燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第154話

…ゴーイング・メリー号船内。

フランキー一家から盗まれた三億の内、一億ベリーを取り返した麦わらの一味が集まっていた。

 

ゴーイング・メリー号(大事な仲間)を直してやる為、金を守ったウソップは眠っていた。船員トニートニーチョッパーの治療が良かったのだ。

 

「…しっかし、帰らねえなぁ。ロビンちゃん。」

 

「ウソップが目を覚ましたぞッ!!」

 

チョッパーの声に甲板にいたサンジ、ナミ、そして、船長ルフィは笑顔で見る。

 

「あーあ、船に入っちゃった。」

 

近くの塔から双眼鏡で弟を見るレイジュ。

…久しぶりに見る弟は少し成長していた。少しどころじゃない。

 

「…サンジ。」

 

「いい顔するじゃねえか。レイジュ。」

 

紺色の甚平に身を包んだバンドラがお猪口を手に持って、ひとっ飛びでビルの屋上へと乗る。お猪口の酒は一切、溢れていない。母親のように優しい笑みのレイジュもそれを見て、少し深みのある笑みに変わった。

 

「弟なのよ。たった一人、大事な大事な優しい弟。」

 

「知ってる。…だが、何やら揉めてるようだな。」

 

「…そう。」

 

船が激しく触れている。

 

「まだ19よ?…間違いだって犯すわ。」

 

「18と17。…喧嘩を見ているお姉ちゃんと喧嘩している弟。こう言うと平和なようにも見えるが…全員が成長するのに必要な喧嘩になるな。まぁ、俺はロビンを見に来たわけだが。」

 

そう言って日本酒を飲むバンドラ。

レイジュはふっと微笑み、バンドラの手を握る。

 

「私の前で他の女の話なんていい度胸ね。…その女の子なら、今は居ないみたいよ。」

 

「…マジか。どんな顔で笑ってるか、見たかったのに。」

 

「…殺すわよ。貴方を殺して私も死ぬわ。」

 

「なんで。」

 

「貴方のことが好きだから。」

 

ジトーとした目でレイジュを睨むバンドラ。

レイジュはニコッと少女らしい微笑みを浮かべる。しかし、その目は深く濁っていた。

 

「今朝もご飯に毒を入れたのに効かないんだもの。ほんと、やになっちゃう。」

 

「怖えな。」

 

「私ね。ちょっぴり独占欲が強いみたいなの。一目惚れってやつかな。でも、私、仲間以外の子とイチャイチャする貴方を見るとね。…無性に殺意が湧いてくるの。動けなくして一緒にいた方が幸せなんじゃないかなぁって。」

 

「…おいおい。それと、出てくるぞ。」

 

バンドラが前に指を指す。

レイジュは前を見てぷくりと頬を膨らました。

 

「…邪魔してくれちゃって。やっぱり付き合う前に子ども作らないとダメ?」

 

「その話はあとでな。」

 

小首を傾げ、そう言うレイジュにバンドラがため息を吐きながら、レイジュの口を人差し指で塞ぐ。レイジュも少し不貞腐れたようにその指をパクッと口に含み、睨んでいた。

 

「モンキー・D・ルフィ…俺と決闘しろッ!!

 

…ウソップが叫ぶ。

傷だらけ、何をされたかバンドラにはわからないが。あの二人が喧嘩をする理由はわかる。恐らく、あの船のことだろう。

 

叫び、睨み合った末に、ウソップは何処かしらへと消えていった。

 

船上には静けさのみが残っていた。船長ルフィは静かに船室へと戻っていく。

 

「…どうした?」

 

「すごく辛そう。彼、あの船のことすごく愛していたのでしょう?」

 

「下手くそな継ぎはぎは長鼻の手腕だ。…相当、思うところがあるんだろうよ。」

 

そう言い、バンドラはタバコに火をつける。

 

「…しかし、嫌な予感がする。」

 

「嫌な予感?」

 

小首を傾げてバンドラを見るレイジュ。

バンドラは胡座をかいて、タバコを蒸す。

 

「前にあったんだよ。ロビンとウタが攫われたとき。あの時ゃ、俺がボコボコにして助けたが…雑魚しかいなかったしな。世界政府が狙ってるとして、0なんか出てきたら厄介だ。」

 

「0?」

 

「海軍にいた時の入れ知恵だよ。」

 

大体は政府嫌いのガープがバンドラへと教えてくれたことだった。ここに来るときに感じた違和感は潜入捜査か何かのやつかと…少し思う。確証はない為、妄想にとどめるバンドラ。

 

「…ならば、此方も一手先へ行くか。」

 

「何?一手先って。」

 

「もしも、0に関わらず…例えば、政府に殺人許可が降りている9あたりが出てきた場合、ロビンをただで置いとくはずがない。」

 

そう言ってバンドラは仮面をつける。

いつもの鬼の仮面。ヤマトのではなく、自前の黒と赤の仮面である。

 

「…賭けにゃなるが、CPに潜入してみるか。」

 

「大丈夫?相手はその手のプロよ?」

 

「『霧害(ミラージュ)』」

 

周りに霧を発生させてそれを纏うバンドラ。

バンドラの姿は変わってないが、レイジュは若干の違和感を感じた。

 

「よほどの強者じゃあねえと見破れねえ。見聞阻害の効果がある。念には念をってやつだ。」

 

そう言って霧害を解くバンドラ。

フワッと来る温かい水蒸気のようなものにレイジュは目を閉じて、目を守る。

 

「本物じゃあねえから、大丈夫。髪が濡れたり、乱れたりはしない。」

 

「別に気にしてないわ。ただ、あの子たちのためになんでそこまでするの?」

 

「…別に俺はアイツらの親父じゃねえし、兄貴じゃねえ。保護者じゃねえんだから、心配もしねえし助力もしねえ。ただ結果としてそうなってるだけだ。」

 

「…。」

 

「海に生きる者たちにかける同情は無し。惨めなだけよ。…さてとあの美人秘書様、問い詰めますか。」

 

そう言って立ち上がるバンドラ。

…微かに海原を撫でる風がバンドラの髪を動かす。

 

「見ていかないの?貴方がいると知ったら彼ら、貴方に助けを求めるわよ?」

 

「…いい性格してらぁ。素直に弟が心配だって言ったら良いだろ。」

 

「別にそう言うんじゃないわよ。…嬉しいじゃない。()()の弟が成長する様は。」

 

バンドラはその優しげな様にふっと微笑む。

 

「…酷いやつだな。他は人間じゃないって?」

 

「私含めて、半分はね。でもあの子は心まで人間よ。」

 

…そう言うレイジュの頭を一撫でするとバンドラはその場に立ち上がった。チャポンっと猪口の酒が波打ち、静けさを取り戻す。…まさに明鏡止水。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…数時間後。

一番ドッグは騒然となる。メリー号の甲板では、静かに見るゾロとサンジ。心配そうに見るナミとチョッパーの姿があった。

 

「…お前ら、船から降りてくるなよ。」

 

船長麦わらのルフィが船から降りる。

 

バンドラとレイジュはその様子をビルの屋上から見ていた。なにやら叫びあっているものの、怪我も相まってどちらが勝つかは明白のように見えた。

 

「俺にはッ!!8000人の部下がいるッ!!命が惜しけりゃ降参しろォッ!!」

 

「お前にそんな部下がいねえことぐらい知ってるッ!!」

 

その言葉と共にルフィが前に出る。

 

…しかし、突如、ウソップがうずくまった。口から赤い何かを吐いたのだ。

 

「…必殺『ケチャップ星』…なんだ?敵に同情か?閃光貝(フラッシュダイヤル)ッ!!」

 

「うわぁぁッ!?」

 

ルフィの目を閃光貝の光が貫く。

目眩しだ。まともに喰らったルフィが目を腕で覆う。すかさず、ウソップは彼のアイデンティティでもあるパチンコを取り出した。

 

「必殺『卵星』ッ!!」

 

「うわっ!?クセェ…!!腐ってるッ!?」

 

腐卵の香りがルフィを襲う。

真面目にやれと激怒するルフィ。

 

「これが俺の戦闘だッ!!そんなに口を開けてると火傷するぜッ!!『タバスコ星』ッ!!」

 

「うっぷっ!?辛ェェッ!!」

 

口から火を吐き苦しむルフィ。

のたうち回り、その身体は倒れるが下にはすでにまきびしが設置されていた。それに露出した肩は突き刺さり、血を流す。

 

誰が見てもウソップのペースだった。

 

「お前を倒して、メリー号は貰っていくッ!!どんな手を使ってでもなッ!!」

 

「うぅ…ゲホッゴホッ…臭えし辛えし…痛ぇ…!!」

 

「言ったろッ!!俺はお前に効かない攻撃はしねえぞッ!!一瞬のスキも与えねえッ!!必殺『手裏剣流星群』ッ!!」

 

ウソップのパチンコから手裏剣が飛ばされる。

 

その攻撃をルフィは避けるが…周りに何かが充満しているのに気づいた。

 

「え?煙?」

 

「ハァ…ハァ…風貝(ブレスダイヤル)だ。卵のせいで気づかなかっただろ…そこにガスが充満しているなんて。」

 

「悪りぃな。喰らえッ!!必殺『火薬星』ッ!!」

 

その火の攻撃はガスに着火し、爆発を起こした。

メリー号の船体が大きく揺れる。

 

バンドラたちのいたビルまでその爆風は届いていた。

 

…爆炎が止んだ船上には血だらけのルフィが天を眺めて、倒れていた。何か思うところもあるだろう。

 

…メリー号にかかった海水が顔からポタポタと落ちた。

 

もう戦うのはやめろとメリーが泣いているかのように。




ここのシーン好きだわ。原作でも。
ちょっと次回に持ち越しますね。では。

ウォーターセブンの後※改訂版

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