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カリファさん、最初なので割と軽め。
「…酒?」
…ウタとの1日を終え、ホテルへと戻っていたバンドラ。ウタは慣れないことをした為か、負けた為か。ベッドに転がりながら枕をぎゅっと抱きしめていた。
バンドラは一人ホテル内の椅子に腰掛け、何やら書類と睨めっこしていた。そこへ、カリファが酒の話を提案したのだ。
「ええ。お好きじゃなくって?それとも、ワインはお嫌いかしら。」
「いや、そうじゃないが。」
…流石の女好きで一般的には節操のない方のバンドラもこの提案に不可思議を唱えることはできた。くいっと形だけの伊達メガネを上げて、カリファを見る。
机の上に彼女が上げた足は肉付きよく、月明かりと燭台に照らされ、真白に輝いていた。
勿論、ただ酔い、男女の夜を遂げたいわけじゃない。カリファの狙いは自分に酔わせ、果てに天帝を殺すこと。そうすれば古巣に戻ることも不可能ではないと踏んでいた。あんな組織に戻ってやることがあるのかと言われれば、理解しかねるが。
「…ちょっと待て。先ずは書類だけ。」
「…何の書類よ。そんなものの方が私より大切だと言いたいの?」
「優先度は高いが、大切かと言われると答えかねるな。…エレジアの金庫やトットムジカについての資料だ。後は色々。」
そう言うとバンドラは資料を束ね、ムッとするカリファの方を見て微笑む。資料を一纏めにし、ファイルの中へと通す。あくまでバンドラの役目は資料の確認。
例えば、ルエノルーヴ号内の食費や修理費。例えば、エレジアの家々の建て替えに使った資金やトットムジカについての古い資料など。普段はモネが管理するのだが、重症につき、まだ眠っている。
「…さてと、酔わせてどうするつもりかな?お嬢さん。」
バンドラは悪戯にニヤリと笑う。
カリファはその顔に少しの苛立ちと…言い得難い感情を覚えた。最後にあそこで野垂れ死ぬ覚悟は出来ていたと言うのに。この男は自分を拾ったのだと。
ワイングラスの大体、半分より少ないくらいまで注ぐとカリファはバンドラへとそれを渡す。毒などの仕込みはしていない。あくまでカリファは惚れさせてから殺すという行為自体にとてつもないプライドを持っていたからだ。
カリファ自身、父の後で同じくサイファーポールに入った為か、人並みに優しくされたことなどない。父との会話は任務やら戦闘訓練のみだった。だからか…ルッチ達以上にウォーターセブンへの思い入れは強いように感じた。
「「乾杯」」
夜中のホテル内に甲高いグラスの衝突音が聞こえる。芳醇な葡萄の香りと共に、口の中へ含めば独特の風味と甘さが舌の上を転がる。元より酒好きのバンドラはそれに舌鼓を打っていた。
カリファは疑問に思う。
「…何故、毒が入っていると警戒しなかったの?」
「あ?…まぁ、俺、毒なんて効かねえし。万が一はレイジュもいるしな。それに…そんなくだらねえことをお前がしねえことぐらいわかってるつもりだ。」
だったら、わざわざウォーターセブンからエニエスロビーまで付いてきて、更にはそこから一緒に乗るなどしなかった…と。バンドラはワインを傾けながらそう答えた。
カリファの頭の中では疑問符が止まることがなく現れる。なにせ、カリファの古巣は信用とは程遠い、人を騙し騙される世界。カリファ自身もハニートラップで数多くの男を手篭めにしてきた。こと、騙すと言うことに関しては何の躊躇いもないのである。
「…んっ。」
「どうした?」
「…酔っちゃったみたい。」
とはいえ、その任務は忘れない。
カリファはたかだか、ワイン一杯で酔う仕草をする。バンドラの腕にその豊満な胸部を押し当て、自身は襲われても何もできないほどか弱い女だと。女すらも魅了する色気たっぷりの身体はどんな男にも突き刺さるだろう。…ただ例外とすれば、目の前の男は世界一の美女とも謳われる海賊女帝にすら靡かなかった男であること。
「そうか。…眠るか?それとも、水でも持ってこようか。」
「……え?」
予期せぬ答えにカリファの思考が乱される。
普段であれば、下半身に従順になり、一緒に寝るなりセクハラまがいのことをしてくるような男が優しい笑顔で心配してくれているのだ。
とはいえ、ベッドに運ばせれば何かするだろうと考えていた。
「…悪いけど運んでくださる?…もう立てないの。」
「…わかった。」
バンドラはワイングラスを机の上に置くといくつか用意されたベッドを見る。空いているのは一つのみだった。
「あげるぞ?」
「んっ。」
バンドラはカリファの足元に腕を回し、お姫様抱っこの形で抱き上げる。カリファとしてはまさに僥倖と言っていい。やっと手を出したと心の中では沸き立つものの、顔は平然と冷静を装い、なされるままである。
バンドラはそのままカリファをベッドまで下ろすと、彼女に毛布をかけた。
「おやすみ。」
「…は?」
優しく言ったにも関わらず、カリファは疑問の声を上げた。バンドラは彼女のその声に耳を向ける。なにか、気に食わない、面白くないと言わんが如く、表情を歪めていた。
「どうした?…あぁ、メガネか?そのぐらい自分で…。」
「いや…な、なんで、私を襲わないの…!?」
「…えぇ〜…。そういう趣味?」
バンドラはカリファの言葉にジトーとした目で返した。自分が可笑しいことを言っているのがわかっている為、カリファの顔が林檎のように赤く色づく。
「…あぁ。そういう。」
ようやくバンドラは自分が嵌められていたのだと気づく。優しすぎるのもたまに傷だとバンドラは頭の後ろを掻くと、カリファの手を掴み、甲に唇を落とした。
「…んっ。」
「…これで満足か?」
バンドラはそうニヤリと笑うとカリファの頭を何度か撫でる。この時点でカリファの想定は大きく外れていた。眼鏡の瞳がキッとバンドラを睨む。
「…舐めてるの?この私を。」
「さあね。…ただ俺はやって良い女と悪い女の区別ぐらいはつくってこと。ただ…。」
バンドラがカリファの顎に手を当てて、顔を近づける。カリファは生まれて初めて胸の奥で何やらトクトクと五月蝿い音が反響するのを感じていた。顔がやけに熱い。
先に言うが、カリファは別にバンドラに惚れているわけではない。それを認識していないわけではないが、何故か、羞恥心と共に変な感情が湧き上がっているのだ。今まで捨て駒にしかなってこなかった自分へ、大切にするというこの男の感情はまさに毒。
「…もし、それがしてえなら、いつでもかかってきな。待ってるんで。」
一層低い声でバンドラはそう言うと、カリファの頭へぽんっと手を置き、そのままベッドから離れ、部屋から一度退出した。カリファは毛布を顔まで被り、ギロッとバンドラの方を向いていた。
「…絶対に、あの男は許さない。意地でも手を出させてやる…!!」
恨み言のように小さくカリファはそう言った。目にはほのかに涙を浮かべていたのである。
このまま全員行けるかな。
次はアインか、ハンコックか、レイジュ。…レイジュかなぁ。ハンコックも捨てがたい…。多分思い浮かんだ方。
ヤマトはしっかり考えてあるし、ナミさんも考えてあるんで大丈夫です。はい。ロビンちゃんは急ぎ考えます。はい。では。
エニエスロビー編後のイチャイチャ(最終)
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ヤマト
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ウタ
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モネ
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レイジュ
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ハンコック
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ビビ
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ナミ
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ロビン
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カリファ
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アイン