燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

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第107話

…同刻より少し後、海上レストラン『バラティエ』

 

「俺たちも乗せてってもらっていいか。」

 

手を繋いだバンドラとモネがルフィの乗る小型船(サンジの船)へと近づき、そう問いかける。

 

「おー、いいぞ?」

 

ルフィはなんも考えずにそう言った。

彼曰く「おっちゃんも姉ちゃんもいい奴だし」とのこと。バンドラは低くそうか…と答えるとモネと共に船へと乗り込んだ。

 

バラティエの方を見ると、表玄関から船のある海付近までバラティエのコックが並んでいた。並ぶといってもそんな丁寧なものではない。真ん中に一本道があり、そこを抜いてコックたちが立っているだけ…だった。

 

その一本道をコツッ…コツッ…と歩いてくる影。他でもない…『バラティエの副料理長』サンジであった。

 

少し歩いたところで後ろからパティとカルネがサンジへ積年の恨みと襲い掛かる。しかし、サンジに返り討ちにあっていた。

 

「行こう。」

 

「いいのか?挨拶。」

 

「いいんだ。」

 

寂しそうに笑い、手を広げるサンジにルフィはそう聞く。バンドラとモネは船の壁に背を預け、それを見ていた。

 

「…おい、サンジ。」

 

その時。

その様子を黙ってベランダから見ていたオーナー・ゼフが口を開いた。

 

「…カゼひくなよ。」

 

…その言葉はいつも口喧嘩をしていたときと同じトーン。だが、優しかった。サンジの目から徐々に…涙が溢れ出る。黙って出るつもりだった。だが、出来なかった。

 

()()()()()()ッ!!!!」

 

ゼフの方を向き、膝をつき、頭を下げるサンジ。目からは涙が止めどなく、溢れ出ていた。親の愛情を知らないサンジにとって、その言葉は普通ではなく、その優しさは普通ではなく、その恩は計り知れなかった。

 

「長い間ッ!!クソお世話になりましたッ!!このご恩は一生、忘れませんッ!!」

 

…サンジにとってゼフは紛れなくたった一人の親父だった。

 

ゼフの目にも涙が出る。

 

「くそったれがぁぁッ!!」

 

パティとカルネも声を上げる。鼻を啜り、ボロボロと涙が出ていた。その顔はぐしゃぐしゃだった。

 

「寂しいぞッ!!畜生ッ!!」

 

「ざびじいぞぉぉ〜ッ!!」

 

その声にコックたちも賛同する。

もはや、先ほどまでの静かさは微塵もなかった。

 

「…馬鹿野郎どもが…!!男は黙って別れるもんだぜ…!!」

 

「また逢おうぜッ!!クソ野郎どもッ!!」

 

そう言ってサンジは別れを告げた。

ルフィの出航の声と共に船はバラティエから離れたのである。

 

「…馬鹿だな。海に生きる人間ってのは。」

 

「あら。貴方もでしょ?」

 

「…さぁな。だが、少なくともあの二人と同じ奴らを俺は知ってる。不器用な親子をな。」

 

それを見てバンドラがそう言った。

その声はとても柔らかく優しかった。バンドラの頭の中には赤い髪の友人と赤と白の髪の少女の姿が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、おっさんらはなんで乗ってんだよ。」

 

「ふふっ。行き先がたまたま一緒なの。乗せて行ってくださらない?」

 

煙草を蒸しながらそう不貞腐れたように言うサンジにモネが微笑みながら言った。サンジの目はハートマークに変化しており、体はクネクネと動いていた。

 

「でもさ、おっちゃん。何者なんだ?ゾロの負けた鷹の目のおっさんと互角だったし、おっちゃんの船、女がいっぱい乗ってたろ?」

 

ルフィがそうバンドラへと問いかける。バンドラはため息を吐くとサンジの方をチラリと横目で見た。

 

「なに!?そんな羨ま…いや、羨ましいことしてんのかァッ!!オッサンッ!!」

 

…サンジはなんの比喩もせずに燃えていた。体から火が上がっていたのだ。まるでキングのように…。

 

「…言い直せてないわよ?」

 

それにモネがツッコむ。

バンドラはふっと仮面の下で微笑んだ。

 

「…鷹の目、そして、クリークが来た海の名前を覚えているか。」

 

唐突に口を開いたバンドラにルフィは小首を傾げた。しょうがねえな…とサンジがため息をつき、その名前を言う。

 

「“偉大なる航路(グランドライン)”だろ?海賊の墓場だ。」

 

「え!?楽園だってオーナーのおっさんが言ってたぞッ!?」

 

その言葉にそうルフィが返した。

バンドラは首を横に捻り、ボキッと音を鳴らす。

 

「どちらも正解。…だが、それは海賊の強さに起因する。これより先の海は三大勢力によって均衡が保たれているからだ。海賊から正義の元、海や市民を守る海軍本部。そして、海の覇者の座を争っている四人の最強の海賊…四皇。」

 

「…四皇…。」

 

ルフィがそう呟いた。

…海賊王になるには絶対避けて通れない道だったからだ。

 

「…最後に世界政府に略奪行為・海賊行為を容認される代わりに世界政府に何かあれば参上するという誓約の元、集まった七人の海賊…王下七武海。先の戦いで見た鷹の目のミホークもそれだ。」

 

「…つうことはおっちゃんもその王下七武海なのか?ほら、強えし。」

 

「当たらずしも遠からず。…つうか、正解だ。だが、強さだけが王下七武海になる理由にはならん。現に王下七武海より強い名のある海賊もそこそこいるだろうな。」

 

そう言ってバンドラは仮面をゆっくりと外す。

その顔にルフィは言葉を失った。

 

「…俺は王下七武海の末席に座っている。天帝バンドラだ。」

 

見たことのある黒髪。稲妻のような字に透き通るような真っ青な目。ルフィは目から涙を流し、喜んでいた。

 

「バンドラぁぁッ!!」

 

「ハハッ!!息災で何よりだ。小僧。」

 

ルフィがバンドラへ抱きつく。

その衝撃で船が転覆しかけるくらい、船が揺れる。これには流石のモネも驚いていた。

 

「コラァァッ!!クソガキッ!!海に落ちかけたじゃあねえかッ!!」

 

「ぐすん…だってぇ〜!!うれじがっだんだぁッ!!」

 

「…お前ら知り合いかよ。」

 

サンジがその様子を見てそう言った。

 

ルフィは泣き止むと清々しい顔でバンドラを見る。

 

「バンドラ。なんでこんなところに?」

 

「…これから行くココヤシ村にな。ちと用があったもんで。」

 

そう言って歯を見せ笑うバンドラ。

ルフィもはにかみながらそうか…と言った。

 

「しかし、坊主。でかくなったな。昔見た時はウタよりちっさかったのに。」

 

「そうだ!!ウタは。無事か!?」

 

思い出したかのようにそう言うルフィ。

流石に覚えていたかとバンドラは優しげな笑みを浮かべる。

 

「…安心しな。ウタは無事だ。今は俺と一緒に外遊してる。その歌をあの馬鹿に伝えるために。」

 

「馬鹿だと!?シャンクスを馬鹿にするなッ!!」

 

「だぁーッ!!なんでお前らはそうシャンクスの野郎に誇り持ってんだッ!?」

 

ルフィはシャンクスの悪口を言われたため、バンドラの胸ぐらを掴んでぶんぶんと振っていた。バンドラは口ではそう言うものの、その光景をもはや懐かしく思えていた。

 

「にしし、そうか。ウタは無事かぁ!!久々に会いてえなぁ!!」

 

「あぁ、会って来い。」

 

そう言って笑うバンドラ。

モネはその姿にまるで兄弟のようだと感じた。

 

「ココヤシ村ってとこに行く前に腹拵えといくか!!何食いたい?」

 

サンジがそう言って立ち上がる。

 

「骨つき肉ッ!!」

 

「サンドイッチかしら。」

 

「それじゃあ、俺もそれで。」

 

各々食べたいものを言うとサンジがわかったと厨房へと入っていく。そのまま船で和気藹々と過ごし、一向はココヤシ村を目指すのであった。




まぁ、ちょっとルフィとバンドラの会合はあっさり目で。

次回、ココヤシ村編。てか、大方バトルばっかになりそう。で、ローグタウン?でデートかなぁ…なんて。モネ、ウタ、ナミさんのどれか。ヤマトでも良いけど、流石に多いなと。まぁ、アンケ取るかな。

アンケート結果
一位 ナミさん
二位 ハンコック
三位 たしぎ
四位 ヒナ
五位 その他ってことで。

上二人が拮抗してます。ナミさんはいいとしてハンコックはどんな感じにするかね。その他には『ビビ、レベッカ、アイン』などの名前が出てました。因みにロビンは出てないだけでヒロイン入りしてますからね。筆者の中では…w

その他用に作った活動報告はこのまま開けときます。

このキャラヒロイン入りしてくださいなどの話があれば名前出してください。ただ断っておきますのは、全員が全員入るわけではないです。広げすぎて畳めなくなったら私が死にますんで。ですから、なんでこのキャラ出したのに入ってへんの?とか、いつ入るの?っていう感想は御勘弁を。筆者の匙加減でそこら辺は考えさせていただきますし、また節目の記念にもしかするとその他から何人か選んでアンケート取る可能性もあります。

長くなりましたがこんなところですかね。
麦わらの一味女性陣、全員ヒロイン入りってことで。では次回。

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