燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第174話

…ためらいの橋、橋上。

 

「…チッ。くそっ。」

 

フランキーがロビンの錠をはずそうとするも、外れない。最後の最後でやられたかと片目を失ったスパンダムを見るバンドラ。しかし、そこにスパンダムは居ない。ファンクフリードと共に身投げしたのだ。

 

「…合う鍵がないか。」

 

「そうだッ!!あの野郎…!!」

 

「…バンドラさん…変態さん…。」

 

…ロビンの不安そうな声が響く。

ただ錠が外れないだけなら、良い。しかし、完全に開いた正義の門からやってくる軍艦の数々。目につくすべてのものを焼き尽くす非情無慈悲な攻撃『バスターコール』である。

 

「…取り敢えず、海楼石の錠だけ外すか。」

 

「外すったって…どうやってやるんだ?」

 

「ダイヤモンドくらいなら裂ける。歴史の本文は無理だろうが…。」

 

フランキーの問いにバンドラは狂骨を抜き、ふうっと息を吐く。狂骨が怪しげに紫色に光ると、バンドラはゆっくりとそれをロビンの腕に掛かる錠へと向けた。

 

「『鎖骨刃』」

 

バンドラの目には鎖のようなものが見えていた。それを的確に切り裂くバンドラ。…音を立ててロビンとウタの海楼石の錠は激しく砕け散った。

 

「な、何が起こったのじゃ…?」

 

「モノの呼吸だよ。…一端の剣士はモノの呼吸を見切り、硬いものを切る。まぁ、それ使えば一切人を傷つけない剣も使えるがな。」

 

そう言ってバンドラは狂骨を鞘に収めた。

目の前ではロビンにナミが飛びついていた。…ふっと安心したロビンの目からも一筋の雫が垂れる。

 

「ばんとりゃぁぁぁ〜〜…!!」

 

ウタも目をウルウルとさせながら、バンドラへと飛びついた。ぼふっとバンドラの胸に飛び込むウタの頭を優しく撫でる。

 

「…すまねえな。俺がもう少し注意してれば。」

 

「んーん。ふへへ。迎えに来てくれるって信じてたもんっ。」

 

にっと笑うウタ。それにバンドラはそうかと笑った。

 

「おい。…妾も…頑張った…んじゃぞ?」

 

チラチラとバンドラを見ながらそう言うハンコック。バンドラがわかったわかったと笑い、ハンコックの頭を撫でると少しふっと微笑んだ。け

 

「…とはいえ、こうしてる間にも軍艦は来てるな。ハンコック。まだやれるか?」

 

「妾を何者じゃと思っとる。ここぐらいの艦隊、屁でもないわ。」

 

「後は、あいつが戻ってくるのを待つだけだな。」

 

バンドラがニヤリと笑うと、その言葉を聞いてか聞かずか、そげキングとビビの居る塔の上からおーいと言う声が聞こえた。バンドラたちはその方向を見て、ニヤッと笑う。その人物は迷うことなく、塔から飛び降りた。

 

「バンドラっ!!」

 

「ヤマト。良いところに待ってたぜ?」

 

「うん。あれ、倒すんだよね。」

 

バンドラの元まで駆け寄ってきたヤマト。その背に乗せたモネ下へと降ろした。彼女の指を指す方向にはたくさんの軍艦の姿があった。バンドラはウタをゆっくりと離して、首をコキコキと鳴らす。

 

「…ヤマト。俺らと一緒にあれ、止めてくれるか?」

 

「当たり前でしょ。君がするならボクもする。」

 

そう言ってヤマトはニヤリと笑った。

バンドラはそれを確認するとふぅ…と息を吐き、ためらいの橋から飛び降りた。下を見れば、海は氷に遮られている。

 

「あん?」

 

バンドラが降りた直後だった。

巨大化した腕が支柱を壊し、現れたのだ。崩落する岩と発生する風にバンドラは顔を腕で隠す。目の前の船に何かが落ちた。

 

「あの腕は坊主の…。」

 

「ゴムゴムのぉぉ…!!『巨人の斧(ギガントアックス)』ッ!!」

 

直後、目の前の船が巨大化した足が打ち込まれたことにより、ぐにゃりと折れ曲がったのである。バンドラは咄嗟に地面を強固な氷塊へと変え、防御。周りの薄氷はピキピキと音を立てて、崩壊を始めた。

 

「バンドラッ!!」

 

「ヤマト、ハンコック。降りてくる…なぁ…。」

 

バンドラの言葉を待たず、ヤマトが飛び降りてくる。バンドラは頭の後ろを掻き、ため息を吐きながら、ヤマトの身体を抱き止める。ヤマトはぱぁっと明るい笑みを浮かべるも、流石に今の状況を理解しているのか、そのまま抱きしめることなく、降りた。

 

「お前なぁ…。俺の話を。」

 

「あれって、シュガーと一緒じゃっ!?」

 

「…話を聞け。ロブ・ルッチの噂は俺も聞いたことがある。勝てるだろうな。坊主。」

 

ヤマトの額を指で小突き、そう言うバンドラ。ヤマトは額を押さえて涙を堪え、一言文句でも言いそうだったもののバンドラの耳にそれは届いていない。

 

目の前では、豹がルフィの肩に噛みつき、壁に穴が空いた支柱塔に戻って行った。

 

「…ヤマト。船を一隻、奪うぞ。」

 

「なんで?」

 

「此処から全員、無事に出る為だ。」

 

バンドラは狂骨を上にぶん投げる。

すると狂骨は龍へと変化し、上に大きく声を張り上げて吠えた。バンドラは胸元から小さい電伝虫を取り出す。

 

「ココロさんッ!!聞こえたか、残りの奴らを必ず連れてきてくれッ!!」

 

『んががが、ロケットマンの活躍は取られちまったからねぇ、絶対連れてってやるよ。』

 

その元気そうな声を聞き、バンドラがニヤリと笑う。あの直後、ロケットマンも何故かエニエスロビーに突っ込んできていたのだ。中にはチムニーとゴンベ、そして、ココロの3人も居る。レイジュやサンジ、ゾロ達を救いには流石に行けない。

 

「お前らッ!!戦う気があるなら狂骨に乗れッ!!」

 

張り上げたその声にためらいの橋にいた全員が顔を出す。その無慈悲な攻撃に震えていたロビン(少女)の姿はない。覚悟を決めた眼差しでロビンは飛ぶ狂骨の背に跨る。それに応えるようにナミ、ウタ、ハンコック、アイン、モネ、そして、フランキーも跨った。

 

狂骨はそのままバンドラとヤマトを乗せて、軍艦一隻に突っ込んだ。

 

「うわぁぁっ!?」

 

「伝令ッ!!天帝…バンドラ、海賊女帝ボア・ハンコック、悪魔の子ニコ・ロビンを含めた計9名が龍の背に跨り、軍艦一隻に…!!」

 

そこにいた海兵にとってはまさに天災。

狂骨は全員を甲板に下ろすと、そのまま刀へと戻っていった。

 

「チッ!!打てぇぇッ!!」

 

迎え撃つは銃弾の嵐。

 

それをフランキーが自身の身を呈してガードする。と同時に腕をガチャリと開け、そこから銃弾で応戦する。

 

「『雷起こし』ッ!!」

 

「ギャァァァァッ!!」

 

海兵たちの体を上から降る極雷が貫く。

海兵たちは口から煙を出し、海へと落ちていった。

 

「ハッ!!」

 

ヤマトも薙ぎ払うように金棒を振るう。アインは冷静に銃の引き金を引き、応戦した。

 

「ん?」

 

バンドラたちの方へと多くの砲弾が飛んでくる。そこにいる中将を見てバンドラはなるほど…とニヤリと笑った。

 

「簡単にゃ逃してくれねえよな。最大応麟(さいだいおうりん)刃骨・二式蒼月(じんこつ・にしきそうげつ)』ッ!!」

 

バンドラは紫の炎を纏った狂骨の刃を縦に振るう。

するとまるで時が止まったかのように圧倒的なプレッシャーが流れ出し、向かってくる砲弾が空中で爆発。前の軍艦を上へと吹き飛ばした。…ところが。

 

「ちょ、ちょっとッ!!こっちの軍艦も切れちゃってるわよッ!?」

 

「…あっ。やっぱダメだな。これ。危なすぎて人相手にゃ使えねえし、足場の悪いところにゃ使えない。」

 

バンドラは狂骨をまた龍の姿にすると急ぎ、全員を救い出し、一度軍艦から逃げる。すると軍艦は糸の切れた操り人形のようにすぐさま崩落を始めた。

 

「んががが…兄ちゃんッ!!こっちらッ!!」

 

ココロの声がバンドラの耳に聞こえる。そこには先ほどの軍艦には劣るものの、元よりロビンを護送しようとしていた護送船を奪ったゾロ、サンジ、レイジュとチョッパーや仮面をつけた二人の姿もあった。狂骨はその横に着地し、全員がそこから降りる。

 

「…ふぅ。あと、あのガキとカリファか。」

 

バンドラがそう言ってタバコに火をつける。息を吐くとそのまま前を見てきっと目を開いた。

 

「…ルフィが来るまでにこの船を守り切るぞ。」

 

「いいねえ。器がちげえや。」

 

ゾロの声にバンドラも狂骨を構えて答えた。




次回、ルッチ対ルフィが集結。ようやくエニエスロビーが終わるよ。私のイチャイチャ話も溜まっております。特にヤマト、ウタ辺りは…。ナミさんも良いけどね。

一応最終にどうなるかだけ、アンケートとります。これがエニエスロビー前は最終。1位、2位、3位はやります。それ以降は私の匙加減で、原作でいうガープandコビメッポが来る前ね。では。

エニエスロビー編後のイチャイチャ(最終)

  • ヤマト
  • ウタ
  • モネ
  • レイジュ
  • ハンコック
  • ビビ
  • ナミ
  • ロビン
  • カリファ
  • アイン
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