燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

121 / 318
バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

アンケートやってます。皆様ドシドシご投票くださいませ。

ヒロイン案募集中でございます。こちらまで。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287598&uid=273231

序盤は進める、後半は進まない。


第121話

「ちょっと、かけるタイミング間違いすぎだわ。クロコダイルくん。」

 

『…なんだ?女とよろしくやってる時にでもかけたか。』

 

…バンドラはため息を吐きながら、電伝虫の受話器を握る。電話の先は砂の王国『アラバスタ』。秘密結社バロックワークスの社長であり、七武海…サー・クロコダイル。

 

椅子に深く腰をかけ、足を組み、葉巻を蒸しながら電伝虫の受話器を握っていた。

 

「…うちの我儘鬼姫と同じく我儘蛇姫が戦っている。」

 

『…は?』

 

バンドラの方はこうだ。

…真っ赤なソファーにバンドラを真ん中にして、ヤマトとハンコックが寄り添っている。ヤマトはぷくりと頬を膨らませながら、ハンコックを睨み、ハンコックはこれが男との付き合い方なのかと疑問に思いつつ、引っ付いていた。

 

「…暑苦しい。」

 

「…バンドラはボクのものなのに…。」

 

「違いますね。」

 

バンドラはギュッと腕に抱きつくヤマトをジトーとした目で見る。

 

「仲の良い男には抱きつくものなのか?」

 

「違います。」

 

『一体何をしてるんだ。お前は。』

 

ヤマトを見て首を傾げるハンコック。バンドラはため息をついてそう返す。電話口からは少し呆れたクロコダイルの声が聞こえる。

 

「別に…?で、なんなんだよ。一体。」

 

『…俺はアラバスタ王国の王の座を狙っている。アラバスタ王国の地下にはプルトンが眠っている。それを手に入れれば俺は海賊王になれる。』

 

「…へぇ。」

 

バンドラはニヤリと笑いながらその話を聞いていた。バンドラの目線の先には優しく笑うスムージーの膝の上で明日、ライブを控えたウタが眠っていた。スムージーも妹と重ねているのだろう、その頭を優しく撫でていた。

 

「…アラバスタ王国はうちも世話になっている。一度だが、ライブをさせてもらった。王女とうちの歌姫はもう一度会う約束をしている。それでどっちにつくかは、わからないお前ではない。」

 

『…お前、一時の義理に振り回されるのか。女絡みでしか動かねえお前が国一つを救う話にはならねえ。しかも、その功績はアラバスタの英雄である俺のものになる。』

 

「もう筋書きは出来てるって?」

 

『アラバスタ』。

その言葉が出た瞬間、ヤマトも耳を受話器の方へ近づける。バンドラの頬とヤマトの頬がギュッと重なる。バンドラはそんなヤマトの顔を左手で押すと、ヤマトはその手を嬉しそうに胸に抱いた。

 

『…あぁ。俺はアラバスタ王国の…今や、英雄だ。国王コブラよりも俺は国民からの信頼を得ている。…今は野心だけじゃ海賊王になれねえ。知なんだよ。』

 

「…流石だねえ。だが、お前さっき言ったろ。俺は女絡みでしか動かねえ。」

 

『ガキみてえなこと言うなよ。…ニコ・ロビンもお前に会いたがっているぞ。』

 

『ニコ・ロビン』の名前が出た瞬間、バンドラは優しげな笑みを浮かべる。ヤマトもにぱっと笑う。ハンコックは小首を傾げて、その様子を見ていた。

 

「…そうか、ロビンも。」

 

『テメェの話になると良い顔しやがる。それがうぜえのなんのって。』

 

「五月蝿えよ。良い女に語られる男もまた、いい男っつうことだ。」

 

『けっ。歯の浮くようなこと言いやがって。…まぁいい、本題だ。』

 

そう言うとクロコダイルはタバコを蒸す。

バンドラもヤマトの抱く手を軽く剥がす。ヤマトがしゅんと少し悲しげな顔になる。バンドラはその頭を優しく撫でると懐からタバコを取り出し、マッチでタバコを蒸す。

 

「…妾はタバコは嫌いじゃ。」

 

「…えぇ…。まぁ、いいか。」

 

バンドラが一口吸った後、ムッとした顔でそう言うハンコック。仕方ないと息を吐きながらもバンドラはタバコを消した。バンドラが消した途端、ハンコックの顔に笑みが浮かぶ…が、ハンコックはブンブンと首を振ってすぐにいつもの顔へと戻っていた。

 

「で、そんだけなら切るぞ〜?明日は歌姫のライブがあるんだから。」

 

『待てよ。…お前に頼みてえのは…アラバスタ王国の王女の誘惑だ。』

 

「は?」

 

バンドラの間の抜けた顔。

聞いていたヤマトでさえ、耳を疑っていた。

 

『テメェは何故か、女にも男にも好かれやがる。王女はチョロチョロとどこかに逃げてやがる。お前にはそいつを捕まえてほしいんだよ。それに…麦わらとかいう3000万如きのルーキーがアラバスタに来ていると言う報告が来てやがる。』

 

「…麦わらねぇ。そいつは一筋縄ではいかねえかもな。」

 

『…ルーキーが何人集まろうがこの砂の国で俺には勝てねえ。良い返事、待ってるぜ。』

 

…そう言ってクロコダイルからの通話は切れた。

バンドラも頭を抱えて、ため息を吐く。

 

「バンドラ?」

 

下から覗き上げるようにバンドラを見るヤマト。バンドラの膝に寝っ転がるヤマトの頬にバンドラは優しく触れる。ヤマトは嬉しそうにその頬に頬ずりをしていた。

 

「…やるしかねえか。アラバスタ。」

 

「妾には其方が人を殺めることができるような者には見えぬがな。」

 

ハンコックはバンドラの肩から離れ、髪をたなびかせてそう言った。バンドラはそんなハンコックの頭を撫でようとするも、ハンコックはその手を払い除ける。

 

「妾にまだ貴様が触れるのは早いわ。阿呆。」

 

「アホか。男性に慣れるなら、逆に触られなきゃダメだろうが。」

 

「うっ…。」

 

バンドラはニヤリと笑う。

それを言われると弱いのか、ハンコックが少ししゅんとした顔になる。肩を窄め、座り込むハンコックの頭に優しく触れた。

 

ハンコックは怯えるように目を閉じて、肩をびくりと震わす。

 

「ひっ…。」

 

「別に今とって食おうってじゃねえんだ。怯えなくていい。」

 

「そ、そうなのか?」

 

顔を青ざめさせ、少し目に涙を浮かべるハンコック。普段のような気丈…かつ、ぶりっ子のような仕草ではなく…ただ怯えているだけだった。

 

「…な、ならっ!!いくらでも触るが良いッ!!」

 

「…ほぉ?」

 

バンドラは胸を張ってそう言うハンコックの頬に指を這わす。ハンコックは「…うっ…ぁっ…」と軽く声を上げながら、ビクビクと肩を震わす。ヤマトは羨ましいと思いつつも、スムージーと同様…バンドラの悪ふざけに気がついていた。

 

「…まぁ、最初はこんなもんか。」

 

「…は、ハハッ。なんじゃ、意気地無しめ。妾の美しさにビビってるのはどっちじゃっ。」

 

「…ヤマト。ちょっと離してくれ。」

 

「うえっ?はい。」

 

ヤマトがゆっくりと腕を剥がす。

バンドラは少し悪そうに笑うとハンコックへと近づいて行く。

 

「な…何する気じゃ…?」

 

ハンコックは逃げようとするが、バンドラに腕を握られ逃げれない。

 

「いや?蛇姫様なら、耐えられるかなって。」

 

「耐えるって何を…!?」

 

バンドラはゆっくりとハンコックの顔に自身の顔を近づける。ハンコックの顔が徐々に青ざめていき、なんとしてでも逃げようともがく。

 

「…ひゃっ…。」

 

バンドラはそんなハンコックの頬に…唇を落とした。

 

「…人を煽るときは時と場合を考えろ。」

 

勝ち誇ったような笑みのバンドラ。それに対し、少し固まっていたハンコックは…。

 

「…ぐすっ…!!」

 

…泣きかけていた。

 

「え?」

 

バンドラが声を上げて驚く。

…あの強い海賊女帝が、涙を堪えていたのだ。バンドラへヤマトとスムージーの強い視線が突き刺さる。

 

「…ひっぐ…うえっ…こわかったぁぁ…!!」

 

「ご、ごめんって…泣くなって…!!なっ?」

 

「うぅ…ぐすっ…。」

 

ハンコックはバンドラの胸の中で泣く。

バンドラはそんなハンコックの頭を優しく撫でて、謝罪の言葉を言っていた。

 

「「最低。」」

 

スムージーとヤマトがそう言う。

バンドラはまだ泣き続けるハンコックの頭を泣き止むまで撫で続けていた。

 

泣き止んだハンコックがバンドラを睨みつける。

 

「…馬鹿者。」

 

「悪かったって。」

 

プイッとそっぽを向くハンコック。

バンドラはソファーから降り、精一杯の土下座をする。ヤマトもこれにはハンコックの肩を持つしかないと、バンドラを見ていた。

 

「…悪戯にも程があるわ。接吻など…その…結婚する男女のすることじゃ。お主が妾にするには不敬すぎる。」

 

「…左様でございますね…。いや、悪かったよ。」

 

「…気分が悪い。」

 

そう言って後ろを向くハンコック。

バンドラは頭の後ろを掻きながら、ため息をついた。

 

「…同盟はなしか。」

 

「…え?」

 

「俺なら襲わないとでも思ってたんだろ。…俺もやっちまったことは仕方ないし。怖がらせたことは謝る。…もう来ねえよ。」

 

申し訳なさそうな顔でそう言うバンドラ。ルエノルーヴ号へと自分だけでも戻ろうと歩き始める。そんなバンドラがハンコックの横を通り過ぎようとしたとき…ハンコックはバンドラの袖をギュッと掴んだ。

 

「ん?」

 

「…そ、それとこれとは…話が別じゃ…。妾はッ!!お主以外とは…同盟を…組みとうない。

 

「…はぁ。わかったよ。ごめんな。怖がらせて。」

 

顔を赤らめてそう言うハンコックにバンドラは優しい笑みを浮かべてその頭を撫でる。ハンコックは少しビクッと肩を震わせるも、わかったなら良い…と少し横を向いていた。

 

「…なんか、早くない?」

 

「まぁ、あの男も女難だからな。」

 

プクッと頬を膨らませるヤマトと呆れたように笑うスムージーがその二人を優しく見る視線のみ。そこにはあった。




ハンコック様がハンコックちゃんになっちゃう。まぁ、歳上だからええんか…。

このまま女ヶ島を続けてイチャイチャ書きたい自分と、そろそろアラバスタ行ってビビ、ナミとあれこれやりたい自分がおる。その前にヤマトくんをなんとかしないと…。

イチャイチャ、戦闘、エース関連は空島編の時に色々できるしね。そこでテゾーロ書いてもいいけど。

では。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。