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新章というか…なんというか…。
…エレジア城内。
青ざめた顔のゴードンとビビが座っていた。そこには目を閉じて、足を組む…カタクリの姿もあった。
「…まさか、ウタの名前がそこまで轟いているとは…。」
慌てるゴードン。
…先刻、海軍本部よりエレジアの電伝虫(バンドラからの贈り物)にかかって来た。何かあった時のために信用できる人間にしかバンドラは渡していないのだが、七武海会合での新エレジア国家の設立。それを知ったセンゴクにとある人物から連れて行けという要請が出たのだ。
無論、元帥がそう簡単に出ることはなく、先ずはゴードンへことの次第を伝えた。エレジアに生き残りがいる、そのうち一人はゴードンだということは海軍本部の元帥ならば知っていることであった。
…その元帥からの話が問題だった。
「…ビビ王女。貴女は一度、隠れていた方がいい。海軍に君がここにいることが知れたら、バンドラくんの七武海は剥奪され、アラバスタにも良からぬ話が行ってしまう。海軍が来る前に早く隠れた方がいい。」
ゴードンがビビの肩を掴んでそう言った。
そのフランケンシュタインの怪物のような顔は青ざめ、額からはダラダラと汗をかいていた。明らかに焦っているのがわかる。しかし、口調は冷静だった。
「か、隠れるって言ったって…!!」
「バンドラ君の部屋なら傍受が出来ないようになっている。物も多いし、海軍も中将レベルが来なければ恐らく大丈夫だ。私からも深く言い聞かせておく。アラバスタにはなんの不利益も被らない。エレジアの国王、ゴードンはこの国の民に誓う。」
「そ、そこまで言われたら…わかりました。」
ビビはゴードンの案内でバンドラの部屋に隠れる。いくら、まだ加盟国家に認定されていないとはいえ、元々は加盟国家。海軍もそれなりの対応はしてくれるはずだとゴードンは考えた。考えるしかなかった。
「…おい。ゴードン王。」
食堂に戻ったゴードンへカタクリが鋭い目を向ける。
「…わかっている。バンドラくんには酷なことになるだろう。だが、彼らはウタの歌を聴きに来るだけ。…戦争にはなるまい。」
「だったらいいがな。」
…最もゴードンを悩ませている理由。
それは『天竜人がウタの歌を聴きに来る』というものだった。ゴードンとて、バンドラが天竜人を心底嫌っているのは知っている。しかし、なにも天竜人に何かされて困るのは向こうだけではない。
もしも、危害をバンドラが加えてしまった場合、エレジアの国交は遮断され、非加盟国になった挙句、七武海の領地に関係なくバスターコールの対象になる。つまるところ、バンドラにとって損しかないのだ。
「…取り敢えず、ウタにこのことを話した方がいいか…!?」
「…大丈夫だ。それを勧めよう。俺は天帝が万が一暴れた時の為、控えておく。」
そう言ってカタクリは食堂から出ていった。
エレジア城、浴場。
「女ヶ島のものよりも狭いの。」
バスタオルに身を包んだハンコックが周りを見渡してそう言った。世界一美しい女という名前は確かで、バスタオルを張り上げる胸や見える足、かかる黒髪…その美貌は確かに全てを魅了するものだった。
「仕方ないだろ?女ヶ島みたいな設備は必要としないんだよ。」
そう言って真っ裸のバンドラが入ってくる。
ハンコックはムッとした顔になりつつも、湯気立つ湯船に腰をかけた。
「ふぅ…。3日ぶりの風呂じゃあ。アラバスタじゃあ、入り損ねたからのお。」
ふぅ…と息を漏らし、前を見るハンコック。バンドラはよっこらせとハンコックの隣に腰掛ける。
「…なんじゃ。不躾にジロジロと。」
「黙っていれば、可愛いもんだけどな。」
桶に入った酒瓶を湯船に浮かべ、その酒をお猪口に入れて飲みながら、ハンコックを見てそう言うバンドラ。その言葉にハンコックは目を細め、睨む。
「はぁ?何言っとるんじゃ。口を開いても美しく可愛いじゃろうが。」
「自分で言うんですか…。」
「そ、其方が言うな。其方も自身のことを良い男だの言うじゃろうが。」
髪を指でいじり、そう言うハンコック。バンドラはため息を吐くものの、少し口が綻んだように見えた。
「…そろそろ、背を流してくれ。いつまでもここにいると、のぼせそうじゃない。」
風呂から上がり、息を吐くハンコック。その背には赤々と刻まれた負の字があった。バンドラはそうだな…と立ち上がった。
…濡らしたタオルを泡立て、柔肌に優しくつける。
「…上手くなったじゃないか。褒めて遣わす。」
…時折、声を漏らしながら、そう言うハンコック。段々と男に触られるという感覚よりもバンドラに触られると思うようになってきた。…男は怖い。だが、コイツはなぜか信用できる。同じく天竜人を嫌い、憎んでいるからか、共通の敵を持っているからかとハンコックは疑問に思っていた。
「貴様のような男は初めてぞ。」
「あ?急に何を。」
「…妾に来る男はの。不潔な地位にしがみついたゴミか、脳が下半身についてる猿だった。じゃが、其方は何処か違う。天帝よ。何が違うというのかえ?」
振り向きそう言うハンコックにバンドラは頭の後ろを掻いて、困ったように笑った。
…そんなこと言われてもわかるわけがないと。
「…お前が思ってることを俺が形容できるわけないだろう?」
「そうか。まぁ、妾にもわからぬ。」
そう言ってハンコックは前を向いた。
バンドラもふっと笑うと、その背を湯でゆっくりと流し始めた。
「ああ。チャルロス聖、それとロズワード聖とシャルリア宮も。」
…エレジアの壊れ港。浜辺も近いそこには一隻の軍艦があった。そこから現れたのはCP9の長官スパンダムと海軍大将青キジ、そして…天竜人であるチャルロス聖とその父ロズワード聖、そしてチャルロス聖の妹シャルリア宮であった。
ゴードンは立場上、謙ってる。手揉みをしながら、貼り付けたような笑顔をしていた。
「なんだえ、ここは。ゴミの掃き溜めみたいに醜悪、それにここの王があれかえ?まるでバケモンだえ〜。」
「そう言うな、チャルロス。儂等に下々民のやることは理解できるわけがない。理解する必要もないえ。…しかし、こんなところにいるのかえ?
ロズワード聖がチャルロス聖を諌め、そう言うとスパンダムが醜悪な笑みを浮かべ、手を揉む。
「ええ、その筈です。おい、ここに
「え、ええ。現在、わざわざこんな辺境の地にいらっしゃった天竜人の為、ライブの準備をしています。張り切っておりますのできっと満足してくださると思います。」
ゴードンがそう言うとチャルロス聖も醜悪な笑みを浮かべ、楽しみだと答えた。
…もちろん、ゴードンとてウォーターセブンの一件は知っている。優しいゴードンには乱暴をされたウタにその人のために歌えなどというのは心が張り裂ける思いだった。
ウタもそれを汲み取ったのだろう、嫌な顔をしながら、コックリと首を縦に振った。何があってもヤマトが守るという話だ。
「ケッ。なら良い。」
天竜人の付き添いでなければスパンダムもこんなところには来たくなかった。狂犬の巣穴に良い匂いを出した肉が歩いていくようなもの、いつ食らってもいいと言っているようなもの。
自分可愛さで生きているような
そのための保険の海軍大将青キジだった。
先の戦いではまんまと退いてしまったが今回は違う。いくら強い天帝でも、自分の領地を滅ぼすような真似はしないとスパンダムは思っていた。
「では、そのライブ会場に案内してくれ。」
「しょ…承知しました。」
歯切れの悪い声でゴードンはそう言った。
ハンコック編といっても過言ではない。
ゴードンさんは不遇ですなぁ…。
チャルロス聖は因みにぶっ飛ばされたことを忘れてるわけじゃないです。ただ、エレジアなら暴れないだろうというロズワードからの入れ知恵です。まぁ、RED本編でも聴きに来てたしね。
それでは。
スッ…
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ヤマト
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ウタ
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モネ
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シュガー
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レイジュ
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スムージー
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ビビ
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ハンコック
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うるティ