燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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少し書き足しました。自分でも、ん?とおもったので。


第188話

…水の都ウォーターセブン。

カッコカッコとトンカチの音が響き、船大工たちが働く、言わば職人たちの街。一人、女性は待ち望む。

 

雪のように白い髪、先までグラデーションがかり青い髪が海風に煽られる。父親と似通っているツノは人々の注目を集めるも、本人は気にしない。

 

…遅い。

 

待ちぼうけを食らっている鬼姫はベンチに座り、ぷくりと頬を膨らませる。彼女には想い人がいる。とはいえ、それが恋とは思うまい。ただ一緒に居たいだけ。鬼姫…ヤマトはその感情にそう名をつけた。

 

ヤマト曰く、今まで自分は我慢した方だと。

目の前で他の女といちゃつかれ、ほったらかしにされるその悔しさたるや。その虚無感たるや。天真爛漫に振る舞うも、それもガタが来ていた。目の前を人々が歩き、孤独感だけが増す一方。

 

———ルエノルーヴの視察に行かなきゃいけねえからちょっと待っててくれ。

 

「…視察ってこんなに時間かかるのかなぁ。」

 

脚を組んで、ため息を吐く。

待てと言われて2時間ほど。待ち時間がこんなに苦しいものとは知らなかった。岩屋で彼らを待ってた時とは…わけが違う。ヤマトは不貞腐れた顔で前を見る。

 

「かーのじょ、一人?」

 

「え?」

 

「めっちゃ可愛いじゃんっ!!あのさ、俺たちと遊ばね?俺たち、これでも結構名前の売れてる海賊でー。」

 

…そんなヤマトを狙い目だと思ったのか、二人の男が話しかけてくる。べちゃくちゃと聞いても居ないことを言っているが、ヤマトはこれっぽっちも気に留めていなかった。

 

「ちょっ、聞いてる?」

 

「うわっ、やめ…!!」

 

ヤマトの手をガシッと掴む男。

ヤマトはすぐにでもぶん殴りたい、そう思っていた。しかし、気分上々ワクワクとして着替えた余所行きの格好がそれを許さなかった。慣れないパンプスに足元がおぼつかない。暴れてもいいが、デート用にとウタとモネが結ってくれた髪を崩したくない。手を振り払ってもいいが、ヤマトの力ではバンドラの選んでくれた服が破れてしまう。

 

「だーかーらー、そんなつまらなそうな顔してねえでさ、俺たちと遊ぼうぜ?」

 

「ぼ、ボクは人を…!!」

 

「…おい。」

 

その瞬間、男たちの背筋に冷たい感覚が走った。

ヤマトはその方向を見て、ぱーっと明るい表情を浮かべる。

 

…声の主は男達の方へと割って入り、ヤマトの方を抱いて自分の方へと寄せた。

 

「…悪いが、コイツ、()()(仲間)だから。」

 

「ふぇっ…!?」

 

…硬く無骨な腕がヤマトの肩を抱く。ニヤリと笑うその顔にヤマトの心臓は半ば痛いほどトクトクと脈打っていた。真っ赤に燃えるような暑さが彼女の顔に走る。

 

「んだよ、テメェ。その子は俺たちが…。」

 

「って、コイツ…七武海の天帝じゃねえかッ!?」

 

「…おい、ガキども。テメェらが賞金首だかなんとかは知らねえが、一言だけ言っておく。俺のもんに手ェ出すんなら、対価として命を置いてけ。」

 

少々の覇王色を孕んだその言葉に若い海賊達は顔からさーっと赤みが抜けていく。青ざめたその顔で踵を返し、脱兎のごとくその場を立ち去っていく若者達。バンドラはそれを見て、はぁ…とため息をついた。

 

「すまない。数分で戻ってくるつもりが、こんなに時間かかるとは。」

 

「…どうせ、ボクより船の方が大事なんでしょ?」

 

離れたヤマトのギロリと睨む瞳をバンドラはふっと笑って受け止める。ヤマトの頭にポンっと手を置いて。

 

「残ってるって言ったのお前だろ?難しい話はわからないって。」

 

「うぐっ!?…そりゃ、そうだけど…。こんなにかかるなんて思わないじゃんっ。」

 

「だから、悪かったって。…しかしまぁ、まさか絡まれてるとはな。…なんで、やり返さなかったんだ?」

 

柔らかく優しげな声でそう言うバンドラ。

…その声はヤマトの耳に心地よく響く。普通ならヤマトの方が背が高いが、今回ばかりはバンドラの方が大きく見えた。

 

「…髪、乱れちゃうもん。ボクだってそのくらいっ!!…気にするし…。」

 

モジモジとしながらそう言うヤマト。

それほどまでに、バンドラの俺の発言が嬉しかったのだ。その独占欲じみた言葉はヤマトにとってはただの毒である。バンドラはその様子に呆気に取られたようにぽかんとしていた。…すると。

 

「ぷっ…ハッハッハッ!!」

 

バンドラは腹を抱えて笑い出したのだ。

ヤマトはプクッと頬を膨らましてバンドラを睨みつける。

 

「なんで笑うのさッ!!」

 

「ヒャッハッハッ!!だってさぁ!!お前の口から…そんな言葉が出るなんて…。俺ァてっきり、男だから髪なんて気にしてねえとばかり。あー、笑った笑った。」

 

ヤマトの憤怒の視線にバンドラは目に浮かべた涙を指で拭い取り、顔を整えた。ヤマトはいじけるようにぷいっとバンドラから視線を外す。

 

…少しでも可愛いと褒めて欲しかった。

 

唐変木のアホンダラなバンドラにヤマトは少し残念そうに下を向いていた。おでんになる夢は諦めていない。ただバンドラという男にだけは、そう思って欲しかった。吹き荒ぶ風がヤマトの髪を靡かせる。長く綺麗な髪が三つ編み状にされ、髪に編み込まれていた。

 

「いいじゃねえか。…似合ってる。」

 

「…っ。ご機嫌取りじゃ…ないよね?」

 

トクン…っとヤマトの心が跳ねる。

バンドラはその言葉にあぁ、と返した。別にヤマトの機嫌を取っているわけではない。その言葉が嬉しかったのか、ヤマトはにぱっと明るい笑みを浮かべるとバンドラに向かってまるでタックルかのように抱きついた。

 

「ぐっ…!!どうした、いきなり…!!」

 

「だってだってッ!!…髪褒めてもらったらさ。そんなの…やっぱり好きだってなっちゃうじゃんっ!!」

 

ギュッと抱きしめそう言うヤマトにバンドラはふっと力の抜けたリラックスした笑みを浮かべてその頭を撫でた。満足そうに自身を抱き締める彼女を見て、バンドラも少し嬉しい気分になる。

 

「…どういうことだよ。ハハッ。」

 

そう言ってバンドラはヤマトの頭を撫でる。ヤマトはふやけたような顔で満足そうに声を上げた。

 

「…さてと、行こうか。」

 

「うんっ。」

 

バンドラのゴツゴツとした無骨な指にヤマトのしなやかな指が絡む。手から伝わる僅かな温度を海風が冷ますかのように優しげに吹く。

 

「て言っても、一回来たことあるからなぁ…。何処に行くかなんて…。」

 

「んー?じゃあさ、またあそこ行こうよ。久しぶりに。」

 

「噴水公園か?まぁ、お前がいいならいいが。」

 

やったと喜ぶヤマトを穏やかな笑みで見るバンドラ。ハンコックと行った時のことは胸に秘めている。…ハンコックにとって醜態を晒すことになりかねないからというのと、ヤマトがいるのに他の女の話は無粋だからという理由で。

 

噴水広場につけば、そこは少しガランドウ。

確かに人はいるものの、多くは裏町の復旧だとか、船大工達はサボる暇がないほどの仕事で観光に来るものなどいない。

 

いつものベンチに二人は腰をかけるや否や、ヤマトがぐっとバンドラへ肩を引っ付けるように近寄る。彼の肩に頭を置き、ピッタリとひっつく。誰も入る余地がないほどに。

 

「…あったかい。」

 

「んだよ。寒かったのか?」

 

「んーん。…人の肌ってあったかいんだなぁって。」

 

瞼を閉じてそう言うヤマトにバンドラは首を傾げて笑う。バンドラはそんな彼女の肩に腕を回して、肩を抱く。物欲しそうにバンドラを見るヤマトの顎をもう片方の手でくいっと上げる。何をするかなどもはや隠す余地もなく…見せつけるかのように二人はキスをする。

 

短いがキスはキス。

唇を重ね、ゆっくりと話す。その後、バンドラがその頭に手をポンっと置くとヤマトは目を細めてにへらと笑った。人獣型や獣型なら尻尾がぶんぶんとちぎれんばかりに動いていただろう。

 

「…もうそろそろ、エレジアに戻らねえとなぁ。ルフィ達の出港と合わせて俺らも戻ろう。」

 

「そうだね。いつまでも留守にするわけにも行かないし。」

 

そう言い、ヤマトは立ち上がり、少し歩くとそのままバンドラに向かって振り返った。バンドラはにっと歯を見せて笑うとヤマトの横に立つ。ヤマトはバンドラの手をギュッと握る。

 

「バンドラ。…ボクは君のことが好きだ。君の為なら死ねる。」

 

「…バーカ。」

 

「あうっ。」

 

その言葉にバンドラはムッとした顔でヤマトの額を指で小突いた。ヤマトは咄嗟に手を離し、額を押さえ、恨めしそうにバンドラを見た。目には少し涙を浮かべていた。バンドラはふっと微笑む。

 

「…死んだら許さねえぞ。」

 

ヤマトの頬に手を当てて、バンドラはそう言う。ヤマトは少しボーッとしていたが、すぐにそうだねと微笑んだ。

 

「君も無茶しちゃダメだからね。」

 

「わぁってるさ。」

 

そう言って二人はまた口づけを交わす。長く長く長ーく。まるで周りに見せつけるかのように。口を剥がせば、二人の間に透明な橋がかかる。

 

「…好きだよ。バンドラ。大好きだ。」

 

「んなこと、今更言われなくても…わかってる。」

 

…強がっているが、バンドラの顔はほのかに赤くなっていた。ヤマトはそれを見てニンマリと笑うと指でバンドラの肩を突っつく。

 

「あ、照れてるな〜?このこの〜。」

 

「う、うるせえな。お前だって顔真っ赤じゃねえか。」

 

「むっ!!面と向かって言うの恥ずかしいに決まってんじゃんッ!!女の子に言わせるな、この唐変木っ!!」

 

「誰が唐変木じゃ、誰が。それと、都合のいい時だけ女になるなッ!!」

 

言い争う二人。買い言葉に売り言葉。

ある程度言い終わると二人はパッと花開くように笑っていた。

 

「はぁあ。笑った笑った。さ、次は何処行く?」

 

「ん?まぁ、ぶらぶらと。」

 

そう言い、腕に抱きついてきたヤマトの頭を優しく撫でる。ヤマトもそれにむふふと笑うと、そのまま歩いて行った。

 

「さっきの、嘘じゃないからね。」

 

「わかってるよ。俺も(お前らのこと)大好きだもん。」

 

「ふぇっ!?ちょ、今。」

 

わかってかわからずか、そう言ってニヤリと笑うバンドラ。ヤマトの顔が熟れたリンゴのように赤く色づく。

 

「ん?なんだ?」

 

「今のもっかい、もっかい言って!?」

 

「やーだよ。ほら、行くぞ?」

 

口をつぐんでぷくりと頬を膨らませるヤマト。歯を見せてニヤリと笑うバンドラはそんな彼女を引っ張って次の目的地へと向かう。…噴水はそんな二人を見送るように水を噴き上げていた。

 




納得していただけたかな?
ヤマトぼっちゃまはこんな感じで。

意外にビビちゃんに責任取りなさいよ派が多くて笑ったw
まぁ、どっちにしろ大丈夫っちゃ大丈夫です。ヒロイン募集のときも多かったしね。ビビちゃん。それでは。
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