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…ガレーラカンパニー近く。
「———話はニコ・ロビンについてだ。この町へ来て、あの女の様子は変わったか?」
重々しく紡がれたその言葉にナミはハッとする。
「ええ。急に…!!町へ出た後、突然いなくなって今日の朝には…貴方の、暗殺未遂の犯人になってて、仲間がやっとロビンを探し当てたら…もう私たちの所へは戻らないって。…私たちは何が何だかわからなくって、今夜もう一度直接ロビンに船を降りる理由を聞くために来たのよ。」
…アイスバーグはそれを聞き、話を進める。この町に彼女が来たときには既に政府の作戦が始まっていること、ニコ・ロビンは世界を滅ぼす力を持っていること。…そして、
それを聞き、ナミはバンドラの方へと身体を倒す。アイスバーグは心配そうに大丈夫かと声をかけた。
「良かった…。ロビンは私たちを裏切ったわけじゃなかったんだ…!!」
ナミの安堵したような言葉にアイスバーグはなにも言わなかった。バンドラもふっと微笑み、そんなナミの頬に手を添える。ナミはバンドラの方を見てニコッと微笑んだ。
「…アイツがそう簡単に夢を捨てるはずがない。政府だろうが何だろうが俺がアイツの目の前でぶっ潰してきた。…だからこそ、なんだろうな。希望的観測にはなるが、彼女は俺もお前らも救おうとしている。全く、馬鹿な女だ。」
「…ロビンは馬鹿なんかじゃないわよ。こうしちゃいられないッ!!」
バッと立ち上がるナミ。
バンドラとアイスバーグはその様子を見て、方や微笑み、方や目を見開き驚いた。
「早く皆んなを集めて知らせなくっちゃッ!!ありがとう!!アイスバーグさんッ!!」
「待てッ!!麦わら達もやられちまって、今更なにをしようってんだッ!!」
「今更ですって…?今からよッ!!ルフィ達なら大丈夫、あれくらいじゃやられない。助けていいんだとわかったとき、アイツらの強さに限界なんて無いんだからッ!!」
そう言ってナミは得意げに笑う。
バンドラはその様子を見てニヤリと笑った。立ち上がる煙が切れることなく、空を舞う。
「チョッパー、起きてッ!!皆んなを探すのよッ!!起きなさい、チョッパーッ!!」
「…さて、俺も動くか。」
バンドラはそう言い、立ち上がる。
…ウタを救う為なら手段は選ばないと狂骨を引き抜き、刃を見た。
「先輩。命令を。」
冷静な声でそう言うアイン。
バンドラはそんなアインの頭に手をポンっと置いた。アインの目が厳しく突き刺さる。
「…こんなことやって何になるんですか?」
「ん?疲れたからな。少し癒し…。」
「…変なことしてないで。早く行きましょう。ご命令を。」
その言葉にバンドラは困ったように微笑んだ。
「アイスバーグさん。」
「…どうした?カリファ。」
…カリファが思い詰めた顔でアイスバーグへと近寄る。
「…話したいことが。」
アイスバーグはその言葉に首を傾げた。
一方、チョッパーを起こしたナミはチョッパーと共にヤガラに乗り込み、仲間達を探す。パウリーの鶴の一声で造船所の男達も加勢に回る。バンドラとアインもヤガラを使って駅へと急いだ。
「…大丈夫かな、Z先生。」
「アクア・ラグナのことか?あの化け物爺さんなら、飲み込まれても死にやしねえだろ。」
「…Z先生のこと、悪く言わないで。殺すわよ?」
厳しくアインはバンドラを睨んで、そう言う。心なしか、声も少し低くなったように聞こえた。
…汽笛の音がウォーターセブン中にこだまする。ただでさえアクア・ラグナが近づいている。それに加えて、海列車には政府の要人しか乗っておらず、アクア・ラグナ警戒で早めに出発してもわけないのだ。
ナミはとにかく急いで、駅へと向かう。
「ロビン、列車を降りてッ!!私たち誰とだって戦うからッ!!行かないでッ!!ロビ〜ンッ!!」
…ナミの悲痛な声が駅にこだまする。無情にも列車はナミのたどり着いたと同時に発進した。
「…間に合わなかったか。気の毒に。」
パウリーとバンドラ達がたどり着いた時にはもう遅かった。地面にペタリと座り込むナミ。その様子を見て、バンドラもため息をついた。
…海は大荒れ。もう船は出せないほどには。
「おいお前、出ちまった列車は止められねえ。言いにくいがエニエスロビーって場所は…。泣いてるのか?まぁ、その気持ちは…。」
「追うわよ〜ッ!!許さない、政府の馬鹿どもッ!!」
「「「怒ってたァッ!?」」」
パウリーと駅員二人が声を合わせてそう叫ぶ。バンドラはその様子にニヤリと笑い、アインは呆れていた。
「船出してッ!!デッカくて強い船ッ!!」
「この海に船を出す気かッ!?テメェ、アクア・ラグナの恐ろしさも知らねえで馬鹿言ってんじゃねえッ!!お前の考えてる高潮とは規模が違うんだッ!!これから海は恐ろしく荒れるッ!!もう海へは出られねえ、死にに行くのと同じだッ!!」
パウリーの怒号が響き渡る。
当たり前だ。自ら死のうとする馬鹿を船大工として止めたい。止める義務がある。…しかし、ナミも引けない。だったらとバンドラの方を向く。海がダメなら空からだとナミは考えていた。しかし、バンドラがナミに返したのは無言と共に首を横に振った否定だった。
「…お前も航海士ならわかってんだろ。気流が滅茶苦茶だ。風を操るにゃ、精密な操作が必要。穏やかな晴天ならまだしも、こんな嵐の空は海以上に危険だ。それこそ、絶対に壊れねえって船じゃねえと空中で分解。そのまま海に落ちて波にさらわれて…待つのは死だけだ。」
苦々しくそう言うバンドラにナミは何か言いたげに叫ぶ。
…しかし、その直後。
強烈な波がバンドラ達を襲った。
「先輩ッ!?」
「…あっぶねぇ…。」
パウリーは駅員二人を。
バンドラはナミとアインを咄嗟に掴み、波の及ばないところへ跳ぶ。まさに九死に一生。その波の勢いたるや、屈強で大きな時刻案内板がもぎ取られるほど。あの冷静なアインですらそれに対して、取り乱していた。
「…接近中でこれかよ…。今まであの時刻案内板が壊れるなんてことはなかった…。今回のアクア・ラグナは異常だぞ。」
「…海列車は問題ないのか?」
「あぁ。海列車はぎりぎり高潮が来る前に嵐の領域は越えるだろう。直撃しなきゃ大体の荒波は超えていく…!!」
「…そうか。」
バンドラは能力を使って自分の体を乾かしながらそう言った。ただでさえ、変装用に着たピッタリとしたノースリーブのシャツが水を吸い、もっとピチッとしていた。
「先輩、私も乾かしてください。寒いです。」
「…おう。つーか、アイン。」
「はい?」
「…見えてるぞ。上。」
その言葉にアインは顔を赤く染めて、身体を隠しながらバンドラを睨んだ。その目には羞恥からか、涙を浮かべていた。
「…見るな。変態。」
バンドラは見ないようにアインの服を乾かす。元通りになったアインはバンドラの方を見てため息をついて、その隣をキープするかのように立っていた。
「…Z先生に言い付けますから。」
「やめてくれ。殺される。飯でも奢るから、許してくれ。」
「…今回だけです。」
そう呟くとアインは前を見た。
そこでは、サンジが置いていった置き手紙を凝視するナミの姿があった。
「バンドラさん!!」
「…どうした?」
「ロビンにはサンジくんが着いてるッ!!そう手紙に書いてあったわッ!!だから、ここはサンジくんに任せて、私たちはルフィ達を探しましょうッ!!」
そう言って微笑むナミ。
活路を見出したかと、バンドラはほのかに微笑み、あぁと返す。そうして、外に出れば外はもう大シケに見舞われていた。
「…おいおい。こんなことあるのかよッ!?」
パウリーがそう叫ぶ。何故なら、ウォーターセブン中の水という水が…いや、もはやその周りの海の水が干上がったかのように引いていたからである。
土砂降りの中、ナミは叫び歩く。途中、チョッパーにサンジの手紙の旨を伝え、造船所の全員でルフィ達を探し始めた。
「…これは、どれほどの波が来るというの…!?」
「さあな。だが、さっきのを見ている感じ…。どれだけ強え建物でも…飲まれたら消える。」
バンドラは真剣な顔でそう言った。
アインの顔は思案に暮れる。…ゼファー達は大丈夫だろうか。もう避難しただろうか…と。
「…安心しろ。先生はあの歳の爺さん連中の中でも2番目に冷静な人だ。無理やり突破しようなんて考えねえさ。」
バンドラはそう言ってアインの頭を撫でる。アインはふっと笑ってそうですねと返した。バンドラがアインの笑った顔を見るのは初めてだった。
「しかし、小僧のやつ…どこ行きやがったんだ?」
バンドラ達がルフィとゾロを探しながら、歩く。…どこにも見当たらない。ナミも手当たり次第探しているといったところだった。
「…あん?」
数分歩いて、バンドラが目を疑う。
…もうすぐ強烈な波が来るであろう下町に、ナミが走っていくのだから。
「…あんのバカッ!!命が惜しくねえのかよッ!?…チッ!!」
「せ、先輩ッ!?」
「アイン、先戻ってろッ!!」
バンドラは声を上げ、ナミの後を追っていく。
アインはそのバンドラの声を聞かず、バンドラへと着いて行った。
バンドラくんが取り乱すほどです。ヤバいですね。アクア・ラグナ。
それでは次回。
ウォーターセブン後のイチャイチャ※改訂版の改訂版(ウォーターセブンを超えると極端にイチャイチャが少なくなると思われますので上位3名〜5名くらいを書きたいと思います。よろしくお願いします。)
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ヤマト
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ウタ
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モネ
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ハンコック
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ビビ
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ロビン
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ナミ
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カリファ
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アイン
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レイジュ