目線をやったが、社長は身振り手振りで

「こっちに振るな!!」と言っているようだ。ココは社長の考えを尊重して・・・

 

リア:いや、いないです。・・・そろそろいいですか?疲れたんで休みたいです。

インタビュアー:あ、はい!それではこれでインタビューを終わります!

ありがとうございました〜〜〜〜!

 

お辞儀をしながらそそくさと控室に向かうリア達。同時にトフも戦場を後にした。

残されたのは放心状態の冴島と惨殺された鬼の姿だった。




鬼を斬ったくず鉄の侍。
くず鉄の勝利の伝説は、こうして幕を開けたのだった・・・
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