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遅くなりましたがUA600000超えました。ありがとうございます。とても嬉しいです。これからも頑張りますので宜しくお願いします。
「…なんか、風が強くありません?」
アインは髪を掻き上げながら、そう言った。確かに先ほどと比べれば、南方から吹き抜ける風が強い。カリファも流石に短いスカートを押さえて、周りを見ていた。
「
「…高潮…か。」
「街の水位が引いた分来るのだけれど…今年は…。」
…バンドラの目には赤々と燃える炎が見える。崩れたガレーラの瓦礫には恐らくウォーターセブンの町長アイスバーグも居るだろう。
「…取り敢えず、アレ。」
バンドラが指を指したのは倒れるナミだった。人々が群がり、彼女を包囲していた。当たり前だ。目の前にいる女はアイスバーグを襲撃したとウォーターセブン中に触れ込まれていたからだ。…勿論、濡れ衣。その時はウソップとの喧嘩やらなにやらでそれどころじゃない。
「ちょっと良いかい?にいちゃんら。」
「…アンタは…七武海の…。ッ!?カリファさんッ!!」
「早くその女を助けなさい。傷だらけじゃない。」
カリファの一声に人々から動揺が走る。
しかし、カリファはナミを助けるように動いた。
「政府の諜報機関が、妙に優しいじゃないか。」
「ふっ。ここまで来たらトコトンよ。」
「なるほど…ねっ。」
バンドラはその場に座り込むと懐から救急箱を取り出す。ガーゼを取り出し、ナミの額から流れる血をポンポンと拭いとる。
「…手慣れてますね。」
「昔は一人で渡航してた。この程度のこと出来ないでどうする。」
…少し経ち、ガラガラと崩れた瓦礫の山が再び崩れ、中から二人の男を担いだトナカイが出てきた。
「…安心しろ。テメェもそこの二人もすぐ治してやる。俺は船医じゃねえけどな。」
「な…みを…治療…。」
「…軽傷だ。俺でも治療できる。大丈夫だ。」
「…そっ…か…。」
カランという刀の落ちる音と共に、トナカイ…チョッパーは倒れた。周りの人間達が更にざわめく。知らぬとは罪なるもの、なにが起こったかわからない人々は勝手言い始める。
「黙って早く手当てなさいッ!!アイスバーグさん達が死んでしまいますよッ!!」
『は、はいッ!!』
カリファの鶴の一声で皆が動き出す。血だらけ、火傷だらけのチョッパー。アイスバーグとガレーラの船大工であるパウリーは程なくして、包帯に巻かれた姿になった。
「…嘘も方便ですね。」
アインの鋭い目にカリファは黙って横を向いた。バンドラはニヤリと笑うと、ナミの頭を自身の膝に乗せて、上着を上にかけた。
「なぁ、カリファさん。なにが起こったんだ!?」
「…あの仮面の人たちがアイスバーグさん達を襲撃したの。ガレーラを壊したのは証拠隠滅。…麦わらの方達は死ぬ気で戦ってくれた。彼に私たちは濡れ衣を着せていたのよ。」
「…そんな…。あの仮面の人たちは誰なんだッ!?ルッチさんやカクさんは…!!」
「さあね。…ルッチさんとカクさんもどこに行ったかわからない。里帰りでもしたのかしらね。」
…吹き荒ぶ風にカリファの髪が撫でられる。
アインもそれが鬱陶しいように髪を耳に掻き上げた。
「ん…んんっ…。」
少し経ち、ナミが目を醒ます。
「…ここは…。」
「いつまでも寝てると風邪引くぜ?」
「バンドラさん…。」
ナミが上を向くとバンドラの優しげな顔があった。ナミはハッと目を見開くと、バンドラの肩を掴む。その顔は悲痛な表情を浮かべていた。
「バンドラぁ〜ッ!!」
ハンコックを乗せたヤマトが四足でバンドラの方へと走ってくる。ハンコックが背から降りるとヤマトは人型に戻る。
「そ、其方らこんな時になにをしとるんじゃッ!?」
「そうだよッ!!早く避難しないとッ!!」
「…高潮か。」
バンドラの落ち着いたその声にハンコックとヤマトは唖然とする。…もし、今この街が海水に塗れれば、能力者じゃない人間も確実に死ぬ。その為、普段は冷静なハンコックも慌てているのだ。
「…や、やけに落ち着いておるようじゃが…。」
「俺一人ならやりようはあるんだが…。規模がわからねえ。」
「マー、今回のはやばいだろうなぁ。」
…バンドラ達の意識外から声が聞こえる。そこには包帯まみれのアイスバーグが立っていた。立てるような傷じゃない。それに、アイスバーグはバンドラやルフィ達のような超人じゃあない。しかし、伝えなければいけないことがある。故に立っていた。
「誤解はカリファが解いてくれたみたいだな。」
「アイスバーグさん、ご無事で。」
カリファは嘘をつき続けると決めた。
カリファのその笑みにアイスバーグはこくりと頷く。
「バンドラ、それと…そこの女。…俺と共に来い。話がしてえ。」
アイスバーグの真剣な顔にバンドラとナミは頷く。ボクもと着いて行こうとするヤマトをバンドラが止めた。
「お前達はモネ達を救助してくれ。…あのホテルは下町だ。先にやられる。」
「マー、そっちの方が先決だな。早く逃げた方がいい。」
…もう一刻の猶予はない。
海は枯れ、波は力を溜め、岩をも砕かんとする大波が刻一刻と近づいているのだ。ヤマトは手をギュッと握り、首をこくっと動かす。
「わかった。モネ達はボク達に任せてっ。仲間は一人も死なせない。でも、ウタちゃんは一緒に救いに行くから。光月おでんであるボクとしては誰も見過ごすことは許されないんだッ!!」
熱を帯びたその視線にバンドラは優しくヤマトの頭を撫でる。
「…わかってる。ハンコック、指揮は頼んだ。」
「…ッ!?頼られた…!!わ、わかったっ!!妾に任せろッ!!…そつなくこなしてみせる。」
嬉々としてそう言いつつ、冷静さを取り戻したのか、髪をかき上げるハンコック。バンドラはそんなハンコックの頭に手を置いた。ハンコックは少しはにかむとすぐに鋭い視線をバンドラへと見せる。
「…じゃが、其方も無事に帰って参れ。妾らを置いて死ぬのは許さぬ。…待っておるぞ。」
「死ぬかよ。バーカ。波なんざ超えてやる。」
「ば、馬鹿っ!?…ま、まぁ?その意気じゃ。行くぞ。鬼姫。」
「う、うんっ!!」
ハンコックの言葉にヤマトが頷く。そんな二人を笑顔で見ながら、バンドラは後ろを向いた。バンドラの横をアインが歩く。
「…アイン?」
「逃げられても困りますので。全てはZ先生の為。貴方が逃げたら元も子もありません。」
「逃げねえよ。…逃げたくても逃げられねえ。ウタを攫ったやつは手足切り裂いて達磨にしてやる…。」
バンドラの視線が鋭くなる。
アインは知らないと前を向き直した。頭の後ろを掻き、バンドラはアイスバーグとナミに合流する。
「話はまとまったか。…じゃ、話を進めるぞ?」
アイスバーグはそう言うと地面にどっかと座る。
バンドラはナミの横に腰を下ろし、煙草に火をつけた。
…司法の島エニエスロビー。
別名『不夜島』とも呼ばれ、海賊は勿論立ち入ることは許されない。
「おい、本当にバンドラの野郎に借りを返せるのかよ!?」
…CP9の長官スパンダムは前にいた男をギロリと睨み、そう言った。スパンダムもバンドラに仕返しはしてやりたい。しかし、目の前で天竜人を殺され、その心は完全に折れたと言ってもいいだろう。…その問いに目の前の男は不敵に笑う。
「オホホ…ええ。我らが船長、マーシャル・D・ティーチは聡明なお方。天帝バンドラを一目見たときから彼の弱みは見抜いております。」
「…だから、歌姫ウタを攫ったと?そりゃ、火に油を注ぐどころの話じゃねえぞ?」
シルクハットを上げて、不敵に笑う男にスパンダムは笑みを返す。男はステッキを回し、にぃっと口元を広げて笑った。
「ご心配なく?我々、黒ひげ海賊団が手に入れた悪魔の実を一つ貴方に食べさせ、さらには…私の催眠術で強化してあげます。」
「は、はぁ!?俺が!?」
「ええ。…確か、クォツクォツの実とかいう実ですかね?貴方もあの人に色々されたのでしょう?」
男は不敵に笑う。スパンダムは驚愕に目の色を白黒するものの、すぐに唾を飲み、見た。ラフィットの出した実は青色の尖った造形の実でクリスタルのような独特の光を出していた。
「…クソ。…食えばいいんだろ?食えば。」
「ええ。一泡吹かせてあげましょう?」
そう言って男…ラフィットは不敵に笑う。スパンダムはそれをかぶりと食った。
再うpしました。まぁ、もっと面白いのを思い浮かんだだけです。元々弱かったやつを強くするのと、オリキャラ出すのどっちの方がいいんだろうか…。クォツクォツの実をカリファでも良かったけどね。誰も覚えてないネロよりもスパンダムの方がいいなぁ…と思いましてね。
それでは。
ウォーターセブン後のイチャイチャ※改訂版の改訂版(ウォーターセブンを超えると極端にイチャイチャが少なくなると思われますので上位3名〜5名くらいを書きたいと思います。よろしくお願いします。)
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ヤマト
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ウタ
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モネ
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ハンコック
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ビビ
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ロビン
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ナミ
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カリファ
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アイン
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レイジュ