燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第150話

「つーわけで、またウォーターセブンまで行くぞ?」

 

食卓を囲むバンドラ達。

バンドラはモネの作った和食を食べながらそう言った。最初は能力に不慣れで凍ってかちんこちんになっていたこともあったが、今では味付けも優しく少し歳のいったゴードンまでが楽しく食べられていた。

 

バンドラの声に耳を傾ける全員。

特にウタは少しムッとした顔になっていた。

 

「ワンちゃんと一緒に海を回るの、これで最後?」

 

「場合によっちゃあな。」

 

「なんでよっ。まだ乗れるじゃない。」

 

その言葉に反応するようにヤマトが首を縦に振る。バンドラは湯気立つ湯呑みに口を近づけ、お茶を啜りながら、その二人を見た。

 

「…そうさなぁ。例えば、竜骨とかそういう部分にゃまだ傷ついちゃいねえが、一回船大工、通しとかなきゃな。ほら、船飛ばしたりとか何回も往復したりとかして船底の方も見てもらわねえと何があるかわからねえ。」

 

「でもさぁ。」

 

「…アイツとしても俺たちを乗せたまま沈むのは勝手にぶっ壊れるよりも悲しいはずさ。それに乗り捨てると決まったわけじゃない。少し傷ついたから見てもらうだけだ。」

 

穏やかな声でそう言うバンドラ。

まだ納得の言っていなかったウタの頭を優しく撫でる。ヤマトはそれもそうだねと猫舌と格闘しながら、湯呑みに口をつけていた。

 

「それで何人か連れて行くつもりだが…誰が行く?」

 

そうは言うものの、大体、バンドラの予想通りだった。着いていくと宣言したモネとウタ、ヤマトは勿論。そこにレイジュが手を上げた。

 

「珍しいな。どうした?」

 

「…さぁね。弟の近況でも知りたいのかしら。」

 

「会えるとは思わない方がいい。」

 

くすくすと笑うレイジュにバンドラがそう言う。

 

「勿論、妾も行くぞ。」

 

髪を耳にかけ、そう言うハンコック。

バンドラはもはや、何を言ってもハンコックは聞くまいと諦めていた。

 

「私は残ろう。エレジアに誰も居ないのは不味いからな。」

 

「私も残る。お姉ちゃんは任せた。」

 

「そうか。…ビビは?」

 

バンドラはビビの顔を見てそう言った。

立場上、ビビはエレジアを出られない。しかし、ビビは国政を学んで欲しいというコブラの意向で来ている。国とは違うが、バンドラは新たにウォーターセブンの市長となったアイスバーグの考えも聞いて欲しいと思っていた。

 

「…私は…。」

 

ビビの顔が思案に暮れる。

アラバスタのことを考えて不安なのだろう。

 

「ウォーターセブンを見て損はないだろう。アラバスタに何かあれば、すっ飛べる準備はしてある。…どうだ?」

 

「…わかりました。確かに見聞を広めるのは良いことですしね。」

 

ビビはそう言ってニッコリと微笑む。国民のことは心配だ。しかし、チャカやイガラム、ペルだってアラバスタにいるし、何かあればバンドラが行ってくれる。とてつもない安心感があった。

 

「それに妾と天帝がアラバスタに絡んでいることは新聞として世に出ておる。余程じゃなければ、狙うことはないじゃろう。」

 

「そうですね。ありがとうございます。」

 

「…しゃあ、行くかッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…偉大なる航路、とある島。

 

「畜生ッ!!麦わらの野郎、空島まで行きやがったッ!!」

 

大柄で無精髭を生やした男が船を修理しながら、叫んだ。でっぷりと出た腹が彼の欲望の深さを表しているかのよう。その姿は海賊らしい海賊とも言える。…白ひげ海賊団船員兼黒ひげ海賊団船長『マーシャル・D・ティーチ』がそこにはいた。

 

「あぁ…あの…マグロ…とかいうやつ…。ドフラミンゴと…会ったってよ…。」

 

「ゼハハハッ!!そりゃ、本当かッ!!」

 

馬にもたれかかる顔色の悪い男がティーチにそう言う。ティーチは嬉しそうに笑っていた。…先ほどと歯の数や位置が変わったように見えるのはきのせいだろう。

 

「ヤミヤミを手に入れた時にゃ、運がこっちに向いてきたと思ったが、まさか、ウタウタとワザワザなんて凄え実の能力者に出会えるとはなぁ。奴らの実を手に入れりゃ敵無しさ。」

 

「ウィハッハッハッ!!船長、ウタウタのどこが強えんだよッ!!」

 

チャンピオンベルトをつけた筋骨隆々の男が大声をあげて笑った。両手に大きな木を持ち、せっせこと船を直している。ティーチは不敵にニヤリと笑った。

 

「馬鹿野郎ッ!!…ウタウタの実の真骨頂を知ってるか?どっかに眠るとかいう魔王を蘇らせ、意のままに操ることが出来る。その魔王は古代兵器並みの力だそうだぜ?海賊にこんなにいい実はねえだろうが。」

 

「…これもまた巡り合わせか。船長。次はそれを狙うので?」

 

長い銃身を誇る銃を持つ男がティーチに聞く。中世の学者のような帽子を被り、モノクルを右目につけている。ティーチは船を釘でせっせこと直しながら笑っていた。

 

「ゼハハハッ!!そうさ。海軍の手土産に持っていこう。しかし、歌姫だけじゃああれだろう?だから、麦わらのやつも手土産に持っていこうぜ。数は多い方がいい。」

 

「…船長。マグロディズマさんがあまり軽率な行動は控えるようにと。」

 

「あぁ?心配しすぎだろ。リスト。」

 

ティーチは横目でその人物を見る。

そこには樽に腰をかけた痩せこけたクマのひどい男…リストがいた。青に見える銀髪をバサリと耳にかける。

 

「テメェらは3人で天竜人の船を襲い、天竜人と政府の要人を殺した悪党どもさ。それに俺がついたんだ。鬼に金棒だろうがよ。」

 

「…慢心は控えるようにと。ティーチ船長の悪い癖ですので。」

 

「ゼハハハッ!!心配するな。念には念をというやつだ。」

 

リストはため息をつき、酒をガブガブと飲む。

そのこめかみに銃が付けられた。相手は先程のモノクルをつけた男、ヴァン・オーガーだった。

 

「…やめてください。死んでしまいますよ。貴方が。」

 

「船長を侮辱する者には死を。全ては運命のままに。」

 

長く伸びた爪を器用にサーベルで整えるリスト。オーガーは銃を下ろし、再び、船の修理に出た。

 

「ゼハハハッ。テメェには期待してるぜ?」

 

「御冗談を。貴方が期待しているのは私らではなく、能力でしょう。」

 

「そんなことはねえよ。悪魔の実は十中八九弱くはならねえ。それだけのメリットがあんだよ。テメェもそうだろう?スミスミの実の炭化人間。触れたものや自身の身体を炭にする能力。一見弱そうだが、極めれば強えだろ。エースの野郎みてえにただ殴ってくるわけじゃねえしよ。」

 

陰湿なテメェに似合ってるぜとティーチはリストに返す。リストは深い金の目で前を見た。そこには自身を追ってきたであろう海軍の姿があった。

 

「チッ。懸賞金もかかってねえ俺たちを狙ってくるとは、暇な奴らだぜ。」

 

「…私が出ましょう。」

 

ゆらりと立ち上がり、前へと歩いていく。

リストは髪を掻き上げ、手に持ったサーベルの刃を舌で舐める。

 

「そこにいる海賊ッ!!貴様を取り締まるッ!!…ッ!?貴様はマリオネット海賊団副船長『闇狩り』リストッ!?」

 

「あらあら。軍隊様。…お揃いで。我らが船長の邪魔、しないでもらいましょう。」

 

そう言うリスト。

その異様な姿に海軍の兵隊が銃弾を放つ。

 

しかし、武装色も纏っていない銃弾。リストは身体を炭化、黒煙にし、それを全て避けた。

 

「…『炭万鱗(タンバリン)』」

 

その焼け焦げた銃弾がリストの体から前に飛んでいく。

 

海軍の兵隊の幾らかが被弾。

 

「う…うぁぁぁぁッ!?」

 

その傷口から燃えるような痛みが走る。ジワジワと痛みが広がり、音も無く、海軍の男の身体が炭になっていく。…それは風にそのままさらわれた。

 

「ぐっ…!!『剃』ッ!!」

 

率いていた男が刀を抜き、前へと飛び出る。

 

一軍隊を率いる男。流石に武装色を纏えるレベルだった。

 

リストはにぃっと悪魔のように笑い、左拳を握る。

 

「船の修理中故、お戯を…!!『炭爪(タンクロー)』」

 

ガッと拳を開き、爪を突き立てる。

 

そのまま大ぶりに引っ掻くように振るうが、前の男はそれを間一髪、身体を逸らして避け、リストの身体を刀で薙いだ。

 

リストの体から血が飛び散る。

 

「チッ!!芯は外しよったか…!!」

 

「これでも私、海に生きる男ですので。簡単に首取られたら…ダメなのですよ!!」

 

「舐めるなよ、小僧ッ!!海軍准将フルエンとは俺のことだァッ!!」

 

ニヤリと笑うリスト。

 

フルエン准将は刀を振るおうとする。…しかし、その刀は次にリストの身体を捕らえることはなかった。()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 

「ムゥゥッ!?」

 

「…簡単なこと。私よりも弱い覇気は通用しません。…まぁ、その刀は元より寿命でしょう。では、あの世にて。『炭剣颪(たんけんおろし)』!!」

 

「ぐぁぁッ!?」

 

リストのサーベルが真っ二つにフルエン准将の身体を割く。

 

するとフルエン准将の身体が瞬時に炭化し、風に煽られ、消えて行った。

 

「じ、准将殿がやられたァッ!!」

 

「…やれやれ、無粋な。」

 

リストは瞬時に狙おうとするが、そうする暇もないほどの速度で残りの海兵を弾丸が襲った。

 

後ろを向けば、オーガーが銃口をむけていた。その銃口は煙を吐いている。

 

「ゼハハハッ!!テメェらさえ居れば安心だッ!!取っちまおうぜ?ONE PIECEッ!!」

 

ティーチはそう言い、大声を上げていた。




マリオネット海賊団(黒ひげ海賊団傘下)
船長:『人形遣い』マグロディズマ
能力:?(動物にしたい)

副船長:『闇狩』バンクロード・リスト
能力:スミスミの実の炭化人間
相手を炭化させたり、自分を黒煙にして避けたりすることが出来る。不思議な超人系。

船員:ソルト
能力:ホビホビの実
ショタ。ご存じ、触れた相手をオモチャにして、命令を聞かせる。その人物が居たという記憶を全ての人間から消す。あまりにも覇気の強い人間は少し違和感を感じるものの、それの答えを出すことはできない。

というオリキャラ軍団。
黒ひげがもし、ホビホビを手に入れたらというのを書いていきたい。マグロディズマも狡猾で凶暴な男だからね。強いと思う。オリキャラばかり鬼強化するわけじゃないです。バトル書きたいなぁ、早く。ワクワク。

それでは。

※いろいろ入ってなかったので改訂致しました。ぜひ。

ウォーターセブンの後※改訂版

  • ヤマト
  • ウタ
  • モネ
  • レイジュ
  • ハンコック
  • ビビ
  • ナミ
  • ロビン
  • カリファ

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