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※活動報告の文を変えさせて頂きました。
…東の海ココヤシ村…付近。
「おいおい。島なんざねえじゃねえかッ!!」
サンジの声が響き渡る。
…そんなはずはないとバンドラは思っていた。
ココヤシ村があったであろうコノミ諸島がまるで抉り取られたかのように…海ごと消えているのだ。海は不思議な海流を作り出して、サンジたちの船を飲み込もうとしている。
「『
バンドラは手を海につけ、流れを逆に作り相殺。船は飲み込まれずに済んだ。
「…おかしい。ルエノルーヴの気配はするし、人の気配はするのだが。」
バンドラがぶつぶつと何か言っている。
ルフィは腹が一杯になり眠っており、サンジはナミの名前を叫んでいた。
「何かに食べられた…とか?」
「此処は東の海だ。そんな珍妙な生き物、居たら海賊なんて生まれねえ。」
首を傾げるモネにバンドラがそう言う。
…島どころか、船一つない。ココヤシ村は漁業や農業の盛んな街。船は何かあっても船の残骸くらいはあるはずなのに。
「…まさか…。」
…バンドラは一つの答えを導き出した。
そして、それを確かめるために空を見上げる。すると…見えてきたのは上から落ちてくる船。
「うわぁぁッ!?船だぁぁッ!?」
いつのまにか起きたルフィが騒ぐ。
サンジもモネも嘘だろ!?と言わんばかりに顔を青ざめていた。そんな中、バンドラは天へと左の掌を突き出す。
「『
バンドラの腕から上へと発生する黒い竜巻。
そのまま船首から落ちてくる船を持ち上げ、ゆっくりと優しく海へと落とした。
「…な、なんで空から船が落ちてくるんだよッ!?」
「…お前ら、運が悪かったな。まさか、こんなところに大物が現れるとは思わなかった。」
バンドラの目が空を見る。
サンジ、ルフィ、モネも空を見るとそこには…空に浮かぶ大陸が見えていた。
「昔、ゴール・D・ロジャーと相対した男。そいつが持ってた能力に類似している。島が飛ぶ?違う…島は浮かされたんだよ。フワフワの実の力によってな。」
「島を浮かすなんて不可能だろうがッ!?そんな奴がいるわけ…!!」
そう言うサンジにバンドラは息を吐く。
バンドラだって、別の意味で驚いていた。…こんなところに何故いるんだ…と。
「おいッ!!バンドラッ!!」
その時、ルフィがキリッとした目でバンドラを見た。何処となく焦ってはいるものの、腹を括った目をしていた。
ルフィの手がバンドラの胸ぐらに伸びる。
「ナミたちはあそこにいるのかッ!?」
「…あぁ。ほぼ確定だ。死にそうになってる。」
「だったら行こうッ!!一刻も早くッ!!」
そう叫ぶルフィ。仲間が窮地に陥ってるかもしれない。そう思ったルフィに最早、迷いはなかった。
「だが、どうやってあそこまで行くんだよッ!?お前の手でもあんなとこまで俺たち全員連れて、伸びねえだろうがッ!!」
サンジがそう言った。
サンジたちにとっては行くことがネックになっていた。見えているのに行けない。そのもどかしさにルフィが耐えられるわけがない。
「…行くことはできる。」
バンドラのその言葉にルフィとサンジはバンドラの方をバッと向いた。バンドラは今までに無く、深刻そうな顔をしていた。サンジは信じられないと言う顔で見る。
「簡単だ。俺が風で道を作り、そのまま滑らすんだよ。吹き上げるとも、吹き飛ばすともまた違う。…だが、この船が耐えられるかどうか…。」
「本当かッ!?今すぐやろうッ!!」
「おい、話聞いてたのか?この船がぶっ壊れたら俺と俺が死んでも守るモネ以外は海に真っ逆さまだぞ?」
ルフィはその言葉にあぁと答えた。
「バンドラがやるなら安心だッ!!」
その一言にバンドラは…歯を見せてニヤリと笑った。サンジもやるしかないかとため息をつき、モネも笑っていた。
「いいか、ガキども。俺の推測が正しければこれから相対するのは、新世界でもバケモノと呼ばれる類の野郎だ。死ぬと思ったら、必ず逃げろッ!!いいなッ!!」
バンドラの声にサンジとルフィは声を上げる。モネもバンドラがいれば大丈夫と笑っていた。
その直後、突風が海をなぞるように吹く。
そのまま船は浮島への海を辿るように飛んでいった。バンドラは左手でモネの体をギュッと抱き、甲板に手をかざしていた。
そうしてそのまま、陸地と共に浮かされたであろう海へと優しく着地する。そこには空飛ぶメリー号、ルエノルーヴ号を含めた船や家々の姿があった。
「ヤマトッ!!ウタッ!!」
「バンドラ〜!!ここだッ!!」
バンドラは聞こえるヤマトの声に上を向く。
ルエノルーヴ号に乗っている状態で浮かされたらしく、そのままの状態でぱぁっと笑顔のヤマトと半泣きのウタが下を見ていた。バンドラはそのまま風を起こして上へと飛ぶ。
シュタッと甲板に降りたバンドラへウタが走ってヤマトがジャンプをして抱きついた。
「ぐえっ!?…ハハ。よく頑張ったぞ。」
「うぅ…怖かったァァッ…!!」
泣くウタの頭をバンドラが優しく撫でる。
ヤマトは最早、抱きつきたいだけであった。
泣き終わったウタとヤマトを剥がし、バンドラが甲板に腰をかける。
「…で?あれか。ナミたちは。」
バンドラが下を指差して見た。
口はにっと笑っていたが、目は笑っていなかった。ヤマトがその横に立ち、こっくりと頷く。
「このまま、ルエノルーヴは海に下ろす。ヤマト。お前はルフィたちにこのことを伝えろ。恐らく、動き出す。」
「わかった。」
「…え?」
そう言ってバンドラはウタを抱き上げると…。
「キャァァァッ!!」
そのまま飛び降りた。
「ジハハハハッ!!てめぇ、その体で俺相手にやろうってのかッ!!」
「はぁ…はぁ…ぐっ…!!」
ゾロの身体からは血が滝のように流れ出ていた。
当たり前だ。元々ココヤシ村へは療養に来ていたのだから。
誰が見てももう致命傷だった。
その後ろには倒れるヨサクとジョニー…そして、ウソップ。更に後ろにはノジコとベルメールを含めた村人たちがいた。
「ナミィッ!!ナミィィッ!!」
ノジコとベルメールが意地でも行こうとするのを村人達が制御する。目から涙を出して、叫ぶしかできない二人。流石に村人達は舵輪男が危険すぎると考えていたからだ。
勿論、ナミを見殺しにするつもりもない。何もできない歯痒さに打ちひしがれていた。
「大丈夫さ。お前が言うこと聞いて俺のところに来たら村人は生かしてやる。」
ナミの首を掴み、上へと上げる舵輪男。
ナミは苦悶の表情を浮かべるも、その目は男を睨んでいた。
「やめろォ…!!テメェは…なんで…その女に…!!」
血を吐きながらそう叫ぶゾロに舵輪男はニヤリと笑った。
「ジハハハハッ!!いい女を狙うのに意味があるのかァ?それも東の海の女だ。ロジャーを殺したこの海の女だ。…だったら死んじまう前に俺のものにするだけだ!!」
「その女は…ゲフッ…うちの航海士だ…!!仲間を守れなきゃ…俺は…俺は…。」
…白い刀『和道一文字』をギリギリと音を立てて握るゾロ。
「俺は
舵輪男に向かって横に振る。
舵輪男はふわりと浮かび、回避するとゾロの身体を足の刀で切り裂いた。
「ガハッ…!!」
「ゾローッ!!」
ナミが叫ぶ。
ゾロはそのまま前へと倒れる。もう限界だった。
「…くっ…クソが…うご…け…。」
「ジハハハハッ!!奇跡でも起きねえ限り、テメェらは俺には勝てねえよ。いいか、東の海はこの後消えるッ!!お前たちは言いなりになっていれば生き残らせてやるッ!!」
そう笑う舵輪男。
…しかし、その直後だった。
「『閃光雷鳴』ッ!!」
「ぬぅッ!!」
後ろからやってきたとてつもない速度の斬撃を皮一枚で避ける舵輪男。頬に切り傷を作っていた。
「何者じゃぁ!!このすっとこどっこい!!」
その時、舵輪男はその手の違和感に気づいた。
…掴んでいたはずのナミが居ない。
砂煙の中に見える影に舵輪男は初めて…汗を垂らした。
「…“奇跡”ねぇ。そんな酔狂な言葉、この世にあるのかい。ええ?“金獅子のシキ”よぅ。」
「なにもんだァッ!!」
「…天災だよ。」
その直後、突風と共に砂煙が晴れる。そこには手を組んだウタと…胸にナミを抱いたバンドラが居た。
「…よく頑張ったな。ナミ。」
「う…ぁ…。」
…安心感にナミは静かに眠った。バンドラは後ろの村人に預ける。村人達はバンドラを見て、歓声を上げた。
「…バンドラさん。貴方…。」
「その話は後で。ベルメールさん。」
そう言ってナミに緑の羽織を被せるとそのまま前へと出る。
…遠くの林から走ってきたルフィ達も合流した。
「バンドラッ!!」
聞こえる声にウタがバンドラの影に隠れる。
金獅子のシキの目にはバンドラしか映っていなかった。バンドラは首をコキコキと鳴らした。
「さぁて、やりますか。」
「若造が…!!」
そう言ってシキは上へと浮かび上がった。
取り敢えずこんな感じで。
次回、金獅子vs天帝with麦わら
ボニー可愛いよ、ボニー。
それとオダセンセイ…そんなことしちゃっていいですか?(ニヤリ…
では。