燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第189話

「…ほぉ。もう出るのか。」

 

「おう、船もできたしよぅ。もう次の冒険へ行かなきゃなんねえんだ。いつまでもここにいるわけにはいかねえ。」

 

ガレーラの船着場。そこに腰を下ろすバンドラとその後ろから見る天帝の一味(ビビは仮面付きである)。そして、未来の海賊王…モンキー・D・ルフィ。

 

バンドラにとってルフィは弟のような友達のような…はたまた、ライバルのような関係。方や、自身のために腕を失い、帽子を預けたシャンクスや兄エースとは違えど、ルフィにとってはバンドラも憧れの海賊。募る話もあるだろうと麦わらの一味も一歩距離をおいて見ていた。

 

「バンドラ、ありがとなっ。ロビンもウタも助けてくれて。」

 

歯を見せて屈託のない笑顔でそう言うルフィにバンドラは微笑んで返す。

 

「何を言う。…俺はお前らに触発されただけ。じゃねえと、政府の飼い犬である俺が手ェ出すわけねえだろ?」

 

惚けるようにバンドラは歯を見せて笑い、そう返した。勿論、ルフィ達が行っていなかったとして、バンドラはエニエスロビーへ行っただろう。なんたって、ウタが攫われているのだから。

 

「…坊主。ちょっとその麦わら帽子、貸してくれ。」

 

「ん?…バンドラにだったら、いいぞ?」

 

そう言ってルフィはバンドラへ麦わら帽子を渡す。バンドラはそのツバを両手で優しく掴むとその麦わら帽子を無言で見つめた。

 

「…ありがとよ。」

 

「どしたんだ?バンドラ。思い詰めた顔してよ。」

 

「なに、自分への戒めってやつさ。」

 

そう言ってバンドラはルフィの頭に麦わら帽子を被せる。ルフィはその麦わら帽子をくいっと上に上げ、小首を横に傾げた。

 

()()()()?」

 

「戒め。…なんでそれが出るんだ。」

 

…ネジが何本か抜けているのだろうか。

バンドラは呆れたようにため息混じりにそう言うとルフィはにししと笑った。バンドラはその様子を見て、また海の方へ向く。

 

「…シャンクスに謝ってた。“ウタが傷ついちまってすまねえ”ってな。」

 

「そりゃバンドラのせいじゃねえだろ?」

 

「…どうだかな。ただ、責任を取るのは船長たる俺だ。」

 

低い声でそう言うバンドラ。悲しげな横顔にかかる髪は海風によって揺らされ、朝の空から漏れる日の光がバンドラとルフィを照らす。

 

「大丈夫か?バンドラ。」

 

「うるせえ、ガキはガキらしく自分の心配してろ。」

 

「いてぇッ!?なにすんだッ!!」

 

バンドラはルフィに心配されたのが少し苛立って…そして、少し嬉しくて。その照れ隠しにルフィの額を少しの武装色を纏った指で小突いた。ルフィの額からたらーっと血が垂れる。そこを押さえて喚く様をバンドラはウタと重ねていた。

 

「…お前ら、本当に血ィ繋がってねえんだよな?」

 

「ァア!?血は出てるだろうがッ!!」

 

「…いや、そういう意味じゃねえけども。本当にあの村に居たガキにしては成長したもんだ。」

 

どこ吹く風の如く、バンドラはふぅ…と息を吐いて、そのままタバコを咥える。ジッと新品のマッチを擦り、口元のタバコに火をつける。蒸す煙はそのまま真っ青な空へと立ち上った。

 

「なんだっけ?海賊王になるんだっけか?」

 

「おうっ。海賊王に俺はなるッ!!」

 

先程とは打って変わり、にししと笑うルフィ。バンドラはタバコを咥えながらその様子を見ている。

 

「お前がその先に望むものはなんだ?富か、名声か、それとも…力か?支配か?」

 

「そんなもの要らねえよ。俺が欲しいのは自由だっ。」

 

バンドラの問いに間髪入れずに答えるルフィ。麦わらの一味を一通り流し目で見た後、なるほどと微笑んだ。今回のロビンの一件でバンドラはしかと感じたことがある。

 

「…みんな、テメェに解放されたんだな。過去からもしがらみからも。そして、夢を手に入れに行った。愛するものを守れた。」

 

「ん?なんの話だ。難しい話はわからねえぞ?」

 

小首を傾げてそう言うルフィにバンドラはニヤリと笑い、タバコを地面に放り投げるとそれを足で踏み潰す。そして、ルフィから離れる形で少し距離を置くと、ふぅ…とため息をついた。

 

「海賊麦わらのルフィ。政府の飼い犬七武海バンドラとして、貴様に決闘を申し込む。今、ここで。」

 

「は…ハァァァァ!?」

 

ニヤリと笑いそう言うバンドラにルフィ含めたロビン以外の麦わらの一味は声を上げる。ロビンは額に手を当てて、はぁ…とため息をついていた。天帝の一味はやれやれと呆れているのはレイジュやウタ、困ったように笑っているのがヤマトやモネ、びっくりした顔のビビに涼しげな顔でその様子を見るのがハンコック、カリファ、アインと三者三様。

 

バンドラはファイティングポーズを構えると、そのままルフィを見る。

 

「やだよ!?バンドラを殴りたくなんかねぇッ!!」

 

「あっそ、だが、俺にゃお前を殴る大義名分はあるんだぜ?死ぬも生きるも人の常。まぁ、喧嘩だ喧嘩。ただの殴り合い。…殺すわけでもねえ。」

 

ニヤリと笑うその様にルフィはゆっくりとファイティングポーズを取った。その額からはたらりと汗が流れている。

 

「…ハハ。俺に本気見せてみな、ガキィィ…。俺が実力を見てやる。この先の海、新世界で生きられるかどうかな。」

 

「こ、後悔するんじゃねえぞ!!」

 

相手が敵と認めたルフィはそのままニヤリと笑い、拳を飛ばす。ゴム人間の拳は一直線にバンドラの顔面へ向かってくる。…が。

 

「いよっと!!」

 

単調な攻撃は逆に隙を生む。

バンドラはそれを避け、地面を滑りながらルフィの元へと向かう。

 

「…一体何してるのよ、アイツらは。」

 

ウタはその様子を見て呆れていた。それだけじゃない、隣にいたヤマトがその様子をキラキラとした目で見ていたのも、要因である。

 

「ルフィさんとバンドラさん、急に仲悪くなっちゃって…どうしちゃったのかしら…。」

 

「…多分、そこまで考えてないわよ。あの子もバンドラも。」

 

沈んだような様子のビビの頭をレイジュが撫でて宥める。

 

…目の前ではバンドラがルフィの前へと飛び出ていた。

 

「オラァッ!!」

 

ルフィの顎を狙うように蹴り上げるバンドラ。ルフィはそのまま後ろへと転がっていく。

 

「うぉっ!!なんだ!?」

 

立ちあがろうとするルフィの目の前に急に現れるバンドラ。六式『剃』の勢いでほぼ瞬間移動に近かった。

 

「それは見切ってるぞっ!!ゴムゴムのォォ…『銃乱打(ガトリング)』ッ!!」

 

「ふっ。」

 

バンドラは目の前でクロスして拳を全てガードする。拳の雨が止むのを待ち、止んだ瞬間、ルフィの背後をバンドラが取った。

 

「うおっ!?()()ッ!?」

 

「敵から目を切るなッ!!」

 

バンドラがルフィの頭を海とは逆方向に蹴り飛ばす。ルフィはそのまま転がっていくもののすぐに受け身を取った。

 

「…おい、ぐる眉コック…今の、見えたか?」

 

「…いや、見えねえ。ありゃ、CP9の連中のより…速え。」

 

「ルフィ〜ッ!!絶対勝ってよぉぉ〜ッ!!慰謝料巻き上げるんだからっ!!」

 

ゾロとサンジはお互いに腕を組んで戦況をじっと見ていた。ナミもその様子を見て叫ぶ。…その内容は彼女を象徴するような内容だったが。

 

「くそっ…爺ちゃんにもお前にも勝てる気がしねえ。しかも、全力じゃねえだろ…!?」

 

「…そうだなぁ。友達を傷つけるのは勇気のいる行為だ。だが、この先は何が起こるかわからねえ。…お前は本当に自由をつかみ取れるか?」

 

「ニシシ、やるってんならやるんだよっ!!俺は海賊王になるんだっ!!仲間の夢も俺の夢も全部叶えるっ!!だから、海賊やってんだっ。」

 

「…悪くねえ答えだ。」

 

首を鳴らしてバンドラは息を吐く。

そのままバンドラはその場を後にしようと歩き出した。その時だった。バンドラの元へ何者かが駆け寄ってくる。

 

「大変だァァァッ!!天帝様ッ!!泥棒だ、泥棒っ!!」

 

「…泥棒?」

 

その人物はエニエスロビーに共に行ってくれた船大工パウリーだった。慌てた様子のパウリーは周りにいる女どもを見ないようにしながらバンドラを見る。

 

「ルエノルーヴ号に泥棒が入ったッ!!今、船大工と海軍で包囲してるッ!!女の泥棒だッ!!」

 

「…ほう。()()泥棒ね。」

 

「…絶対、女に食いついたね。バンドラ…。」

 

ニヤリと笑ってそう言うバンドラにヤマトはジトーとした目を向ける。バンドラはゆっくりと歩き、ルフィに背を向ける。

 

「ルフィ。一緒に出るつもりだったんだが、ここでお別れみてえだな。お前達にゃお前達の、俺たちにゃ俺たちの冒険がある。また会おうぜ。その時は…敵か、味方か。」

 

そう言ってバンドラは首だけで振り向く。ルフィは歯を見せてニシシと笑い、おうと答えた。バンドラは手を上げて、別れの挨拶をするとそのバンドラに天帝の一味もついていくのだった。




バンドラ対ルフィはいつか書きたいんだけどね。本気のやつ。で、女泥棒ですよ。一応、アイン、ハンコック、ビビ、スムージーは違うからね。仲間だけど天帝海賊団には入ってないから。バンドラを船長として持つのは、ヤマト、ウタ、モネ、シュガー、レイジュ、カリファだからね。スムージーは捉え方によってはだけど。

で、協力者がカイドウさんとその一味、ビッグマムとその一味です。カタクリとキングさんがおもですな。あの二人、なかなかに苦労人。

女しか入ってないでしょ?
大丈夫です。男の人も入ります。しかも、メチャクチャかっこいい人。ただその人、結構…どうしようもない感じする。そこは未来の僕に任せよう。単純に意見を聞きたいですな。では。
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