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「…やるわね。彼。」
「機転はよく利く。それで実力をカバーしてるんだろうが…いくらやっても虚しいだけじゃないだろうか。」
そう言ってバンドラはタバコを咥え、蒸す。
戦況は終盤戦。血の流す量的にバンドラの言うようにウソップの機転により、ルフィの方がやや劣勢といったところである。
「お前はこれくらいじゃくたばらねぇ…ハァ…知ってるぞ…ルフィ…!!必殺『サボテン星』ッ!!」
「ゴムゴムのォォ…『
ウソップの飛ばす弾にルフィが応戦。
拳の触れた瞬間、ウソップの球が弾け、棘を噴射した。
「うわぁぁッ!!痛えッ!!」
怯むルフィ。
しかし、ウソップもその一瞬を逃すわけがない。弾丸を懐から三つ取り出し、パチンコへ装填する。
「『三連火薬星』ッ!!」
しかし、ルフィも容易に食らうわけがない。
横へと転がり避け、拳を力一杯握り、固める。
「ゴムゴムォォ…『
「ぶはッ!?」
その拳がウソップの頬に直撃する。
倒れたウソップにすかさずルフィは仕掛ける。後ろに腕を力一杯伸ばし、その反動でウソップの腹を狙い、掌をぶつける。
「ゴムゴムのォォ…『バズーカ』ッ!!」
…しかし、ウソップもただでは食らわない。
ルフィのその一撃をウソップは
「『
「ッ!?」
ルフィの首がガクンッと後ろへ退く。
…その諸刃の剣の一撃。ウソップの包帯に巻かれた腕も激しく痛む。
「どうだッ!!畜生ォォッ!!」
「…ハァ…。」
…ウソップのその虚しくこだまする叫びをルフィは立ったまま聞く。見た目はボロボロ。血も流し、包帯が巻かれ、お互い戦うのは憚られるような…そんな格好にもかかわらず、喧嘩は終わらない。
お互いに、一緒にいた日々を思い出しながら。
ルフィは拳を力一杯固め、力一杯振るう。
「ゴムゴムのォォ…『
その拳はウソップの腹に直撃する。
…ウソップの口から血の混じった空気が…いや、もはや血そのものが吐き出された。
…反応は各々。ナミは言葉を押し殺し泣き、チョッパーは泣き叫び、未来の海賊王の両翼は黙って見ていた。
「…勝負アリだな。」
ゾロがそう言う。
ウソップは前のめりに倒れ、ルフィは膝から崩れ落ちた。
「馬鹿野郎…!!お前が俺に…勝てるわけねえだろうがッ!!」
ウソップは言葉を返さない。
ルフィは地面に置いてある麦わら帽子をつかむ。ナミが手で口を隠し、泣く。
「メリー号は…お前の好きにしろよ…。新しい船を手に入れて…この先の海へ俺たちは進むッ!!…じゃあな、ウソップ。今まで楽しかった。」
…そう一言呟くとルフィはスタスタと歩いて行く。
「ウソップぅぅぅッ!!」
「行くな、チョッパーッ!!」
ウソップの治療に乗り出すチョッパー。それをサンジが止める。
「ケンカやゲームじゃねえんだ。…“決闘”に敗けて、その上同情された男がどれだけ惨めな気持ちになるか考えろッ!!不用意な優しさがどれ程“敗者”を傷つけるか、考えろッ!!アイツはこうなることを覚悟の上で決闘を挑んだんだッ!!」
…その言葉の重みは違った。
チョッパーはウソップに駆け寄ることすら出来ないほどに。バンドラが横を見れば、レイジュも口元を隠し、声を押し殺して泣いていた。
「大丈夫か?」
そっとバンドラがレイジュの肩を抱き締める。
「…あの子だって…本当は助けてやりたいのに…。立派に育ったわね…サンジ…。」
「…優しいやつだ。」
「ええ…。どうしようもなく、優しいやつなのよ。」
震えるレイジュ。
バンドラは静かに成り行きを見ていた。
「…重い…!!」
「それが
…今まで発言をあまりしなかったゾロが口を開く。まさに厳格。その言葉に周りに緊張感が走る。その姿はまさに副船長の格だった。
「船を明け渡そう。俺たちはもう…この船には戻れねえから。」
その言葉にルフィも涙を流した。
「…これからあの子たち、どうするのかしら。」
「…さぁな。俺もすることをするとしよう。」
バンドラはずっと立ち上がり、ゆっくりと歩く。
レイジュはその後ろをついて行く。
「…私もついて行くわ。他の子たちじゃ難しいでしょ?」
「危険な旅路だ。それに面倒な話もいくつか来てる。」
バンドラがかちゃりと刀を触り、面に触れる。レイジュが小首を傾げて、バンドラを見る。面の下の顔は険しくなっていた。
「直感じゃあ、海賊遊撃隊がウォーターセブンに来てる。そこの隊長はただのジジイじゃねえ。」
「…どういうこと。」
「今のアイツらじゃ…間違いなく負ける。海軍の生ける伝説…黒腕のゼファーがこのウォーターセブンに来たって話だ。ビビと歩いている時に聞いた。」
「待って。ビビと歩いてるって何?デートしたの?私を置いて?」
…鬼気迫るような顔でバンドラに迫り寄るレイジュ。バンドラは落ちそうになりながらも、そのレイジュの肩を抱き、体から距離を取る。
「兎に角、俺はいるであろうCPに潜入する。」
「だから、それは私も…。」
「ダメだ。」
「なんで…!?」
レイジュの顔が険しくなる。
弱いだとかどうとか、そういう話ならば納得しないとレイジュの目が訴えていた。
「お前とビビ、それとハンコックとウタはダメだ。今後の国際問題が色々とめんどくさい。ハンコックならまだ良いだろうが、アイツは潜入に向いてない。」
「…じゃあどうするの?」
「まぁ、一人で行くのがベストだが…どうしてもと言うなら、モネかヤマトだな。ヤマトも問題に発展しそうだが、カイドウのオッサンなら世界政府ごと潰しそうだし。…とりあえず、一旦部屋に帰るか。」
そう言ってバンドラとレイジュはビルから飛び降りた。…が。そこにいたのは多数の銃口だった。
「…海賊遊撃隊か。」
バンドラは地面に向かって剣を抜く。その斬波は地面を穿ち、兵隊が倒れていく。
「…ふぅ。」
盛り上がった地面にスタッと降りるバンドラ。
バンドラに向けて銃口が向けられる。
「待ていッ!!」
今、引き金が引かれようとしたそのとき、それを静止する声が響いた。低く、威圧感のあるその声の主が…兵隊の群れをかき分けてきた。
「久々だな。バンドラ。…七武海の件、誠に申し訳なかった。非政府組織ではあるものの、海軍の代表として頭を下げさせてもらう。」
そう言って黒腕のゼファーが頭を下げた。
バンドラは仮面を外し、懐へと入れる。
「せっかく、潜入のために顔隠したのに…意味がねえじゃねえか。…アンタが謝ることじゃあねえよ。いろいろ聞きたいことはあんだけどさぁ…ここに何しに来たんだ?」
首を鳴らして、バンドラはゼファーの方を向く。
ゼファーはそれにニヤリと笑って返す。
「ここには海賊がよく来るんだろ?俺たちは海賊遊撃隊。海賊を倒し、捕まえるのが仕事だ。…此処には今、名を馳せているルーキーである麦わらの一味が居るはずだ。」
「…それで?」
その言葉にレイジュも顔を顰める。
バンドラは息をゆっくりと吐き、笑みを止めた。真顔でゼファーへと睨みを効かす。
「ほぉ。素晴らしい覇気だ。…この俺とやるのか?」
「アンタとはやりたくねえよ。だが、俺はアイツらに賭けてる。この腐った世界を終わらせられるってな。」
「買い被りすぎだ。あんな奴らに何ができる。海賊は悪だ。そう教え込んだはずだろうッ!!」
ゼファーの咆哮。
暴風の如き声と威圧がバンドラとレイジュを襲う。その後ろには忍者のような男と青髪の女が立っていた。
「一対一で行こうぜ。先生ッ!!」
「ちょっ!?」
「…ふむ。」
バンドラはそれを見て不利と考える。確かにバンドラ一人対多数ならまだやりようはいくらでもある。しかし、今回はシキの時とは違い、大規模な町…そして、人々はこのことを知らず、大義は一般的には向こうにある。
しかし、レイジュは納得がいかない。ゼファーは首を傾げ、ふっと笑った。
「なんだ?コイツらを案じてくれているのか?」
「俺も後輩を傷つけたくないんでね。」
ニヤリと笑ってそう言うバンドラ。
その様子にアインとビンズは睨みで返していた。
「…なによ。ちょっと会っただけじゃない。先ぱ…天帝ッ!!」
「モサモサモサッ!!律儀なやつよ。天帝。我々と戦うのが怖いと申すか?」
「そうじゃねえ。…お前らを傷つけるのが嫌なんだよ。」
そう言ってバンドラはふっと笑う。
バンドラの髪がふわりと上がり、周りに覇王色の覇気が放出される。アインとビンズの頬に汗がつーっと伝った。
「どうすんだい。先生。」
「ここまでされちゃあ仕方ねえ。…人に危害の加わらないとこでやるぞ。バンドラ。俺が勝ったら…俺の組織に入れ。お前なら俺と共に正義を実行できる。」
「…嫌だね。俺が勝ったら、麦わらの一味には指一本触れさせねえ。俺がやりたくてやってんだ。この面ァ立ててくれ。」
「…わかった。」
そう言って二人はウォーターセブンから人気のないところへと出て行った。
バンドラのバトル描写がこのままだとワンパン天国になるので、ゼファー先生にご登場願いました。次回、天帝vs黒腕です。
アインちゃんは歳的にバンドラさんと会ってないんだけどね。多分。バンドラが15で抜けたから、アインちゃんその時、8歳なのよね。まぁ、ゼファー先生と何回か会ってて、そこで色々話してるうちに先輩と呼ばれるようになったと思ってくださいな。流石に無理やりすぎるならやめます。
それでは。
ウォーターセブンの後※改訂版
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ヤマト
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ウタ
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モネ
-
レイジュ
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ハンコック
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ビビ
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ナミ
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ロビン
-
カリファ