燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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これはなんだと。


第134話

「ハローっ!!今日は特別な衣装のウタだよっ!!」

 

…砂漠の国アラバスタ。

長らく公の場でライブ活動をしていなかった歌姫の復活ライブである。パンプキンを模したオレンジと黒のパーカーでライブをするウタはバンドラに水分補給を忘れないように強く言われていた。当のバンドラは盃に酒を入れて、朝から呑んでいる。

 

「朝からお酒ですか?」

 

「…おや、これはこれはアラバスタ王女様。」

 

手を重ねてにっこりと笑うビビに、バンドラはふっと優しく笑う。

 

「お隣、失礼しますね?」

 

「王女様がこんなとこにいて良いのか?」

 

「あらっ。それは私の台詞ですよ。ここ、王宮の一番良いところじゃないですか。ライブで言うところの特等席ってやつですよ?」

 

くすくすと笑うビビ。

バンドラはアルバーナ宮殿で一番良いところに陣取っていた。しかも、ウタのライブが良く聞こえ、良く見えるところ。バンドラはコブラと共にそこで飲んでいた。

 

「偉く懐いているな。ビビ。」

 

「パパ。…バンドラさんは正真正銘のアラバスタの英雄だもの。」

 

そう言ってバンドラに寄り添うビビ。その青色の髪の毛は砂漠の風に煽られて、靡く。

 

「バンドラくん。改めて、ありがとう。君と麦わら帽子の彼…ルフィくんとその仲間が居なければこの国は死んでいた。君たちのおかげだ。」

 

「いいえ。俺は新世代が通る道を舗装しているだけですから。」

 

そう言って優しく微笑み、盃を煽るバンドラ。ビビの方を見るとビビがにっこりと笑う。

 

「私もお酒飲もうかしら。」

 

「…おいおい。」

 

「注いでくださいっ。」

 

…しれっとバンドラの盃を奪い取るビビ。バンドラはため息を吐きながら、上等ものの酒をトクトクと注ぐ。

 

「…これ、いいんですか?」

 

「ハッハッハッ。どうだ。ビビは可愛いだろう。」

 

コブラも酒を飲みながら大口を開けて笑う。

呑みに誘ったのは、何せコブラの方なのだ。バンドラはそれで良いのか…とさらに深いため息を吐く。下で目をキラキラさせてウタのライブを聴くヤマトや麦わらの一味、微笑みながら聴くスムージーやハンコックを見て、ふっとバンドラの口元が綻ぶ。

 

「…バンドラくん。ビビはね。私のたった一人の娘だ。目に入れても痛くないとはこのこと。…私はね、一国の王ではなく一人の父親としても…君に感謝せねばならない。」

 

「…あぁ。確かに。」

 

バンドラがそう言い、ビビの方を向くと…。

 

「えへへ〜…。」

 

酔っていた。

美しい顔を真っ赤に染め上げ、ポヤポヤとした笑みを浮かべるその様は王女ということすら忘れてしまいそうだった。

 

「…こ、これ、大丈夫…なのか?」

 

バンドラですら冷や汗を掻くほどに。

チラリとコブラの方を見ると…コブラは目を逸らしていた。

 

「ばんどりゃしゃん…もいっぱいのみらいれすっ。」

 

「…海賊やってたのに酒弱いのか。」

 

胸をバンドラの腕に寄り付いてくるビビ。呂律は回っていないが、満面の笑みで寄ってくる様はまるで子犬のようだった。

 

「らめ…れすかぁ…?」

 

うるうると潤んだ目。ビビが上目遣いでバンドラの胸に寄り添う。硬い胸板にビビの豊かに実った胸が潰れる。ビビはクロコダイルの一件以降、バンドラに異常なほどに懐いていた。コブラをそれを感じて、微笑む。

 

「ぐっ…も、もう一杯だけな?」

 

「やったぁっ!!ばんどりゃしゃん、らいしゅきれすっ!!」

 

「うおっ!?」

 

満面の笑みで抱きついてくるビビ。

危うく倒れそうになるのを、バンドラが体幹で耐える。すりすりと胸を擦り寄せるその様はヤマトのような…そんな感覚。

 

「ハッハッハッ。まるで父親を取られてしまったようだな。」

 

「勘弁してください。俺にゃ嫁も居なけりゃ、こんな大きな娘は居ませんよ。」

 

悪いものでもないのだが…とほのかに笑うバンドラ。ビビの頭を優しく撫でると満足そうに笑う。

 

「…この子は王女だ。私にも甘えられなければ、ペルやチャカにも立場上無理だ。…君はこの子にとって甘えられるたった一人の年上の男の人なのだよ。」

 

「…たった一人の…ねぇ。」

 

その言葉にバンドラがため息を吐く。

…自分の周りにはそんな奴らばかりだと。父親と離れてしまった歌姫、大事な人を殺されてしまった鬼姫、元奴隷で男嫌いの蛇姫。…こう思うとバンドラは自分の業の深さを感じる。全員を完全に幸せに出来るかなんてのも、わからない…と。

 

「んもぅっ!!ばんどりゃしゃん、また子供扱いしてっ。」

 

前を見れば、ぷくっと頬を膨らますビビ。

目は不機嫌そうに細くなり、バンドラを睨んでいた。

 

「責任取るって言ったじゃないですか。」

 

「…それは…また違う…ですよね?」

 

「私に聞かれても困る。」

 

バンドラが視線をコブラへと晒すとコブラはふうっと酒を飲みながら、バツの悪い顔でそう言った。バンドラは貴方の娘ですよ…と言いたい気分をグッと抑えて、ビビを見る。

 

「子供扱いなんてしてねえって。」

 

「じゃ、じゃあ証明してくださいよぉ。」

 

「しょ、証明?」

 

「ええっ。お口とお口でチューしましょ?」

 

その言葉にコブラが酒を噴き出す。

流石の懐の広い王様でも、これにはびっくりした様子。バンドラは少し顔が熱くなる感覚を覚えつつも、コブラの方を向く。

 

「…び、ビビ。バンドラくんも困っているから…ね?」

 

「パパには関係ないでしょ?それに、私はバンドラさんのこと、好きだから良いの。」

 

「そういう問題じゃねえって。」

 

元々のお転婆さが酔って前面に出ているのだろう、コブラ王でも今のビビにはお手上げだった。ニコニコのビビがバンドラの首に手を回す。

 

ほのかに香る花のような香りの中には微量ではあるものの、アルコールの匂いが香る。

 

「ちょっ…まっ…!?」

 

「まひまへんっ…!!」

 

止まることも知らず、ビビは紅潮する顔を差し置いて、その唇をバンドラへと重ねる。酷く酔っているだろう、ふわっと香るアルコールの味がバンドラの舌に伝わる。

 

「…ぷはっ…。ビビ?」

 

「…初めてなんですよぉ…?もっと喜んでください。」

 

「流石に助けて。」

 

暴走するビビを兵達が連れて行く。

バンドラはため息を吐きながら、横を見ると此方もニコニコのコブラが座っていた。

 

「…コブラ王。何もかも申し訳ない。」

 

「いいや。ビビも根っこの部分は変わらんのだろう。優しい子だが、お転婆でね。…大切にしてやってくれ。」

 

「まぁ…そりゃそうですけど。」

 

そう言いながら盃に酒を移し、一気に煽るバンドラ。

 

「時にエレジアの復興は順調かな?」

 

ウタのライブも佳境に入った頃、コブラ王がそう切り出す。バンドラは微笑みながら、ええと答えた。

 

「向こうにいるモネ(仲間)から連絡がありましてね。取り敢えず、一区画、人が住めるようにはなったと。まだかつての栄華には程遠いですが。そろそろ帰ろうと思います。向こうの様子も見たいですし。」

 

「そうか。まだ人手も足りないだろう。…アラバスタからも少ないが、人員を派遣しておこう。復興作業に充てるといい。」

 

「感謝します。」

 

歯を見せながら、笑うバンドラ。

コブラが髭を触りながら、優しく微笑んだ。

 

「…その代わりにですが、このアラバスタを守る際にはお呼びください。馳せ参じますから。」

 

「…助かるよ。バンドラくん。」

 

そう言ってバンドラの手を取るコブラ王。

 

「みぃんなぁーッ!!ありがとうぉぉっ!!」

 

ウタのライブも終局を迎えていた。




酒乱ビビ様。
ちゃんと進むだろう、次回は。
ロビンちゃんも出したいけどね。あ、基本、クロコダイル戦のときは原作と同じですわ。だから、全てを許されてはいるからね。

あ、ロビンパターンってあれね。
一度乗って良い感じのタイミングで降りるって感じ。

では。
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