燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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まじめな回です。


第193話

「……なんで、俺がこいつらを迎えに行かなきゃいけねえんだ。」

 

「仕方ないでしょ。スモーカーくん。…当の本人がスモーカーくんとガープ中将のどちらかを出せっていうんだから。」

 

…エレジアへと迎えに来た海軍の船。その甲板には海軍准将となったスモーカーと大佐たるヒナ、そして、その船の指揮官たるモモンガがいた。

 

「全く、相変わらずね。バンドラくんは。」

 

「…数週間のよしみだ。別に何の感情も湧かねえ。…ただ、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

スモーカーが葉巻を咥えながら、そうポツリと呟いた。何気につぶやいたその一言にヒナがクスリと笑う。

 

「何笑ってやがる…。」

 

「ふふ。いえ、ただ、ちゃんと見てるのね。ヒナ関心。」

 

「うるせェッ!!」

 

…ヒナも何気なく放った一言だったが、十分とスモーカーの神経を逆撫でする結果となった。スモーカーが青筋を立てて叫ぶ。

 

「もうっ。叫ばないでよ。ヒナ激怒。…とはいえ、貴方の前以外ではああだったわよ。女の子を守るって騎士道はお鶴中将にバッチリ仕上げられたらしいわね。彼こそが海軍期待の4中将の叩き上げだった。」

 

「ハンッ。…それが今や海賊モドキになっている。…上は何を「スモーカーくんッ!!」…。」

 

スモーカーが何かを言おうとしたときだった。

ヒナが真面目な顔で叫び、紡がれる言葉を静止した。

 

「…それ以上はいけないわ。どうなるかわかったものじゃない。」

 

「ふんっ。」

 

それ以降、スモーカーがバンドラの話をすることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方方をマリンフォードへお連れする理由とそれに至った経緯ですが…。」

 

船内ではたしぎが話を始めていた。スモーカーのいない中でのはじめての大仕事。手に取った書類をもとに少し緊張しながらも手に力を入れて落とさないように見ていた。

 

…目の前にいるのが我儘の権化(ハンコック)気まぐれの権化(バンドラ)であること以外は完璧だった。それ以外は。

 

「旧七武海サー・クロコダイルの陥落と悪事の漏洩により、七武海の除名。現在はインペルダウンレベル6へ収監され…。」

 

「もっと強く。」

 

「はいはい…。」

 

…案の定、バンドラとハンコックはたしぎの話を聞いていない。というのも、グイグイと来ているのはハンコックである。狭い船内、二人っきりという状況。椅子をひとつも隔てず、隣の席というのもそれを誘っている要因であった。

 

バンドラの方へ寄り掛かり、その太い腕に腰を抱かれるハンコックにとってたしぎは見えていない。…人に見られるのは恥ずかしいが、それを感じていないほどハンコックの脳は麻痺していた。よほどバンドラを長期間独り占めできるのが嬉しかったと見れる。

 

「もっとじゃ、近う寄れ。」

 

「あん?これ以上寄ると…。」

 

「ちょっとッ!!真面目に聞いてくださいッ!!」

 

これ以上寄ると頬も当たり、ほとんどキスに近い…いや、殆どキスになる。人前でのそれがハンコックが耐えられるのかとバンドラは危惧していたが…我慢しかねたたしぎが叫ぶ。そのたしぎにハンコックが示した視線は…絶対零度だった。

 

「…なんじゃ、お主は。妾の楽しみを邪魔するような奴は女でも容赦はせぬぞ?」

 

「こらこら、そんなこと言うんじゃない。海軍もこれが仕事なんだから。」

 

「じゃ、じゃがの?…せっかくぅ…鬼姫やら歌姫やら何やらのおらぬ時間でお主と二人っきりになれるなど…その…き、貴重じゃろ?」

 

たしぎは空いた口が塞がらなかった。

先程の毅然とした冷酷な睨みこそがかの海賊女帝の本来の姿なのだろうが…現在のハンコックに先程までの覇気は無い。たしぎの目の前に居るのはバンドラに抱かれ、膝を立てながら両方の人差し指をくいくいと付き合うそんな…まるで恋焦がれる乙女のようなウブな姿だった。

 

「まぁ、俺たちにとってこの後、関係ある話になるかもしれねえじゃねえか。な?」

 

バンドラがそう言ってウィンクをする。

ハンコックはその様子にむーっと口を摘んで頬を膨らましていたが、バンドラが言うのならとそれ以上は苦言を呈すのをやめた。たしぎが少しぽかんとしていたが、咳払いをして話を続ける。

 

「今話題のルーキー麦わらのルフィにより、七武海の席に穴が開きました。海軍本部、世界政府と致しましては、強力な戦力となる七武海の穴は即塞ぐべきと判断し、先日、七武海『暴君』バーソロミューくま、『鷹の目』ジュラキュール・ミホークを交え、会議を行いました。その結果、乱入者たる保安官風の男により、会議は終結することに。」

 

「…ほう。」

 

たしぎの言葉に先程までふざけていた二人の目つきが変わる。鷹の目がのうのうと会議に出たことは驚きだが、それ以前に七武海が入れ替わるという。…勿論、ただ聞き逃すわけにもいかない。

 

「その名は黒ひげ。」

 

「…聞いたことのない名前じゃのう。白ひげなら知っておるが…。」

 

「此方は異名…と言っても自称ですが。本名はマーシャル・D・ティーチ。」

 

「ッ!?」

 

バンドラはその言葉に目を見開いた。

それに気づいてか、気づかずか。たしぎは淡々と話を進める。

 

「なお、懸賞金額は0ベリー。実力を測るものではないとはいえ、此方は異質です。その為、実力者たる七武海と海軍元帥を交え、その人物についての会議をと。それがアナタ方をマリンフォードへお連れする理由になります。」

 

「…おい。」

 

「…はい?」

 

「その名前に間違いはないんだな?」

 

バンドラの疑問に肯定を返すたしぎ。

それならいいとバンドラは顎に手をやり、考え込む。

 

「…どうかしたのか?」

 

心配そうにバンドラを見るハンコック。美麗の彼女の目にバンドラはふっと微笑み、その頭を一撫でした。頭に当たる感覚にハンコックは目を少し閉じる。

 

「別に何もないさ。…ただ、その男と俺ァ知り合いでね。」

 

「…どういう男なのです?」

 

「あぁ…。マーシャル・D・ティーチは四皇白ひげこと、エドワード・ニューゲートの船員()()()男だ。」

 

その言葉にたしぎとハンコックも表情を変える。少し驚いたような…そんな顔を見て、バンドラは話を進める。

 

「白ひげは俺も親父と慕う…偉大な男だ。そんな男が船員たちを『息子』と呼び、家族のように慕う裏で禁止していることがある。…仲間殺しさ。」

 

白ひげ曰く、自身の元々乗っていた船は仲間殺しの絶えない船だった。その為、嫌気がさしたのだろう。自身の船では仲間殺しの禁止を徹底し、破ったものは親父の逆鱗に触れ、永遠に目を覚ますことができなくなった。

 

しかし、その懐の大きさからか、白ひげの船員は有無を言わず、そのルールに従った。船員たちも長く苦楽を共にした仲間を殺すことは耐え難いものだからである。

 

「…だが、黒ひげという男は白ひげに秘密裏に仲間を集め、虎視眈々と潜み…遂に白ひげの幹部たる4番隊隊長サッチを殺したという。その知らせが昨夜、会った。…赤髪からな。」

 

「ちょ、ちょっと!?待ってくださいッ!!アナタは一体、何人の大海賊と…!!」

 

たしぎの頭はパンクしそうになっていた。

前情報では天帝バンドラは世界最強生物と言われる百獣のカイドウと繋がりを持ち、エレジアではビッグマム海賊団の船員たちの跋扈が確認されている。その上に四皇白ひげ、赤髪のシャンクスとも繋がりを持っているというのだ。元帥センゴクが頭を抱え、『天帝はいつ四皇と認められてもおかしくない』と言っていたのも納得である。

 

「さあね。…ただ、ティーチは面倒な相手だ。アイツと白ひげ海賊団が一戦交えればまず勝てない。なんたってアイツは…白ひげ海賊団の内情を全て知っているんだからな。俺は迷いなく反対するね。あんな危険分子は七武海に置いておくと大変なことになる。」

 

「では、妾も反対じゃ。…よし、この話は終わりじゃっ。天帝、続きをするぞっ!!」

 

「…お前なぁ…。」

 

むふふと笑うハンコックの頭を撫でるバンドラ。その顔は呆れた笑顔を示していた。ハンコックは満足げに目を細めるとそのバンドラの身体に抱きつく。たしぎははぁ…と肩を落とし、ため息を吐くことしかできなかった。




ね?真面目にイチャイチャしてるでしょ?そゆことです。

取り敢えず次回は設定書きましょうかね。そこで初だし情報とかもあるし。では。

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