燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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なんだこれ。


第111話

「…ん…あぁ…?」

 

バンドラがゆっくりと上体を起こす。

…ペタペタと体を触ってみれば、胸から腹にかけて包帯が巻かれているのが見えた。

 

何があったのかとクラクラする頭で思い出す。

ふと、手をつくと…ふにゅりと何かに当たった。

 

「…あん?」

 

バンドラがそれを確かめるように二、三回、手を動かす。…柔らかく、温かい感触。人肌程度に。バンドラは小首を傾げて、考える。なんだか、似たようなのを最近触ったな…と。

 

「んふっ…ん…。」

 

…何処からか艶やかな声が聞こえる。

その声はウタの声に酷似していた。バンドラはその感触にまさかと思い、横を恐る恐る見る。

 

「…ばんどらぁ…だめぇ…。」

 

「…。」

 

涙目でバンドラを見るウタの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまなかった。」

 

布団を巻き、バンドラを睨むウタ。バンドラは布団に頭がめり込むくらい綺麗な土下座をしていた。

 

「…起こしに来て抱きつかれたまではよかった。…でもさ、む、胸を揉むなんて…!!」

 

「…すまなかったッ!!」

 

「…もういいから。別に怒ってないし。バンドラが面白かったから揶揄ってただけだし。」

 

ニシシと笑うウタ。

端々にトゲを感じるもののバンドラはそうか…と微笑んだ。何処からか強い覇王色を感じる気もしなくもないが、気のせいという話でバンドラは落ち着かせた。

 

「…俺が倒れた後、何があった。」

 

「胸揉まれた。」

 

「その前だ…。」

 

ため息をつきながらそう言うバンドラ。

ウタがバンドラに髪を纏められながら、話し始める。

 

…狂骨が腹に刺さったバンドラは出血多量で倒れた。バンドラの血液型はX型。X型の血液はDr.ナコーの診療所には不幸なことに枯渇していた。X型は今、モネか、ナミしかいなかった。ここはモネが出すだろうと誰もが思っていた。…しかし。

 

ナミが恐る恐る手を上げたのだ。

村のみんなにやめろと言われたナミは叫んだと言う。

 

『2度も村を救ってくれた人になんの恩返しも出来ないのは嫌だ』と。

 

その嘆願に皆はそれ以上何も言えなかったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なるほど。」

 

バンドラは包帯を手で押さえながら、優しく笑った。どんな形であれ、命の恩人が増えたのだ。しかも、今度は15も下の少女に救われたのだ。

 

「ナミもノジコもベルメールさんも…みんな言ってたよ。バンドラは救世主だって。」

 

「救世主…ねぇ。そんな立派なもんじゃあねえよ。テメェで勝手に暴れて、勝手に救われてたのがこの村で…。そんなもんだろ。」

 

そう言って寂しそうに笑うバンドラ。

ウタは父親の姿を重ねていた。バンドラとシャンクスはとても似ている。勿論、シャンクスは海賊だし、略奪も戦闘も行う。だが、似ていたのだ。その優しさが。

 

「よし、出来たぞ。さて…。」

 

そう言ってバンドラが後ろを向ける。

筋骨隆々。ゴツゴツとした大きな背中はウタにとって何よりも広く見えた。

 

ウタはその背中にぎゅっと抱きつく。

 

「ん?どうした?」

 

「…別に。」

 

その背中がシャンクスに似ていたから、バンドラが死ぬと思ったから。重なった大きな感情が爆発して、今どんな顔してるかわからなかった。バンドラの背中に顔を埋める。バンドラははぁ…と息を吐く。

 

「よっと。」

 

「きゃあっ!?」

 

バンドラがウタをおぶる。

ウタはいきなりのことに悲鳴を上げた。スカートが短すぎてパンツが見えるかどうかだった。

 

「ハハッ。…歳が変わろうがお前は俺にとっちゃただの我儘歌姫だよ。」

 

「誰が我儘よッ!!このドスケベ親父ッ!!」

 

「誰が親父じゃッ!!まだ33だっつうのッ!!」

 

歯を剥き出しにして叫び合う二人。ぐぬぬ…と二人とも睨み合う。…それも束の間、二人は大声を上げて笑い合った。涙を浮かべるくらい腹を抱えるくらい笑った。

 

「あははッ。…ねぇ、バンドラ。心配させたから今度、服買ってよね!!」

 

「ええ〜…。モネに言ったらくれるかなぁ。」

 

「わかんない。意外と策士だもんね。」

 

そう言いながらバンドラ達はDr.ナコーの診療所を後にする。扉に手を触れた途端、バンドラが深刻そうな顔でウタを見た。

 

「…ウタ。おぶっておいて悪いが…。」

 

「うん…。降りた方が良さそう。」

 

そう言ってウタはバンドラから飛び降り、とことこと巻き添えを食らわないように隠れた。バンドラはゴクリと唾を飲み、扉のノブを回し、開ける。

 

「「「バンドラァァ〜ッ!!」」」

 

「ぐぇぇぇッ!?」

 

…扉を開けた瞬間、雪崩れのような衝撃が走る。首にはゴム小僧が、腹には26歳児と普段はこんなことをしないであろうナミがいた。三人ともピーピーと涙を流し、バンドラに抱きつき、もはや押し倒していた。

 

「だぁぁ〜ッ!!取り合えず退けぇッ!!」

 

「だっでだっでぇッ!!じんだがどぉぉぉ…ッ!!」

 

ルフィが鼻声でそう叫んだ。

バンドラは三人が泣き止むまで取り敢えず諦めて口を挟まないようにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…いてて。お前らのせいで傷が開きかけたよ。」

 

ベルメールの家でそう言って困ったように笑うバンドラ。その前でナミとルフィ、それとヤマトが正座で座っていた。ナコーとベルメールにコッテリしごかれた後である。

 

「ごめんなさいね。ナミも嬉しかったのよ。貴方に会いたがってたから。」

 

ベルメールがご飯の支度をしながらそう言う。その横でノジコも手伝っていた。バンドラも…そうかいと優しげに笑いながら、ナミの頭を撫でる。

 

「ひゃっ!?な、なにし…。」

 

「…ありがとう。お前のおかげで俺は死なずに済んだ。血、お前がくれたんだろ?」

 

「…バンドラさんはベルメールさんも…みんなも救ってくれたんだもん。これくらいはしないと。」

 

にぱっと少女のように笑うナミ。

それに周りのみんなも…約1名を抜いて、笑っていた。バンドラはそんなナミの額に唇を落とす。

 

「なっ!?」

 

「あらっ。」

 

ナミは額を押さえて、顔を真っ赤にしていた。バンドラはふっと微笑む。ベルメールとノジコはニコッと笑い、バンドラの一味の三人はまたやってるよ…と言う風に見ていた。麦わらの一味はルフィは飯を待ちながら、ウソップとゾロは驚きながら、サンジは…死んでいた。

 

「…俺からの感謝の気持ちだ。おっさんからのキスは嫌かい?」

 

「…馬鹿。普通なら数十億ベリーは貰うけど…今度、どっかお出かけで許してあげる。」

 

「おや、そりゃ嬉しいね。」

 

にっこりと笑うナミ。

そのままバンドラへと抱きつく。バンドラもナミを抱き上げると二人ともニヤリと笑っていた。

 

「ふ、二人とも?…お忙しいところ悪いのですがぁ…あの、サンジ君がですねぇ…?」

 

ウソップが指を指してそう言う。

サンジは口からタバコを落とし、涙と鼻水を垂れ流しながら

 

「…な…み…さ…。」

 

そう言ってバタリと倒れた。

ルフィとウソップはサンジを担ぎ上げて、涙を流しながら名前を叫ぶ。ナミもやっちゃった…という風に困ったように笑う。

 

「あ、そうだ。」

 

なにかをおもいだしたかのようにバンドラはナミを抱き上げながら、そのままルエノルーヴまで飛ぶ。ナミは涙を流して悲鳴を上げていたが、バンドラは逆に歯を見せて笑っていた。船室まで行くと、バンドラは右腕でナミを抱き抱えると、そのまま船室に置いてあったケースを持ち上げるバンドラ。

 

「なにそれ?」

 

「あ?贈り物。ナミ…しっかり捕まっとけよ?」

 

「ふぇ…またぁ…?」

 

バンドラはまたナミを抱き抱えながら、空を飛んだ。

 

この時、ナミは生きた心地がしなかったという。




ウタちゃんの胸を揉み、ナミさんにキスをし、お尻を触り、更にはその前にヤマトと…。

てか、前案だとモネを脱がして隣で寝かそうとしてたんだぜ?怖くね?

という話と同時にしていいかわかりませんが、パワーバランスのお話。強さのバランスがめちゃめちゃじゃねってなってましたので。

実際、ビッグマムと本気シキがどうなのかは知りません。ただ、ビッグマムの時は守るべき市民は逃亡中。相方がヤマト。船も逃亡中。

に対し、シキの時は村民が居る。船もある。相方がルフィということでご納得頂けると助かります。天神災害を使えば二人ともどっこいどっこいです。マムvsバンドラとシキvsバンドラがね?
個人的にはそんなにパワーバランス変わらなかったかなと思っていたのですが、まぁ、他の方の話を聞いているとそうかと。

暫くは戦い無いかな?
あったとして、スモヤン…?

では。
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