燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第113話

…ココヤシ村近海。

一足先にルエノルーヴ号は航海を始めた。因みに別れの挨拶はちゃんと済ませてある。あまり長居するとバンドラたちもルフィたちと別れられなくなるからだ。

 

「良かったのか?ルフィのこと。」

 

「なにが?」

 

バンドラが甲板に座りながら、満足げに歌うウタに話しかける。バンドラはその横に座り、柔らかく笑った。

 

「エレジアに居た時は坊主の事ばかり話してたじゃないか。昨日も抱きつかれててんやわんや。」

 

「五月蝿いっ。…ルフィも成長してるなぁって。昔は背の勝負も勝ってたのにいつのまにか見下ろされるし。」

 

「まぁ、男だからな。」

 

そう言ってバンドラはタバコを蒸す。

ふと、ウタはバンドラの背にいつものように羽織がかかってないことに気がついた。

 

「羽織、どうしたの?」

 

「んぁ?…泥棒猫に盗られた。」

 

そう言って、頬杖をしてココヤシ村の方を向くバンドラ。実は少しだけ気に入っていたのだ。ウタはクスリと笑う。

 

「そっか。じゃあ、私がコーディネートしてあげようか?」

 

「あ?出来んのかよ。小娘。」

 

「むっ。誰が小娘よ。そんなこと言ったらこの前のこと、ヤマト達に言っちゃうからね。」

 

「勘弁してください。」

 

綺麗な土下座をするバンドラ。

ウタは口を開けてあははと満面の笑みになる。バンドラははぁ…とため息を吐くと、胡座をかいて座り直す。

 

「…まぁ、頼むわ。服やら何やらからっきし分からん。」

 

「わかったわ。」

 

「…で、話は戻すけど…いいのか?ルフィ。」

 

ちょうど目の前を出発するであろうメリー号を指差して問う。ウタは首を横に振った。

 

「流石にあんなこと言い出した時にはちょっとびっくりしたけど…良いの。だって、ルフィには頼れる仲間がいるもんっ。」

 

そう言って晴れ晴れとした笑みを浮かべるウタ。

 

「…末恐ろしい女だ。」

 

頬杖をついてそう呟くバンドラにウタが腰に手を当てて、プクッと頬を膨らます。

 

「どう言う意味よ。」

 

ジトーとした目でそう言うウタにバンドラはほのかに笑いながら、別に…と返した。

 

「…ルフィへの好きとバンドラへの好きは違うもん。勿論、シャンクスへの好きも…。」

 

「どう違うんだ?」

 

「ん〜…?えっとね。ルフィには会えて嬉しいし、びっくりしたけど…バンドラへは会いたいんじゃなくて一緒にいて嬉しいって言うか…バンドラが私の歌を褒めてくれるとすっごく嬉しい!!…っていうか?」

 

小首を傾げてそう言うウタ。

バンドラは優しげな笑みを浮かべて、彼女の頭をポンっと叩く。まだこの質問は早かったか…と笑いながら。

 

「それにほら、アイツ、手のかかる弟だもんっ。」

 

「前と言ってること違うじゃあねえか。俺のことを兄貴だ、あいつのことが好きだって言ってなかったか?」

 

「ルフィのことがそういう意味で好きだなんて、一回でも言った?…確かにルフィのことは好きだよ。でも、そういう感じじゃなくて、ずっと遊んでずっと勝負できるようなそんな仲でいたいの。ルフィも多分そうだよ。」

 

そう言って遠いところを見つめるウタ。

その顔は少女っぽさを残しつつも、どこか大人びたようにバンドラには見えた。

 

「…誰から構わず、好き好き言ってたらそのうち刺されるぞ。」

 

「それ、アンタが言う〜?」

 

「俺は良いんだ。刺される前にぶち殺すから。…だが、お前は世界の歌姫だろ。」

 

指で軽くウタの額を叩くバンドラ。

ウタは少しびっくりしたように目を閉じるも、バンドラはそれをニヤリと笑いながら見ているだけだった。

 

「俺もいつまでお前と居られるかわからねえし。」

 

「え?」

 

「ほら、シャンクスと会ったらそっち行くだろう?」

 

バンドラの言葉にウタが小首を傾げる。

バンドラはふっと微笑んだ。

 

「んー、どうだろうね。シャンクスとも居たいけど、もっと皆んなと居たいな。私は私の歌で世界を救うんだ。世界一の歌姫に。それから、シャンクスに会う。」

 

「…そうかい。お前ならきっとなれるだろうな。」

 

そう言ってウタの頭を撫でるバンドラ。優しい笑みを浮かべてだ。ウタは顔を少し赤く染めて、はにかむように笑う。頭の後ろの髪がぴこぴこと上下に動いていた。

 

「バンドラ〜。今日のおやつ、パンケーキが良い。」

 

「あん?もうそんな時間か。」

 

「うんっ。ホイップマシマシのやつっ。」

 

「…まぁ、いいか。」

 

そう言って笑うバンドラにウタが手を上げて喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーイング・メリー号船内。

 

「どうした?ルフィ。」

 

海を見て、笑うルフィ。ウソップがその様子に小首を傾げて言った。

 

「久しぶりにウタと会えてようっ!!嬉しかったんだっ!!」

 

「まっさか、お前がプリンセス・ウタと友達だったとはな。」

 

ウソップも笑顔でそう言った。

…プリンセス・ウタ。ウタの歌唱活動が世間的に認められ、その愛嬌と歌声からそう呼ばれるようになった。ドレスローザ、アラバスタ…そして、リュウグウ王国や東の海各所でもその名前が知られていた。

 

「つうか、お前。ウタちゃんに抱きついて、渡せねえとか言ってたが…そういうのなのか?」

 

調理を終え、テーブルにご飯を並べていくサンジ。そう言うサンジにルフィは目を細めておうっと答える。

 

「俺達は友達だっ。」

 

「そういうんじゃねえよ。お前とウタちゃんは…。」

 

「やめとけやめとけ。サンジ。ルフィの奴に多分そんな気持ちはねえぞ。」

 

問い詰めようとするサンジをウソップが止める。

ことレディのことに関しては敏感なサンジ。ウタとルフィがそういう仲なら気になるのも当然である。

 

「あと、ナミも。それ、降ろしとけよ。」

 

「なによぉ。…これ、返さないと。でもまぁ、今はお守りね。なんかあった時にこれで敵を追い払えるわ。」

 

「怖えよッ!!」

 

ナミはバンドラの緑の羽織をギュッと抱きしめ、にっと笑った。サンジはバンドラのことを憎みつつもその笑顔にメロメロになっていた。

 

「てか、お前らにとってあのおっさんはなんなんだよ。相当仲良いみたいじゃねえか。」

 

「ウソップ。ヤソップもバンドラと知り合いだぞ。」

 

「えっ!?マジか。親父もあったことあるのかよ…。」

 

そう言って海の向こうを見るウソップ。

ウソップにとってヤソップは父親。家を捨てて、海に出た一般的に見るとクソみたいな父親だったが、ウソップは一海の男として憧れていた。ウソップの母バンキーナもそういう人だから良いと死の間際までヤソップのことを信頼していたのだ。

 

「で、お前らにとってはなんなんだよ。」

 

話を逸らされたとウソップが二人を見る。ルフィとナミは満面の笑みだった。

 

「強くてかっこよくて自由な俺のもう一人の兄ちゃんみたいな存在だっ!!」

 

「ベルメールさんを助けてくれたカッコいい命の恩人よっ。」

 

「くっそがぁぁ…!!ナミすわぁんにかっこいいなんて言われるなんて…なんて…。」

 

膝をつき泣くサンジ。

ナミはついでにお金持ち♪と付け加えた。

 

「サンジくーん。大丈夫か〜…?」

とウソップがサンジを心配そうに見ていた。

 

メリー号は海を越えていく。

目指す先はルエノルーヴと同じ、ローグタウン。甲板で寝っ転がるゾロは前のものであるだろう、バンドラ達の懸賞金を見ていた。

 

「…10億。これが、あの男と同じ…。」

 

野心の燃えるゾロの目には少し傾いた日の空が見えていた。




サンジくんのキャラ崩壊が凄いな。
僕も好きなんでね。ちょっとずつ変えていきたいね。

流石に次回ローグタウン。
モネとヤマトも書きたいけど先ずはウタやな。ヤマトがほったらかしで可哀想なんでそのうち書きますが、少しやり過ぎなので一旦次でイチャイチャは終わり。ちゃんと進めてはいきます。本筋。

では。

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