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「…おい。起きろ。…起きろってば。」
男部屋。
乱れた格好のヤマトとバンドラが眠っていた。それを起こしにきたのはエレジアからモネと入れ替わりでルエノルーヴ号に乗り込んだスムージーだった。
スムージーがバンドラとヤマトの身体をゆする。
「…んっ…んん…。どうした…?スムージー…。」
バンドラがくわっと大きくあくびをする。
下は布団で隠れているものの、服は一切着ていない。スムージーはクスリと笑う。
「進路を聞きたくてな。ローグタウン近くの海でずっと居るのもあれだろう?」
「…この状況見てよく入ってきたものだ。」
「?二人で裸で寝てただけではないのか?」
小首を傾げてそう言うスムージー。
バンドラは丸い印刷のあるティーシャツに身を包む。
「…まさか、お前。あれだけ家族居て知らないとか…ないよな?」
「何がだ。別にお前が誰と何をしてようが、私は気にせん。…取り敢えず、次は何処へ行くんだ。」
腰を屈め、ジトーとした目で見るスムージー。バンドラはそっかと微笑む。
「次は、フーシャ村だ。そろそろ挨拶しに行かねば。…それと、鰐野郎から手伝えと話が来てるからな。」
…アラバスタの征服。
バンドラはそんなことに興味はないものの、気がかりなことがいくつかある。乗りかかった船だと笑うバンドラ。そのまま、ティーシャツにジーパンというラフな格好で外へ出る。
「朝食のリクエストは?」
「特に何でも。鶏肉を使うなら皮はいらない。脂肪分はできるだけ排除してくれ。」
「んなことは知ってる。糖分はどうせ、ウタのリクエストでパンケーキだしな。」
ため息をついてそう言うバンドラ。
スムージーもそうだなと微笑む。バンドラはそんなスムージーの顔をじっと見る。
「…なんだ?」
「いや、ひさびさに髪を纏めてない姿を見てな。…懐かしい。」
そう言って椅子に座るバンドラ。
スムージーはふっと笑うと、髪を手で靡かせる。長い足を組み、近くにあるソファーに座った。
「少しは良いじゃないか。おしゃれもしてみたいものだ。」
「弄ってやろうか?ヤマトにもウタにも人気だ。」
「是非お願いする。だが、届くかな?」
そう言ってスムージーがにっと笑った。
バンドラはむっと口を紡ぐとスムージーの方へと歩いていく。バンドラが目の前までくるとスムージーが立ち上がった。
「私から見れば子どものようだ。」
「同い年ですが…。」
「そういう意味じゃない。」
そう言ってスムージーが足を上げる。
足先が船の壁に当たり、バンドラはそれに目を閉じた。蹴られると思ったのだ。パチクリと目を開け、前を見るとスムージーがふっと笑っていた。
「うい奴め。」
「揶揄ってるのか?」
「あぁ。揶揄ってるよ。」
目を細めてそう言うスムージー。バンドラの頭をポンポンと叩く。
「「ッ!?」」
…っとその時。
船が大きく揺れた。スムージーは知ってか知らずか、そのまま前へと倒れる。壁に肘をつき、バンドラの逃げ道を閉ざした。
「…不可抗力だ。」
「嘘つけ。」
バンドラがジト目でそう言う。
スムージーがバレたかとくすくすと笑っていた。
「…心許せるのは貴様だけだな。」
「は?」
ふっと笑うとそのままスムージーはバンドラの唇に自身の唇を重ねた。脈絡もなくそうされたのでバンドラは目を見開くものの、侵入してくる舌になすすべはない。
お互いの唾液を交換するが如く、ねっとりと濃厚な口づけをしていた。
「おまっ…。」
「…昔な。ママから貴様を自分のものにしろと言われた。貴様の力がビッグマム海賊団に欲されたからだ。それを断ることはできなかった。…お前は言ったな?私に。…『本気で好きになってから来い』と。」
「…お前、まだその気はないだろう?」
「…あぁ。だが、不思議とお前の顔がやけに鮮明にいつも映る。」
そう言ってスムージーは手をバンドラのシャツの下に入れる。腹筋を指でなぞり、うっとりと笑っていた。
「あれだろう?傷をつけた相手には責任を取らなければいけない。」
「…それは男側が言うセリフだろ。」
「関係ない。貴様の腹を刺したのは私だ。…違うか?」
「…それは…。」
俺の不注意だ…。そう言う前にまたスムージーの唇に塞がれた。次は淡白にかつ、首筋を指でなぞりながら。
「…ダメだな。此処に居ては変になる。」
夜を遂げた部屋にはそれ相応の匂いが充満している。スムージーはほのかに顔を赤く染めて、笑うと壁から腕を剥がした。
「…あぁ。それと。」
立ち去る前にスムージーが後ろを向いてほのかに笑う。バンドラがん?と前を向く。
「…なんだよ?」
「私は焦らされるのが好きなタイプだぞ?」
「…やっぱわかってやがったか。」
「何の話だ?」
口に手をやり、肩を震わせ笑うスムージー。
バンドラは顔に熱を帯びているのを感じ、顔を口元を腕で隠した。
「さぁ、後は眠り鬼姫を起こしてやれ、朝飯は私が作っておいてやろう。」
「作れるのか?」
「…失礼だな。シャーロット家の女たるもの。そのくらいはできる。」
ムッとした顔で手を腰につかせ、指を一本上げるスムージー。バンドラはスムージーに近づき、冗談だよとニヤリと笑う。
「先ずは胃袋からだな。まともに料理できる女はこの船にいるまい。」
「阿呆。そんなのとうのとっくに…お前の…。」
「…私の?」
得意げにそこまで言うとバンドラは顔を赤らめ、口を紡ぐ。歯切れの悪いその声にスムージーがニヤニヤとしながら、バンドラへと近づいてくる。逃がさないとバンドラの腰を抱き捕まえるスムージー。
「私の…なんだ?」
「い…いや。」
「ん?」
「…お前の作るスムージーで…掴まれてる…。」
ぷしゅーとでも音が出るくらい湯気を出しながら、顔を真っ赤に染めるバンドラ。少し女っぽい顔のバンドラにスムージーがキョトンとするや否や、ふっと笑った。
「なんともまぁ、可愛いことを言うやつだ。」
そう言ってバンドラの頬に口づけをする。
「…お前、苦手だよ。なんか、手玉に取られてる気がして。」
「相手にしてきた女の違いだろう。私の周りは女の方が多い気がするからな。」
バンドラをあやすように頭を撫でるスムージー。バンドラは赤くなった顔を隠す。
「…お前と結婚する男が可哀想だ。」
「…カタクリ兄さんより未来が見えているようだな。」
「あん?何の話だ。」
「なんでもない。」
そう言って笑うスムージー。抱かれた腕をスムージーが引き、そそくさと部屋から出ていった。
「〜…。」
バンドラはなんだったんだと頭の後ろを掻き、周りを見る。…取り敢えず、涎を垂らしながら満足そうに眠るヤマトを起こすことにした。
ローグタウンは進んだってことで。
フーシャ村へ行って別行動になるとは思いますが、今考えてるのがアラバスタなのでアラバスタには行くと思います。その前になんかあるかも。考えてないけど…w
スムージー姉様…。
足ドン、壁ドンは書きたかった。許してね。では。
こっちに最初からしてればよかったね。
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