燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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今回は素直にこんなもんで。


第148話

…新世界、とある島。

火山が近いこともあってか、温泉が有名で呉服店もいくつかある。その温泉街は男女の散歩にはちょうど良いだろう。バンドラとビビはとある場所にドッグを借り、二人っきりでルエノルーヴ号を止めて来ていた。船無しで来れたのは海列車と呼ばれる水上を線路で走る列車が通っているからである。

 

「わぁ…!!」

 

ビビは目を輝かせ、その様子を見ていた。

彼女の中にまだあるお転婆な部分が作用しているのか、バシッとバンドラの手を掴むビビ。

 

「行きましょっ!!」

 

「え?…あぁ。」

 

バンドラはふっと微笑むとビビがそのままバンドラの手を握り、走って行く。人並み掻き分けて、呉服店に入る。

 

「うーん。どれがいいですかね?」

 

「…俺に服を聞くな。」

 

「いいじゃないですか。折角、二人でいるんですし、バンドラさんも楽しみましょうよ。ほら、どっちが良いですか?」

 

歯を見せてニヤリと笑うビビ。その手には二つの服を持っていた。とはいえ、バンドラにわかるはずもない。何方もただのジャケットである。違うのは色だけだろうか。

 

「えぇ…?元がいいからどっちも似合うだろ?」

 

「まぁ。…それは嬉し…じゃなくて、真剣に選んでください。」

 

はぐらかそうとするバンドラ。しかし、流石に我慢の限界なのか、ビビはプクッと片頬を膨らませて、バンドラを睨んでいた。バンドラはささっとセットしただけの髪を後ろを掻き、ため息をつく。…敵わねえ、と。

 

「んじゃあ、そっち。」

 

「あら、奇遇ですね。私も良いなって思ってたんです。」

 

「…じゃあ、なんで俺に聞いた。」

 

ため息混じりにそう言うバンドラにビビが歯を見せて笑う。

 

「誰かと一緒にショッピングなんて、ルフィさんと居た時ぐらいなので。基本は侍女とかイガラムとかが用意してくれてるんです。用意してくれた服を用意してくれたままに着る。そんな毎日でした。…別にそれが悪いってわけじゃないんですよ?でも、今がとっても楽しいんです。」

 

年相応の笑みを見せるビビにバンドラはふっと微笑んだ。ビビとて年頃の女の子。ショッピングの一つもしたいだろう。

 

「じゃ、次は…。」

 

「おいおい。搾り取る気か?」

 

「ええー。ダメですか?」

 

「いいや。金は余裕ある。意地悪で言っただけ。」

 

そう言って歯を見せてニヤリと笑うバンドラ。ビビはそれにもうっと少し怒ったような仕草を見せるが、すぐさまに服選びに戻る。

 

「つーか、そんなチンケな変装で、よくもバレねえもんだな。」

 

敢えて何かは隠すバンドラ。

ビビは服を選びながら、そうですねと言葉を添える。今のビビは髪を束ね、伊達ではあるものの眼鏡を掛けただけ。普通ならバレても仕方ない。アラバスタ王国の王に娘がいると言うのはそれほど知られていないのだろうか…ともバンドラは思っていた。

 

とはいえ、面倒ごとが回避できたのは僥倖である。

 

「それじゃあ、次はこれとこれっ。」

 

「なんじゃそりゃ。どっちもおんなじなんじゃねえの?」

 

「おんなじじゃないです。こっちは緑色。こっちは白色のワンピースですよ?生地も若干厚さが違いますし。」

 

「…ワンピースって聞くと色々ややこしいんだが。…じゃあ、こっち。」

 

…これが幾らか続く。

ビビが適当に…お眼鏡にかなったものを取り、バンドラがその二択を選ぶ。しかも、どれもビビの選んだものと同じだと言う。服屋から出る頃にはビビの持つ紙袋はパンパンだった。

 

「すみません。たらふく買っちゃって。」

 

「いいさ。ウタよりはマシだ。あいつ、容赦ねえんだから。」

 

どうせ、バンドラは何にも使わないんでしょ?と散財するウタの図がバンドラには鮮明に映っていた。ビビがそうなんですか?とくすくすと笑っている。

 

「まぁ、大事な歌姫だから仕方ねえけど。…で?次はどこへ行こうか。」

 

「うーん。私もノープランだからなぁ。」

 

ビビが顎に指先を当てて、考える。

するとくぅ…と可愛らしい音が聞こえてきた。ビビの方を見れば、ビビが顔を真っ赤に染めて、お腹を押さえているのが見える。時間は昼時。仕方のないことではある。

 

「…それじゃあ、飯にするか。」

 

「うぅ〜…。すみません。はしたない…。」

 

「良いって良いって。」

 

…今に始まった事ではないとは口が裂けても言えないバンドラ。適当な飯屋を探し、そこへと入る。そこは王族が入るには上等なものではなかったが、一般的な大衆飯屋と言った具合の内装でそこそこ混んでいた。

 

腹拵えを終え、大衆飯屋を出る。

 

「あっ。」

 

ビビが声を漏らす。目の前にはクレープだろうか。食後の甘味を欲していたビビにはちょうどいい。

 

「…欲しいの?」

 

優しく聞くその声にビビは顔をほのかに赤くし、ゆっくりとコックリと小さく頷く。

 

「や、やっぱりダメですよねっ!?それに、ふ、太っちゃうし…!!」

 

ビビは顔を赤くして取り繕うように笑う。

バンドラは少し顎に手を当てて、小首を傾げるとそのまま目の前のクレープ屋を目指して、歩いていった。

 

「ちょ…ちょっと?バンドラさん?」

 

「いや、俺も食いたくなって。」

 

バンドラはシャンクスと比べても大食漢な方。下手な嘘だったが、別に信じられる方であった。ビビは少し驚いたように口を開けるも、直ぐにほのかに笑い、バンドラの左腕にギュッと抱きつく。

 

「おいおい。良いのかよ。」

 

「良いですよ。…チューも…しちゃいましたし…。変に意識しちゃうじゃないですか。」

 

「…はぁ。お前らから見たらオッサンだろうに。」

 

そう言ってクレープ屋へと入るバンドラとビビ。各々、クレープを買い、そのまま店を出る。

 

「わぁぁ…!!」

 

ビビは紙の部分も合わせれば、自身の顔より大きなクレープを見て、目の色を変えた。キラキラと輝くその目にバンドラはクスッと笑う。そのままビビもバンドラもかぶりつく。クリームの甘さとチョコレートの甘さが入り混じって、塩っぱい口を甘さが上書きしていた。

 

バンドラがビビの方を見れば、ベリーソースのかかった同じものを舌で確かめるように食べている。その口にホイップクリームが付いているのをバンドラは見つけた。ビビの口元を指で掬い、ひょいっと口の中へと入れる。

 

「んもうっ。…バンドラさんの方、一口ください。」

 

「さっき、太るだとか言ってなかったか?」

 

「うっ…!?…もうここまで来たら良いんですぅ。」

 

などと言い、バンドラの差し出したクレープのバンドラが齧った上から齧るビビ。頬を膨らまして、モキュモキュと食べる姿は小動物のようだった。ゴクリとクレープを飲み込むとそのまま顔をそっぽに向けて、バンドラへビビはクレープを差し出す。

 

「どうぞ。」

 

「なんか怒ってない?…まぁ良いけど。」

 

そう言ってビビのクレープに上から齧り付くバンドラ。やはり年頃、チラチラと間接キスを気にして、バンドラの方を見る。

 

「美味いな。…なんだ?今更、気にしてるのか?」

 

それがわかってか知らずか、バンドラはニヤリと笑い、ビビを見る。ビビは顔を真っ赤に染めて、コックリと頷いた。…少し温かい温泉街が天まで登った陽の光に照らされて暖かくなる。

 

「…だったら、またしてみる?」

 

「…えっ。」

 

バンドラはビビの顎を上げて、ふっと笑う。

何をされるかわかったビビは目を閉じて待つ。バンドラはその口にそっと唇を合わせた。ほのかに香る甘い匂いにクラクラとしそうになる二人。

 

「…あんまりチュッチュッしすぎると、お父様に言い付けますからね。」

 

「おおい、それはないだろう。」

 

笑いながらそう言うバンドラ。

ビビは照れながら、メガネを直していた。




そろそろ空島終わりでいいんかな?
ロングリングロングランドがあるからアレなんだけどウォーターセブン、頂上戦争でかなりイチャイチャ書けんくなる気がする。貯めといてもいいような…でもバトルも書きたいんよなぁ。どうしようね。モネ、シュガーはやっちゃったし。(実はモネで1話考えてあるとは言えない。ウタちゃんでも良いけど心抉るようになっちゃうけど。)

こんな時に便利なキッドさんあたりでも出すかなとか思いつつ。

では。

スッ…

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  • モネ
  • シュガー
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  • スムージー
  • ビビ
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  • うるティ
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