赤髪さん家の海賊見習い   作:ヤマアラシ

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妄想が膨らみ勢いのみで始めました。
意欲が続く限り投稿しますが、エタる可能性大です。それでもお付き合い下さる方のみご覧下さい。


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 『人生とは選択の連続である』

 

 これは詩人や作家として有名だったウィリアム・シェイクスピアが残した名言である。

 

 

 例えば朝食に食べるのはご飯か?パンか? 

 

 

 それとも麺か?

 

 

 食べないという選択もありだろう。

 

 

 我々人間は生活していく上で常に何かを選択して生きている。

 

 かく言う俺もその例に漏れない。

 

 

 もしあの日、映画を見にいかなければ……。

 

 

 寄り道なんてせずすぐに帰っていれば……。

 

 

 信号を渡る際に少しでも気を配っていれば……。

 

 

 俺は今のような未知(奇跡)を体験することはできなかっただろう。

 

 これは元日本人の一般Peopleだった俺が体験することになった二度目(・・・)の人生の記録である。

 

  

            

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 いわゆる居眠り運転による衝突事故。

 

 それが俺の最期だった。

 

 時刻はすっかり日も落ちた深夜帯、映画を見終わった後の興奮を冷ますためにそこらの居酒屋で一杯やった俺はほろ酔い気分で帰路についていた。そんな俺を襲った不幸だった。

 

 最後に覚えているのは夜の暗闇に瞬く二つの光と、耳を劈くけたたましいクラクション。そして慌てた顔でこちらを見ていたトラックの運転手のおっさんの顔だった。

 

 ぶつけられた衝撃で体は宙を飛ぶ。

 

 身体を襲う痛みと何かがひしゃげたような不快な音、飛び散った鮮血が辺りに散る。何が起きたか分からないまま俺はその生を終えた‥‥‥。

 

 

 

 

────そう■■■■としての人生はそこで終わり、それが新しい始まりでもあった。

 

 

 

 

 まだ生きたかったなぁ‥‥。

 

 

 親にも何も孝行できてねぇし……。

 

 

 まだまだやりたい事もあったのになぁ……。

 

 

 そんな後悔ばかりを考えていた俺の意識を呼び起こしたのは、耳に響く笑い声だった。騒がしさと眩さを感じながら目を開けた俺の目に入り込んで来たのは‥‥‥。

 

 

「おいおい……」

 

 

「こいつぁ‥‥‥」

 

 しかめっ面を浮かべてこちらを覗き込むおっさんの顔だった。

 

 ……なんで死ぬ時も死んだ後まで野郎の顔を拝まなきゃならんのですかね?

 

「あぅ!あぅっあ!?(神様!俺なんか悪いことでもしましたかね!?)」

 

 沸々と湧き上がる怒りに不満の叫びを上げる。しかし、俺の口から出たのは言葉の意を示していない舌足らずな鳴き声のみ。

 

 ん?なんだこの声?

 

 

「うぉっ、急に怒り出したぞ!?」

 

「威勢のいい赤ん坊だなこいつぁ!」

 

 こちらをのぞき込むおっさん達が何やら騒いじゃいるが一体何だってんだ?

 

 俺はもしかして生きてんのか?

 

 あの事故で奇跡的に助かったとか?

 

 人の事を指さして笑ってるけど、もしやこいつ等、人のことを赤ん坊呼ばわりしてんじゃねぇよな?

 

「あぅだぁっ――――あぅ?(こちとらもう24歳の―――はい?)」

 

 文句の一つでも行ってやろうと力んだ拍子に視界に移りこむ、ぷっくらと丸みを帯びた可愛いい手足。

 

 ポッコリとした愛嬌を感じるお腹。

 

 顔を触れば、いつもの感じる髭の感触は無くぷにぷにツルツルのほっぺがある。

 

 

「怒ったと思ったら、今度はきょろきょろしだしたぞ?」

 

「やけに身体を見回しちゃいるがどうかしたのか?もしや糞でも漏らしたか?」

 

「あぅだぁああああああーーーー!!??(なんじゃこりゃーーーー!!??)」

 

「「急にキレたぁ!?」」

 

 は?

 

 え?

 

 はいぃ?

 

 何で俺は赤ん坊になってんの?

 

 それに、よく見ればここって海の上‥‥‥てか船の上か?何でこんな場所に居るの?ここ何処?私は誰?もう何もワカンナイデスヨ。

 

「どうしたお前ら?お宝の中に面白いもんでもあったか?」

 

「船長!それがですね‥‥‥」

 

「宝の整理をしていたら見つけちまって‥‥‥」

 

「おいおいまたか‥‥‥何だ?俺は奪った宝が赤ん坊になる呪いでも掛けられてるのか?」 

 

 耳が捉えた妙に聞き覚えのある声。

 

 混乱する思考を一時停止して、俺は唖然と手を見つめていた視線を上へと戻す。

 

「(絶句)」

 

「おい、固まったぞ?どうした?泣かれるのは困るが……こうして黙られても心配になるな‥‥‥」

 

 深紅の赤色に染まった頭髪、左目に走る特徴的な三本の爪傷に口には長さの整えられた無精ひげ。

 

 ハリのある心地よいバリトンボイスにその頭には、まるで王冠のように麦わら帽子を被っている。

 

 目の前の光景が信じられなかった。

 

 夢だ…幻だ‥‥そんな筈がない。

 

 しかし、澄んだ空の青さと差し込む陽光。鼻をくすぐる潮風の香りと何より俺を抱き上げるその感触がこれが現実の出来事なのだと告げてくる。

 

「どうしやす船長?」

 

「戻してきましょうか?」

 

「馬鹿野郎……戻すといっても何処に戻す?そんな事されても……この子が困るだけだろう。奪っちまったものは仕方ないウタ(・・)と一緒にこの子も育てよう。一人から二人に増えても構わないだろう。なぁ?」

 

 いや、そこで俺に振られても困ります。

 

 でも、これ夢じゃないわ‥‥‥目の前にいるのは本物の……。

 

「おぎゃぁあぁぁぁ!?(シャンクスだぁ!?)」

 

「な、何でそこで泣き出すんだ。あ、赤ちゃん~良い子だねぇ~」

 

 慌てて俺をあやすシャンクスと感情のコントロールが出来ずに泣き止まない俺。

 

 そのようすを苦笑い気味に眺める船員達。

 

 これが始まりの物語。

 

 俺と赤髪海賊団との出会いであった。




簡単な主人公プロフィール

【前世】
24歳の一般企業勤めの会社員。
ONE PIECE~FILM RED~を視聴後の深夜トラック衝突により他界。
転生し赤ん坊になっていた事への混乱と押しキャラであったシャンクスに抱きかかえられるという歓喜により感情が爆発。赤ん坊ゆえの精神の幼さにより号泣に至る。
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