燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第110話

「…ぐっ!!」

 

「ジハハハハッ!!何度やっても同じだァッ!!」

 

再び、狂骨が飛ばされる。

次は狂骨があらぬ方向に飛ばぬよう、バンドラがガシッと掴んでいた。そのまま海の上へと飛ばされるが…。

 

「…形成逆転だ。」

 

「…なんだ?この歌は…!!」

 

五線譜が島を取り囲み、何倍にもなった足場を形成する。

 

ウタウタの実で歌を操っているのだ。

 

バンドラはニヤリと笑うと一瞬、拘束の解かれた狂骨を強く握り、突き進む。

 

「チィッ!!ただの悪あがきだなッ!!」

 

「へっ。…テメェ、生物は飛ばせねえんだったよな?」

 

「なっ!?なんだっ!?」

 

バンドラが狂骨を上へとぶん投げる。

 

…すると狂骨がバキバキと形を変えるではないか。シキ…いや、その場にいたそれを知らない人間達は驚愕の表情を浮かべる。

 

「行くぜッ!!狂骨ッ!!『紅蓮斬風』ッ!!」

 

応龍へと姿を変えた狂骨が雄叫びを上げる。

すると応龍の口から炎を纏った竜巻が飛び出し、シキを飲み込んだのだ。

 

「ぐぬぉぉッ!!」

 

「ご苦労。狂骨。」

 

バンドラが笑顔でそう言うと狂骨は口を閉じて頷き、刀へと戻って行った。

 

そのままバンドラは刀に風を纏い、前へと飛び出す。

 

「『疾風怒刀』ッ!!」

 

「ぬっ…!?」

 

炎に包まれるシキを斜めがけに切り裂いたのだ。

 

シキの身体から血が、口からも血の混じった空気を吐き出す。

 

「貴様…!!」

 

「アンタの時代は終わったんだよ。それに…乱暴に躾けた女との時間に楽しさなんて感じんのかい。俺は嫌だねえ。」

 

「ハッ!!甘えなぁッ!!どうしようもねえじゃじゃ馬を自分の思い通りになるまで躾ける。従順になった時にゃその快感は計り知れねえッ!!俺たち海賊は支配して生きる生き物だッ!!」

 

そう言ってシキが地面を掌で触れる。

 

すると大きくバンドラを中心に何匹かの土の獅子が現れた。

 

「『獅子威し“地巻き”』ッ!!」

 

「『獅子粉塵』ッ!!」

 

吠え、向かってくる土の獅子へバンドラは風の刃で斬り裂き、粉々にした。

 

その後、バンドラはシキの方へと走る。

 

シキはバンドラの上空から船を叩き落とした。

 

「チッ!!」

 

バンドラはその船を縦に真っ二つに叩き割ると、倒壊する瓦礫をぴょんぴょんと飛び移り、シキの前へと出た。

 

「『陽戒炎 月歩(ようかいえん げっぽ)』ッ!!」

 

「ッ!?」

 

シキの腹を炎を纏った蹴りでぶち抜くバンドラ。

 

腹からドシャッと少し血が出るが気にしない。シキは地面に叩きつけられる。と同時に…。

 

「『獅子・千切谷』ッ!!」

 

上空にいるバンドラに向かって斬波を何度も飛ばした。

 

その斬波のうちの一つがバンドラの肩を裂き、血を流させた。

 

「ぐっ…!!『黒式雷鳴』ッ!!」

 

そのままシキへとバンドラは飛び、黒い雷を纏った刀身で切り裂いた。

 

地面にシュタッと降りるバンドラ。

 

その上空でシキが血を流した。

 

「ぐっ!?」

 

「お前に俺はやれねェよ。」

 

「ふざけるなよッ!?ガキィィッ!!」

 

シキの額には青筋が立っていた。怒り沸き立つシキ。そのまま、シキは上空へとまた飛び、斬波を飛ばした。

 

バンドラはそれを易々と避ける。

 

その斬波は地を進み、海を割った。シキは割った海を浮かばせ、バンドラを包もうとした。

 

「ジハハハハッ!!そのまま溺れ死ねッ!!!」

 

「『氷牙纏(アイスアーマー)』ッ!!」

 

バンドラの周りに白い冷気が現れた。その直後、バンドラの周りを海だった水が取り囲んだ。

 

シキはニヤリと笑う。

 

しかし、直後。バンドラを取り囲んだ水はカチカチと水晶のように透明に凍っていき、崩れ去った。

 

「なッ!?」

 

「海が苦手なのに、素直に食らう馬鹿がいるかよ。」

 

そのまま武装硬化した拳でシキの腹を殴った。

 

シキは血の混じった空気を吐き出すとそのまま後ろへ飛んでいく。

 

「チッ!!」

 

シキは即座に姿勢を変え、自ら森へと逃げていく。尻尾を巻いて…である。

 

「逃がすかッ!!」

 

「テメェ如きに逃げるわけがねぇだろうがッ!!」

 

追ってくるバンドラへ斬波を飛ばすシキ。

 

バンドラはそれを狂骨で弾く。が、シキは笑った。

 

「ジハハハハッ!!馬鹿がァァッ!!串刺しになっとけッ!!」

 

先ほどの斬波で刈られたであろう木の丸太がバンドラへ飛んできた。シキは切ったと同時に木々に触れていたのだ。乱雑に切られた尖った大木の槍がバンドラを襲撃する。

 

バンドラはそれを狂骨で払い、切り裂き、前へと突き進む。

 

飛んでくる木を切り裂き進むと、シキが足の刀を武装硬化し、バンドラへ蹴りを打った。

 

バンドラはそれを狂骨の刃でガード。お互いの刃から火花が散った。

 

「「ヌォォォッッ!!!」」

 

二人はそのまま先ほど戦っていた場所へと戻っていく。

 

バンドラもシキも一歩も引かず。埒が明かないと距離を取る。

 

「チッ…!!老いって奴はだいぶと厄介だな。本調子なら今頃お前は細切れだ。」

 

「…冗談に聞こえねえな。」

 

…ハァ…ハァ…と息を漏らすバンドラ。

先の狂骨の一撃が深すぎた。ヤマトとモネに任せておけば良いと思っていたが…村人が多すぎる。当たり前だ。逃げる家屋もシキにとっては無意味なのだから。

 

「これで終わりだッ!!ガキィィッ!!」

 

バンドラは腹に気合いを入れ、腹を固める。

 

そうして、シキの黒くなった刃の蹴りを狂骨の振りで相殺した。

 

…刃が触れてない。

 

「チッ!!テメェもかッ!!」

 

シキが目を見開いてそう言った。

 

バンドラは笑う。…そう、バンドラは時間稼ぎができれば良かった。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

空から声が聞こえる。…飛んでいるのではない。落ちてきているのだ。シキはその声に頭上を向く。そこには…飛ばしたはずの麦わらのルフィが居た。

 

「ゴムゴムのォォッ!!『銃弾(ブレット)』ォォッ!!」

 

「チィィッ!!」

 

シキがバンドラから離れ、逃げようとする。しかし、そんなシキの身体を…バンドラは脇に腕を入れてガシッと抱きついた。

 

「なっ!?離せッ!!」

 

「固いこと言うなよ。…一発殴らせてやれ。」

 

にっと歯を見せて笑うバンドラ。

シキはもはや正常な判断ができなくなっていた。離れようともがくシキ。その頭上から拳が伸びる。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

「ぐっ…!?」

 

シキの頬をルフィの拳がぶん殴った。

羽虫が止まった程度のダメージだろう。しかし、シキにとっては予想外だったに違いない。東の海のルーキーに一撃入れられたのだから。

 

バンドラはシキの体を離すとそのまま地面へと蹴り落とす。

 

「グォォォォッ!!」

 

そのまま地面へと転がるシキ。

 

即座に立ち上がるも目の前にはルフィとバンドラが迫っていた。

 

「ゴムゴムのォォ…!!『(ピストル)』ッ!!」

 

「クソがッ!!テメェの拳なんざ俺には届かねえッ!!小僧、お前がなんだってんだッ!!」

 

「届くさ…!!俺はモンキー・D・ルフィッ!!海賊王になる男だッ!!」

 

ニヤリと笑うルフィ。伸ばした右腕をシキは宣言通り、易々と受け止めた。

 

そのままルフィの腕を引っ張った。ゴムの伸縮力で引っ張られるルフィ。しかし、その目は諦めていなかった。

 

「『雷々龍天(らいらいりゅうてん)』」

 

バンドラの狂骨の先から雷がルフィの拳に向かって伸びる。

 

ゴム人間に雷は効かない。

しかし、その拳は電撃を纏った…先程とは別物と化していた。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

「…なっ!?」

 

ゴムの伸縮性で速さを、バンドラの雷で威力の増した拳をルフィはシキの腹へとぶち込む。シキはそれをまともに食らい、そのまま吹き飛んだ。

 

「グゥゥゥッ!!この俺が…また…東の海の男にッ!?」

 

…相手がルーキーだからと武装硬化を怠ったのがいけなかった。

 

シキはそのままココヤシ村…いや、コノミ諸島から飛び出し、何処かへと飛んでいくのであった。

 

「…勝った。」

 

誰かがそう呟いた。

ルフィがバンドラの方を向いて、笑う。バンドラもルフィに親指を立てて、にっと笑った。…その直後、バンドラは前のめりになって倒れた。

 

ウタとヤマト、それと村人達とルフィの叫ぶ声を聞きながら。




シキ戦終わり。
バラティエが長かったから割とスマートに終わらせました。雷、慢心、そして、決めてはルフィってところはストロングワールドオマージュです。バンドラくんはまぁ…少しありつつ。

やっぱりウタちゃん優勢ですな。
映画で感情が強まってるからね。仕方ないね。

ちなみに今の年齢は
バンドラ、スムージー…33歳
ヤマト…26歳
ウタ…19歳
モネ、ロビン…28歳
シュガー…20歳
レイジュ…22歳

ルフィ達は2年前の年齢ですね。
ルフィ、ウソップ…17歳
ゾロ、サンジ…19歳
ナミ…18歳

とこんな感じ。
とりま、次回色々してその次、デートかな?書けるかな?って感じです。その後はフーシャ村行ってマキノさんと…ぐふふ。…失礼。では。
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