燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第173話

…ためらいの橋の支柱下。

 

「ガフッ…。」

 

壁にもたれかかるカリファ。

髪は乱れ、頭から血を流して、息を吐いていた。身体は激しく傷つき、服は切り傷や破れなどで見るも無惨な姿になっていた。具体的に言えば、肩や腰、下胸などが露出し、口からは血が垂れ出ていた。

 

「仲間じゃねえのかッ!!」

 

「我々政府に貴様らのような仲間意識はない。カリファは我々を裏切った。闇の正義の名の下に消すだけだッ!!」

 

「ゴムゴムのぉぉ…『JET(ピストル)』ッ!!」

 

今までルフィの攻撃を見切り躱してきたルッチに初めてルフィの拳が入った。その隙を見て、合流したフランキーとアインはためらいの橋へと出て行った。

 

ルフィを見れば、身体は赤く色づき、身体からは湯気が出ていた。ゴムの力で血液の流れを急激に変え、自身の身体を強化しているのだ。普通ならその血圧に血管が耐え切れるはずもないが、血管までもがゴムの為、耐え切れているのである。

 

その様子を見たルッチは自身の能力『ネコネコの実モデル(レオパルド)』で、人獣型へと変化。飛躍的に上がった速度でフランキーとアインを迎撃しようとするが…。

 

「ゴムゴムのぉぉ…『JET(ウィップ)』ッ!!」

 

しかし、鞭のようにしならせた蹴りでルフィはそのルッチを攻撃。ルッチはみすみす、フランキー達を行かせてしまったのである。一度戦ったルフィに油断してしまったルッチだが、次はそうはいかない。ギロリと睨む目でルフィを捕らえる。

 

「迂闊だった…だが、随分息が上がっているようだが?」

 

「お前に勝てればそれでいいッ!!」

 

ルフィは最早、刺し違えてでも勝つ覚悟だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ためらいの橋…橋上。

 

「『水晶弾』ッ!!」

 

スパンダムの周りから尖った水晶片が現れる。スパンダムは醜悪な笑みを浮かべるとそれを前へと射出した。

 

バンドラはそれを走って避ける。間合いを詰め、狂骨で横薙ぎに切り裂く。スパンダムの胸から鮮血が飛ぶが…おかしい。スパンダムは全く怯んでいないのだ。

 

「…テメェもか。」

 

「『水晶の雨』ッ!!」

 

続いて、スパンダムとバンドラの頭上に大量の水晶片が現れる。そのまま重力に従い、崩落してくる水晶片をバンドラは後ろに飛んで避けた。

 

「ブワハッハッハッ!!ニコ・ロビン。よーく見ていろッ!!テメェの信じたものは簡単に消え去るッ!!テメェはそういう星の元に生まれたんだよッ!!夢も希望もねえ、テメェは関わった人間全てを不幸にふるッ!!」

 

「…ごちゃごちゃ五月蝿え。『雷鳴』ッ!!」

 

バンドラは狂骨に電撃を纏わせる。

そのまま、踏み込み、スパンダムに狂骨を上から叩きつける。今度こそ確実に入った…だが。

 

「テメェの攻撃は俺には効かねえ。何故かって?俺が最強だからだッ!!『水晶弾』ッ!!」

 

スパンダムは額でそれを受け、水晶の弾を放ったのである。

 

バンドラはそれを避ける。額から血を出し笑う様は誰かの傀儡…或いは狂気じみている以外の言葉が見つからない。

 

「政府に逆らったらどうなるか、目にもの見せてやるッ!!『水晶の雨』ッ!!」

 

そう言ってスパンダムは上へと掌を向ける。しかし、先ほどと違ってバンドラの頭上には何もなかった。まさかと思った時にはバンドラは既に動き出していた。

 

ロビンたちの頭上に水晶片が…しかも、先ほどよりも密度を増して多く配置されていたのだ。今、戦えるのはハンコックとナミのみ。

 

「何よッ!?これッ!?」

 

「どこまで腐ってやがる…!!」

 

いくらハンコックが居るとはいえ、捌き切るのは難しい量。スパンダムはその現状に笑いが耐えきれていなかった。

 

「さぁッ!!政府に逆らったテメェらも、ニコ・ロビンもみんな消し去ってしまえッ!!」

 

「チッ!!『風の刃(ラーマ・バン)』ッ!!」

 

バンドラは左掌から黒い竜巻を形成する。それをハンコックたちの頭上にある水晶片に打ち込むことで水晶辺を全て破壊した。

 

「…。」

 

バンドラはスパンダムをきっと睨む。

普通ならば、ハンコックやナミに加えて、ロビンやウタもいる。その為、ここは任せてもいいのだが、二人は海楼石の錠に繋がれ、且つ、スパンダムとバンドラは距離がある。身を削ってでも出世したいスパンダムと守るものがあるバンドラでは弱点の数が違ったのだ。

 

「…この前会った時は能力者じゃなかったみてえだが。」

 

「特別なコネクションがあってな?俺は今や、『クォツクォツの実』の水晶人間。あらゆる場所に水晶を作り出す能力者だッ!!」

 

「聞いてもないことをどうも。」

 

バンドラは狂骨をギュッと握り、前へと出る。

しかし、スパンダムはハナからバンドラと正面切って戦うつもりはなかった。醜悪な笑みと共に、水晶の弾がハンコックたちへ飛んでいく。

 

「『芳香脚(パフューム・フェムル)』ッ!!」

 

ハンコックはそれを足で捌くものの、流石に多すぎた。ハンコックの肩や太ももから少し血が舞う。

 

「血迷ったかッ!!天帝ッ!!」

 

「チッ…!!クソ野郎がッ!!『風逆鱗』ッ!!」

 

バンドラが放つは飛ぶ斬撃。

それがスパンダムの左肩を縦に切り裂き、鮮血を飛ばすがスパンダムは全く意にも返していない。

 

「次は守り切れるか!?『水晶の大雨』ッ!!」

 

「…ぐっ!!」

 

決して勝てない相手ではない。

しかし、卑怯かつ痛覚神経が麻痺している相手と戦うのは酷以外の何物でもなかった。強くはないが、厄介なのである。

 

ハンコックたちの頭上には先ほどよりも遠く、そして、大きな水晶片が生成されていた。バンドラはそれを見て、舌打ちをする。

 

「ブワハッハッハッ!!いいか、ニコ・ロビン。これがお前の業だ。大好きな仲間と共にあの世で後悔してなッ!!」

 

そう言って今、水晶が降り注ごうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司法の塔のてっぺん。

その様子を見ていたビビが弓を弾く。しかし、強風に加え、距離が距離。少し齧った程度の素人では全くもって当たらない。無茶苦茶なその矢は一切届かない。それを知ってもなお、引き続ける。

 

「なにしてるんだ!?お前はッ!?」

 

そげキングがそう言う。

例えここから攻撃しても、あの水晶片が止まることはない。ビビは弓と海楼石の矢をそげキングに渡した。

 

「は?え、ちょっ…。流石に弓なんかやったこと…。」

 

「…貴方なら出来るはずよ。此処からあのバンドラさんと戦ってる人を撃ち抜くの。」

 

「…!?お前…。」

 

そげキングはその声に聞き覚えがあった。

遠い砂の地で、仲間となった王女の声。ビビはそげキングの…いや、ウソップの肩をグッと掴んだ。

 

「…私は彼らに何もしてやれない。私の国を守ってくれた彼らに…。でも、貴方なら何かしてあげられる。貴方ならバンドラさんの助けになれる。お願い。…お願い。」

 

切実なその声と共に、自身は何もしてやれないという歯痒さからか、ポタポタと仮面の奥から涙が流れる。一矢も飛ばず当たらずじまい。それがどれほど辛いことか。自身の非力さを噛み締めることとなる。

 

「…貸せ。…言っとくがやったことないからな。」

 

ビビから弓を受け取るウソップ。

海楼石の矢で弦を引き絞り、狙う。海楼石の矢は5本ほどしかない。ウソップは一発も無駄にできないと集中する。

 

「…此処だッ!!」

 

放った矢は…スパンダムの左肩を捕らえた。

 

「ぐっ!!」

 

「…ッ!!今だッ!!」

 

バンドラはその一瞬を狙ってスパンダムに横一閃を入れる。

 

スパンダムは血を流し、地面に膝をついた。バンドラはその首に刀の先をスパンダムに向ける。

 

「…テメェが何故負けたかわかるか?」

 

「うわっ、血が…血がァァ…!!」

 

とめどなく出る血に顔を青く染めて、叫ぶスパンダム。彼に死の恐怖が襲いかかっているのだ。バンドラは冷徹に冷ややかな眼差しで見る。

 

「テメェは保身のためにしか走らず、ニコ・ロビンを助ける者たちの覚悟を舐めていた。だから負けたんだ。命を賭ける覚悟もねえやつが、そんな過ぎたおもちゃを手に入れるんじゃねえ。…没収だ。『障害奪取(ジャックドスティール)』」

 

「や、やめろォォォォッ!!」

 

バンドラはその静止の声すら聞かず、右手でスパンダムの頭部から何かを剥ぎ取った。そのまま胸元から取り出した林檎にそれをくっつける。すると林檎は凶々しく形を変え、美しいような凶々しいような…悪魔の果実へと変化を遂げた。

 

「な、なんでそんなこと…出来んだ…。」

 

「悪魔に干渉することは体力を激しく消耗する。…災害ってのはいろいろあんだよ。ま、そのかわり…こういうのは多用しすぎると俺が死ぬけどな。」

 

そう言ってクォツクォツの実を胸元に入れるとバンドラは狂骨をギュッと握った。

 

「それじゃあな。」

 

「やめろォォォォッ!!」

 

バンドラは狂骨を振り下ろした。しかし、それがスパンダムに届くことはなかった。

 

「…ファンクフリード…!!」

 

「…そんなやつでも守る価値があるのか?」

 

バンドラが低く威圧するように聞いた。ファンクフリードに罪はない。ファンクフリードはぱおーんと激しく吠える。

 

「そ、そうだっ!!ファンクフリードッ!!俺を守れッ!!な?」

 

「…こんなクズでも?」

 

少し迷ったそぶりを見せるファンクフリードだったが、ファンクフリードはバンドラの前から退かなかった。少しでも自身が退いたらバンドラがスパンダムを殺してしまうからだ。

 

「…じゃ、せめて。」

 

「な、何をする…や、やめろ…ヒギャァァァアッ!!」

 

バンドラはスパンダムの片目を狂骨で貫いた。




カクジャブラ戦も書いてもいいけど時間が前後しないかな?とか。
ルッチは書くと思います。

アワアワねえ。私は窒息とか浮力とかしか思いつかないんですわ。ロズロズになる可能性大…w感想でもありがとうございます。色々考えてくださっているのでアワアワか迷いますな。

では。

カリファの悪魔の実(last)

  • アワアワの実
  • バルバルの実(風船)
  • モジャモジャの実(髪、毛)
  • テカテカの実(油)
  • ネコネコの実(ホワイトタイガー)
  • ウシウシの実(羊)
  • ロズロズの実(イバラ)
  • 食べてない

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