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「〜♪」
…エレジア、ライブ会場。
綺麗に整備されたそこは元々の形を残しつつ、更に美しくなっていた。ウタは自身を代表とする『新時代』を口ずさみながら、ライブ会場を歩いていた。
「落ちるなよ〜。」
「落ちないよー。」
バンドラは手にバスケットを持ち、ライブ会場の方を歩いていく。広く一番人の目を引くであろう場所でバンドラは地面に座り込んだ。上を見上げれば、まるで骨のような石がいくつも飛び出ていた。バンドラは頭の後ろで結んだ髪を手で払い、タバコを口に咥え、火をつける。立ち上る煙は骨に向かっていくようだった。
バンドラの元へウタがとことことやってくる。
ぴこぴこと頭の後ろで結ばれた髪が少し激しく動いているのが見えた。バンドラは自分のライブ会場ができて嬉しいのだろうと考え、自然と顔が綻んでいた。
流れるようにウタがバンドラの隣へと座る。
「〜♪」
次に口ずさむのは『風のゆくえ』、幼い時からウタが歌っていたのをバンドラは覚えている。目を閉じて、自分だけのライブを聴きながら、タバコの煙を上へと吐いた。
「バンドラ。今日のお昼何?」
「ん?あぁ。」
バンドラはバスケットの中の布を開ける。
…そこには色とりどりの野菜に囲まれたチキンや焼き魚、サンドウィッチなどの食べ物があった。
「うわぁぁ…!!」
宝石箱のようにキラキラと光るそれにウタが感動の声を上げる。バンドラはふっと微笑むとそれを閉じた。
「ここで食うのか?」
「えー。ダメだよ。ライブ会場だもん。」
そう言って頬を膨らませ、不貞腐れるウタにバンドラはそうだな…と一言いい返した。ゆっくりと立ち、バンドラはウタに手を伸ばす。
「歌姫に最高のエスコートを。スカートの中身に御用心。」
そう言って微笑むバンドラ。
ウタも何をするかわかったように、スカートの裾をギュッと足にくっつけた。バンドラはそのままバスケットとウタを持ち、とんっと地面を蹴る。するとふんわりと空中へと上がり、ウタが気がつくとそこは緑が青々としげる丘陵地であった。
「…セーフ?」
「アウトでしょ…下の人達に見えたよ…絶対…!!」
小首を傾げ、そう言うバンドラにウタが顔を真っ赤にしてぷるぷると震え出した。バンドラはウタの頭を撫でてふっと笑う。
「悪かった。」
「…はぁ…。」
ウタは肩を落として、悪びれる様子のないバンドラへじとーとした目を向けた。そうして、地面に座り込む。
「どうせ、見えないようにしてるんでしょ?」
「…正解。」
ウタがそう言うことを嫌がるのは知っている。寧ろ、ヤマトやスムージー辺りが恥じらいも無いのがおかしいのだ。特にヤマトなんかはバンドラの前で裸で風呂から出てくる始末。…まぁ、今更という話ではあるが。
青々とした背の低い草を撫でるように風が吹く。バンドラとウタの髪もそれに棚引く。
「…さあて、そろそろ頃合いかな?」
「もー、お腹減ったよぉ。」
そう言ってお腹をさするウタにバンドラは歯を見せてニヤリと笑う。バスケットの中からサンドウィッチを一つ取り出す。ハムとレタスの入ったものだった。
「エレジアに着く前に拵えたもんだ。エレジアを見て回りたいつったから俺らの分だけちょうどいいと思ってピクニック仕様にしてきた。」
歯を見せてにっと笑うバンドラ。サンドウィッチをウタに渡そうとするとウタが小さな口を開けて、バンドラに向ける。
「…虫が入るぞ?」
「あーん。いいからっ。ほら、あー。」
「…全く。」
口ではそういうものの、バンドラは微笑んでいた。サンドウィッチを前に突き出すと、ウタがカプリと噛み付く。先を小さく噛み離すとウタは目を細め、満足そうに笑った。
「美味しいっ!!」
もう一回と口を開けるウタ。
バンドラが前に突き出すとまた口に含む。それの繰り返しで小さくなっていくサンドウィッチ。
「はい、お終い。あとは自分で食いなさい。」
そう言って残った切れ端をバンドラは口に投げ入れた。間接キス…というには大胆すぎるが、それを気にせず、ウタはぷくりと頬を膨らませ、バンドラを睨む。
「それ、私のじゃんっ。何、食べてんのさ。」
「これ以上食われたら指までパックリといかれちまう。」
そう言って笑うバンドラ。
ウタはそそくさとバスケットからもう一つ、サンドウィッチを取り出すと口一杯に頬張った。むすっとしながら食べていた為、怒ったリスのようで少しバンドラは笑っていた。
「ふふ。焦って喉を詰まらすなよ。」
ゴクリと飲み込み、バンドラを見る。バンドラもサンドウィッチを齧っていた。ウタはそんなバンドラの背後から飛びつくように抱きつく。
「うおいっ!?」
ウタの立派に育った果実が潰れ、バンドラの首へと細い腕が巻きつく。バンドラはサンドウィッチを投げ出しそうになるも、それをぎゅっと掴み、ウタの方へ振り向き、見た。
「…歌姫はファンサにはうるさいよ?」
「何の話かね。」
「せっかく二人っきりなんだからさ〜。ライブ終わって疲れてるし、もっと労ってよぉ〜。」
ふと振り向いたバンドラ。ウタの口にこぼれたパン屑が付いているのを見つけた。バンドラはウタの口を指で拭うとそのままパン屑を口元に運んだ。
「全く、こういうところはいつまで経っても変わらねえな。」
「バンドラが変態なところもね。」
「こりゃ一本取られた。」
そう言ってウタの腰を掴み、そのまま上へと抱き上げる。
「わっ、ちょっ…パンツ見えるって…!!」
そう言うウタのことを気にせず、バンドラは軽々と抱き上げ、自らの膝へと乗せる。バンドラを睨みながら、顔を真っ赤にしていた。
「…馬鹿。」
「ごめんって。」
プイッと前を向き、バンドラの膝に腰をずっしりと落とした。バンドラは少し顔に笑みを浮かべるとそんなウタの頭を撫でる。誰もいなかったことも相まって、ウタの機嫌はすぐに治った。くるっと後ろを向き、バンドラに抱きつくウタ。
「…バンドラ。好き。」
しっとりとした声でウタはバンドラの耳元で囁く。
「どうした?いきなり。」
バンドラも戯言だと思いつつ、そう聞いた。なにせ、ウタとバンドラは14も歳が離れている。バンドラとて、そこまでの歳の差ではウタが可哀想だと思っていた。…もうキスまでしてもバンドラはそう思っていたのだ。
ウタがバンドラの首元から顔を離す。
「未来の世界の歌姫からのラブコールだよ!?…素直に受け取りなさいよ…ばか…。」
「はぁ。そう、いろんな人に好き好き言うもんじゃねえってば。」
むすっとしてそう言うウタの頭を撫でるバンドラ。バンドラの顔は少しだけ赤らめていた。ウタとて生粋の美人。…シャンクス達のことは抜きにして、バンドラはとても嬉しかった。
不貞腐れるウタの頬を指でつっつく。
表情はまるで死んでいたが、頭の髪がぴょこぴょこと動いていた。犬の尻尾のようなものなので、大層喜んでいるのだろう。
「…ねぇ。私とバンドラってさ、他の人から見ればどう見えるのかな…?」
「どうしたんだよ、いきなり。…そうさなぁ。親子…っていうのも言い過ぎだしなぁ。兄妹?」
「兄だッ…!?…こ、こんな大きな弟はいないわよッ!!」
「そっちじゃねえよっ!?」
ぷくりと頬を膨らませ、バンドラの腕をギュッとつねるウタ。バンドラは刺すような痛みに、眉を顰めながらウタに問う。
「…どうしたんだ?さっきから。」
「ふんっだ。私のこと、まだ子どもだと思って。私が好きだって言ったら好きなのッ!!それを無碍にしちゃってさッ!!さいってーっ!!」
顔を真っ赤にしてそう叫ぶウタ。
バンドラは頭の後ろを掻き、ため息を吐く。
「なぁに言ってんだ。俺だって(仲間として)お前のことを好いてるよ。」
「ふやっ…!?」
真顔でそう言うバンドラにウタの顔が茹蛸のように真っ赤になる。ウタは口を右手で隠しながら、顔を晒していた。感情を表す髪の毛がぶんぶんと恐ろしい勢いで動いていた。
「…わ、私の方が好きだもんッ!!」
「何張り合ってんだ。俺の方が好きだね。」
真っ赤な顔で叫ぶウタ。その目はバンドラを睨んでいた。ウタとしては一度無碍にされた挙句、確実に揶揄われているという疑心があるからである。バンドラは涼しげな顔でニヤリと笑っていた。
「わ、私は本気だもんッ!!愛してるもんッ!!」
「俺も愛してるぞ〜?」
頭を撫でて、微笑みながらそう言うバンドラ。ウタはぐぬぬと恨めしそうに睨む。その顔は先ほどよりも真っ赤になっていた。
「まぁ、もう少し感情をコントロールできて妖艶な歌姫になるんだな。俺を落とすのはそれからだ。」
「むぅ〜…!!…だったら、キスしてよ。そしたら許してあげる。この唐変木。」
真っ赤な顔でプイッと後ろを向くウタ。
バンドラは溜息をつくと、そんなウタの肩を手で触れる。そうするとウタがバンドラの方へと顔を向ける。バンドラはウタの顎をくいっと掴むとその口に口づけをした。それは長いものじゃなく、唇が触れるだけのもの。
「…短い。もっと。」
「…はいはい。」
次は根を上げるくらい長くしてやる。
舌なめずりをしてそう思うバンドラは桃色に輝くウタの唇にじっくりと口づけを交わした。
ウタちゃん、凄えなぁ。REDパワーかな?
兎に角こんな感じで。次は修行か、イチャイチャか考え中。うるちゃんとハンコックの二人が拮抗してるからハンコック書くかな。うるちゃんはもうちょいお待ちよ。…それでは。
スッ…
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ウタ
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スムージー
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ビビ
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うるティ