Devil May Nanoha   作:アーカード

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第5話

〈1〉

翌日、フェイト、アルフ、そして、ダンテの三人は、プレシアの居城である時の庭園に向かうべくマンションの屋上にきていた。

 

「何であんたが来るのさ」

 

アルフは、ダンテに問い掛けた。

 

「何、魔法って言うのを一度しっかりと味わってみたくてね。」

 

「それなら後で私が、捕縛魔法をお見舞いしてあげるから楽しみにしてな」

 

「あいにくとSMの趣味は無いんで、勘弁願いたいね」

 

「えすえむ?」

 

「フェイトの前で変なこと言ってんじゃないよ!」

 

アルフは、顔を真っ赤にしてダンテを怒鳴りつけた。

 

「それよりもお前の母さんに会いに行くんだろう、早く行こうぜ」

 

ダンテは、まるで新しいおもちゃを買ってもらう子供のようにはしゃいでいる。

 

「う・・・うん。」

 

ダンテの言葉を聞き軽く頷くフェイトとアルフ

 

「ところで、お嬢ちゃんは何を持ってるんだ。」

 

「ケーキです。母さんが喜んでくれるといいなって思って」

 

「あの人が喜ぶかね?」

 

「分からない、でもこう言うのは気持ちだから」

 

そう言うとフェイトは、次元転移の呪文詠唱を始めた。

 

「次元座標固定、目標時の庭園」

 

詠唱が終わるとマンションの屋上から三人は姿を消していた。

そして現れたのは、巨大な屋敷を彷彿とさせる庭先だった。

 

「母さんの部屋はこっちです」

 

ダンテに道案内をするフェイト

ダンテは、落ち着きなく周囲を見渡している。

そして、三人は、一枚の大きな扉の前にやってきた。

 

「それじゃ、ちょっと待ってて、母さんの所に行ってくるから」

 

そう言い残しフェイトは、部屋に入っていく。

残されたアルフは、扉の前に腰を降ろし体育座りを始めた。

まるで何かを拒絶するかのように目と耳を塞ぐ

 

「どうしたんだ?」

 

ダンテの問いにもアルフは、暗い表情を隠したまま答えようとはしなかった。

しばしの沈黙が二人を襲う。

しかし、沈黙を打ち破るフェイトの悲鳴が部屋の中から聞こえてきた。

その悲鳴を聞いたダンテは、いつもの調子で部屋に入っていく。

そこで目にしたのは、プレシアがフェイトに魔具を無理やり同化させようとしている瞬間だった。

次の瞬間、ダンテのエボニー&アイボリーが火を吹いた。

打ち出された銃弾は、真っ直ぐにプレシアの手に握られていた魔具を撃ち抜いた。

 

「おいおい、感動の家族の再開にしちゃ、ちょっとばかし過激じゃないか!?」

 

ダンテは、手にしていたエボニー&アイボリーをホルスターに収める。

 

「中々のベッピンさんだが顔色が良くないんじゃないか・・・病院に行くことをお勧めするぜ」

 

「あなたは、何者?」

 

「何、通りすがりの色男さ!」

 

ダンテは、軽くウィンクする。

 

「邪魔よ!」

 

そのウィンクを見たプレシアは、不機嫌そうに顔を歪めると、ダンテに複数発の魔力弾を放った。

ダンテは、これをダンスをするように軽快なステップでこれをかわし、エボニー&アイボリーをホルスターから引き抜くと、迫りくる魔力弾に向けて引き金を引いた。

 

BANG BANG BANG

 

45口径の弾丸と魔力弾とが空中で炸裂する。

 

「初めて会う男に対しての愛の告白にしちゃあ、ちょっと過激じゃないか」

 

「黙りなさい!!」

 

再度魔力弾を放とうとするプレシアに対し、今度は、リベリオンを抜き反撃する。

飛来する魔力弾を切り裂きながらプレシアに近づいて行く。

そして、全ての魔力弾を切り裂くと、プレシアの前まで歩み寄った。

そして、彼女の胸倉を掴み、こう言い放った。

 

「生憎と娘に魔具を使わせるような親に言われるようなことは何も無いんでね。」

 

「魔具の事を知っているのね、あなたは、いったい何者なの?」

 

「ダンテ・・・悪魔を狩る者(デビルハンター)さ」

 

「デビルハンター・・・」

 

「ここは、見かけは綺麗だが、血の匂いの方が鼻につくな」

 

そう言うと、リベリオンを収めたダンテは、左手専用の黒い拳銃“エボニー”と、右手専用の白い拳銃“アイボリー”を抜き放ち、左右に向けて撃ち放った。

放たれた弾丸は、左右にそれぞれいたものに吸い込まれるように着弾した。

弾丸を撃ち込まれたヘル・プライドは、悲鳴を上げて砂になって消えた。

プレシアの私室には無数のヘル・プライドだけではなく、ヘル・エンヴィー、ヘル・レイス、ヘル・スロース、ヘル・グリード、ヘル・グラトニーの姿があった。

 

「まったく、雑魚の大盤振る舞いか」

 

ダンテは、そう言うと体の前方で銃を交差させてこう言い放った。

 

「Let's rock baby!」

 

〈2〉

悪魔達との戦闘を開始してから一分足らずで全ての悪魔を片付けたダンテは、再びプレシアに向き直る。

 

「あれだけの悪魔を一瞬で・・・。」

 

ダンテの驚異的な戦闘力を前にただただ驚愕するプレシア

 

「俺が、フェイトを連れて帰る。あんたは、さっさと俺の前から消えな」

 

「な・・・何を言って・・・」

 

「俺の気が変わらないうちに消えろて言ってるんだ」

 

内心ダンテの戦闘力の前に軽く腰を抜かしていたプレシアだったが、ダンテの鬼気迫る雰囲気に呑まれ、苦虫を噛み潰したような表情になりながら、奥の部屋に姿を消してしまった。

ダンテは、フェイトをお姫様抱っこで部屋の外に運び出した。

 

「フェイト!」

 

部屋を出てすぐにアルフが走り寄ってくる。

よっぽど心配していたのか目に大粒の涙をためながらやって来たのだ。

 

「気を失ってるだけだ、安心しな」

 

「そうかい、ありがとう! バージルに続いてあんたにも助けてもらうなんてね」

 

「バージルが、この娘を・・・?」

 

「あぁ、そうだよ」

 

ダンテは、意外そうな表情をするとプレシアの私室から離れようとしたが、気を失ったフェイトをアルフに預け、一度私室に戻って行く。

しばらくして出てくるとダンテの手には、潰れたケーキの箱が持たれていた。

 

「あんた・・・」

 

アルフは、そのダンテの優しさに瞳に大粒の涙をためながら呟いた。

 

「さぁ、早く帰ってケーキ喰おうぜ。腹が減った。」

 

そう言うと、アルフにケーキの箱を渡し、フェイトを抱え上げた。

二人と抱え上げられたフェイトの三人は、転移してきた場所に移動する。

 

「ダンテは、バージルとどんな関係なんだい?」

 

「こりゃあ、随分と直球な質問だな」

 

「答えたくないなら別に構わないよ」

 

「兄弟さ・・・ちょっと腐れ縁のあるな」

 

「・・・それじゃあ、あんたも半身半魔なのかい」

 

「そこまで、聞いてるのか・・・。あぁ、そうだよ、俺の体の半分は悪魔の血が流れてる」

 

アルフの表情が少しだけ曇る。

 

「怖いか・・・?」

 

「いや、フェイトを助けてくれたからダンテもバージルも良い奴だと思ってるよ!」

 

アルフは、満面の笑みで答えた。

それに対してダンテは、いつものニヒルな笑みで微笑み返す。

などと話しているとダンテの腕の中で覚醒したフェイトが第一声を上げる。

 

「うゎ、ひゃ!」

 

「お目覚めかなお姫様」

 

そう言うとダンテは、フェイトを腕から解放した。

 

「ありがとう」

 

フェイトは、ダンテに礼を述べる。

 

「お姫様をピンチから救うのは色男の役目だからな」

 

「えぇっと・・・」

 

なんと呼べば良いのか悩んでいるフェイトにダンテが答えた。

 

「ダンテで良い」

 

ダンテがそれだけ言うとフェイトは、嬉しそうに笑った。

 

「フェイト、早く帰ろうぜ。ショートケーキとストロベリーサンデーが喰いたくなってきた。」

 

「はいはい」

 

フェイトは、そう言うと呪文詠唱を開始し、詠唱を終えると時の庭園から姿を消していた。

 

〈3〉

バージルを連れたなのはは、実家に帰ると真っ先に口から出たのは、バージル存在に対する言い訳だった。

家の玄関前で倒れていたと言い訳したなのは

士郎と桃子もそれじゃあ仕方ないと部屋を貸してくれた。

ダンテが居ないことについては、知り合いと会ったから飲みに行くと言って別れたと説明すると深くは言及されなかった。

バージルは、道場に布団を敷き寝かされた。

運んでくる途中でダンテにやられた傷は塞がっていたので特に治療を要する事はなかった。

なのはは、道場の外で空を見上げていた。

 

『なのは』

 

『ユーノ君!』

 

『どうしたのこんな朝早く』

 

『うん、ちょっとね』

 

『私ね、やっぱりあの子の事が気になるの』

 

『フェイトって呼ばれてたあの子のこと?』

 

『うん、あの子ね、なんだか凄く寂しそうな眼をしてたの・・・それに私を撃った時も、ごめんねって言ってた。きっと理由があるんだと思う、戦ってでもジュエルシードを集めたい理由が・・・』

 

「そのために俺を連れて来たのか」

 

念話の最中に会話に割り込んでくる声

振り返るとそこには、手負いのバージルが立っていた。

 

「バージルさん!」

 

近づくなのはに向けられた閻魔刀(やまと)の切っ先

一瞬驚いたなのはだったがすぐに冷静さを取り戻す。

 

「今の念話聞いてたんですか?」

 

「あぁ、正確には聞こえてきたと言った方が正しいがな」

 

「聞こえてきたんですか?」

 

「どうやら念話程度の魔法なら俺にも使えるらしい」

 

バージルの言葉に驚愕するなのは

バージルは、言葉を続ける。

 

「助けてもらった事には礼を言う。だがフェイトの事について話す気はない!」

 

「そんなつもりで言ったんじゃないんです! ただ私は・・・」

 

「ただ何だ!」

 

「フェイトちゃんとお友達になりたいなって・・・」

 

「フェイトと友達に・・・か」

 

「・・・お前にできるのか?」

 

「‘できるじゃない’‘するんです’!」

 

「そうか・・・ならばお前を信じよう、高町なのは」

 

少し考えたバージルだったが少しの間の後、その重い口を開いた。

 

「フェイトは・・・」

 

〈4〉

フェイト、アルフ、ダンテは、街を一望できる展望台に来ていた。

 

「あるね」

 

「うん、近くにあるのは確かだと思う」

 

「あぁ、間違いなく近くにあるぜ、それに奴らの臭いもな・・・」

 

そう言って眺める先にあるのは、工場が建ち並ぶ工場区である。

 

「これからどうするつもりなんだ?」

 

ダンテは、アルフとフェイトに問い掛ける。

 

「もちろん取りに行くよジュエルシードを・・・」

 

その言葉にダンテは、軽くため息をついた。

 

「仕方ない付き合ってやるよ、ただ・・・」

 

「ただ、どうしたの?」

 

「自分自身で考えることを放棄するな、あれが自分の母親に見えたなら眼科に行くことをすすめるぜ!」

 

ダンテの言葉に普段温厚なフェイトが激昂した。

 

「母さんは私の大切な・・・」

 

そこで言葉につまった。

 

「大切な・・・」

 

ここでフェイトは、自分の過去を振り返った。

 

《アリシア、おやつよ!》

 

《アリシア、良い子にしてた》

 

《アリシア、今日のご飯は何が良い?》

 

《母さん・・・私はフェイトだよ・・・アリシアじゃないよ。フェイト何だよ。》

 

「どうやら、ちょっとばかし考えたら答えが出たみたいだな」

 

「ダンテ、どういう意味だい」

 

「何・・・後は、フェイト自身の問題だ。要するに娘に魔具を使わせようなんて考える奴が親なわけないってことさ」

 

頭を抱え考えるフェイト

そんな考える時間もダンテの一言によって遮られた。

 

「さぁ、行こうぜ目的の場所に・・・未来に進めば自ずと答えが見えてくるものだぜ」

 

ダンテは、二人を引き連れ工場区に足を運んだ。

目的の場所に着くとそこには、バリアジャケットに着替えた白き魔導師と日本刀を携えた蒼き悪魔が待ち構えていた。

それを見たフェイトもバリアジャケットに着替える。

 

「フェイト!」

 

「バージル!」

 

「ダンテさん!」

 

「なのは、久しぶりだな」

 

それぞれが離れ離れだった者の名を叫ぶ。

そして立場を入れ換えるようにダンテとバージルは、歩き出す。

お互いがそれぞれの戻る場所に戻った。

 

「やっぱり、こっちの方がしっくりくるな」

 

ダンテは、いつもの軽口を叩く。

 

「ただいまフェイト」

 

「お帰りバージル!」

 

バージルは、フェイトの頭を優しく撫でてやる。

一時の団欒が終わるとお互いに向き合った。

 

「さぁ、始めようか楽しいパーティーの時間だ!」

 

ダンテの掛け声を合図にお互いの武器を構え突撃していく。

しかし、その時だった、戦いを邪魔する者が現れたのは

 

「そこまでだ!」

 

黒いバリアジャケットを着た少年が、空間転移により双方の戦いの場に割って入ってきたのだ。

 

「僕の名は、クロノ・ハラオウン。管理局の執務官をしている。話がしたい双方武器を納めてくれ」

 

そう言われ素直に納めるダンテとバージルではない

フェイトとなのはも同様である。

それを見越していたのかクロノと名乗った魔導師は、四人の手と体をバインドで拘束した。

しかしバージルは、動く手首を器用に使い閻魔刀(やまと)を抜刀し、自身を拘束しているバインドを断ち切った。

その後、すぐに閻魔刀(やまと)を使い、フェイト達を拘束しているバインドを断ち切る。

ダンテも力業でバインドを破壊するとリベリオンを使いなのはのバインドも断ち切った。

それに驚愕したのはバインドをかけた本人であるクロノであった。

 

「おいおい坊や、真剣勝負に水差すなんて男のすることじゃねーぜ。」

 

ダンテとなのはの意識が突如現れた侵入者に向いているのを見てチャンスだと判断したバージルは、フェイトに念話を送る。

 

『フェイト、ここは引くぞ。』

 

『でも、ジュエルシードが!』

 

『そんな物、あとで何とでもなる。今は撤退だ!』

 

『アルフ、今から数えて5秒後に魔力弾を叩き込んでくれ、その瞬間、俺がフェイトを抱えて脱出する。』

 

『分かったよ』

 

それから数えること5秒後、アルフの魔力弾がクロノを襲った。

それをバリアで防ぐクロノ

土煙で周りが見えなくなったタイミングでバージルは、フェイトを抱え上げ跳ぶと、コンテナ上に待機していたアルフと一緒に転移魔法でその場を後にした。

少ししてクロノのに通信が入る。

 

『艦長すみません。もう一組は逃がしてしまいました。』

 

『あら、その子達だけでもアースラに案内してくれる』

 

『はい、分かりました艦長』

 

それだけ言うとクロノは、ジュエルシードを回収し、ダンテとなのは、ユーノに転移魔法を使うと、その場を後にした。

 

 




スランプ気味になり書くスピードがかなり遅れてます。
頑張って書いていくので応援よろしくお願いします。
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