燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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ちょっと長いです(2回目)


第104話

…海賊『赫足』のゼフ。それと、ただの少年の数奇なる数ヶ月。無人島にて、ゼフと少年の生活があった。

 

少年の名はサンジ。

オービット号に乗っていたゼフにとってはただのガキだった。しかし、ある日、ゼフの率いるクック海賊団がオービット号を襲撃した。簡単な話だった。略奪をする為だ。

 

クック海賊団は鉄の掟を持っていた。

他人の食糧に手を出さないこと。その嵐の日はたまたま、それを全員が破ってしまった。…それが幸か、不幸か。

 

嵐により、サンジが波に攫われる。ゼフの蹴りを食らった子どもは何の抵抗もできなかった。ゼフはその少年の夢を聞き、助けた。奇しくも海に落ちた二人以外は…死に絶えた。

 

無人島に降りたゼフとサンジ。

二人は約束として、飯を分け与える代わりに船を見つけたら教えること、見つかるまで対岸に行き、干渉しないことだった。

 

…時間は進み、食料だけが刻一刻と無くなっていく。

 

そして、無くなった。

無くなってもサンジは探し続けた。生き残る糸口を。…しかし、そんなに世の中は簡単にできてはいない。雷鳴響く嵐の日を抜いて、船どころか人影が見えることはなかった。

 

『あのジジイ…死んだかな…。』

 

サンジは思った。

…対岸に行くと、なんとゼフは生きているではないか。更には大人の胃袋はガキよりでかいからと自分よりも多く取り分けられた袋も殆ど手付かずの状態だった。

 

空腹により凶暴となっていたサンジはその袋を破いた。ゼフは何の抵抗もしなかった。その袋から出てきたのは食料…ではなく、金銀財宝だった。

 

虚しくカラカラと鳴るものを聞いて、愛を知らない少年は問う。何故だ、何故、食料を全部渡した。何も食わずにここまで生きてきたのか…と。ゼフを問いただして気づいた。

 

…彼は自分の異名となったであろう足を食べていたのだ。それでここまで食い繋いで来たのだ。たかだか、サンジ(自分)を生かすためだけに。

 

サンジは叫んだ。何故生かしたのかと。何故そこまでしたのかと。

 

…ゼフは言った。…同じ夢を持っていたからだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンジッ!!余計なマネするなッ!!チビナスに庇われるほど…落ちぶれちゃいねェッ!!」

 

「…余計なマネしやがったのはどっちだよ。その右足さえ失ってなけりゃこんな奴らに舐められることは無かったッ!!」

 

ゼフの声にサンジが叫ぶ。

…歪ではある、喧嘩もする…だが、その因縁()は深かった。

 

「何故…立ち上がるんだよ…!!サンジさん…。」

 

立ち上がって欲しく無かった。

ギンにとっては命の恩人。腹の減ったギンにピラフを渡した。言うまでもなく美味かった。だが、満たされたのは腹だけでなく…心もだった。

 

だから、立ち上がってほしく無かった。寝ていて欲しかった。自分が手をかけてしまうことになるから。

 

「クフッ…ハーハッハッハッ!!まだ受けたりねえかッ!!俺の攻撃(プレゼント)を…ゴフッ…!!君に勝ち目は…無いんだぞッ!!結果だけが…全てッ!!人質取ろうが…店質取ろうが…ぶちのめした奴の勝ちだぁ…ガフッ…!!違いますかァ!!首領(ドン)・クリークッ!!」

 

パールは口からを血を吐きながら、叫ぶ。クリークは下卑た笑みを浮かべてそうだと返した。

 

「そうでしょうッ!!ギンさん!!…聞くまでも…ねぇか…。それを先人切ってやってる…本人だ…ガフッ…!!つまり貴様らは…俺たちに手出しもできず…散っていくのさ…ッ!!それでもなお何故…立ち上がるッ!!」

 

一時でも長く此処がレストランである為さ…!!

 

その時、サンジは笑った。

ルフィはそれにびっくりしたように目を見開く。

 

「…クソォッ!!コイツが居なけりゃ俺が殴り飛ばしてやるものを…ゴフッ…!!」

 

指一本でパールは動けない。

指一本で止められているだけでは無い。心臓を掴まれたような殺気にパールは額からダラっと汗を流した。

 

「…ゴフッ。」

 

『サンジッ!!』

 

…クリークから鉛玉がサンジへ飛ぶ。サンジの腹に小さく穴が空いた。サンジは膝をついて、血を少し吐く。炎がヒレを包もうとする。ルフィはその様子に…もう我慢の限界だった。

 

「おい、パールッ!!何してやがるッ!!そのガキを止めろッ!!」

 

「…行かせるかよ。」

 

バンドラはルフィを見てそう言った。

サンジが吠える。やめろと。しかし、ルフィはやめなかった。

 

「ゴムゴムのォォ…『斧』ッ!!」

 

足が大きくヒレに当たり、ヒレが倒壊した。バンドラはモネを胸に抱き、揺れる床の上を跳び上がった。

 

「大丈夫か?」

 

「…うん。」

 

幸か不幸か。燃え上がる火は消えた。

バンドラが前へと出るとそこにはルフィの胸元を掴むサンジの姿があった。なんと、ルフィはこの船を沈めると言い出した。バンドラは大笑いしそうになっていた。

 

「テメェ、正気か、クソやろうッ!!俺が今まで何のためにこの店で働いてきたと思ってんだッ!!」

 

「だって船ぶっ壊せばあいつらの目的無くなるじゃん。」

 

その言葉にゼフは穏やかな笑みを浮かべていた。サンジは納得がいかないため…叫ぶ。それに…ルフィは馬鹿じゃねえかと返した。サンジの胸元を掴み、ルフィが叫ぶ。

 

死ぬことは恩返しじゃねえぞッ!!

 

…その言葉にバンドラはニヤリと笑った。

ルフィの頭の中にはあの赤髪の男が映っているだろう。

 

「そんなつもりで助けてくれたんじゃねえッ!!生かしてもらって死ぬなんて弱え奴のやることだッ!!」

 

「じゃあ、他にケジメをつける方法があんのかッ!!」

 

「まぁまぁ、ケンカは良せよ。君たち…。」

 

…喧嘩をする2人へ場違いな男が現れる。バンドラは胸に抱いたモネから手を離すと、地面を滑るように急激な勢いでパールの目の前に出た。

 

「ぐっ…!?またおま…グァァァッ!!」

 

バンドラはパールの頭を右手で掴み、身体を上げた。

 

「…クソ汚ねえ。息吐くな。…おい、ガキども。」

 

バンドラが低い声で言った。

サンジとルフィはその様子を後ろから見る。

 

「貴様らがどういう過去を歩んだか知らねえが。そいつらはお前たちに賭けたんだ。夢を…希望を…お前たち新時代に、芽吹く新緑にッ!!」

 

「グボァァァッ!!」

 

『ぱ、パールさんッ!!』

 

パールの頭が軋みを上げる。

パールの顔面に膝蹴りが入り、軽く陥没していた。

 

「…おい。テメェにゃ此処にいる資格はねえな。帰ってもらおうか。落武者。」

 

そう言ってバンドラはパールの胸に八卦を打ち込んだ。パールの鎧は砕け、そのままクリークへと飛んでいく。クリークはそんなパールを手で弾き、海へ落とした。

 

「アイツッ!?仲間をッ!?」

 

「…チッ。おいッ!!ギンッ!!その男…サッサと!!」

 

その瞬間、ギンがサンジたちの前へ降り立った。鉄球のついたトンファーのような武器を持って。

 

「ギン…。」

 

「何やってんだッ!!ギンッ!!」

 

首領(ドン)!!…サンジさんだけは俺の手でやらしてくれ。この人を俺の手で殺すのが…俺のケジメだ。」

 

そう言ってトンファーのような武器を構えるギン。ルフィは前へ、サンジはタバコに火をつけた。

 

「はっ…ありがとよ。くそくらえ。」

 

「なぁ…小僧。」

 

その時、バンドラがルフィへと話しかける。ルフィはバンドラの方を横目で向いた。

 

「アイツとお前、この海の王に相応しいのは誰だ。」

 

「んあ?決まってんだろッ!!…俺だッ!!」

 

『言い切りやがったァァッ!?』

 

その言葉にクリークが青筋を立てる。

バンドラはふっと笑うとルフィの肩に手をやった。

 

「おい、おっさん。…絶対に手ェ出すなよ。」

 

「やってこい。お前の力を証明してきな。馬鹿野郎。」

 

バンドラはそう言って、後ろへと下がった。その言葉にルフィはおうッ!!と元気よく返すとマストの橋を渡っていく。

 

「よォし…退いてろ…野郎ども…。その夢見がちな小僧に『強さ』とはどういうもんか見せてやるッ!!」

 

クリークは肩の大楯を構える。それを知るものは吠えた。猛毒ガス弾『MH5』…そう呼ばれるそれは放たれた。

 

そんなものはどうでも良いと麦わら小僧は走る。突き動かすのはただ目の前のやつを殴りたいという闘争心。

 

しかし、それは毒ガスではなく、手裏剣だった。

 

「ぐっ!?」

 

肩や脚を切り、血を流すルフィ。

 

「おい小僧ッ!!もう一度言ってみろッ!!俺とお前、どっちが海賊王の器だッ!!」

 

「俺。お前無理。」

 

ケロッとした顔でそう言うルフィへクリークは激昂する。

 

その近くではトンファーをぶん回してサンジへ振り下ろすギン。

 

必ず息の根を止めろとクリークからの命令に応えていた。

 

ギンはサンジを地面へと拘束するも、サンジはタバコをギンの顔へと飛ばし、回避。

 

そのまま両手のトンファーを振り下ろすギンだったが、サンジはそれを回避し、逆にギンの顔を蹴り上げた。

 

ルフィも動き出す。

 

マストの橋を渡るルフィへクリークは無数の槍を飛ばす。

 

それはルフィの体へと突き刺さり、海に落ちそうになったルフィはそのまま地面へ飛んだ。

 

「…どっちが勝つと思う?」

 

モネの声にバンドラは笑う。

 

「さぁな。だが、武器が何個あろうと勝てねえものもあるもんさ。」

 

「…なにそれ。」

 

…サンジの方は決着がつきかけていた。

ギンのトンファーからサンジの血が垂れていたのだ。

 

倒れるサンジにギンはのしかかる。もうサンジの身体は自分の攻撃にも耐えられなかった。

 

…止めを指す。誰もがそう思ったその時…鬼人と呼ばれた男の目には涙が出ていた。




早くイチャイチャが書きたいわいと今めっちゃ楽しいワイが拮抗中。ウタカタララバイのウタみたい。

ローグタウンでデート書こうと思ってるんだけど、ウタかモネか迷ったんだよなぁ…なんて。

そろそろクリーク戦終わらせたいな。
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