前回、前書きにて『この作品に関しての感想をやめて頂けると助かります』と書きましたが誤植です。正しくは『この文章』についての感想コメントをお控え頂けると助かりますですね。普段、皆様の感想コメに非常に助けられております。誤解を招くような形になり、申し訳ありません。
皆様の中には『折角書いてやってるのに』や『書きたいのに書いちゃダメなの?』という風に思った方が多数いらっしゃるでしょう。混乱、また、誤解を招きましたのは筆者の確認不足です。
最後になりますが、この作品に関しての感想コメントはジャンジャン送ってください。些細なことでも構いません。『面白かった』の一言で私のテンションゲージは天元突破しますので。誠に申し訳ございませんでした。引き続き、本小説をお楽しみください。
…アラバスタ王国、スパイダーズカフェ。
ここは女店主一人で切り盛りするカフェである。今日はこのスパイダーカフェは異色の客人達により満席だった。
無口な男、五月蝿い初老の女性、大柄な男、そして、変なメイクのオカマと多数の人間が居た。その中にバンドラと…ハンコックの姿もあった。
二人ともいつもとは違うパーカー姿にハンコックは狐、バンドラは鬼の仮面を被り、姿を隠していた。バンドラ達は今回、『顔を知られていないエージェント』としての招待を受けている。コードネームは無いが、そこは『Mr.X』と『ミス・オールサタデー』と命名されていた。
今回、ハンコックが選ばれた理由は『ヤマト、スムージでは体格的に潜入が難しい』点。『ウタ、ハンコックでは顔が知れ渡っている』点を加味し、考えた結果、まぁ、この姿のハンコックがここにいるとは考えないだろうという半ば強引なバンドラの考えだった。
ヤマトとウタは先にアルバーナの方で潜入調査中。スムージーは自ら船番を買って出てくれた。
「…べとべとするのう…。」
ハンコックは自らのトレードマークである美しく艶やかな黒髪(流石にバレる可能性もあるので少し結んである)を手に取り、嫌そうな声でそう言った。
「…我慢してくれ。」
「…くっ。屈辱的じゃ…。妾がこのようなこと…。」
「俺の本分は先ず、そこで何が起こっているかを見て聞くことだ。だから、こういうこともするんだよ。」
仮面の裏で口元を膨らませて、ぶうたれるハンコック。ハンコックにとってここまで汗をかくことは、ほぼない。しかし、今回はエージェント同士のバトルは面倒ごとしか生まないので、バンドラが止めているのだ。
「あら、皆んな、お集まりね。」
そこへやって来たのはテンガロンハットを被った黒髪の女だった。バンドラはその顔に見覚えがあった。正しく、それはニコロビンであったのだ。バンドラは今回、ロビンにすらバレないように一度見たかどうかのヤマトのお面をつけて来ている。お面からはヤマトの匂いが微かに感じ取れる。
「…まさか、お前が社長…?」
「いいえ、私は社長の相方ミス・オールサンデー。貴女達を社長の元へと通すわ。」
そう言って全員が移動し始める。
ミス・オールサンデーこと、ロビンの誘導で辿り着いたのはレインベースにあるカジノ『レインディナーズ』へと足を踏み入れた。
そこに居たのは…。
「クハハハッ。全員、よく集まってくれたな。」
「…アンタは…王下七武海…クロコダイル…!!」
大柄な男が顔を青くさせながらそう答えた。
…くるくると回る事務椅子に座るは葉巻をふかし、咥えたサー・クロコダイル。ただの海賊には会うことすら憚れる。何故なら、相手はその実力を政府に買われた大海賊。…まぁ、それがこの場に三人も居るとは思うまい。
「…まぁ、なんだ。座れ。」
その言葉にロビンを含まない全員が座り出す。
席が足りないため、バンドラはハンコックを座らせ、自ら立ち聞いていた。
クロコダイルが話し出したのはバロックワークス…最終作戦『ユートピア』。決行時は明朝7時。
「武運を祈る。」
その言葉にバンドラ、ハンコック以外は『了解』と答えた。
「…待て。」
立ち去ろうとするバンドラとハンコック。それを止めるのは
「…なんじ…こほんっ…。なんだ?」
バンドラは声を出さず、ハンコックが答える。と言っても特徴的な語尾であるためか、本人なりの配慮か。基本は口調を変えてだ。ブカブカとした灰色のパーカーをハンコックは身につけているが、そのスタイルの良さが滲み出ていた。
一方、バンドラはというと、ジロジロと焼き付けるように見てくるロビンにいつバレねえかとヒヤヒヤしていた。流石に顔を隠して速攻バレましたはダサいのである。
「お前たちの目的はビビ王女の殺害だ。わかっているな?」
「わかっている。心配をするな。わらっ…私たちにヘマはない。」
そう言って返すハンコック。バンドラはこくりと頷く。その言葉にクロコダイルはニヤリと笑った。
「頼むぞ。…女たらし。」
「あら、彼らのことはよく知っているのね?」
「ふん。こっちの話だ。詮索は無しだぞ。ミス・オールサンデー。」
手を組み、そう言うクロコダイル。ロビンは胸の下で腕を組んでそう…と不敵に笑う。
「もう良いか?」
そのハンコックの言葉にクロコダイルは頷いた。
「…どうした。お前らしくないぞ。ミス・オールサンデー。」
二人が去ったレインディナーズでクロコダイルがそう言う。ロビンは頬に指をやり、考えるような仕草をする。
「…あと一歩なのだけれど。あの人って彼じゃないわよね?」
ロビンは記憶上の匂い、触れた感覚、声の質感から
「…もし、奴だった場合どうするんだ?」
クロコダイルがそう聞く。
ロビンは不敵に笑った。
「あら、それはね。一緒に入れなかった分、愛してもらう予定よ?だって、もう我慢できないですもの。」
「…怖えな。」
影のある笑みを浮かべるロビン。バンドラと別れたときはそこまで深刻に考えていなかったのだが、クロコダイルにバンドラの近況を聞くにつれて、会いたくなって来てしまった。少しの間ではあるが心の拠り所だったのは確かである。
クロコダイルはそんなロビンの声に遠いところを見て、不敵に笑った。
「バンドラよ。貴様、王女を殺害するつもりか?」
ハンコックは低めの声でそう聞いた。
ザクザクと砂に足を取られる。バンドラの草鞋では暑さをまともに受けてしまうが、バンドラの能力で快適に過ごしているため、関係はない。バンドラはその言葉に仮面を少しあげた。
「殺害…と銘打っちゃいるが、あいつにとっては邪魔な王女をなんとか動けないようにしておきたいんだろう。俺は殺す気なんてさらさらない。」
「…そうか。…というか、なんていう暑さじゃっ!!流石にベタつくのう…!!」
ハンコックはそう言いながら、服の襟元を握り、パタパタと煽っていた。首筋、胸の谷間が汗で光り輝く。
「其方、狡いぞ。能力で快適に過ごすとは…!!妾も冷え冷えにせぇっ!!」
「前にそれして、ウタが倒れたからダメだ。お前もどうせ、面倒だとか言って水を取らなそうだから、ダメだ。」
そう言ってバンドラが釘を刺す。そもそも、肌が露出すると日焼けして大変なことになるとパーカーを選んだのはハンコック自身。踊り子衣装もあるものの、ハンコックの美貌はすぐにわかってしまうとウタに似たパーカーの下に来ているのだ。
「うぅ〜…。脱いで良いかえ?…もう暑すぎて溶けそうじゃ…。」
「…その代わり、肌が真っ黒に焼けても良いんだな?」
「そ、それは…。天帝〜…!!」
甘えるような声でバンドラに引っ付くハンコック。バンドラはため息を吐くとこっそりと買っておいた布を渡す。
「それならまだマシだろう。」
「おおー。褒めて遣わす。」
「じゃあ返せ。」
「…ありがとう…。」
口をとんがらせてそう言うハンコックにバンドラはにっと笑って示した。ささっと着替えるハンコック。バンドラが日陰となり、ハンコックの身を隠す。
「…バンドラよ。其方は何しに来たんじゃ?王を助けに来たなら宮廷へ…。」
「…いいや。俺は今はバロックワークスの社員だ。だから、俺は俺がやれることをする。」
小首を傾げるハンコックへバンドラは首をポキリと鳴らし、笑った。ハンコックはむすっとした顔で返す。
「なんじゃ。やれることっていうのは?」
「…『虹をかける』。アラバスタ王国に。」
そう言ってバンドラと着替え終わったハンコックは歩き出した。
手前勝手な理由になりますが、とある小説を読みまして、その中で本編の予言のような形になりまして、私も原作の二次創作を書くものとして本編の扱いについては触れておこうかなぁと思った結果、寝る前に書いたため確認を怠りました。申し訳ありません。
繰り返しになりますが、些細なことで構いません。感想をまたくれたらなぁ…と。思っております。前話の感想でも今話の感想でも受け付けておりますし、勿論、その前の感想でも嬉しいですっ。
…この度はこの小説を楽しんで読んでくださっている皆様へ感謝と共に混乱とご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ありません。また、次回からも楽しんでくださると助かります。それでは。