燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラの声優って誰になるんだろ…気になる…


第115話

「…なんだ?あれ?」

 

「んー?」

 

バンドラが指を指す。

大衆が前を向き、見ていたのは…かつて海賊王ゴールド・ロジャーが処刑されたとされる処刑台だった。ウタも買ってもらったドリンクをチューチューと吸いながら、それを見る。

 

「おい、ヤマトっ。モネっ。」

 

「うえっ!?居ないでしょ?モネもヤマトも。」

 

ウタが周りをキョロキョロと探し出す。

…建物の影から二人が出てきた。ヤマトは何故バレたと少しムッとしながら、モネはバレちゃったと笑いながら。

 

「つ、着いてきてたんだ…。」

 

「なんか、変な雰囲気を感じたからな。もしかして…ってな。」

 

ニヤリと笑うバンドラ。

直後、大衆がドッと沸き立った。何もバンドラの言葉に笑ったわけではない。モネが前を指差す。

 

「…ねえ、あれ。さっきの船長さんじゃない?」

 

…そう、処刑台に居たのはモンキー・D・ルフィであった。こともあろうか、海賊王の処刑された処刑台で処刑されかけているのだ。バンドラもそれに目を疑った。処刑しようとしていたのは、道化のバギーであった。

 

「俺はなッ!!海賊王になる男だッ!!」

 

…ローグタウン中に聞こえるようにそう叫んだ。バンドラは頭を押さえて、ため息を吐く。

 

「それが遺言でいいんだなッ!!」

 

バギーのサーベルがルフィの首を撥ねようと近づいていく。

 

「バンドラッ!!ルフィ、死んじゃうよッ!!」

 

「…チッ。」

 

バンドラは狂骨を引き抜き、そのまま地面を蹴った。バギー海賊団の一員であろうたくさんの奴らがゾロとサンジと戦っているのもお構いなしである。

 

「行かせねえ…えぇっ!?天帝ッ!?」

 

「邪魔するな。斬るぞ…!!」

 

バンドラの気迫にバギー一座は攻撃できなかった。

バンドラが処刑台の前へと行く。…しかし。

 

「ゾロ、サンジ、ナミ、ウソップッ!!悪りぃ、俺、死んだっ!!

 

「滅多なこと言うんじゃねえッ!!」

 

そうサンジが叫ぶ。

…バンドラも足が止まった。もちろん、助ける気がなくなったわけではない。体が動かなかったのだ。

 

「…笑っ…た?」

 

バンドラは目を疑った。

“笑った”のだ。死の間際にルフィが。諦めたのではない。ただ無邪気に笑ったのだ。

 

「ハデに死ねェッ!!クソゴムがァァッ!!」

 

そのままバギーの刃が振り下ろされる。

…その時だった。

 

『ッ!?』

 

天がピカリと鳴り、ゴロゴロと雷がバギー、そして、ルフィのいる処刑台を穿ち貫いたのだ。ウタ達がバンドラの元に走る。空は闇にも近い黒雲。バギーは口から煙を出し、倒れた。ルフィはゴムの為、雷は効いていない。雨がザーザーとローグタウンに降る。…嵐だった。

 

「今の…バンドラ?」

 

ウタがそう聞く。

バンドラは首を横に振った。

 

「…奇跡か、必然か。天が…あのゴム小僧を生かした。…行くぞ。海軍がアイツらに唾つけてる。」

 

そう言ってバンドラが走り出す。

その後ろをヤマト達も追いかけ始めた。

 

「…お前はッ!?」

 

「よお。」

 

「バンドラっ!!」

 

ルフィがそのサンジ、ルフィ、ゾロの元へバンドラが合流する。キラキラとした笑顔のルフィにバンドラはニヤリと笑った。

 

「海軍が着いて来るぞ。早く行きなさいや。」

 

バンドラが後ろから流れてくる海軍の群れの前に立つ。勿論、七武海なので滅多なことは出来ない。バンドラはルフィ達を背に後ろを向く。

 

「何をしているんですかッ!!」

 

「よう。たしぎ曹長。そろそろ来る頃だと思ったよ。どうせ、スモーカーにどやされたんだろ?」

 

雨が降る中、バンドラの背中にキツい視線が突き刺さる。その主は…海軍の曹長の階級に位置する女剣士、たしぎであった。

 

「…海賊を逃すなんて。腐っても元海兵でしょ。」

 

「今は七武海だ。アイツらはいずれ世界を変えると思っている。…追い風はそのままにしとこうぜ?お嬢ちゃん。」

 

そう言って、何処からか木刀を取り出し、たしぎへと向ける。

 

たしぎもそれにムッとしながらも名刀『時雨』を両手で構えた。

 

「真剣相手に木刀なんて…怪我しますよ?」

 

「しのごの言わず、かかってきなさいや。」

 

にっと笑いながら、バンドラが剣先を向けた。

 

直後、たしぎが踏み込み、刀を上から振り落とす。

 

落雷のような打ち込みを見せるたしぎの刀を、バンドラは木刀で弾きあげる。

 

たしぎの刀が地面に落ち、突き刺さる。

 

「…くっ。」

 

「残念だが、お前の剣は俺には届かない。」

 

木刀をしまい、笑うバンドラ。

たしぎはそのバンドラにキッと睨みを効かせる。

 

「何故木刀なんですか。…真剣で叩き切ればいい…。」

 

「うーん。可愛くて信念のある女は斬れねえからなぁ。」

 

「…ふざけてるんですか…!?私は貴方のようなうわついた男は嫌いですッ!!」

 

さらにたしぎの顔が険しく、目がキツくなる。バンドラはキスができそうなくらい近づき、にっと笑う。

 

「手厳しいね。海賊は嫌いか?」

 

「刀を悪用する海賊は特に。」

 

「俺ぁ船乗りだ。それに狂骨(相棒)は俺の大事なもんだ。大事にしてるさ。」

 

サングラスを外し、ふっと微笑むバンドラ。たしぎから離れるとたしぎはゆっくりと壁から体を剥がす。

 

「泣くなよ。たしぎ。」

 

「泣いてませんよ。」

 

「バンドラ〜ッ!!」

 

後ろからヤマトがそう叫びながら、やって来る。その後ろからウタとモネも。

 

「稽古つけてやろうか?お前のようないい海軍は必要だ。」

 

「必ず貴方もロロノアも逮捕します。刀を悪用する海賊は許しませんッ!!」

 

そう言ってべーっと舌を出すたしぎ。

そのまま海軍の方へと歩き出した。バンドラは後頭部を掻きながら、少し悲しそうに笑う。

 

「何してるんだ?」

 

「ふられちまった。まぁいいさ。」

 

そう言ってルエノルーヴへと帰る一向。

バンドラの元へモネがぎゅっと近寄った。

 

「どうした?」

 

「…さっき連絡があってね。シュガーがお姉ちゃんに会いたいって。」

 

「…ええ。」

 

バンドラがジトーとした目でモネを見る。

モネもそんな目で見ないでと言ったようにため息をついた。

 

「…シュガーにとって私は唯一の家族だもの。仕方ないわ。」

 

「そうか。じゃあ、スムージーの奴に頼むか。」

 

なんで?と小首を傾げるモネ。

バンドラがふっと笑う。

 

「アイツの妹にな。鏡を行き来する能力者がいるんだよ。ほら、エレジアのウタの部屋に姿見があるし、あれでなんとかなるだろ。」

 

「…まぁ、一足飛びで行きたいわけではないのだけれどね。」

 

ため息を吐きながらありがとっと小さく言うモネ。バンドラはそうだなと笑った。その後ろでヤマトがぎっと睨む。

 

「…どうした?ヤマト。」

 

「…なんか、最近胸がウズウズする。バンドラがボクのことほったらかすから。」

 

指をツンツンと突っつきながら、口を窄め、ボソボソと呟くヤマト。バンドラはモネの引っ付いていない方の手でヤマトの頭を撫でた。

 

「お前が頑張ってるのは俺が知ってる。ほったらかしにはしねえよ。」

 

「してるじゃん。今日一日は良いけど…最近。」

 

「…しゃあないなぁ。夜に俺の部屋で…な?

 

そう耳打ちをするバンドラ。

ヤマトはぽっと顔を赤らめるも…コックリと頷いた。それにウタは何の話?とモネを見ると、この上なく頬を含ませ、ジトーとバンドラを睨んでいた。




終わりごちゃごちゃしちった。
ミラミラってキャラインアウト書きやすいから好きです。こっちの話です。

…夜に…何するんでしょうな。

次回は迷い中です。
アラバスタ→ミスウェンズデーの正体知ってるよね?
フーシャ村→マキノさんと…ぐふふふ。

こうなったら何するって?
これでっしゃろ。

…次もイチャイチャになりそう…流石にくどい?
バトルなら…カイドウさーん。うるペーでもあり。

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