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…エレジア、ライブ会場。
ウタは閑静なそのライブ会場に初めて…つまらないと思っていた。
『君の歌声に満足してもらえれば、妙なことにはならない。すまないが、歌ってはくれないか。バンドラくんが暴れぬよう…彼にこの街を壊させないよう…歌ってくれ。』
「…ずるいじゃん。ゴードン。」
ライブ会場で息を吸い、吐くウタ。
…天竜人はウタとて好きじゃないが、歌に罪はない。歌って満足してくれるなら、これほど平和的な解決方法はない。
「大丈夫かい?ウタちゃん。」
金棒を持ったヤマトとスムージー、それとレイジュがウタを見ていた。ウタはにっと微笑む。
「うんっ。大丈夫。いつも通り歌うだけだし。」
「そっか。」
ヤマトもその笑みにふっと口元を綻ばす。スムージーとレイジュは遠くを見ていた。
「四皇の娘さんはどう思うの?…彼と天竜人があったら。」
レイジュのその問いにスムージーが顎を指で触り、刀の持ち手を触っていた。
「まず間違いなく、エレジアは無事ではすまない。ここまで復興したが、天竜人に手を出せば問答無用でバスターコールだ。」
「その程度なら彼一人で行けるわ。」
「だろうな。私とカタクリ兄さん、カイドウの娘も、海賊女帝もいる。戦力としても申し分ない。…だが、エレジアの立場としては別だ。」
…腕を組んでそう言うスムージー。
レイジュもそうね…と言葉を交わす。
「いつものように手当たり次第、天竜人を攻撃しても意味がない。結局、その借りはバンドラではなく、エレジアとゴードン閣下に返ってくる。それだけならいいが、万国はママの力があるから良いとして、他の…人員を出している国は危ういぞ。」
…ジェルマは場所が分からず、万国はビッグマムを相手にしなければならない。しかし、アラバスタと女ヶ島は別である。
バンドラが天竜人に手を出したことにより、バンドラとハンコックの七武海を剥奪すれば、それにより、ハンコックのいない女ヶ島を総攻撃される。アラバスタはアラバスタで目の敵にしている天竜人に甘い餌を与える結果となる。
「…となれば、ビビ王女にも被害がいくわ。」
「天竜人が歌姫の歌で満足するのならそれでよし。…だが、果たしてそうなるか。」
そんなスムージーの危惧に重なるかのようにライブ会場にはゴードンとゴードンが連れてきた天竜人が立っていた。
「…海軍大将は外で待つか。」
スムージーの目がギロリと睨む。
その奥には耳栓をつけ、どこかに電話をする青キジの姿があった。
「着きましたよ。センゴクさん。エレジアに。」
『…そうか。クザン。天竜人が歌姫の歌を聴き、満足すればいい。それ以上の愚行は止めろ。』
「後半は聞かれちゃまずいでしょ。…でも、その通りだ。」
そう言ってクザンは後ろを向く。
その方向にはウタの歌をウキウキで待つチャルロス聖とシャルリア宮、そして、遅いと豪を煮やすロズワード聖の姿があった。ちなみに彼らがライブ会場に来てから5分も立っていない。
「歌姫はまだか。」とゴードンにスパンダムが詰め寄る。
「ふぅ。…行ってくるっ!!」
そう言ってウタは晴れやかな顔をして、そのままライブフロアへとゆっくりといった。
「外が騒がしいのう。」
「動くな。」
一方、エレジア城内。
バンドラはしっとりと湿ったハンコックの艶やかに光る黒髪を乾かしていた。
「其方の能力は便利じゃ。タオルで拭く必要もないから、髪が乱れる必要もない。妾の専属髪乾かしとして雇ってやってもいいぞ?」
振り向き笑うハンコック。
バンドラは歯牙にもかけず、はいはいと平手返事をしていた。
「…しかし、ゴードン達はどこ行った。シュガーとモネも居ねえ。」
「見聞色で見れば良いじゃろう?」
「流石に人が多すぎてなぁ。ウォーターセブンでも感じたが、どうやら切り替えが苦手らしい。」
頭の後ろを掻き、恥ずかしいように笑うバンドラ。その様子にハンコックは口元を手で押さえ…。
「あははっ♪なんじゃ、それは。其方にも弱点があるのか?うふふっ。」
笑っていた。
コロコロと鈴のような声で少女のように笑うハンコックを見て、バンドラも口元が綻んでいた。
「そりゃあ、あるだろ。俺も人間だ。」
「妾はないぞ?妾は完璧で麗しく美しい「ご飯の用意しよ〜。」話ぐらい聞いてくれても良いじゃないか!?」
自信満々に言っていたハンコック。バンドラが無視をしようとするとすぐにバンドラの袖を掴み、焦ったように早口になる。バンドラは冗談だと歯を見せて笑うと、ハンコックは取り繕うようにプイッと後ろを向いた。
「くだらぬっ!!妾を虐めて楽しいかっ!?」
「そう言うつもりは…「バンドラさんッ!!」…ビビ?」
トタトタとバンドラの方へ走ってくるビビ。その顔は焦っていた。バンドラとハンコックはそんなビビの方を見る。
「どうしたんじゃ?そんなに慌てて、一国の王女としてはした無いぞ?」
「大変よッ!?エレジアに世界貴族…天竜人が…!!」
「「ッ!?」」
その言葉を聞いて、バンドラもハンコックも目を見開く。バンドラにとっては盲点だった。まだ音楽の国と呼ばれ、美しく人も多かった元のエレジアなら世界貴族の往来も納得がいく。しかし、今のエレジアには居住方ライブ会場以外何もない。
「…何が目的だ。あのクソども。」
「くそっ…そんなこと言っちゃダメですよッ!?消されちゃいますッ!!」
「いいから。何が目的なんだ?」
バンドラはビビの肩を持って優しい声でそう言った。ビビはゴクリと生唾を飲む。
「歌姫様の歌が目的らしいの。」
「…なるほどな。ウォーターセブンのあれをやってもまだ懲りてないのか。はんこ…。」
「…てん…りゅう…びと…。」
バンドラがハンコックの方を向くとハンコックは地面にへたれこんでいた。顔はまるで絶望したかのように放心していた。バンドラがハンコックの元へと駆け寄る。
「大丈夫か!?ハンコックッ!?」
「…ダメじゃ…。妾はもう…誰にも…。」
小さくそう言うとハンコックは目に涙を浮かべる。バンドラはそんなハンコックに驚きながらも、彼女の頭を撫でた。ハンコックはそんなバンドラの服をぎゅっと掴む。
「頼む…天帝…。妾を一人にしないで…。」
「…あぁ。」
小さく震えるハンコックをバンドラが優しく抱きしめる。
「…妾はまた…支配されてしまうのか…?あやつらはまた…妾を…。嫌じゃ…!!妾はもう、誰にも支配されとうないッ!!」
ハンコックの頭にあるのはあの苦痛の日々。
世界貴族に無数の恥辱を与えられ、無理矢理、悪魔の実を食べさせられ…。そのトラウマが呼び出される。ポロポロと泣き崩れるその身体をバンドラは優しく支える。
「大丈夫だ。奴らはお前のことなんて覚えてねえ。奴らにとって奴隷は変えの利く道具だ。…お前を連れ戻そうなんてしねえ。するんなら、政府に駆け寄ってる筈だ。お前は七武海なんだから。」
「…ぐすっ…妾は…ひっぐ…。」
「俺が絶対そんなことさせねえから。大丈夫だ。」
優しい声でそう言うバンドラにハンコックは力強くぎゅっと抱き返した。そして、海賊女帝は…まるで幼子に返ったかのように泣きじゃくった。バンドラはそんなハンコックの頭を優しく撫で続ける。そうして、ひとしきり泣いた後に、バンドラはハンコックの身体から手を離した。
「…それじゃあ、行ってくる。」
「わ、悪かった…のう…。引き止めたり…して。」
少しバツが悪いようにそう言うハンコック。バンドラはふっと微笑む。
「わかってるって。また泣きたくなったら、いつでも胸貸すぜ?」
「な、泣いてなどおらぬッ!!泣いてなどぉ〜っ!!」
顔を真っ赤にしてうぅ…と悶絶するハンコック。その様子を見てバンドラはハハッと笑っていた。
「…バンドラさん。」
「…何もアイツらがしてなければ、俺だって何もしねえ。だが、ウタに…ヤマト達に何かあれば…。」
心配するビビの前でカチャリと狂骨を引き抜くバンドラ。その顔にビビは一抹の不安を覚える。…この人は何かあれば、あの人たちを殺す気だと。
「ダメですッ!!バンドラさん、貴方が手を血に染めたら…アイツと…同じになってしまうッ!!」
ビビはバンドラの腕を掴んで心配そうな顔でそう言った。バンドラは少し驚いた顔になるや、ふっと口元を綻ばす。
「大丈夫だって。要は向こうさんが何もしてなければいいだけの事。俺は手を汚さなくて済むんだから。」
そう言ってバンドラはビビの手を優しく解く。
そのまま左手を首にやり、コキコキと動かし鳴らす。そのままバンドラは振り向く。
「…死地に行くわけでもねえが行ってくる。」
「必ず戻って参れ。待っておる。」
「りょーかい。」
そう言ってバンドラはエレジア城を出て行った。
…次回は修羅場でござる。
というか、この後を書くのがすごく楽しみ。多分、本気同士のぶつかり合い。あと、カッコいいゴードンさん。…では。
スッ…
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ヤマト
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ウタ
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モネ
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シュガー
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レイジュ
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スムージー
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ビビ
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ハンコック
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うるティ